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Jan 28-29, 2012 [Clipping News]
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1.インフル感染者急増=高齢者割合、昨年の倍―A香港型が8割超・国感研
2.インフル患者、推計111万人 休校・学級閉鎖は3千超
3.福島県、18歳以下医療費無料化を独自実施へ
4.協会けんぽの保険料率、全地域で上昇 26道府県で2ケタ台
5.診療所へ「逆紹介」拒否なら負担増 13年4月から
6.禁煙しない病院は診療報酬減 厚労省、徹底へ方針
7.胃ろう中止も選択肢に 終末期医療の原則、学会が改定
8.子どものうつぶせ寝に注意 保育施設で死亡の8割占める
9.<スマホ>京大とNTT、リウマチ症状計測のアプリを開発
10.[医療解説] 下咽頭の早期がん… 内視鏡手術 喉の機能温存
11.トイレの回数増える過活動膀胱 薬や生活指導で改善
12.IV Acetaminophen Linked to More Child Overdoses
13.Too Much Fructose Sweetener Tied to Heart Risks in Teens
14.Experts Offer Tips on Avoiding iPad-Linked Shoulder, Neck Strain
15.Statins May Stave Off Liver Cancer in People With Hepatitis B
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1.インフル感染者急増=高齢者割合、昨年の倍―A香港型が8割超・国感研
時事通信社2012年1月28日
インフルエンザの感染者数が急増している。国立感染症研究所が全国約5000の定点医療機関から集計した22日までの1週間の感染者報告数は1医療機関当たり22.73人で、前の週の7.33人の3倍超となった。推計値では、60歳以上の高齢者の割合が昨シーズンの2倍と増加が目立つ。同研究所は「予防にはワクチン接種が最も有効。うがい、手洗いを励行し、人混みではマスクを着けるなどの対策も必要」としている。
同研究所によると、今シーズンのインフルエンザ報告数が増え始めたのは昨年10月中旬から。今月22日までの1週間では、感染者の約84%はA香港型ウイルスと診断された。同型ウイルスの流行は5年ぶり。
定点医療機関からの報告を基に、受診した全国の患者数を推計すると、同日までの1週間で約111万人。14歳以下が61.2%を占めるが、若年層は抵抗力の弱さや学校生活で感染が広がりやすいことなどから、例年感染者の中で大きな割合になる。一方、60歳以上の高齢者が占める割合は8.1%。昨年同時期は4%だったため大幅に増えた形だ。
2.インフル患者、推計111万人 休校・学級閉鎖は3千超
共同通信社2012年1月28日
予備校に掲示されたインフルエンザ予防を呼び掛ける張り紙=名古屋市千種区
厚生労働省は27日、16~22日の1週間に医療機関を受診したインフルエンザ患者が全国で推計約111万人になり、休校や学年・学級閉鎖をした保育所や幼稚園、小中高校などは前年同期の1・26倍となる計3294校に上ったと発表した。
国立感染症研究所の集計によると、この1週間に全国約5千の定点医療機関から報告された患者数は1機関当たり22・73人で、前週(7・33人)の約3倍に急増した。これらの報告を基に全体の患者数を推計した。
年代別では5~9歳が約31万人(約28%)と最多だが、60歳以上が約9万人(約8%)で、前年同期の約4%と比べて高かった。
3.福島県、18歳以下医療費無料化を独自実施へ
読売新聞社2012年1月29日
政府は28日、東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて福島県が求めていた18歳以下の医療費無料化の見送りを県側に伝えた。
原発事故の影響を受けている他県とのバランスを考慮したためだ。ただ、政府は県が創設する新たな基金に400億円を拠出することを決め、県は医療費無料化の制度を独自に導入する方向となったため、事実上、国が「穴埋め」をした形だ。
医療費無料化は、福島県が原発事故に伴う県民の健康不安を背景に国に要望してきた。野田首相は今月8日の佐藤知事との会談で、「政府内でしっかり検討したい」と前向きな意向を示していた。
しかし、政府内で検討した結果、「福島県だけに無料化を認めれば、原発事故で同様の健康不安を抱える隣県などから批判が出かねない」との懸念が強まった。県外の一部地域では、福島県内より放射線量が高い地域があるためだ。「原発事故と無関係の病気の診察まで無料化するのは説明がつかない」との意見もあり、最終的に首相は国民理解が得られないと判断した。
4.協会けんぽの保険料率、全地域で上昇 26道府県で2ケタ台
日本経済新聞社2012年1月28日
中小企業など自社の健康保険組合をもたない企業の従業員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の2012年度の保険料率が27日まとまった。すべての都道府県で保険料率が上昇し、26道府県で初めて2桁となった。高齢者医療への拠出金が増え続ける一方、保険料のベースとなる加入者の給与が減少しているためだ。全国平均は前年度より0.5%高い10.00%で3年連続の上昇となった。
保険料率が高いのは佐賀(10.16%)、北海道(10.12%)、福岡(10.12%)など。高齢者の長期入院が多く医療費が高いとされる地域が並んだ。相対的に低いのは長野(9.85%)、新潟(9.90%)、静岡(9.92%)だった。
保険料率が最高の佐賀と最低の長野の差は0.31%。11年度の0.21%よりも格差が広がった。協会けんぽの保険料率は09年10月に全国一律から都道府県別に切り替わった。格差拡大を抑えるための激変緩和措置があるが、この措置が年々緩められているため、医療費の違いが保険料率に反映しやすくなっている。
全国平均の保険料率でみると、年収400万円の加入者の場合、保険料負担(本人分)は年間で1万円程度増える見通し。企業にとっても同額の負担増になる。
協会けんぽはこれ以上の保険料率の上昇を避けるため、平均収入の高い健康保険ほど負担が重くなる「総報酬割」の拡大や、国庫補助の引き上げを求めている。ただ、総報酬割の拡大には負担増となる大企業に慎重論があり、実現できるかは不透明な面がある。
◆協会けんぽ「平成24年度の保険料率の見通しについて」
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/13,90960,97,154.html
◆宮城支部
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/13,90904,75,132.html
5.診療所へ「逆紹介」拒否なら負担増 13年4月から
日本経済新聞社2012年1月29日
厚生労働省は大病院から診療所などに紹介されたのに、大病院での診療を希望する軽症患者に対し、自己負担を重くする措置を2013年4月から導入する。健康保険から病院に払う外来診療料(700円)を大幅に下げ、その分を病院が患者に請求するように促す。大病院に通う軽症患者を中小病院や診療所に誘導し、病院勤務医の負担軽減につなげる。
紹介状を持たずに大病院に訪れた患者の負担を増やす措置の導入をすでに決めている。今回の措置は、大病院から診療所への紹介(いわゆる逆紹介)を断る患者を減らすことを狙ったものだ。
いずれも12年度の診療報酬改定で決めるが、実施は13年4月からとする。
6.禁煙しない病院は診療報酬減 厚労省、徹底へ方針
朝日新聞社2012年1月29日
子どもの患者や、呼吸器疾患や生活習慣病などの大人が通う病院・診療所について、厚生労働省は、屋内を全面禁煙にしていない場合は診療報酬を減額する方針を固めた。禁煙化を徹底するための誘導策だ。時期は検討中だが、2012年度中にも実施する見通し。
厚労省によると、屋内が全面禁煙の病院は、08年時点で全体の63.8%。残る35%は喫煙室などを設ける分煙で対応している。成人の約23%(09年)を占める喫煙者にも、一定の配慮をしているとみられる。
厚労省は10年2月、「受動喫煙の健康への悪影響は明らか。公共の場は原則、全面禁煙であるべきだ」との通知を自治体に出した。昨年には同省の補助を受けた研究報告でも、「人の出入り時に喫煙室から煙が漏れる」「喫煙者の肺に残った煙が徐々に吐き出される」といった理由から、「分煙では受動喫煙を防げない」との指摘があり、特に患者が集まる医療機関には、診療報酬を使って全面禁煙を促すことにした。肺がんなどのリスクを減らし、医療費抑制をはかる。
7.胃ろう中止も選択肢に 終末期医療の原則、学会が改定
朝日新聞社2012年1月29日
胃ろうの仕組み
高齢者の終末期医療とケアについて、日本老年医学会は28日、胃に管で栄養を送る胃ろうなどの人工栄養や人工呼吸器の装着は慎重に検討し、差し控えや中止も選択肢として考慮するとの「立場表明」をまとめた。最新、高度な医療をすべて注ぎこむことは必ずしも最善の選択ではないと判断した。表明の改定は11年ぶり。
終末期医療の手続きなどを定めた法的ルールはない。この立場表明にも拘束力はないが、高齢者医療に携わる医師が治療方針を考える際の基本原則とするもの。具体的な手順などを定めたガイドライン(指針)を作る際のもとになる。
まず、高齢者の終末期における「最善の医療およびケア」を「必ずしも最新もしくは高度の医療やケアの技術すべてを注ぎこむことを意味するものではない」と明記。高齢者の心身の特性に配慮し「残された期間の生活の質(QOL)を大切にするものだ」との考えを示した。
その上で、高齢者が最善の医療およびケアを受ける権利の一環として「(おなかに穴を開け、管を通して水分や栄養剤を胃に送る)胃ろう造設を含む経管栄養や気管切開、人工呼吸器装着などの適用は慎重に検討されるべきだ」と指摘した。具体的には「本人の尊厳を損ねたり、苦痛が増えたりする可能性があるときは、差し控えや撤退を考慮する必要がある」と記した。
8.子どものうつぶせ寝に注意 保育施設で死亡の8割占める
朝日新聞社2012年1月29日
2011年に保育所などの保育施設で14人の子どもが亡くなり、うち11人が発見時に「うつぶせ寝」の状態だったことが、厚生労働省の調査でわかった。死亡との因果関係は不明だが、うつぶせ寝は、赤ちゃんが睡眠中に突然亡くなる乳幼児突然死症候群(SIDS)などのリスクを高めるとされ、同省は注意を呼びかけている。
厚労省が27日に全都道府県の報告をまとめた。うつぶせ寝だった11人の年齢は、0歳児が6人、1歳児が3人、2歳児が2人。11人のうち10人は認可外の保育施設に入っていた。子ども1人当たりに置く保育士の基準がなく、一部の施設で配置が手薄になっていることなどが背景にあるとみられる。
厚労省によると、「うつぶせ寝にすると泣きやむ」、「仰向けに寝かせた後、寝返りを打ったことに気づかなかった」などの理由で、赤ちゃんが長時間うつぶせ寝になるケースが多いという。
9.<スマホ>京大とNTT、リウマチ症状計測のアプリを開発
毎日新聞社2012年1月28日
リウマチ患者の機能を測定できるアプリ=京都市左京区の京都大病院で、2012年1月27日午後2時29分、榊原雅晴撮影
スマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)で関節リウマチ患者の症状の変化を日常的に計測するアプリケーションソフト(アプリ)を京都大医学部付属病院(京都市)とNTTの研究所が共同開発した。来月から患者にスマホを外出時に携帯してもらい、実証実験をする。治療やリハビリの方針決定に役立つという。
関節がこわばったり変形したりする関節リウマチの国内患者は、約60万人といわれる。日常生活での動きを把握することが重要だが、短時間の問診では困難となっている。
新しいアプリは、スマホの加速度センサーやGPS(全地球測位システム)機能を利用。スマホをベルトに装着しておけば、歩行時の体のバランスの変化や移動距離を自動的に測定し記録する。またどの関節に痛みがあるかや、体調の変化などを本人が簡単に入力できる。データは病院のコンピューターに蓄積され、主治医がいつでも確認できる。
実験は20~30人を対象に約2カ月間行う。同病院リウマチセンターの伊藤宣(ひろむ)准教授(整形外科)は「時系列で体の機能の変化を知ることで、治療の効果が確認しやすくなり、生活の質向上につながる」と話している。
10.[医療解説] 下咽頭の早期がん… 内視鏡手術 喉の機能温存
読売新聞社2012年1月29日
喉の奥で食道につながる部分にある下咽頭のがんは、検査機器の改良によって、早期に見つかるケースが増えた。治療後の患者の生活の質を保てるよう、口から手術器具を入れ、がんを切り取る手術が行われ始めている。
【図の拡大】http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=264&reqId=53534
口から挿入、電気メスで
下咽頭は、喉頭にふたをする喉頭蓋の付け根から食道の上端までの間の、粘膜に覆われている部分だ。がんは喫煙や飲酒の影響を強く受け、60歳以上の男性に多い。
早期ではあまり自覚症状がなく、がんが大きくなったり首のリンパ節に転移したりした進行がんの状態で見つかることが多い。そのため比較的治りにくいがんの一つだ。
進行がんの手術では、首を外から切開してがんを切除する。完全にがんを取り除くために、声帯がある喉頭や首のリンパ節なども切除し、代わりに小腸の一部を移植して食物の通り道を作り直すのが一般的だ。
手術後は、首に開けた気管の穴から呼吸を行う。喉頭を切除した場合、食道の粘膜をふるわせる発声法(食道発声)もあるが、習得は難しい。
しかし近年、太さが6ミリ未満と細く鼻の穴から入れるタイプの経鼻内視鏡が普及。患者の苦痛が少なく丁寧に下咽頭を見ることができるようになり、がんが粘膜の表層にとどまる早期がんの発見が増えた。
早期がんに対しては一般的に、抗がん剤と放射線による治療(化学放射線療法)が行われている。進行がんの手術と異なり、喉は残せるが、副作用で味が感じられなくなったり、喉の腫れや唾液の不足で食べ物を誤ってのみ込んだりする誤嚥を起こしたりする心配がある。
そこで、口から入れたレーザーメスや電気メスで、がんを切除する治療が行われている。東京都文京区の東京医科歯科大医学部病院頭頸部外科(耳鼻咽喉科)は2005年から、口からの手術を行っている。下咽頭がんは、2~3割が食道がんと一緒に見つかることもあり、4年前からは食道・胃外科と共同で手術を実施している。
耳鼻咽喉科で主に使う湾曲型喉頭鏡で喉頭を押し上げると、食道に通じる入り口が広がり、下咽頭が見えやすくなる。がんは食道・胃外科で使用している内視鏡で見ながら、電気メスで切除する。
同大講師の杉本太郎さん(耳鼻咽喉科)は「再発したとしても、早期ならばまた同じ方法で切り取ることができる。化学放射線療法を最後の手段として残しておけるのも利点です」と話す。これまで口からの手術数は約50件で、95%が生存しているという。
下咽頭より上の中咽頭のがんにも、口からの手術が可能だ。上咽頭がんには化学放射線療法が治療の主体となっている。
同大頭頸部外科教授の岸本誠司さんは「口からの内視鏡手術が、早期の咽頭がん治療の選択肢として加わった。大学病院、がん専門医療機関などが中心となって研究会を作り、喉の機能をできる限り温存する治療法を研究している」と話している。
11.トイレの回数増える過活動膀胱 薬や生活指導で改善
日本経済新聞社2012年1月29日
トイレに急に行きたくなり我慢できなくなる。時には漏らしてしまう。こんな場合は膀胱の尿をためる機能が低下して起こる「過活動膀胱」の可能性がある。40歳以上の日本人の約1割がこうした症状でいやな思いをしているとみられる。特に肌寒い冬はトイレに行く回数も増える。薬や体操で症状改善が期待できるので、年のせいだとあきらめないようにしたい。
膀胱は300~400ミリリットルの尿をためることができる。通常は150ミリリットルを超えるころから尿意を覚えるが、過活動膀胱の患者では100~200ミリで我慢できないと感じる「尿意切迫感」が表れる。「突然尿意をもよおすので尿漏れを予防しようがない」と京都大学の吉村耕治准教授はこの病気の悩みを説明する。
外出控えがちに
急な尿意に何度も襲われ、トイレに駆け込む回数が増える。「漏らしたらどうしよう」という不安感が大きくなり、外出を控えがちになることも少なくない。就寝中にトイレに行く回数が増えると、睡眠不足に陥る場合もある。命には直接かかわらないが生活の質の著しい低下を招く。
この病気は中高年に多く、加齢が影響していると考えられるが原因は完全に解明されていない。最近の研究では生活習慣病との関連も分かってきた。京大は2008~09年に滋賀県長浜市の約9500人の住民を対象に疫学調査を実施。男性では健常者に比べ、糖尿病の人は1.7倍、高血圧だと1.9倍、過活動膀胱になるリスクが高かった。女性ではメタボリック症候群だとリスクは約2倍になった。
患者にみられる主な異常は次の2つだ。一つは膀胱の「排尿筋」の異常だ。尿は排尿筋が収縮し、尿道括約筋がゆるんで膀胱から排出される。患者ではこの仕組みに異変が起こり、排尿筋がけいれんするようになる。この結果、収縮してはいけないときに縮んでしまうという。一方、膀胱の収縮を命令する神経系統のメカニズムが何らかの理由でおかしくなってしまうこともある。
過活動膀胱の症状改善には薬でこうした収縮を抑える治療が一般的。「抗コリン薬」は排尿筋の緊張を和らげ症状を改善する。ただ、この薬には尿を出そうとする力が弱くなる側面もある。男性患者にはやっかいな問題を引き起こすこともある。男性は高齢になると前立腺が肥大し、尿が出にくくなりがち。「過活動膀胱と前立腺肥大症との治療の兼ね合いが出てくる」と京大の吉村准教授は指摘する。
昨年9月には新薬も出た。アステラス製薬が発売した「ミラベグロン」(一般名)。排尿筋にある特定の受容体たんぱく質を刺激し膀胱をリラックスさせ、尿をためる機能を高める。排尿筋の正常な収縮機能には影響しないため、尿が出にくくなるといった副作用は軽減が期待できる。ただ、ラットを使った動物実験では生殖機能への影響が認められた。このため、これから子供を持とうと考えている患者には「投与はできる限り避ける」という警告がこの薬の添付文書には記されている。
毎食後に体操
国の保険は適用されないがボツリヌス毒素を使った治療も東京女子医科大学付属青山病院(東京・港)など一部で実施している。これは、まぶたが下がって視野が狭くなる「眼瞼けいれん」などの治療に使う毒素を膀胱に数十カ所注射する。効果が半年から8カ月ほど続くという。同病院では1回の治療費負担が15万7500円だ。「高齢者になると複数の薬を飲む人が増え、飲み合わせの問題が出てくる。この治療はそうしたややこしさから解放される利点がある」と国立長寿医療研究センターの岡村菊夫手術・集中治療部長は話す。
薬以外の方法で症状をある程度改善できるケースもある。京大の吉村准教授は投薬治療の前に「膀胱訓練」という生活指導をする。尿意をもよおしてから10~15分、トイレに行くのを我慢する方法だ。国立長寿医療研究センターの岡村部長は「骨盤底筋体操」を勧める。お尻の穴をおなかの中に引き込むように、締めたり緩めたりする動作を繰り返す。毎食後などに10回ずつやるのが一例だ。座るか、寝転んだ姿勢でやると意識しやすい。体操を実施した女性で効果を確認したデータもあるという。
おしっこのことは恥ずかしいとためらわずに、症状が表れたら専門家を訪ねてみるのがよいだろう。
12.IV Acetaminophen Linked to More Child Overdoses
Confusion can arise over measurement guidelines, experts warn
HealthDay News2012年1月27日
Following the U.S. Food Drug Administration's approval last year of an intravenous formulation of acetaminophen for fever and pain in a hospital setting, researchers warn that use of the preparation could lead to serious overdoses, particularly among the youngest patients.
The problem: There is confusion over measurement guidelines -- milligrams vs. milliliters, to be specific -- that can result in the accidental administration of doses that are up to 10 times more than the proper amount.
"This product would be given in a health care facility," said study co-author Dr. Richard Dart, from the Rocky Mountain Poison and Drug Center at Denver Health in Colorado. "And thus, the overdose ends up being from a miscalculation by a health care provider."
"In theory, the risk to the child is that they could develop serious liver injury," Dart added. "Liver injury is avoided if the overdose is detected and the antidote [acetylcysteine] is administered within several hours. [But] the challenge in the case of an intravenous overdose is that the medication error needs to be detected by the health care provider because it doesn't produce identifiable symptoms," apart from nausea and vomiting.
Dart and his colleague, Dr. Barry Rumack, discuss their concerns in the February issue of Pediatrics.
The authors noted that dosages of IV-administered acetaminophen are calculated in milligrams, mixed at a ratio of 10 milligrams of the drug for every one milliliter of a non-drug solution. Problems arise if and when that drug ratio is improperly executed.
Since it came on the global market a decade ago, the IV option has been very popular, with roughly 500 million doses having already been distributed to patients of all ages worldwide.
The FDA approval, however, restricted the drug's use to American patients above the age of 2. But, given the inherent difficulty in administering oral versions of the drug to pediatric patients, the authors cautioned that so-called "off label" use of the drug among very young Americans is pretty much inevitable.
Despite the fact that overdosing (pediatric or otherwise) has not yet been widely reported in the United States, the authors pointed to dozens of pediatric overdose cases in Britain and elsewhere across Europe (most involving children under the age of 1).
Dart and Rumack advised that hospitals using IV acetaminophen work with pharmacy and nursing staff to raise awareness of the overdose dangers. They also suggest that clinicians watch for accidental poisonings and report overdoses.
"This type of error is unfortunately common in medicine, and affects many drugs," said Dart, who also works in the department of emergency medicine at the University of Colorado School of Medicine. "I think the wisest way of avoiding the problem is to make sure that all orders written in a hospital are reviewed by a pharmacist before they are implemented. This markedly reduces the opportunity for error."
Frank Federico, a pharmacist and executive director of the Institute for Healthcare Improvement in Cambridge, Mass., believes "there are ways to ensure or at least improve the safety of drug administration in a hospital setting for pediatrics."
"For example, when you have a drug like this one that is ordered in milligrams but administered in milliliters you need a good safeguard and system that ensures that the conversion is simple and easy to do," he said. "And so you have computers do the math for you, rather than a person. You eliminate human error and you use clearly printed labels."
Federico, who once served as director of pharmacy at Children's Hospital Boston, suggested that it is possible to put in place a labeling protocol that is straightforward and allows for multiple checks.
"Our labels listed the concentration of the product, with the most basic ratio in there," he noted. "It was clear. And that way not only was the technician who was preparing the product clear on how much liquid was necessary, but so were the pharmacists who would check and the nurses who would check."
Parents should also not be afraid to ask hospital staff to double check the dosing. "Asking is always appropriate," he added.
More information
For more on medication errors, visit the U.S. Food and Drug Administration.
SOURCES: Richard Dart, M.D., Ph.D., Rocky Mountain Poison and Drug Center, Denver Health, and department of emergency medicine, University of Colorado School of Medicine, Denver; Frank Federico, RPh, pharmacist and executive director, Institute for Healthcare Improvement, Cambridge, Mass.; February 2012 Pediatrics
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=660927
13.Too Much Fructose Sweetener Tied to Heart Risks in Teens
Study finds high consumption associated with early signs of diabetes, other health issues
HealthDay News2012年1月27日
Teens who consume large amounts of the food and beverage sweetener fructose show evidence of cardiovascular disease and diabetes risk in their blood, a new study finds.
Fructose is found in fruits, while a form of fructose -- high-fructose corn syrup -- is widely used in processed foods and beverages. It's believed that adolescents' growing bodies crave the strong sweetener and food and beverage companies' advertising often targets young consumers, according to the Medical College of Georgia researchers.
Their study of 559 teens aged 14 to 18 found that diets high in fructose were associated with higher blood pressure; diabetes-related measures such as higher fasting glucose and insulin resistance; and inflammatory factors that contribute to heart and vascular disease.
Teens who consumed large amounts of fructose also tended to have lower levels of cardiovascular protectors such as HDL ("good") cholesterol and the protein adiponectin.
The connection between consuming lots of fructose and cardiovascular risk factors was even more pronounced in kids with excess belly fat, which is another known risk factor for cardiovascular disease and diabetes, said the study in the February issue of the Journal of Nutrition.
"It is so very important to provide a healthy balance of high-quality food to our children and to really pay close attention to the fructose and sucrose they are consuming at their home or anyone else's," study co-first author Dr. Vanessa Bundy, a pediatric resident, said in a college news release.
"The nutrition that caregivers provide their children will either contribute to their overall health and development or potentially contribute to cardiovascular disease at an early age," she added.
The best way for parents and caregivers to encourage healthy nutrition among teens is to be good role models, Bundy said.
More information
The American Academy of Pediatrics has more about teens' nutritional needs.
SOURCE: Medical College of Georgia, news release, Jan. 24, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=661071
14.Experts Offer Tips on Avoiding iPad-Linked Shoulder, Neck Strain
Users should not keep tablet computers such as iPad or Xoom on their laps, small study suggests
HealthDay News2012年1月27日
If working with your iPad or other tablet computer gives you shoulder or neck pain, there are ways around it, a new study suggests.
Researchers from Harvard School of Public Health, Microsoft Corp. and Brigham and Women's Hospital say this type of pain can be avoided if people do not use the tablet while it's resting in their laps, and by using cases that offer higher viewing angles.
The findings appear in the journal Work: A Journal of Prevention, Assessment, and Rehabilitation.
"Compared to typical desktop computing scenarios, the use of media tablet computers is associated with high head and neck flexion [flexed] postures, and there may be more of a concern for the development of neck and shoulder discomfort," lead investigator Jack Dennerlein, of the Department of Environmental Health, Harvard School of Public Health, and Brigham and Women's Hospital, said in a journal news release.
For the study, his team asked 15 experienced tablet users to complete certain tasks, such as surfing the Internet, reading, playing games, watching movies and emailing, with two types of tablet devices -- an Apple iPad2 and a Motorola Xoom.
All the tablets had a proprietary case that allowed it to be tilted up for use at a low or high angle. (The Apple Smart Cover offers tilt angles of 15° and 73°, and the Motorola Portfolio Case enables tilt angles of 45° and 63°.)
The participants positioned their tablets in various ways, such as in their lap and on a table at various angles, to test how the configurations affected their neck and shoulders.
The researchers found that the iPad2 case design forced participants' head and neck into more flexed postures. For both tablet devices, head and neck flexion angles were greater than those associated with desktop or notebook computers.
When used on a table at their highest angle, however, users' postures become more neutral. The study's authors concluded when using tablets, people should place the devices on a table at a steep angle -- not in their lap -- to avoid looking down.
However, there was a caveat: The researchers noted that this position may not be ideal if users perform a task that requires input with their hands. They believe more studies are needed to determine how tablet positioning could affect arms and wrists.
"Our results will be useful for updating ergonomic computing standards and guidelines for tablet computers. These are urgently needed as companies and health care providers weigh options to implement wide-scale adoption of tablet computers for business operations," concluded Dennerlein.
Two of the study's authors are employees of Microsoft, a partial funding source for the study. These researchers did not contribute to the analysis and interpretation of the results.
More information
The U.S. National Institutes of Health provides more information on shoulder pain.
SOURCE: IOS Press, news release, Jan. 25, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=661170
15.Statins May Stave Off Liver Cancer in People With Hepatitis B
Study found lower risk of developing disease for people taking these cholesterol-cutting drugs
HealthDay News2012年1月27日
Popular cholesterol-lowering statins may also lower risk for liver cancer among people with hepatitis B, a new study shows. Hepatitis B, an inflammation of the liver due to the hepatitis B virus, is one of the main causes of liver cancer.
This is not the first time that statins have shown promise in reducing risk for cancer. Other studies have hinted that these drugs may play a role in preventing certain types of cancer, including breast cancer.
In the new study of more than 33,000 individuals with hepatitis B followed from 1997 to 2008, those who took a statin were less likely to develop liver cancer, when compared to participants who were not prescribed statins. What's more, the longer a person took statins, the greater the liver-cancer risk reduction. Study participants were prescribed the statins to treat high cholesterol levels. Overall, 1,021 people developed liver cancer during the study period.
More research is needed to see how statins may lower liver cancer risk among people with hepatitis B, the researchers said.
"Statins have potential protective effects against cancers [and] carriers of hepatitis B virus infection have a substantial risk of [liver] carcinoma," said Dr. Pau-Chung Chen, a professor of environmental medicine and epidemiology at National Taiwan University, in Taipei. "Statin use is not only a benefit to preventing cardiovascular diseases, but also an additional, convenient and acceptable strategy for preventing hepatocellular carcinoma," or liver cancer, Chen said.
However, statins can cause a potentially dangerous rise in liver enzymes and liver damage. Regular liver function tests are required for all people who take statins.
The study appeared online Jan. 23 in the Journal of Clinical Oncology.
"This is exciting and unequivocally solid research," said Dr. Eugene Schiff, a professor of medicine and director of the Center for Liver Diseases at the University of Miami Miller School of Medicine.
"One of the issues is that statins are relatively contraindicated in people with liver disease," Schiff said. But "the take-home message for people with hepatitis B or anybody with liver disease is that statins are safe. This re-emphasizes the point that if someone has chronic hepatitis B and there is an indication for statins, they should get them and they may be beneficial far beyond lowering cholesterol: They may also reduce their risk for liver cancer."
Dr. David Bernstein, chief of hepatology at North Shore University Hospital and Long Island Jewish Medical Center in Manhasset, N.Y., is more cautious. "In almost all other liver conditions, cirrhosis must be present before [liver cancer] develops," he said. During cirrhosis, scar tissue replaces healthy liver tissue. "Statins must be used with caution in patients with cirrhosis, which can limit their use in patients with liver disease at risk of developing liver cancer," he said. "Further studies are needed in this patient population to confirm these findings."
More information
For information on hepatitis B, visit the U.S. National Digestive Diseases Information Clearinghouse.
SOURCES: Pau-Chung Chen, M.D., professor, environmental medicine and epidemiology, National Taiwan University, Taipei; Eugene R. Schiff, M.D., professor of medicine and director, Center for Liver Diseases, University of Miami School of Medicine; David Bernstein, M.D., chief, hepatology, North Shore University Hospital and Long Island Jewish Medical Center, Manhasset, N.Y.; Jan. 23, 2012, Journal of Clinical Oncology, online
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=661151
1.インフル感染者急増=高齢者割合、昨年の倍―A香港型が8割超・国感研
2.インフル患者、推計111万人 休校・学級閉鎖は3千超
3.福島県、18歳以下医療費無料化を独自実施へ
4.協会けんぽの保険料率、全地域で上昇 26道府県で2ケタ台
5.診療所へ「逆紹介」拒否なら負担増 13年4月から
6.禁煙しない病院は診療報酬減 厚労省、徹底へ方針
7.胃ろう中止も選択肢に 終末期医療の原則、学会が改定
8.子どものうつぶせ寝に注意 保育施設で死亡の8割占める
9.<スマホ>京大とNTT、リウマチ症状計測のアプリを開発
10.[医療解説] 下咽頭の早期がん… 内視鏡手術 喉の機能温存
11.トイレの回数増える過活動膀胱 薬や生活指導で改善
12.IV Acetaminophen Linked to More Child Overdoses
13.Too Much Fructose Sweetener Tied to Heart Risks in Teens
14.Experts Offer Tips on Avoiding iPad-Linked Shoulder, Neck Strain
15.Statins May Stave Off Liver Cancer in People With Hepatitis B
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1.インフル感染者急増=高齢者割合、昨年の倍―A香港型が8割超・国感研
時事通信社2012年1月28日
インフルエンザの感染者数が急増している。国立感染症研究所が全国約5000の定点医療機関から集計した22日までの1週間の感染者報告数は1医療機関当たり22.73人で、前の週の7.33人の3倍超となった。推計値では、60歳以上の高齢者の割合が昨シーズンの2倍と増加が目立つ。同研究所は「予防にはワクチン接種が最も有効。うがい、手洗いを励行し、人混みではマスクを着けるなどの対策も必要」としている。
同研究所によると、今シーズンのインフルエンザ報告数が増え始めたのは昨年10月中旬から。今月22日までの1週間では、感染者の約84%はA香港型ウイルスと診断された。同型ウイルスの流行は5年ぶり。
定点医療機関からの報告を基に、受診した全国の患者数を推計すると、同日までの1週間で約111万人。14歳以下が61.2%を占めるが、若年層は抵抗力の弱さや学校生活で感染が広がりやすいことなどから、例年感染者の中で大きな割合になる。一方、60歳以上の高齢者が占める割合は8.1%。昨年同時期は4%だったため大幅に増えた形だ。
2.インフル患者、推計111万人 休校・学級閉鎖は3千超
共同通信社2012年1月28日
予備校に掲示されたインフルエンザ予防を呼び掛ける張り紙=名古屋市千種区
厚生労働省は27日、16~22日の1週間に医療機関を受診したインフルエンザ患者が全国で推計約111万人になり、休校や学年・学級閉鎖をした保育所や幼稚園、小中高校などは前年同期の1・26倍となる計3294校に上ったと発表した。
国立感染症研究所の集計によると、この1週間に全国約5千の定点医療機関から報告された患者数は1機関当たり22・73人で、前週(7・33人)の約3倍に急増した。これらの報告を基に全体の患者数を推計した。
年代別では5~9歳が約31万人(約28%)と最多だが、60歳以上が約9万人(約8%)で、前年同期の約4%と比べて高かった。
3.福島県、18歳以下医療費無料化を独自実施へ
読売新聞社2012年1月29日
政府は28日、東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて福島県が求めていた18歳以下の医療費無料化の見送りを県側に伝えた。
原発事故の影響を受けている他県とのバランスを考慮したためだ。ただ、政府は県が創設する新たな基金に400億円を拠出することを決め、県は医療費無料化の制度を独自に導入する方向となったため、事実上、国が「穴埋め」をした形だ。
医療費無料化は、福島県が原発事故に伴う県民の健康不安を背景に国に要望してきた。野田首相は今月8日の佐藤知事との会談で、「政府内でしっかり検討したい」と前向きな意向を示していた。
しかし、政府内で検討した結果、「福島県だけに無料化を認めれば、原発事故で同様の健康不安を抱える隣県などから批判が出かねない」との懸念が強まった。県外の一部地域では、福島県内より放射線量が高い地域があるためだ。「原発事故と無関係の病気の診察まで無料化するのは説明がつかない」との意見もあり、最終的に首相は国民理解が得られないと判断した。
4.協会けんぽの保険料率、全地域で上昇 26道府県で2ケタ台
日本経済新聞社2012年1月28日
中小企業など自社の健康保険組合をもたない企業の従業員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の2012年度の保険料率が27日まとまった。すべての都道府県で保険料率が上昇し、26道府県で初めて2桁となった。高齢者医療への拠出金が増え続ける一方、保険料のベースとなる加入者の給与が減少しているためだ。全国平均は前年度より0.5%高い10.00%で3年連続の上昇となった。
保険料率が高いのは佐賀(10.16%)、北海道(10.12%)、福岡(10.12%)など。高齢者の長期入院が多く医療費が高いとされる地域が並んだ。相対的に低いのは長野(9.85%)、新潟(9.90%)、静岡(9.92%)だった。
保険料率が最高の佐賀と最低の長野の差は0.31%。11年度の0.21%よりも格差が広がった。協会けんぽの保険料率は09年10月に全国一律から都道府県別に切り替わった。格差拡大を抑えるための激変緩和措置があるが、この措置が年々緩められているため、医療費の違いが保険料率に反映しやすくなっている。
全国平均の保険料率でみると、年収400万円の加入者の場合、保険料負担(本人分)は年間で1万円程度増える見通し。企業にとっても同額の負担増になる。
協会けんぽはこれ以上の保険料率の上昇を避けるため、平均収入の高い健康保険ほど負担が重くなる「総報酬割」の拡大や、国庫補助の引き上げを求めている。ただ、総報酬割の拡大には負担増となる大企業に慎重論があり、実現できるかは不透明な面がある。
◆協会けんぽ「平成24年度の保険料率の見通しについて」
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/13,90960,97,154.html
◆宮城支部
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/13,90904,75,132.html
5.診療所へ「逆紹介」拒否なら負担増 13年4月から
日本経済新聞社2012年1月29日
厚生労働省は大病院から診療所などに紹介されたのに、大病院での診療を希望する軽症患者に対し、自己負担を重くする措置を2013年4月から導入する。健康保険から病院に払う外来診療料(700円)を大幅に下げ、その分を病院が患者に請求するように促す。大病院に通う軽症患者を中小病院や診療所に誘導し、病院勤務医の負担軽減につなげる。
紹介状を持たずに大病院に訪れた患者の負担を増やす措置の導入をすでに決めている。今回の措置は、大病院から診療所への紹介(いわゆる逆紹介)を断る患者を減らすことを狙ったものだ。
いずれも12年度の診療報酬改定で決めるが、実施は13年4月からとする。
6.禁煙しない病院は診療報酬減 厚労省、徹底へ方針
朝日新聞社2012年1月29日
子どもの患者や、呼吸器疾患や生活習慣病などの大人が通う病院・診療所について、厚生労働省は、屋内を全面禁煙にしていない場合は診療報酬を減額する方針を固めた。禁煙化を徹底するための誘導策だ。時期は検討中だが、2012年度中にも実施する見通し。
厚労省によると、屋内が全面禁煙の病院は、08年時点で全体の63.8%。残る35%は喫煙室などを設ける分煙で対応している。成人の約23%(09年)を占める喫煙者にも、一定の配慮をしているとみられる。
厚労省は10年2月、「受動喫煙の健康への悪影響は明らか。公共の場は原則、全面禁煙であるべきだ」との通知を自治体に出した。昨年には同省の補助を受けた研究報告でも、「人の出入り時に喫煙室から煙が漏れる」「喫煙者の肺に残った煙が徐々に吐き出される」といった理由から、「分煙では受動喫煙を防げない」との指摘があり、特に患者が集まる医療機関には、診療報酬を使って全面禁煙を促すことにした。肺がんなどのリスクを減らし、医療費抑制をはかる。
7.胃ろう中止も選択肢に 終末期医療の原則、学会が改定
朝日新聞社2012年1月29日
胃ろうの仕組み
高齢者の終末期医療とケアについて、日本老年医学会は28日、胃に管で栄養を送る胃ろうなどの人工栄養や人工呼吸器の装着は慎重に検討し、差し控えや中止も選択肢として考慮するとの「立場表明」をまとめた。最新、高度な医療をすべて注ぎこむことは必ずしも最善の選択ではないと判断した。表明の改定は11年ぶり。
終末期医療の手続きなどを定めた法的ルールはない。この立場表明にも拘束力はないが、高齢者医療に携わる医師が治療方針を考える際の基本原則とするもの。具体的な手順などを定めたガイドライン(指針)を作る際のもとになる。
まず、高齢者の終末期における「最善の医療およびケア」を「必ずしも最新もしくは高度の医療やケアの技術すべてを注ぎこむことを意味するものではない」と明記。高齢者の心身の特性に配慮し「残された期間の生活の質(QOL)を大切にするものだ」との考えを示した。
その上で、高齢者が最善の医療およびケアを受ける権利の一環として「(おなかに穴を開け、管を通して水分や栄養剤を胃に送る)胃ろう造設を含む経管栄養や気管切開、人工呼吸器装着などの適用は慎重に検討されるべきだ」と指摘した。具体的には「本人の尊厳を損ねたり、苦痛が増えたりする可能性があるときは、差し控えや撤退を考慮する必要がある」と記した。
8.子どものうつぶせ寝に注意 保育施設で死亡の8割占める
朝日新聞社2012年1月29日
2011年に保育所などの保育施設で14人の子どもが亡くなり、うち11人が発見時に「うつぶせ寝」の状態だったことが、厚生労働省の調査でわかった。死亡との因果関係は不明だが、うつぶせ寝は、赤ちゃんが睡眠中に突然亡くなる乳幼児突然死症候群(SIDS)などのリスクを高めるとされ、同省は注意を呼びかけている。
厚労省が27日に全都道府県の報告をまとめた。うつぶせ寝だった11人の年齢は、0歳児が6人、1歳児が3人、2歳児が2人。11人のうち10人は認可外の保育施設に入っていた。子ども1人当たりに置く保育士の基準がなく、一部の施設で配置が手薄になっていることなどが背景にあるとみられる。
厚労省によると、「うつぶせ寝にすると泣きやむ」、「仰向けに寝かせた後、寝返りを打ったことに気づかなかった」などの理由で、赤ちゃんが長時間うつぶせ寝になるケースが多いという。
9.<スマホ>京大とNTT、リウマチ症状計測のアプリを開発
毎日新聞社2012年1月28日
リウマチ患者の機能を測定できるアプリ=京都市左京区の京都大病院で、2012年1月27日午後2時29分、榊原雅晴撮影
スマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)で関節リウマチ患者の症状の変化を日常的に計測するアプリケーションソフト(アプリ)を京都大医学部付属病院(京都市)とNTTの研究所が共同開発した。来月から患者にスマホを外出時に携帯してもらい、実証実験をする。治療やリハビリの方針決定に役立つという。
関節がこわばったり変形したりする関節リウマチの国内患者は、約60万人といわれる。日常生活での動きを把握することが重要だが、短時間の問診では困難となっている。
新しいアプリは、スマホの加速度センサーやGPS(全地球測位システム)機能を利用。スマホをベルトに装着しておけば、歩行時の体のバランスの変化や移動距離を自動的に測定し記録する。またどの関節に痛みがあるかや、体調の変化などを本人が簡単に入力できる。データは病院のコンピューターに蓄積され、主治医がいつでも確認できる。
実験は20~30人を対象に約2カ月間行う。同病院リウマチセンターの伊藤宣(ひろむ)准教授(整形外科)は「時系列で体の機能の変化を知ることで、治療の効果が確認しやすくなり、生活の質向上につながる」と話している。
10.[医療解説] 下咽頭の早期がん… 内視鏡手術 喉の機能温存
読売新聞社2012年1月29日
喉の奥で食道につながる部分にある下咽頭のがんは、検査機器の改良によって、早期に見つかるケースが増えた。治療後の患者の生活の質を保てるよう、口から手術器具を入れ、がんを切り取る手術が行われ始めている。
【図の拡大】http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=264&reqId=53534
口から挿入、電気メスで
下咽頭は、喉頭にふたをする喉頭蓋の付け根から食道の上端までの間の、粘膜に覆われている部分だ。がんは喫煙や飲酒の影響を強く受け、60歳以上の男性に多い。
早期ではあまり自覚症状がなく、がんが大きくなったり首のリンパ節に転移したりした進行がんの状態で見つかることが多い。そのため比較的治りにくいがんの一つだ。
進行がんの手術では、首を外から切開してがんを切除する。完全にがんを取り除くために、声帯がある喉頭や首のリンパ節なども切除し、代わりに小腸の一部を移植して食物の通り道を作り直すのが一般的だ。
手術後は、首に開けた気管の穴から呼吸を行う。喉頭を切除した場合、食道の粘膜をふるわせる発声法(食道発声)もあるが、習得は難しい。
しかし近年、太さが6ミリ未満と細く鼻の穴から入れるタイプの経鼻内視鏡が普及。患者の苦痛が少なく丁寧に下咽頭を見ることができるようになり、がんが粘膜の表層にとどまる早期がんの発見が増えた。
早期がんに対しては一般的に、抗がん剤と放射線による治療(化学放射線療法)が行われている。進行がんの手術と異なり、喉は残せるが、副作用で味が感じられなくなったり、喉の腫れや唾液の不足で食べ物を誤ってのみ込んだりする誤嚥を起こしたりする心配がある。
そこで、口から入れたレーザーメスや電気メスで、がんを切除する治療が行われている。東京都文京区の東京医科歯科大医学部病院頭頸部外科(耳鼻咽喉科)は2005年から、口からの手術を行っている。下咽頭がんは、2~3割が食道がんと一緒に見つかることもあり、4年前からは食道・胃外科と共同で手術を実施している。
耳鼻咽喉科で主に使う湾曲型喉頭鏡で喉頭を押し上げると、食道に通じる入り口が広がり、下咽頭が見えやすくなる。がんは食道・胃外科で使用している内視鏡で見ながら、電気メスで切除する。
同大講師の杉本太郎さん(耳鼻咽喉科)は「再発したとしても、早期ならばまた同じ方法で切り取ることができる。化学放射線療法を最後の手段として残しておけるのも利点です」と話す。これまで口からの手術数は約50件で、95%が生存しているという。
下咽頭より上の中咽頭のがんにも、口からの手術が可能だ。上咽頭がんには化学放射線療法が治療の主体となっている。
同大頭頸部外科教授の岸本誠司さんは「口からの内視鏡手術が、早期の咽頭がん治療の選択肢として加わった。大学病院、がん専門医療機関などが中心となって研究会を作り、喉の機能をできる限り温存する治療法を研究している」と話している。
11.トイレの回数増える過活動膀胱 薬や生活指導で改善
日本経済新聞社2012年1月29日
トイレに急に行きたくなり我慢できなくなる。時には漏らしてしまう。こんな場合は膀胱の尿をためる機能が低下して起こる「過活動膀胱」の可能性がある。40歳以上の日本人の約1割がこうした症状でいやな思いをしているとみられる。特に肌寒い冬はトイレに行く回数も増える。薬や体操で症状改善が期待できるので、年のせいだとあきらめないようにしたい。
膀胱は300~400ミリリットルの尿をためることができる。通常は150ミリリットルを超えるころから尿意を覚えるが、過活動膀胱の患者では100~200ミリで我慢できないと感じる「尿意切迫感」が表れる。「突然尿意をもよおすので尿漏れを予防しようがない」と京都大学の吉村耕治准教授はこの病気の悩みを説明する。
外出控えがちに
急な尿意に何度も襲われ、トイレに駆け込む回数が増える。「漏らしたらどうしよう」という不安感が大きくなり、外出を控えがちになることも少なくない。就寝中にトイレに行く回数が増えると、睡眠不足に陥る場合もある。命には直接かかわらないが生活の質の著しい低下を招く。
この病気は中高年に多く、加齢が影響していると考えられるが原因は完全に解明されていない。最近の研究では生活習慣病との関連も分かってきた。京大は2008~09年に滋賀県長浜市の約9500人の住民を対象に疫学調査を実施。男性では健常者に比べ、糖尿病の人は1.7倍、高血圧だと1.9倍、過活動膀胱になるリスクが高かった。女性ではメタボリック症候群だとリスクは約2倍になった。
患者にみられる主な異常は次の2つだ。一つは膀胱の「排尿筋」の異常だ。尿は排尿筋が収縮し、尿道括約筋がゆるんで膀胱から排出される。患者ではこの仕組みに異変が起こり、排尿筋がけいれんするようになる。この結果、収縮してはいけないときに縮んでしまうという。一方、膀胱の収縮を命令する神経系統のメカニズムが何らかの理由でおかしくなってしまうこともある。
過活動膀胱の症状改善には薬でこうした収縮を抑える治療が一般的。「抗コリン薬」は排尿筋の緊張を和らげ症状を改善する。ただ、この薬には尿を出そうとする力が弱くなる側面もある。男性患者にはやっかいな問題を引き起こすこともある。男性は高齢になると前立腺が肥大し、尿が出にくくなりがち。「過活動膀胱と前立腺肥大症との治療の兼ね合いが出てくる」と京大の吉村准教授は指摘する。
昨年9月には新薬も出た。アステラス製薬が発売した「ミラベグロン」(一般名)。排尿筋にある特定の受容体たんぱく質を刺激し膀胱をリラックスさせ、尿をためる機能を高める。排尿筋の正常な収縮機能には影響しないため、尿が出にくくなるといった副作用は軽減が期待できる。ただ、ラットを使った動物実験では生殖機能への影響が認められた。このため、これから子供を持とうと考えている患者には「投与はできる限り避ける」という警告がこの薬の添付文書には記されている。
毎食後に体操
国の保険は適用されないがボツリヌス毒素を使った治療も東京女子医科大学付属青山病院(東京・港)など一部で実施している。これは、まぶたが下がって視野が狭くなる「眼瞼けいれん」などの治療に使う毒素を膀胱に数十カ所注射する。効果が半年から8カ月ほど続くという。同病院では1回の治療費負担が15万7500円だ。「高齢者になると複数の薬を飲む人が増え、飲み合わせの問題が出てくる。この治療はそうしたややこしさから解放される利点がある」と国立長寿医療研究センターの岡村菊夫手術・集中治療部長は話す。
薬以外の方法で症状をある程度改善できるケースもある。京大の吉村准教授は投薬治療の前に「膀胱訓練」という生活指導をする。尿意をもよおしてから10~15分、トイレに行くのを我慢する方法だ。国立長寿医療研究センターの岡村部長は「骨盤底筋体操」を勧める。お尻の穴をおなかの中に引き込むように、締めたり緩めたりする動作を繰り返す。毎食後などに10回ずつやるのが一例だ。座るか、寝転んだ姿勢でやると意識しやすい。体操を実施した女性で効果を確認したデータもあるという。
おしっこのことは恥ずかしいとためらわずに、症状が表れたら専門家を訪ねてみるのがよいだろう。
12.IV Acetaminophen Linked to More Child Overdoses
Confusion can arise over measurement guidelines, experts warn
HealthDay News2012年1月27日
Following the U.S. Food Drug Administration's approval last year of an intravenous formulation of acetaminophen for fever and pain in a hospital setting, researchers warn that use of the preparation could lead to serious overdoses, particularly among the youngest patients.
The problem: There is confusion over measurement guidelines -- milligrams vs. milliliters, to be specific -- that can result in the accidental administration of doses that are up to 10 times more than the proper amount.
"This product would be given in a health care facility," said study co-author Dr. Richard Dart, from the Rocky Mountain Poison and Drug Center at Denver Health in Colorado. "And thus, the overdose ends up being from a miscalculation by a health care provider."
"In theory, the risk to the child is that they could develop serious liver injury," Dart added. "Liver injury is avoided if the overdose is detected and the antidote [acetylcysteine] is administered within several hours. [But] the challenge in the case of an intravenous overdose is that the medication error needs to be detected by the health care provider because it doesn't produce identifiable symptoms," apart from nausea and vomiting.
Dart and his colleague, Dr. Barry Rumack, discuss their concerns in the February issue of Pediatrics.
The authors noted that dosages of IV-administered acetaminophen are calculated in milligrams, mixed at a ratio of 10 milligrams of the drug for every one milliliter of a non-drug solution. Problems arise if and when that drug ratio is improperly executed.
Since it came on the global market a decade ago, the IV option has been very popular, with roughly 500 million doses having already been distributed to patients of all ages worldwide.
The FDA approval, however, restricted the drug's use to American patients above the age of 2. But, given the inherent difficulty in administering oral versions of the drug to pediatric patients, the authors cautioned that so-called "off label" use of the drug among very young Americans is pretty much inevitable.
Despite the fact that overdosing (pediatric or otherwise) has not yet been widely reported in the United States, the authors pointed to dozens of pediatric overdose cases in Britain and elsewhere across Europe (most involving children under the age of 1).
Dart and Rumack advised that hospitals using IV acetaminophen work with pharmacy and nursing staff to raise awareness of the overdose dangers. They also suggest that clinicians watch for accidental poisonings and report overdoses.
"This type of error is unfortunately common in medicine, and affects many drugs," said Dart, who also works in the department of emergency medicine at the University of Colorado School of Medicine. "I think the wisest way of avoiding the problem is to make sure that all orders written in a hospital are reviewed by a pharmacist before they are implemented. This markedly reduces the opportunity for error."
Frank Federico, a pharmacist and executive director of the Institute for Healthcare Improvement in Cambridge, Mass., believes "there are ways to ensure or at least improve the safety of drug administration in a hospital setting for pediatrics."
"For example, when you have a drug like this one that is ordered in milligrams but administered in milliliters you need a good safeguard and system that ensures that the conversion is simple and easy to do," he said. "And so you have computers do the math for you, rather than a person. You eliminate human error and you use clearly printed labels."
Federico, who once served as director of pharmacy at Children's Hospital Boston, suggested that it is possible to put in place a labeling protocol that is straightforward and allows for multiple checks.
"Our labels listed the concentration of the product, with the most basic ratio in there," he noted. "It was clear. And that way not only was the technician who was preparing the product clear on how much liquid was necessary, but so were the pharmacists who would check and the nurses who would check."
Parents should also not be afraid to ask hospital staff to double check the dosing. "Asking is always appropriate," he added.
More information
For more on medication errors, visit the U.S. Food and Drug Administration.
SOURCES: Richard Dart, M.D., Ph.D., Rocky Mountain Poison and Drug Center, Denver Health, and department of emergency medicine, University of Colorado School of Medicine, Denver; Frank Federico, RPh, pharmacist and executive director, Institute for Healthcare Improvement, Cambridge, Mass.; February 2012 Pediatrics
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=660927
13.Too Much Fructose Sweetener Tied to Heart Risks in Teens
Study finds high consumption associated with early signs of diabetes, other health issues
HealthDay News2012年1月27日
Teens who consume large amounts of the food and beverage sweetener fructose show evidence of cardiovascular disease and diabetes risk in their blood, a new study finds.
Fructose is found in fruits, while a form of fructose -- high-fructose corn syrup -- is widely used in processed foods and beverages. It's believed that adolescents' growing bodies crave the strong sweetener and food and beverage companies' advertising often targets young consumers, according to the Medical College of Georgia researchers.
Their study of 559 teens aged 14 to 18 found that diets high in fructose were associated with higher blood pressure; diabetes-related measures such as higher fasting glucose and insulin resistance; and inflammatory factors that contribute to heart and vascular disease.
Teens who consumed large amounts of fructose also tended to have lower levels of cardiovascular protectors such as HDL ("good") cholesterol and the protein adiponectin.
The connection between consuming lots of fructose and cardiovascular risk factors was even more pronounced in kids with excess belly fat, which is another known risk factor for cardiovascular disease and diabetes, said the study in the February issue of the Journal of Nutrition.
"It is so very important to provide a healthy balance of high-quality food to our children and to really pay close attention to the fructose and sucrose they are consuming at their home or anyone else's," study co-first author Dr. Vanessa Bundy, a pediatric resident, said in a college news release.
"The nutrition that caregivers provide their children will either contribute to their overall health and development or potentially contribute to cardiovascular disease at an early age," she added.
The best way for parents and caregivers to encourage healthy nutrition among teens is to be good role models, Bundy said.
More information
The American Academy of Pediatrics has more about teens' nutritional needs.
SOURCE: Medical College of Georgia, news release, Jan. 24, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=661071
14.Experts Offer Tips on Avoiding iPad-Linked Shoulder, Neck Strain
Users should not keep tablet computers such as iPad or Xoom on their laps, small study suggests
HealthDay News2012年1月27日
If working with your iPad or other tablet computer gives you shoulder or neck pain, there are ways around it, a new study suggests.
Researchers from Harvard School of Public Health, Microsoft Corp. and Brigham and Women's Hospital say this type of pain can be avoided if people do not use the tablet while it's resting in their laps, and by using cases that offer higher viewing angles.
The findings appear in the journal Work: A Journal of Prevention, Assessment, and Rehabilitation.
"Compared to typical desktop computing scenarios, the use of media tablet computers is associated with high head and neck flexion [flexed] postures, and there may be more of a concern for the development of neck and shoulder discomfort," lead investigator Jack Dennerlein, of the Department of Environmental Health, Harvard School of Public Health, and Brigham and Women's Hospital, said in a journal news release.
For the study, his team asked 15 experienced tablet users to complete certain tasks, such as surfing the Internet, reading, playing games, watching movies and emailing, with two types of tablet devices -- an Apple iPad2 and a Motorola Xoom.
All the tablets had a proprietary case that allowed it to be tilted up for use at a low or high angle. (The Apple Smart Cover offers tilt angles of 15° and 73°, and the Motorola Portfolio Case enables tilt angles of 45° and 63°.)
The participants positioned their tablets in various ways, such as in their lap and on a table at various angles, to test how the configurations affected their neck and shoulders.
The researchers found that the iPad2 case design forced participants' head and neck into more flexed postures. For both tablet devices, head and neck flexion angles were greater than those associated with desktop or notebook computers.
When used on a table at their highest angle, however, users' postures become more neutral. The study's authors concluded when using tablets, people should place the devices on a table at a steep angle -- not in their lap -- to avoid looking down.
However, there was a caveat: The researchers noted that this position may not be ideal if users perform a task that requires input with their hands. They believe more studies are needed to determine how tablet positioning could affect arms and wrists.
"Our results will be useful for updating ergonomic computing standards and guidelines for tablet computers. These are urgently needed as companies and health care providers weigh options to implement wide-scale adoption of tablet computers for business operations," concluded Dennerlein.
Two of the study's authors are employees of Microsoft, a partial funding source for the study. These researchers did not contribute to the analysis and interpretation of the results.
More information
The U.S. National Institutes of Health provides more information on shoulder pain.
SOURCE: IOS Press, news release, Jan. 25, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=661170
15.Statins May Stave Off Liver Cancer in People With Hepatitis B
Study found lower risk of developing disease for people taking these cholesterol-cutting drugs
HealthDay News2012年1月27日
Popular cholesterol-lowering statins may also lower risk for liver cancer among people with hepatitis B, a new study shows. Hepatitis B, an inflammation of the liver due to the hepatitis B virus, is one of the main causes of liver cancer.
This is not the first time that statins have shown promise in reducing risk for cancer. Other studies have hinted that these drugs may play a role in preventing certain types of cancer, including breast cancer.
In the new study of more than 33,000 individuals with hepatitis B followed from 1997 to 2008, those who took a statin were less likely to develop liver cancer, when compared to participants who were not prescribed statins. What's more, the longer a person took statins, the greater the liver-cancer risk reduction. Study participants were prescribed the statins to treat high cholesterol levels. Overall, 1,021 people developed liver cancer during the study period.
More research is needed to see how statins may lower liver cancer risk among people with hepatitis B, the researchers said.
"Statins have potential protective effects against cancers [and] carriers of hepatitis B virus infection have a substantial risk of [liver] carcinoma," said Dr. Pau-Chung Chen, a professor of environmental medicine and epidemiology at National Taiwan University, in Taipei. "Statin use is not only a benefit to preventing cardiovascular diseases, but also an additional, convenient and acceptable strategy for preventing hepatocellular carcinoma," or liver cancer, Chen said.
However, statins can cause a potentially dangerous rise in liver enzymes and liver damage. Regular liver function tests are required for all people who take statins.
The study appeared online Jan. 23 in the Journal of Clinical Oncology.
"This is exciting and unequivocally solid research," said Dr. Eugene Schiff, a professor of medicine and director of the Center for Liver Diseases at the University of Miami Miller School of Medicine.
"One of the issues is that statins are relatively contraindicated in people with liver disease," Schiff said. But "the take-home message for people with hepatitis B or anybody with liver disease is that statins are safe. This re-emphasizes the point that if someone has chronic hepatitis B and there is an indication for statins, they should get them and they may be beneficial far beyond lowering cholesterol: They may also reduce their risk for liver cancer."
Dr. David Bernstein, chief of hepatology at North Shore University Hospital and Long Island Jewish Medical Center in Manhasset, N.Y., is more cautious. "In almost all other liver conditions, cirrhosis must be present before [liver cancer] develops," he said. During cirrhosis, scar tissue replaces healthy liver tissue. "Statins must be used with caution in patients with cirrhosis, which can limit their use in patients with liver disease at risk of developing liver cancer," he said. "Further studies are needed in this patient population to confirm these findings."
More information
For information on hepatitis B, visit the U.S. National Digestive Diseases Information Clearinghouse.
SOURCES: Pau-Chung Chen, M.D., professor, environmental medicine and epidemiology, National Taiwan University, Taipei; Eugene R. Schiff, M.D., professor of medicine and director, Center for Liver Diseases, University of Miami School of Medicine; David Bernstein, M.D., chief, hepatology, North Shore University Hospital and Long Island Jewish Medical Center, Manhasset, N.Y.; Jan. 23, 2012, Journal of Clinical Oncology, online
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=661151
Jan 27, 2012 [Clipping News]
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1.金曜入院、月曜退院を抑制=医療機関の報酬引き下げへ-中医協
2.主張:介護報酬改定 「処遇改善」にはなお遠い
3.脳動脈瘤、安全に治療…新型ステントを開発
4.大腸の代謝物質、大部分を解明 鶴岡のベンチャー企業
5.移植後に分裂異常…低成功率のクローンマウス
6.長時間の睡眠が動脈硬化を招く可能性―北海道大
7.心臓病の生涯リスク、想定よりはるかに高かった 米研究
8.コヴィディエンが石灰化病変治療としてのプラーク切除に関する臨床データを発表
9.京大など、アセチルコリン受容体の立体構造解明、薬剤結合部位を把握
10.J&J日本法人、九大と先端医療機器開発で共同研究
11.東芝メディカル、最新被曝低減技術搭載の4列CTを発売
12.エデルマンセミナー、花粉症は初期治療が大切、最適法へ意思疎通を
13.【保険医療材料】米国申請から半年以内の迅速導入‐製品ごとに評価
14.再診料と複数科受診、議論紛糾、まとまらず
15.有床診の充実求める決議文採択、民主・議連
16.自宅で死ねるか 在宅緩和ケアの現場
17.【ミニレビュー(2/4)】 繰り返す発熱と自己炎症症候群
18.<速報>定点当たり報告数が全国で22.73人と急増
19.インフル患者報告急増、前週の3倍に- 警報レベル保健所地域は8倍近くに
20.定点当たり報告数が全国で22.73人と急増、福井県59.88人、高知県59.31人、三重県も52.2人に
21.フィリップス・MRI研究者インタビュー「将来、CTはMRIに置き換わる」
22.患者と深く関わり信頼関係を醸成、産婦人科も含め幅広い分野を診療
23.病気を治す名医だけでなく、病気にさせない名医になりたい
24.最新DI:【新薬】サムチレール内用懸濁液
25.アリスキレンとACE阻害薬/ARBの併用で高K血症リスクが1.5倍
26.線維筋痛症に認知行動療法と運動療法が有効
27.マンモグラフィ検診、開始10年は有害性が勝る可能性
28.80歳以上高血圧患者への積極的降圧治療、早期から長期にが支持される
29.Autism: Brainwaves 'show risk from age of six months'
30.More men 'have oral cancer virus'
31.Test Might Predict Risk of Lung Cancer's Return
32.Statins May Stave Off Liver Cancer in People With Hepatitis B
33.Researchers Spot Potential Bile Duct Cancer Drug Targets
34.Mutations in 2 Genes Linked to Rare Autism-Related Disorder
35.Factors Linked to Age of Onset of Menopause Identified
36.インフルエンザ[疾患別情報]インフルエンザ関連死亡迅速把握システム
37.中央社会保険医療協議会総会(第218回)
38.第14回ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会 議事録
39.プレスリリース
1) New NIH fact sheet explains test for diabetes, prediabetes
2) NIH launches trials to evaluate CPR and drugs after sudden cardiac arrest
3) NIH Study shows caffeine consumption linked to estrogen changes
4) Elevated risk factors linked to major cardiovascular disease events across a lifetime
5) 血管再狭窄抑制に有効な薬剤塗布型PTAバルーンカテーテルの製造販売契約を締結
40.Other Topics
1) 第11回社会保障審議会短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会
2) 年金や医療、55年生まれ以降は負担超過 内閣府試算
3) クモ、目のピンぼけで距離つかむ 大阪市大チームが解明
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1.金曜入院、月曜退院を抑制=医療機関の報酬引き下げへ-中医協
時事通信社2012年1月27日
厚生労働省は27日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で、金曜日の入院や月曜日の退院の割合が高い医療機関に対し、医療機関が受け取る報酬である入院基本料を引き下げる方針を提示した。休診日が多い土日をまたぐと入院期間が長引き、医療費の増加につながると判断した。厚労省は、中医協の了承を得て10月から導入、医療費の抑制につなげたい考えだ。
厚労省によると、金曜日に入院したり月曜日に退院したりするケースでは、他の曜日に入退院した場合より平均入院日数が長い。年々増加する医療費に歯止めがかからないことを踏まえ、他の医療機関に比べ金曜入院や月曜退院の割合が高い病院には、手術など高度の医療行為をした場合を除き土日分の入院基本料を減額する。
また、高度な医療行為をするケースが少ない午前中の退院が多い医療機関についても、30日以上入院している患者を対象に入院基本料を減額する方針だ。減額幅など制度の詳細は今後、検討する。
2.主張:介護報酬改定 「処遇改善」にはなお遠い
産経新聞社2012年1月27日
人手が不足すれば、どんな制度も安定的に運営できない。人材確保には安心して働ける環境を整えることが重要だ。
民主党政権で初めてまとめた介護報酬の改定からは、こうした懸念がぬぐえない。
4月から実施される今回の改定の目玉は、報酬全体を1・2%引き上げて、職員給与を月額で1万5千円底上げする「処遇改善加算」を新設したことだ。
仕事がきつい割に賃金が低く、志を抱いて職に就いても辞めていく人が後を絶たない介護現場の改善のためである。しかし月額1万5千円の底上げは、自公政権下でも交付金で行われてきた。財源を付け替え、現行水準を下げないよう維持しただけなのである。
高齢化が進み、介護のニーズは一層大きくなる。介護職員は現在140万人だが、団塊世代が75歳になる平成37年には232万人~244万人が必要となる。政府はさらに待遇向上が実現できるよう、追加的な取り組みを進めなくてはならない。事業所経営者の一層の努力も求めたい。
新設された加算制度が、確実に基本給に反映されるよう目を光らせることも大事だ。現行の交付金は暫定措置のため、ボーナスや諸手当といった一時的な待遇改善に使われることが多かった。加算制度も3年間の経過措置であることには変わりない。
もう1つの特徴は、介護の大きな方針を「施設から在宅へ」と明確に移行させたことだ。24時間対応の訪問サービスを定額で利用できる仕組みなどを新設し、在宅医療との連携にも力を入れた。1人暮らしや重度者も、自宅で生活できるようにするのが狙いだ。
利用者の増大に対し、施設整備が追いつかないというのが現状である。その点、在宅介護への移行は現実的な政策判断で、政府がその対応に本腰を入れ始めたことは評価したい。
だが、通常の訪問日時や回数を決めるのは事業者側だ。必要な訪問回数を確保し、利用者が望むサービスが受けられるようにするには、ケアマネジャーが中心となってきめ細かく連携を図っていくことが不可欠となる。
新サービスの導入で、在宅介護がすべてうまく機能するわけではない。家族や地域による「見守り」が引き続き求められていることも忘れてはならない。
3.脳動脈瘤、安全に治療…新型ステントを開発
読売新聞社2012年1月27日
くも膜下出血の原因になる「脳動脈瘤」の新しい治療法を、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)の中山泰秀研究所室長らが開発した。
脳の動脈にできる小さなコブの内側に、特殊な筒を挿入してコブへの血液の流入を遮断、破裂を防ぐ。既存の治療法と比べて安全性が高いなど利点が多く、3年後、臨床試験(治験)を目指す。
同センターでは、心筋梗塞などの治療で、詰まった血管を内側から広げるステント(金属製の筒)治療に実績がある。今回、中山室長らは複雑に曲がりくねった脳の動脈内でも固定できる、伸縮性の高いポリウレタン製フィルムで覆われたステントを開発した。
サイズは直径3~6ミリ、長さ2~3センチで、患部に応じて12種類ある。直径1ミリの棒状にし、脚の血管からコブのある血管まで送り込んでステントを拡張。フィルムで、コブへの血液流入を止める。人工的に脳動脈瘤にしたウサギの実験では約50匹すべてで、コブが完全にしぼんで消えた。
4.大腸の代謝物質、大部分を解明 鶴岡のベンチャー企業
共同通信社2012年1月27日
メタボローム(代謝物質)解析を手掛ける鶴岡市のバイオベンチャー企業「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ」(HMT)は25日、総合乳業メーカー協同乳業(本社・東京)とマウスを使った共同研究の結果、大腸内の代謝物質をほぼ解明したと発表した。
人間の大腸内には500~1000種類、100兆個の腸内常在菌がおり、代謝物質を生み出して免疫やがん、肥満、寿命など健康状態と密接に関係しているといわれている。しかし、大腸内の代謝物質はこれまで一部しか明らかになっていなかったという。
研究では、マウスの大腸内容物を、HMTの高性能メタボローム解析装置で分析。これまで知られていなかったものも含め、179の代謝物質を検出した。また、健康維持に寄与するGABA(ギャバ)などの代謝物質を、腸内常在菌が生み出していることも解明した。
今回の研究成果は、腸内常在菌と健康に関する研究の基礎的データとなるもので、乳酸菌などを使った健康機能性食品の開発や、疾病の発症メカニズム解明も今後期待されるという。
5.移植後に分裂異常…低成功率のクローンマウス
読売新聞社2012年1月26日
普通の細胞の核を卵子に移植して作るクローンマウスの成功率が2~3%と低いのは、核移植直後に細胞分裂の異常が起きやすいためであることを、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の若山照彦チームリーダーと山縣一夫研究員らのグループが突き止め、25日に発表した。
クローン技術の向上だけでなく、受精卵の初期状態を把握して不妊治療に生かすという面からも注目されそうだ。
グループは、受精卵の染色体を蛍光たんぱく質によって60時間発光させ、撮影する技術を開発。クローン技術による卵と、体外受精卵をマウスで約300個ずつ作り、細胞分裂が進む様子を観察した。その結果、クローン卵の約80%で、分裂が始まって8個の細胞になるまでに、染色体の一部がちぎれることがわかった。染色体異常の卵をマウスの子宮に着床させても、胎児として成長しなかった。異常の発生率は体外受精卵より3倍ほど高かった。
6.長時間の睡眠が動脈硬化を招く可能性―北海道大
Medical Tribune2012年1月27日
毎日の9時間以上の睡眠が動脈の硬さと関係している可能性があると、北海道大学などの研究グループが米医学誌「Sleep」(2010; 34: 1681-1686)に発表した。
男性のみ関連か
研究グループは、2003年4月~04年3月に定期健康診断を受けた35~62歳の地方公務員で、完全なデータが得られた4,268人(男性3,410人)を対象に、自己報告による毎日の睡眠時間と動脈の硬さとの関係を調べた。
動脈の硬さの評価には上腕-足首間の脈波伝播速度(baPWV)を用いた。毎日の睡眠時間は5時間以下、6時間、7時間、8時間、9時間以上の5群に分類した。
その結果、7時間群と比べて9時間以上群は、baPWV値が統計学的有意に高かった。性で層別化した解析では、男性でのみ有意な関係が見られたという。
7.心臓病の生涯リスク、想定よりはるかに高かった 米研究
AFPBB News2012年1月27日
人が生涯に心臓病を患うリスクはこれまで考えられてきたよりはるかに高い可能性があるとの論文が、25日の米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に発表された。
心臓発作や脳卒中の発症リスクは、喫煙や糖尿病、高血圧、高コレステロールといった個々のリスク要因によって著しく増大するが、過去の研究の大半は因果関係の観察期間を5~10年に絞っているため、長期的に見ると非現実的な結果が示されていたという。
主執筆者の米テキサス大学サウスウエスタン医学センター(University of Texas Southwestern Medical Center)のジャレット・ベリー(Jarett Berry)准教授(内科)は、「若年期と中年期に獲得したリスク要因が、心臓病の生涯リスクを決定する。短期間のリスクだけに注目する現在の心臓病予防は、特に40代と50代に誤った安心感を与えてしまう」と述べている。
■データで明らかになった生涯リスク
米国立心肺血液研究所(National Heart, Lung and Blood Institute、NHLBI)が出資した今回の研究では、リスク要因を測定する「Cardiovascular Lifetime Risk Pooling Project(心臓血管の生涯リスクデータ蓄積プロジェクト)」に参加した全米の45歳、55歳、65歳、75歳の白人および黒人の男女25万4000人のデータを精査した。
その結果、リスク要因が複数ある人が生涯に心臓病を発症する確率は、リスク要因が全くない人の10倍だった。
例えば、生涯に心臓発作か脳卒中を患う確率は、45歳の健康な男性で1.4%だったのに対し、リスク要因が複数ある同年齢の男性では49.5%だった。女性の場合は、45歳の健康な人では4.1%、リスク要因が複数ある同年齢の女性では30.7%だった。
調査を主導したノースウエスタン大学フェインバーグ医学部(Northwestern University Feinberg School of Medicine)のドナルド・ロイドジョーンズ(Donald Lloyd-Jones)准教授(予防医学)によると、長期的に見た場合、「リスク要因が1つだけでも、生涯に重大な心血管系症状を発症して死に至るか、生活の質や健康を大きく損なう結果を招く確率が非常に高くなる」という。
ただ逆に、中年期にリスク要因が最も少ない状態を維持できた場合には、残りの生涯に目覚ましい好影響が及ぶことも分かったという。リスク要因が最も少ない状態とは、喫煙せず、糖尿病がなく、総コレステロール値が1デシリットル当たり180ミリグラム以下、平常時の最高血圧120以下、最低血圧80以下の状態を言う。
8.コヴィディエンが石灰化病変治療としてのプラーク切除に関する臨床データを発表
財経新聞社2012年1月27日
臨床試験DEFINITIVE Ca++の最終結果をISET 2012にて発表
ヘルスケア製品世界的大手のコヴィディエン(NYSE:COV)は本日、DEFINITIVE Ca++試験の結果を発表しました。 DEFINITIVE Ca++では、大腿膝窩動脈における中等度から重度の石灰化病変を治療する方法として、末梢プラーク切除装置SilverHawk
LS-C/TurboHawk
を塞栓保護装置SpiderFX
と併用した場合の安全性と有効性を評価しました。これらの石灰化病変は、末梢動脈疾患(P.A.D.)の一形態です。
試験結果を発表したのは、クリーブランドクリニック・ラーナー医科大学血管外科部長で国内共同治験責任医師を務めたDaniel Clair医師(MD)です。Clair医師は当地で開催された 国際血管内治療会議(ISET)の「提出論文・最近の画期的臨床試験(Preffered Papers / Late Breaking Trials)」セッションにて、本試験に関する発表を行いました。
試験は、治療困難な病変がTurboHawkとSpiderFXの両装置によって安全かつ有効に治療できることを証明しました。計133人の患者(168カ所の病変)が試験に組み入れられました。血管の狭窄度は76.5パーセントで、患者の80.0パーセントは手術時にアウトフローの障害を呈していました。重度の石灰化は81.0パーセントの病変で観察され、17.9パーセントは完全閉塞していました。ステントの使用率は4.1パーセントでした。有効性のプライマリーエンドポイント(残存狭窄率が50.0パーセント以下と定義)は、コアラボの評価において92.0パーセントの病変で達成され、治験実施施設の評価において97.0パーセントの病変で達成されました。
米カリフォルニア州サクラメントにあるサター医療センターのサター心臓血管研究所でメディカルディレクターを務めるデビッド・ロバーツ医師(MD)も、国内共同治験責任医師の1人でした。「SpiderFX装置は使いやすく効果的で、TurboHawk装置は複雑な石灰化を呈する浅大腿動脈・膝窩疾患に対処する上で、大きな成功を収めました。結果は素晴らしいもので、安全な血行再建の転帰が得られました。」
30日間の主要有害事象(MAE)無発生維持率は93.1パーセントで、死亡、四肢切断、仮性動脈瘤、臨床的標的病変血行再建は1例もなく、遠位塞栓が3例発生しましたが、いずれも治療を受け臨床後遺症はありませんでした。データは30日間MAE発生率とベイルアウトステントの実施率が低く、血行再建の成功率が高いことを示しました。
P.A.D.は最も一般的な血管疾患の1つで、下肢動脈がプラークによって狭窄ないし閉塞した場合に発生します。閉塞は患者に重度の下肢痛、身体可動性の制約、非治癒性の下肢潰瘍をもたらす場合があります。米国心臓協会によれば、 米国で約1000万人がP.A.D.を患っています。
コヴィディエンの血管治療事業プレジデントを務めるStacy Enxing Sengは、次のように述べています。「この試験はコヴィディエンのDEFINITIVE試験シリーズの一部に過ぎません。同シリーズは、P.A.D.治療の安全で有効な選択肢としてのプラーク切除の効果を実証するものです。治療困難な進行性病変を持つ患者の大規模コホートにおける本試験の結果は、有望なものです。」
9.京大など、アセチルコリン受容体の立体構造解明、薬剤結合部位を把握
化学工業日報社2012年1月27日
京都大学大学院医学研究科の岩田想教授、小林拓也講師、学習院大学、米スタンフォード大学の研究グループは、認知症などの抑制に関わるGたん白質共役型受容体(GPCR)のひとつ、ヒトのアセチルコリン受容体の立体構造を解明することに世界で初めて成功した。宿主に昆虫細胞を利用した発現系と精製や脂質立方相法と呼ばれる結晶化のための技術を採用するなど、新手法を組み合わせ実現した。抗コリン作用のある薬剤と結合した状態のまま立体構造解析ができ、詳細な結合部位データを得られた。結晶をつくるのが難しいGPCRは、さまざまな創薬の重要なターゲットで、今回の成果は薬剤の探索や設計の基盤技術となる可能性がある。
研究グループが対象としたのは、ヒトのムスカリンM2受容体。アセチルコリンは神経伝達物質で、神経からのシグナルを細胞に伝えるが、その伝達を仲介しながら細胞機能を調整するGPCRの一種として、中枢神経細胞や心筋細胞などに存在する。ムスカリン性アセチルコリン受容体は代謝調節型であり、さらに5つのタイプが存在。GPCRは、細胞内外まで7本の細胞膜を貫通するかたちが特徴的だが、不安定で疎水性のため、これまでたん白質として精製したり結晶にすることが大変難しく、詳細な構造情報が少ない。
今回の成果によれば、まず蛾由来の昆虫細胞を宿主にして、安定したヒトGPCRを大量に発現することに成功。たん白質分取用のリガンドアフィニティーカラムを用いて単一の精製品を得て、脂質立方相法により結晶化した。脂質立方相法は、脂質二重層内にたん白質を入れて生体膜に近い環境を再現させる技術で、膜たん白質の結晶化に適するという報告をもとに採用した。
結晶化したムスカリンM2受容体とアセチルコリンが、同受容体を刺激することを阻害する抗コリン作用の薬剤3-キヌクリジニルベンジラート(QNB)との結合体をつくり、これをタンパク質の立体構造がわかるX線結晶構造で解析。
その結果、QNBにこのGPCRの3つのチロシン(アミノ酸)がふたのように覆いかぶさり、外れにくくすることがわかった。QNBは、アセチルコリンが同GPCRに結合する部位(オルソステリック部位)と同じところに結合し、その周囲を構成する特有のアミノ酸の詳細も明らかになったという。
今回の成果は、抗コリン作用の薬剤とM2の結合体の解析だが、他のGPCRについても解析可能で、アセチルコリンの作用を下げる必要があるパーキンソン病や統合失調症を含め、GPCRが関わる分子標的化合物の探索、薬剤設計の基盤技術となり得る。成果はきょう26日、英科学雑誌「ネイチャー」電子版に公開された。
10.J&J日本法人、九大と先端医療機器開発で共同研究
化学工業日報社2012年1月27日
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)日本法人メディカルカンパニーは25日、九州大学先端医療イノベーションセンター(橋爪誠センター長)と、低侵襲先端医療学研究部門における共同研究を実施する契約を締結したと発表した。
同センターは先端医療分野の研究成果を医薬品・医療機器として早期に実用化することを目的に、昨年7月に開設された。研究、診療の両方の施設を備えており、研究開発から臨床試験まで一貫して実施できる。国立大学としては初の試み。
J&Jは同センターや優れた技術を持つ日本メーカーと連携することで、日本発の先端医療機器の開発・実用化を目指す。
11.東芝メディカル、最新被曝低減技術搭載の4列CTを発売
化学工業日報社2012年1月27日
東芝メディカルシステムズは、最新の被ばく低減技術を搭載した4列マルチスライスCT「アレクシオン アクセスエディション」を23日から販売開始した。初年度に国内と海外で各100台の販売を計画している。
同社の16列CT「アレクシオン」を基本プラットフォームに、最新の被ばく低減技術「AIDR 3D」を搭載。同技術は逐次近似再構成法の原理を応用した画像再構成アルゴリズムで、高画質を維持したまま大幅な被ばく低減が可能。最大75%の線量を低減しつつ高画質画像を取得できる。価格は6億9500万円(税別)。
12.エデルマンセミナー、花粉症は初期治療が大切、最適法へ意思疎通を
化学工業日報社2012年1月27日
脳神経疾患研究所附属総合南東北病院の今野昭義アレルギー・頭頸部センター所長(千葉大学名誉教授)は、エデルマン・ジャパンの花粉症意識調査に関するセミナーで講演し、「花粉症は医師と患者が一緒になって、その人に合った治療を見つけることが大事」と指摘した。講演後に今野氏を含め3人の医師によるパネルディスカッションが行われ、症状が重症化する前からの初期治療の実施などが提言された。
エデルマンの調査は20~84歳の男女一般生活者を対象に昨年11月に実施、有効回答は2089件だった。くしゃみや鼻づまり、目のかゆみなどさまざまな症状がある花粉症の患者理解度、処方薬と治療効果などを調べた。
セミナーでは今野氏が調査結果を解説し、受診する診療科目は耳鼻咽喉科(45・3%)、内科(33・5%)が多く、12・7%は複数の診療科を受診していることや、治療方針の説明に関し「とてもよくわかった」と「大体わかった」の合計は8割を超えることなどが示された。
初期治療に関しては、説明を受けた人は6割強で、そのうち初期治療に肯定的な割合は8割を超えたが、説明を受けていない人でも6割近くが必要と思っていることが示された。また処方された薬は内服薬・点鼻薬・点眼薬の3点セットが37・5%と最も多く、服用遵守割合は内服薬が72・1%で、点眼薬と点鼻薬は40%台だった。
今野氏によると「花粉症は中年以降に発症すると自然寛解することもあるが、若いときに発症した人はほとんど治らない」という。
自治医科大学医学部耳鼻咽喉科学教室の市村恵一教授、東京女子医科大学医学部医学科眼科学教室の高村悦子教授を交えたパネルディスカッションでは、治療に関して市村氏が「初期治療に尽きる」と指摘。高村氏は、最初の治療で耳鼻咽喉科や内科が抗アレルギー点眼薬を処方するのはよいが、「ステロイド点眼薬は眼科の管理のもとで処方する」ことを強調した。
今野氏は「花粉症治療は薬を追加したり変えたりするので、医師1人ではできない」と指摘。市村氏は服用遵守と効果の相関性から「患者のアドヒアランスを高めるコミュニケーションが必要」とし、時間を有効活用する方法として問診票の利用などを挙げた。
エデルマンは世界最大の独立系PRコンサルティング会社。本社は米国にある。
13.【保険医療材料】米国申請から半年以内の迅速導入‐製品ごとに評価
薬事日報社2012年1月27日
デバイス・ラグ解消に向けて、機能区分ごとに償還価格が設定されている保険医療材料制度に、迅速に国内導入した製品を個別に評価する加算が、2012年度改革で創設される。中央社会保険医療協議会がこのほど新たな仕組みの詳細を了承した。
日本での薬事承認申請が米国より早いか、米国での承認申請や市販前届出の完了から180日以内で、さらに薬事審査の総期間のうち企業の持ち時間が、優先品目と臨床試験のある改良品目で150日以内、通常品目で240日以内であることが要件に決まった。
申請時期の基準は、日本医療機器産業連合会が企業に“申請ラグ”と考えられる水準をきいたとろこ、欧米より「6カ月遅れ」が3割で、「1年遅れ」まで広げると8割に達するため、厳し目の180日にした。また、実績として申請時期の米国からの遅れが6カ月以内にとどまる製品が少ないことも踏まえ、高い努力目標を据えた。
14.再診料と複数科受診、議論紛糾、まとまらず
紹介率低い大病院、初再診引き下げで外来抑制 中央社会保険医療協議会
M3 2012年1月27日
中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が1月27日開催され、「個別改定項目(その1)」について議論、主要点数のおおまかな要件等が示された。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000215yd.html
次回1月30日は「個別改定項目(その2)」を議論、その後、個別の点数の議論に入る。
27日の総会で最も意見が対立したのは、再診料と複数科受診の扱い。再診料については具体的な点数は示されなかったが、京都府医師会副会長の安達秀樹氏は、「勤務医の負担軽減の観点から、そのベースメントにあるのは診療所機能」と指摘、その機能維持のために、従来の主張通り、診療所再診料を71点への引き上げを求めるとともに、支払側の見解を改めて質した(『再診料、69点から71点への「回復」が焦点』を参照)。
これに対し、健康保険組合連合会専務理事の白川修二氏は、勤務医の負担軽減につながるという診療所機能は認めつつ、「社会保障審議会の基本方針に沿って、定められた財源を配分するのが中医協の役割。基本方針の『重点課題』に従えば、優先度が高いものは他にほかにあり、傾斜配分すべき。診療所についても、地域医療貢献加算、あるいは在宅などを力を注いでいるところを評価すべきであり、再診料全体の引き上げについて反対している」と従来の主張を繰り返した。さらに、2010年度改定で、200床未満の病院と診療所の点数を統一した点を指摘、「一物一価であるべき。診療所の再診料を上げるのであれば、病院の点数も上げることにあるが、それはまさに『底上げ』。その意味からも反対」と強調。
安達氏は、「前回改定における病診の再診料の統一は、11月ごろに突然出てきた話であり、71点にそろえるなら、異議なし、としていた」と説明、その上で、「そもそも基本診療料は何を評価しているか、その議論をしないと、病院と診療所の再診料が同一であるべきかどうか、議論できない。仮に71点が実現しないのであれば、その議論の場を作ることを付帯意見として付けてほしい」と応酬した。
2科目の再診料は半額程度
同一日の複数科受診は、2科目について厚労省は、(1)1科目と疾患が異なる、(2)乳幼児加算、外来管理加算等の加算点数は算定できない、などの条件に、再診料や外来診療料(200床以上の病院)の半額程度が算定可能になる案を提示。これは「同一初診料」と同じ考え方だ。
白川氏はこれに対し、「賛成できない。患者の立場になれば、従来と同じことをやっているにもかかわらず、急に負担が増えることを意味する。そんなに簡単に認められることではない。また、複数科受診を一様に対象にするのは、いわゆる底上げであり、重点配分の趣旨からも違う」と強く反対。さらに、初診料については、他疾患であれば、2科目でも半額が算定可能だが、「現実には審査、チェックができない。最初の科の疾患との関連性を確認できず、基準が緩められて運用されている懸念がある」とした。
一方、診療側は従来から2科目でも再診料の算定を可能にするよう求めている。結局、意見はまとまらず、次回以降に議論は持ち越しに。
そのほか、外来関係改定の主なものは以下の通り。
【病院関係】
◆同一日複数科受診
・同一日に、同一医療機関で、他の疾患を受診した場合に、再診料の算定が可能に。
・点数は1科目の半額程度。乳幼児加算、外来管理加算などの各種加算は算定不可。
◆大学病院と500床以上の地域医療支援病院の外来
・紹介あるいは逆紹介率が低い病院について、初診料の引き下げ。他医療機関等に紹介したにもかかわらず、受診した場合の外来診療料の引き下げ。
・引き下げ相当分を、保険外併用療養制度の枠組みを利用して、患者から徴収。結果的に患者負担増に。過期間を置くため、実施は2013年4月1日。
【診療所関係】
◆地域医療貢献加算
・名称を変更。
・準夜帯の評価のみだったが、(1)24時間対応、(2)準夜帯のみ対応(現行の「地域医療貢献加算」に相当)、(3)輪番制で対応、の三つの体制評価に変更。
・(3)は、地域の医療機関と輪番による連携を行い、当番日の標榜時間外の準夜帯において、患者からの電話等による問い合わせに応じる。当番日の深夜または早朝は留守番電話等で対応しても差し支えない。「何かあれば、ここに電話すればいい、と患者が分かる形にすることを要件にする」(厚労省保険局医療課長の鈴木康裕氏)。
15.有床診の充実求める決議文採択、民主・議連
入院基本料引き上げ、看護補助加算の創設を要望
適切な医療費を考える議員連盟
M3 2012年1月26日
民主党の「適切な医療費を考える議員連盟」(会長:柳田稔参議院議員)の第12回勉強会が1月25日に開かれ、有床診療所の現状と課題について、全国有床診療所連絡協議会会長で日本医師会常任理事の葉梨之紀氏からヒアリングを行った。これを踏まえ、有床診療所の入院基本料の大幅な引き上げなどを求める決議文を採択し、民主党の輿石東幹事長に申し入れした。
冒頭、会長の柳田氏が、「自公政権の過去の改定では5回10年間、煮え湯を飲まされて、地域医療は崩壊、あるいは崩壊寸前のところも多かった。その思いを持って、民主党政権が誕生し、診療報酬を前回引き上げた。しかし、今回は本当に厳しかった。当初、この議員連盟で、ネットで3%引き上げを目指すと言ったら、保険者から反対を受けた。賃金、物価下がっている中で、診療報酬の本体プラス改定はあり得ないと言われたが、議員の仲間と力を合わせてネットで0.004%増を勝ち取った。現在、(財源の配分をめぐり)有床診療所には配慮するという議論もあるようだが、現状を聞きながら我々も頑張りたい」と挨拶。
続いて葉梨氏が、有床診の現状について、2011年10月末時点で約1万100施設で、1990年の約2万3600施設から半減し、病床数も27万2000床から13万1000床に減少していると説明。一方で、有床診が果たす新たな役割として、急性期で早期退院をした患者の受け入れ、在宅医療、介護施設への入所が困難な高齢者の受け皿などを挙げた。その上で、葉梨氏は、「有床診は地域住民の安心・安全な医療の確保につながる。しかし。年間約500の有床診療所が閉鎖している。病院に比べて有床診の入院基本料が低く、介護施設と比べても著しく低いことが原因だ」と指摘。入院基本料の引き上げに加えて、病院と同様の看護補助加算の創設、有床診療所の回復期リハビリテーション加算の創設などを要望した。
また、同日の会合に出席した広島県医師会有床診療所部会会長の森康氏は、「有床診療所は毎月、どこかで潰れている。今後も潰し続けるのか、それとも食い止めるのかはっきりさせなくてはいけない。以前は病院も有床診療所も入院基本料は同じだったが、病院は看護師の配置基準ができてから入院基本料が上がった。有床診療所の場合、外来は黒字でも、入院で赤字になるため、病床を閉鎖することになる。外来と入院を一体で維持するのは不可能な状態だ」と訴えた。
同議連顧問で参議院議員の桜井充氏は、「厚生労働省が在宅医療を推進するというから、私は有床診を中心にしたらいいと提案した。診療報酬の配分は地域医療に携わっている人たちに配慮し、地域医療を担っている医療機関が経営を継続できるようにしなければいけない。そうでなければ、7対1で看護師を配置をしている病院だけが潤うことになる」と語気を強めた。
決議文「有床診療所の充実を目指して」の要旨
有床診療所は地域の多様なニーズに応えることができる医療機関であり、手術等の専門医療の提供、急性期後の退院の受け皿となる後方病床機能、在宅療養や介護施設への移行が困難な患者の受け入れなどに期待される。日本の医療における有床診療所の役割を再度見直し、機能の維持・強化のための適切な診療報酬体系を構築すべきと考え以下を決議する。
(1) 有床診療所の入院基本料は、病院や介護施設と比較して著しく低く設定されている。経営基盤を安定させ、地域で必要とされる機能を安定的に発揮できるよう、入院基本料の大幅な引き上げを行うべき。
(2) 有床診療所における看護補助加算、終末期・看取り加算、回復期リハビリテーション加算、緩和ケア加算、認知機能障害加算の創設を行うべき。
(3) 現行の診療報酬体系では、診療における判断両が非常に低い評価にとどまっていること、あるべき医療提供体制を構築するために必要なコスト(人件費や施設整備費等)が十分にまかなえていない。今回の診療報酬本体引き上げの財源の一部を初・再診料をはじめとする基本診療料の引き上げに充てるべき。
16.自宅で死ねるか 在宅緩和ケアの現場
CareerBrain2012年1月26日~27日
(上)患者に「好きに生きる時間」を
末期がん患者の在宅医療の需要が増している。高齢化とともに、日本人の死因トップを占めるがん患者が増えるのは必至。「最期は住み慣れた自宅で」と望む声は少なくなく、入院から在宅へと誘導する医療政策の流れからも、「末期がん患者の在宅緩和ケア」の必要性が叫ばれている。だが一方で、それに応えるだけの医療体制は整っていないのが現状だ。末期がん患者の行き場は、自宅にあるのか―。在宅緩和ケアの現場を訪ねた。
吐き気を訴えるロクちゃんを診察する川越医師(右)=東京都墨田区
■「家は楽しい」ロクちゃんの選択
「今は、わがまま放題に過ごしてるの」―。肌寒くなってきた昨年11月上旬、東京都墨田区内のマンションで、見津六男さん(63)が、にやりと笑った。愛称は「ロクちゃん」。若いころは、ギタリストとして銀座や赤坂のステージを務め、一昨年には、自宅近くにミュージックバーを開いた。肺がんと診断されたのは4年前。手術と抗がん剤による治療を重ねたが、昨年4月、病院の医師は「このまま治療を続けても、可能性は十に一つ」と告げた。ロクちゃんは、「好きに生きる時間」を選び、在宅緩和ケアに移行した。
10月半ばから、同区内の在宅療養支援診療所(在支診)「クリニック川越」院長の川越厚医師が毎週、診療に訪れるほか、週3回の訪問看護が入っている。肺がんに特徴的な呼吸苦や、首から肩にかけての痛みは、オピオイド鎮痛薬でずいぶん和らいだ。この1週間で急速に弱り、話す声にも、せきやたんが交じるが、決して「不自然な経過」ではない。ロクちゃんは、「今は、吐き気がつらい」と訴え、吐き気止めの薬を処方してもらった。
ロクちゃんの手帳には、毎日の出来事や体調がメモしてある。ある休日の欄には、「やっぱり家に人がいると楽しい」。妻と小学6年の娘がそばにいてくれることが、何より力になっているのだという。「そばにいてほしいとき、独りになりたいとき。他人には言えないことも、家族になら遠慮せずに言えるよね」。家族の話をする表情は、自然にほころぶ。前夜は、娘が習っている三味線を披露してくれた。「今は、小学校の卒業が楽しみなの」。
この日から約1週間後、ロクちゃんは息を引き取った。
■ひとくくりにされてきた在宅にひずみ
川越氏が理事長を務める医療法人社団パリアンは、「クリニック川越」に加えて「訪問看護パリアン」を展開し、末期がん患者への専門的な在宅緩和ケアを提供している。「末期がんの患者さんは、在宅医療の中でも難しい。『一般的な医療の延長』で考えては無理なんです」と川越氏。末期がん患者と非がん患者では、その臨床的特徴が大きく違っているからだ。
川越氏によると、クリニック川越の末期がん患者は、▽死亡時の平均年齢が71.7歳で、非がん患者に比べて15歳ほど若い▽在宅の初診から看取りまでは平均56.2日と、短期間で急な経過をたどる▽高度・専門的な医療ニーズが高い―といった特徴があるという。こうした違いにもかかわらず、「在宅医療」でひとくくりにされてきた現状に、川越氏は疑問を投げ掛けている。「現在の『在宅医療』は、高齢の非がん患者を想定してデザインされている。がん患者の『在宅緩和ケア』は、この枠組みに途中から入るという形で進められてきたために、いろんな問題が生じてしまっているんです」。
人口動態統計によると、2010年の全死亡者のうち、自宅で亡くなった人が12.6%にとどまるのに対し、病院での死亡は77.9%。この傾向は近年、ほぼ変わりがない。その一方、厚生労働省の終末期医療に関する調査(08年)で、「治る見込みがなく、死期が迫っている場合の療養場所」に「自宅」を希望した国民は、「必要になれば医療機関に入院したい」と回答した人も含めると63.3%に達し、「自宅での療養」を望む割合は、増加傾向にある=グラフ=。
だが半面、「最期まで自宅で療養するのは実現困難だ」と考える人も66.2%に上り、「実現可能」とした6.2%をはるかに上回った。ネックになっているのは、「介護する家族の負担」に加え、「症状が急に悪化したときの対応に不安がある」ことだ。
終末期医療に課題を感じている医療関係者も少なくない。同じ調査で、「終末期医療に悩みや疑問を感じた経験がある」と答えた医師は84.1%。「在宅医療を実施したくても、体制が十分でないこと」「病院内の設備や終末期医療の施設が乏しいこと」など、医療体制の不十分さに対するものが目立つ。
■がん患者の受け皿を地域に育てる
「『在宅緩和ケアは理想だけれど、現実的には難しい。だから、施設の緩和ケアを充実させよう』という方向に向かっては駄目なんです」。川越氏は、あくまでも「自宅での最期」の実現にこだわり、そのために「在宅緩和ケアの専門チーム」を地域に育てる重要性を訴えている。「在院日数の短縮化や急性期医療の強化が進められ、病院は、患者を出さざるを得ない。それなのに、在宅の受け皿がないので、どこに出していいのか、みんな困っているんです。今後も増えるがん患者の地域での受け皿が、どうしても必要です」。
年の瀬の晴れた午後、川越氏は、訪問診療に向かう道々、「困ったなあ」とつぶやいた。病院で「あと2、3か月」とされ、在宅緩和ケアに移行した腎がんの男性(70)が、もう3年近くも生きている。「東京スカイツリーが開業したら、一緒に展望台に登る約束をしちゃってて…」。高所恐怖症の川越氏にとっては、なかなかつらい約束だ。この日の診療でも念を押されてしまい、「分かった。僕が死ぬ気になって登ります!」という川越氏の宣言に、笑い声が茶の間に響いた。
在宅に移行後、病院で治療を続けていた時の見通しよりも死が遠のくことがある。男性は、「がんが治るわけじゃないから、あんまり長くなっても疲れちゃうよ」と言うが、一緒に暮らす姉と川越氏と3人で「死ぬ瞬間てのは、結構気持ちいいものなんじゃないか」などと話している様子は穏やかだ。「まあ、またお雑煮を食べてから逝きなさいよね」と言う姉に、男性は「うん、そうだね」と答えた。
(下)- 課題山積、医療機関の育成がカギ
高齢化に伴うがん患者の増加は、同時に、認知症や複数の疾患を併せ持つがん患者の増加を意味する。こうした患者の受け皿となる医療機関や施設は、十分にあるとは言い難い。一方、独居高齢者も増えており、在宅緩和ケアが直面する現状は、ますます厳しい。
川越医師(左)の訪問診療風景。高齢世帯の増加など、在宅緩和ケアはさらなる課題に直面している
(上)―患者に「好きに生きる時間」を
■ここにいてもいいの?
東京都江東区で独り住まいだった清水玉子さん(享年94)は2009年7月、乳がんのため、自宅で息を引き取った。大おばに当たる清水さんから、娘のようにかわいがられたという土屋希代子さん(45)=福島県郡山市=は、亡くなる数年前から清水さんが、「わたし、ここにいてもいいの?」と、たびたび問うようになったと振り返る。
都内で長く音楽教師として勤めた清水さんは、大正生まれの「ハイカラさん」。年を取ってもヒールを鳴らして歩くような、きりっとした自立的な女性だった。60代半ばから、「わたしは、この家で死ぬわ」と話していた。不必要な延命治療は受けないという意思も明確で、「望む最期」を描いていたようだった。しかし、80歳を過ぎたころ、軽い認知症の症状が出始め、体調も思わしくなくなると、次第に生活への自信を失っていったという。
■年を取ったら、病院で死ねる?
「このまま家にいたら、迷惑になる」「どこかいい所を探してちょうだい」―。
訴えのたび、離れて暮らす土屋さんは、入院できる医療機関や高齢者施設探しに奔走した。しかし、「高齢でがん。認知症はあるが、まだ要支援の状態」という清水さんの行き場は幾つもなく、ようやく見つかった施設も、いざとなると本人が「やっぱり家にいたい」とかたくなに拒否した。「年を取って病気をしたら、入院して、病院で死ねるもの」とばかり思っていた土屋さんは、八方ふさがりの現実にがくぜんとしたという。
知人の紹介で、がん患者を中心に在宅医療を提供する「クリニック川越」(墨田区)を知ったのは08年春。医師の往診と訪問看護が定期的に入るようになり、土屋さんは「本当に助かったという思いだった」。
しかし約1年が過ぎて、乳がんによる右胸の痛みが強まり、緊急コールが増えだすと、郡山市から月2回通うのが精いっぱいだった土屋さんは、心配に耐えられなくなった。周囲からも「あんな状態で独りにするなんて」「年寄りの言うことをいちいち聞かないで、ちゃんとした所に入れるべきだ」と責められ、往診に来ていた院長の川越厚氏に助けを求めた。「もうどこかに入れたいんです」―。
川越氏から返ってきたのは、厳しい言葉だった。「本人の意思で、ここまで在宅でやってきたのに、いまさら病院に入れて、どちらが本望か。どちらが幸せか!」。
「これで覚悟が決まった」と、土屋さんは振り返る。たとえ周囲に責められても、はた目には悲惨に映ったとしても、見慣れた天井の下で逝かせたい―。
清水さんが亡くなったのは、それから約2か月後。最期は、協力してくれた土屋さんの母が手を握って看取った。夏の夜明け、苦しみもなく若々しい表情だったという。「独りが不安だったのは事実だけど、自分の意思を貫いて、本当に『らしい最期』だった」と話す土屋さん。「もっとああしていれば」という思いもあるが、その言葉には満足感が漂う。
■独居、認知症、経済苦…これからのがん患者
「こういうケースは、これからどんどん増えていきますよ」。独居や高齢世帯など、家族の介護力不足のほか、認知症や精神疾患を併せ持つ患者や、経済的な困難を抱える患者が増加し、今の体制のままでは、在宅にも施設にも行き場のない人が増えていく―。川越氏は、こう指摘する。「もう単純に『自宅の方がいい』と言っている場合じゃないんです。最期まで、病院が全部面倒を見てくれた時代は終わった。こうした難しいケースをどう家で看取るかが問われています」。
がん患者が抱える身体的・精神的・社会的な苦痛も合わせた「トータルペイン」に対応できる質の高いケアが在宅緩和ケアに求められる中、カギとなるのが、専門的な在宅緩和ケア医療機関の育成だ。
在宅医療の推進のため06年度に創設され、二十四時間体制の往診などを要件とする「在宅療養支援診療所」(在支診)は、厚生労働省のまとめによると10年7月現在、全国で1万2487か所に上る。しかし、このうち在宅患者の看取り実績があったのは5833か所。在支診として届け出のある施設の過半数は、看取りにかかわっていないのが実態だ。
こうした現状に対し、在宅緩和ケアを専門に取り組んでいる現場の声を発信しようと、川越氏らは10年、「緩和ケア診療所(PCC)連絡協議会」を発足させた。入会には、▽過去5年以上の診療実績がある▽直近3年間の年間がん看取り数が平均30例以上、在宅看取り率は平均60%以上を満たす―という基準を設け、実績を重視。現在約30の診療所が参加しているという。
■病院―専門診療所―開業医で地域のネットワークを
さらに、昨年12月には、「在宅ホスピス緩和ケア基準」を作成。医師と看護師を核とする一体化したチームによって、「専門的な知識と確実な技術をもって症状緩和を行う」「患者と家族が、家にいることでの不安を解消できるように、タイムリーなケアを提供する」「家で療養し、家族で看取ったことが遺族の支えとなり、本人の死後も家族が健康的に生きていけるように支援する」など、協議会として、在るべき在宅緩和ケアの姿を示した。
協議会は今後、会員施設の診療データを集積することで、緩和ケアの質の向上を図るといった活動を進めながら、「実績に基づく在宅緩和ケアの在り方」を提言していく考えだ。
協議会の代表を務める川越氏は、「看取りまで責任を持たず、最期は病院に丸投げしてしまうような在宅緩和ケアでは、意味がない。最期まで質の高いケアを提供できる専門チームが各地域に育っていくことが、患者さんの一番の安心につながる」と強調する。専門的な在宅緩和ケアを担う診療所が、病院と、基本的なケアを提供する在支診や開業医との間をつなぐことで、地域のネットワークを形成し、在宅療養・在宅死を望む患者と家族をバックアップする。PCC連絡協議会は、その手本、地域のリーダーとなるチームを育てるのだという。
川越氏は力を込める。「とにかく本物をこの国に息づかせなくちゃいけない。そういう時期です」。
17.【ミニレビュー(2/4)】 繰り返す発熱と自己炎症症候群
―感染症科医のためのprimer
帝京大学ちば総合医療センター血液・リウマチ内科 萩野 昇
KANSEN JOURNAL No.32(2012.1.26)
(1/4回目)
研修医しまむら(以下「しまむら」) 「ちょっとちょっと、ぶぅちんセンセ!」
指導医ぶぅちん(以下「ぶぅちん」) 「何かね、しまむら君」
しまむら 「いきなり内容がアサッテの方向に向かっていますよ。基礎免疫の話なんかしちゃって。明日からの感染症臨床にどう役立てればいいんですか? 忙しい感染症科の先生方はもう読んでないよ、きっと」
ぶぅちん 「まぁ待て、焦るな。すぐに使えるようになる知識はすぐに使えなくなるんだ。不明熱診療も日々の勉強も、焦りは禁物であるぞ」
しまむら 「ダイエットもですね、センセ!」
ぶぅちん 「……そうだね」
しまむら 「でも、もう少し噛み砕いて説明してください。そもそも略語や漢字が多くて読みにくいし、英単語も入り混じっているし」
ぶぅちん 「ヒトの体表には10の14乗個の常在菌がいて、そいつらと普段は仲良くつき合っているわけだ。しかし、感染が起きると、ある特定の菌やらウイルスやらがぶゎーっと増えてヒトの体内で何やら悪さをしよる。そこで、その『特定の菌やらウイルスやらの病原体』を同定して、免疫による防御システムを作動させる必要があるわけだ」
しまむら 「センセ、その10の14乗個ってどうやって数えたんですか?」
ぶぅちん 「先生が1個1個丹念に数えた」
しまむら 「……」
ぶぅちん 「過去には、T細胞受容体やB細胞の産生する抗体がものすごーく多様なので、『特定の病原体』が何であっても充分に対応できると考えられていた。ところが、そういったT細胞やB細胞が病原体に反応して活性化し、抗体なんかを産生するために、そもそも他の細胞(抗原提示細胞)からの刺激が必要だと分かってきたのが1980年代後半」
しまむら 「ふんふん」
ぶぅちん 「それで、そもそも『特定の病原体へのファーストコンタクト』、つまり『こいつは敵だ!準備しろ!』ということを免疫システムはどのようにやっているのかというのが、ここ20年ほどで長足の進歩を遂げた自然免疫なんです。innate immunityね」
しまむら 「ほぅほぅ」
ぶぅちん 「そこで大きく分けて2つの考え方が出てきた。一つはJaneway先生らによる『進化の過程で保存された、病原体の構造というかパターン(PAMPs)を認識するPRRが抗原提示細胞に発現していて、そこからシグナルが入るとT細胞やB細胞の活性化に結びついていく』という説。こちらが今のところ主流。もう一つはMatzinger先生らによる『細胞が病原体によってヤバい死に方をすると、そこからマジヤバイ警報(danger signal)が出て、それがT細胞やB細胞の活性化に結びついていく』という説。PAMPsに対応してdamage-associated molecular patterns(DAMPs)のような、細胞成分の一部でありながら免疫を活性化する構造があるのではないかと推定されていて、実際いくつか候補は見つかっているけど、これこそがDAMPsだ!というものは同定されていないのが現状」
しまむら 「なるほど。DAMPsとかPAMPsって見たら、なぜかISSAって単語を思い出したけど、ISSAって何かの略語でしたっけ、センセ?」
ぶぅちん 「……この2つの説で説明できること・できないことがそれぞれあるんだけど、最近ではこの2つの考え方自体が統合されつつある。ここでは深入りしない。Janeway先生は免疫学における『知の巨人』の一人で、彼の1989年の記念碑的論文では、驚くべき正確さで『自然免疫の研究で発見されるであろうこと』が予言されている[1]。Matzinger先生も面白い人で、初期の論文では自分の飼い犬を共著者にしたりしている[2]。インパクトファクター7の犬。ちなみにアフガンハウンド」
しまむら 「なんか知らんけど敗北感……」
ぶぅちん 「そして、そういったDAMPs(マジヤバイ警報)とかPAMPsとかを受け取ったマクロファージとか樹状細胞とかは、細胞内でinflammasomeというタンパク複合体を形成して、これが『風が吹けば桶屋が儲かる』ようなメカニズムで強力な炎症性サイトカイン IL-1βを活性化するわけです」
しまむら 「だいたい1学年に1人ぐらい、大食いで『マクロファージ』ってアダ名の医学生いるよね……。センセ、そういえば、末梢血の分画にマクロファージがありません!」
ぶぅちん 「先生の学年には『選り好みしない』って意味で『メ△ペ◯』ってアダ名のやつが……。そんなことはどうでもよろしい。しまむら君、免疫学の授業に出てなかったでしょ?」
しまむら 「免疫学の授業にも出ていませんでした!」
ぶぅちん 「……血管の中にいる間は『単球』、これが活性化して、炎症のある場所などで血管外に出ると『マクロファージ』、そこが結合組織内だと『組織球』です」
しまむら 「めもめも」
ぶぅちん 「IL-1βは、発熱の原因になるし、炎症局所に白血球を呼び寄せる働きもあるのです。で、ここ10年ちょっと『サイトカイン阻害療法』とか『生物学的製剤』っていうのが脚光を浴びていてね、『IL-1βを抑えるとどうなるの?』ということでIL-1βに対する生物学的製剤Anakinraというのが開発された。関節リウマチには残念ながら今一つ効かなかったし、毎日皮下注射ってことも他の生物学的製剤より不便だったので、関節リウマチには使われなくなった」
しまむら 「あら」
ぶぅちん 「しかし! これまでおしゃべりしてきたような自然免疫システムの理解によって、『もしかしたらAnakinraはinflammasomeの関連した病気には効くんじゃない?』ということで、徐々にそういう疾患に使われるようになってきた。まずはありふれた病気でありながら、時として治療が悩ましい『痛風発作』に使われた。尿酸の結晶がinflammasomeを活性化して足の親指のつけ根の関節にどかーんと関節炎を起こすのが痛風発作で、尿酸はDAMPsの一員なのではないかと言われているけど、これがAnakinra皮下注射(1回100mg、3日間連続)ですーっと治まる」
しまむら 「へぇぇ」
ぶぅちん 「Anakinraみたいに毎日皮下注射しなくてもいいCanakinumabやRilonaceptといった新規抗IL-1β製剤も出てきているみたいだね。10年以上前は『サイトカインは同じ作用を持ったものが複数あるから、1つだけサイトカインを抑えても他のサイトカインがその働きをカバーするから、炎症はよくならないんじゃないかな?』と言われていたけど、ベッドサイドでの効果は雄弁です。というか、免疫学の進歩を知らずに薬を使うことはほとんど不可能になってしまった」
しまむら 「センセ、ちょっと臨床っぽい話が出てきて安心しました! でも、感染症の臨床とどう結びついていくんですか?」
ぶぅちん 「例えば、原因不明の『発熱を繰り返す』患者さんがいるとして、しまむら君ならどうする?」
しまむら 「感染症か、リウマチ専門の先生に相談します!」
ぶぅちん 「リウマチ科医は『うちの県ではクッシーとかヒバゴン並に珍しい存在』って、某マイクロブログで言われていたぞ」(注:実話[3])
しまむら 「うーん……」
ぶぅちん 「原因がよく分からない発熱の患者さんは、総合内科、総合診療科、あるいは感染症科で診療されていることが多いと思うんです。いわゆる『不明熱』に限ると、検査の進歩に伴って、developed countryでは感染症や腫瘍が不明熱の原因になる比率は徐々に下がってきていて、一方でリウマチ性疾患の比率が上がってきています。さらに、不明熱が『診断不明』になる比率も上がっていて、これは別に『なぞの発熱』が増えたわけじゃなくて、もともと一定の比率で診断が難しい発熱の患者さんはいらっしゃって、感染症や腫瘍が『不明熱』の分類基準を満たす前にさくっと診断されるようになってきたからだと想像されます。そうした『最終診断が不明の不明熱』の予後は全般的に良好で、多くが6か月ほどすれば解熱すると言われているけど、そんな中でも関節の痛みや腹痛などで困っている患者さんがいらっしゃって、その中に『自己炎症症候群』の方が混じっているかもしれないと」
しまむら 「なるほど」
ぶぅちん 「そういうわけで、臨床免疫学の進歩を紹介しつつ、新しい『自己炎症症候群』という概念を紹介できればと思います」
しまむら 「締め切りを大幅に破っ……(ガシッ)」
ぶぅちん 「……ということで、後半の各論もおつき合いください」
しまむら 「ください」
1)Janeway CA Jr.: Approaching the asymptote? Evolution and revolution in immunology. Cold Spring Harb Symp Quant Biol. 1989; 54 Pt1: 1-13.
2)Wikipedia: Polly Matzinger.
http://en.wikipedia.org/wiki/Polly_Matzinger
3)medtoolzの日記
http://d.hatena.ne.jp/medtoolz/20091022
18.<速報>定点当たり報告数が全国で22.73人と急増
パンデミック・アラート No.148
福井県59.88人、高知県59.31人、三重県も52.2人に
各都道府県がまとめているインフルエンザ定点当たり届出数によると、第3週(1
月16日から22日)時点で、全国平均で22.73人と急増、この5年では昨年に次い
で2番目に多い水準となった(図1)。各都道府県は、今後もいっそうの増加が考え
られると警告、外出後の手洗いやうがいの励行、咳エチケットに心がけるよう求め
ている。
編集部のまとめでは、福井県が県全体で59.88人と先週の16.38人から急増し、
警報レベルとされる「30人」を超えた。このため、1月18日に発令した「インフ
ルエンザ注意報」を25日付けで「インフルエンザ警報」に切り替えた。
高知県は前週の19.52人から59.31人と急上昇した。新型インフルエンザが流行
した2009/10シーズンのピーク値である45.92人も超えた。
三重県でも52.2人となり、同県の昨シーズンのピークだった第10週(31.0人)
を大きく上回った。同県では全ての保健所管内で定点当たり患者報告数が警報レベ
ルとされる「30人」を超えた。
総じて患者数の増加スピードが早く、医療機関側が集中する患者に応じ切れるの
か心配な状況となっている。
19.インフル患者報告急増、前週の3倍に- 警報レベル保健所地域は8倍近くに
CareerBrain2012年1月27日
インフルエンザ定点医療機関(全国約5000か所)当たりの患者報告数が、16-22日の週は22.73人で、前週(7.33人)から約3倍に増えたことが27日、国立感染症研究所感染症情報センターのまとめで分かった。この値を基に同センターが推計した定点以外を含む全医療機関の受診患者数は約111万人。警報レベルを超えている保健所地域も、前週の18か所(8府県)から141か所(33府県)と8倍近くまで急増。注意報レベルのみ超えている保健所地域も、前週の112か所(29道府県)から262か所(44都道府県)と、倍以上に増えた。
都道府県別では、福井の59.88人が最多で、以下、高知(59.31人)、三重(52.17人)、岐阜(49.79人)、愛知(49.03人)、和歌山(41.48人)、香川(39.65人)、愛媛(35.49人)などの順。なお、全都道府県で前週の報告数を上回っている。
推計患者数を年齢層別に見ると、5-9歳が27.9%を占めたほか、10―14歳も18.0%に達した。以下は0―4歳が15.3%、30歳代が9.0%、60歳以上が8.1%、20歳代と40歳代がそれぞれ6.3%などとなっている。特に、最も多い5-9歳の患者数は約31万人で、前週(約8万人)から約4倍に急増している。
2011年12月12日―12年1月15日の5週間に検出されたインフルエンザウイルスは、A香港型が90%で最多。以下は、B型が9.6%、インフルエンザ2009が0.4%の順。
20.定点当たり報告数が全国で22.73人と急増、福井県59.88人、高知県59.31人、三重県も52.2人に
日経メディカル2012年1月27日
各都道府県がまとめているインフルエンザ定点当たり届出数によると、第3週(1月16日から22日)時点で、全国平均で22.73人と急増、この5年では昨年に次いで2番目に多い水準となった(図1)。各都道府県は、今後もいっそうの増加が考えられると警告、外出後の手洗いやうがいの励行、咳エチケットを心がけるよう求めている。
編集部のまとめでは、福井県が県全体で59.88人と先週の16.38人から急増し、警報レベルとされる「30人」を超えた。このため、1月18日に発令した「インフルエンザ注意報」を25日付けで「インフルエンザ警報」に切り替えた。
高知県は前週の19.52人から59.31人と急上昇した。新型インフルエンザが流行した2009/10シーズンのピーク値である45.92人も超えた。
三重県でも52.2人となり、同県の昨シーズンのピークだった第10週(31.0人)を大きく上回った。同県では全ての保健所管内で定点当たり患者報告数が警報レベルとされる「30人」を超えた。
総じて患者数の増加スピードが早く、医療機関側が一挙に押し寄せると考えられる多数の患者に応じ切れるのか心配な状況となっている。
図1 インフルエンザ定点当たり届出数の推移(全国平均)
21.フィリップス・MRI研究者インタビュー「将来、CTはMRIに置き換わる」
日経メディカル2012年1月27日
昨秋、画像診断装置メーカー・フィリップスのオランダ・ベスト工場を本誌記者が訪れ、MRI工場及びMRI研究開発センターを取材した。フィリップスは昨年5月、世界で初めてフルデジタル化を実現した3テスラの「ingenia 3.0T」を日本でも発売、高磁場MRIの販売に力を入れている。同社ヘルスケア部門(Philips Healthcare)でMRIの研究開発を担当するOlaf Such氏と、グローバルの販売部門のJurnjan van den Bremer氏の2人に、MRIの今後の方向性などについて聞いた。
―ベスト工場の概要を簡単にお願いします。
フィリップス(以下、フ) ベストはフィリップスの本社があるアイントホーヘンの北西約10キロに位置する町で、ここにはMRIやCTなど当社の画像診断機器の工場が集まっています。当社は米国、中国にも画像診断機器の工場がありますが、ベストはその中で最大の工場です。MRIの研究開発部門もここにあります。
―MRIは年間何台くらい製造していますか。
フ ここでは年間約700台です。Achieva 1.5T、Ingenia 3Tなどが主力製品です。周辺の部品工場から各部品(モジュール)がここに集まり、それらのモジュールを組み合わせ、超伝導を保つためのヘリウムガスを充填する工程を経た後、テスト・調整して出荷します。日本市場向けのIngenia 3Tもここで作っています。
―「日経メディカル」でも紹介しましたが(MRIが癌の早期発見に威力、2011.9.22)、Ingeniaでは信号強度比(SNR)向上や、軸位断より撮影枚数が少なくすむ冠状断で撮影するアプリケーションの開発などにより、全身の拡散強調画像(diffusion weighted image : DWI)の撮影時間が約6分30秒と、格段に短くなったと聞きます。DWIにT1・T2強調画像を加えても通常の検査時間内に全身撮影も可能となります。このまま進歩が進めば、CTは不要となりMRIが完全に置き換わる時代が来るのでしょうか。
フ それはMRIを研究している我々の究極の目標でもあります。現時点ではまだ、CTの方が撮影時間の早さ、空間分解能、いくつかの検査の利便性はMRIに優っています。しかし、MRIは軟部組織のコントラスト分解能や、MRSなど機能検査の面でCTよりも優れる点があり、何よりも放射線被曝がありません。撮影時間がもっと短くなっていけば、CTから置き換わる可能性はあると思います。実際、最新の研究では、MRIで我々は肝臓の撮影をわずか8分で行えるようになっています。
MRI研究棟の玄関に置かれた1978年製の同社初のMRI(0.15T)。
―腫瘍イメージングの研究も進んでおり、PETに匹敵する全身画像もMRIで作成できるようになってきています。癌のスクリーニングに関して、PETも将来いらなくなるとの見方もありますが。
フ おっしゃるように今、Ingeniaで実現し始めていることの延長線で考えれば、10~15年先にはPETは不要になるかもしれません。しかし、まだまだ時間がかかります。しばらくは、機能画像はPET、解剖学的画像はMRIと、同時に撮影できるPET-MRIが使われていくことになるでしょう。
―7テスラのMRIの研究は。
フ 7テスラのMRIは当社ではまだ開発段階です。ここ、ベストではなく、米国クリーブランドが研究拠点となっています。7テスラになるとSNRが3テスラよりさらに高くなるので、MRIでできることの範囲が拡がります。特に、顕微鏡的解像度が得られることで、病理学的診断の可能性も高まります。
当社は1.5テスラではなしえなかったことを、マルチトランスミット(複数カ所の送信源から電磁波を送信することで画質を改善する方法)など、先進的な技術の開発によって3テスラの装置で実現してきました。乳腺や腹部のMRIが普及してきたのもそのおかげと言えます。7テスラは開発段階ですが、その研究成果は3テスラにも逐次フィードバックされています。7テスラのMRIの研究が、MRI全体の底上げにつながると考えています。
22.患者と深く関わり信頼関係を醸成、産婦人科も含め幅広い分野を診療
海外リポート 米国の家庭医療
日経メディカル2012年1月27日
約40年にわたる家庭医療の歴史を持つ米国。ペンシルベニア州ピッツバーグ市の開業医の日常診療の様子や、ピッツバーグ大学関連病院の家庭医療外来の現場を取材した。
「ジュディ、久しぶりに会えて本当にうれしいよ」─。ピッツバーグ市内で開業している家庭医のバーナード・バナッキィ氏は、経過観察のための来院が遅れていた患者をとがめることなく、うれしそうな笑顔を見せて迎えた。同氏は、ジュディの受診が遅れていた理由をよく知っていた。ジュディの夫が、血液透析を開始し、その世話に忙しかったのだ。
Bernard Bernacki氏(左)と同氏の診療所(右)。肉屋だった建物を購入し、診療所に改装した。地下に肉を冷蔵していた場所が残っている。
次に外来を訪れたキャロルのことも、同氏は家族を含めてよく把握していた。キャロルは下半身に障害を持ち、電動車椅子を使用している。介護が必要ながらも自宅で生活し、仕事も持っている。
バナッキィ氏は、キャロルの診察時に、主な介護者である母親の健康状態を確認することも怠らない。「自宅での生活を続けるためには家族の健康管理は重要」と、キャロルとうなずき合う。キャロルの神経性疼痛への処方薬を決める際には、過去の処方薬の効き具合を聞き出した上で、処方の内容を相談して決める。
また、体への負担が増えないよう体重管理の重要性を語り、「私の1日の必要カロリーは1000kcalぐらいという話だったけど」と言う彼女と一緒に、食事内容のチェックも行う。診察を終えると、「冬の間は通院も大変だろうから、春になって気候がよくなってから来てね。それまでに何かあったらいつでも電話して」と言って、彼女を送り出した。
障害を持つ患者を診察中のバナッキィ氏(左)。彼女の主治医として既に20年近く診療している。右の写真は、同氏の診療所の待合室。
家庭医に必須の3テーマ
バナッキィ氏は、1984年にピッツバーグ大の家庭医療研修プログラムを修了し、同年、生まれ育った地元で開業した。これまで約30年間、地元コミュニティーの健康管理に家庭医として深く関わってきた。
家庭医は日々の診療の中で3つのテーマ、すなわち(1)急性疾患への対応(2)慢性疾患の管理(3)予防─を忘れてはならないと、同氏は言う。例えば、腰痛を主訴で来院した患者に対して、血圧の管理の重要性や食事内容の指導も行う。
予防に関しては、「患者の性別、年齢、文化社会的な背景を理解し、それぞれのリスク因子に合わせた指導が重要」と話す。実際、1日の診察における予防指導の内容は多岐にわたっていた。
50歳代の患者には大腸癌検診の意味を説明し、痩せた高齢の白人女性患者には骨粗鬆症予防のためにビタミンDサプリメントの摂取と運動を勧め、過体重で糖尿病の患者には、「脂っこいものはもう食べてないよね」と食事内容を確認する。視力が悪化している高齢患者には、転ばないよう杖の付き方を指導し、「来院するときには、滑って転ばないよう天気のいい日を見つけて来てね」と、次回来院時の天気にまで気を配る。
さらに、頸部痛を主訴に受診した患者に対しては、頸部痛と関連付けた上で、禁煙の重要性を次のように説く。「首の手術を受けたくないという気持ちはよく分かった。手術を受けずに済む方法を一緒に考えよう。ただまず、知っておいてほしいのは、咳をすると首に悪影響が出るということ。その咳の原因は喫煙だよ」。
バナッキィ氏は、「われわれ家庭医は、患者を教育し、患者本人が自分で健康管理できるよう支援し、決して諦めずに患者との関係を継続する必要がある」と強調する。
病院附属の家庭医療外来
バナッキィ氏のような家庭医を多数輩出しているのが、ピッツバーグ大家庭医療講座だ。同大関連病院のUPMCシェディサイド病院は家庭医療センターという家庭医による外来を有しており、家庭医療研修プログラムのレジデントやフェロー、指導医による診療が行われている。
同大家庭医療講座では日本人医師、竹大禎一氏が指導医を務めている。同氏は、弘前大を卒業後、日本で外科医を10年ほど務めた後に渡米し、同大の研修プログラムを修了した経歴を持つ。取材時、竹大氏は、腰痛を主訴に受診した過体重の男性に対して、腰痛の診察だけでなく、コレステロール値を再確認し、「体重を減らす努力をしている?」と声を掛けていた。また、全ての患者に対して喫煙の有無だけでなく、違法薬物使用の有無も確認していた。
バナッキィ氏、竹大氏とも、診察時間は1人平均15分という。この診察時間は他の家庭医の平均的な診察時間でもあるようだ。
「日本よりも1回の診察時間が長いが、日本人患者の年間平均受診回数(15~20回)は米国人の平均(4~5回)に比べて多いので、1人の患者に割く時間は日米で大きな差はないと思う」と話すのは、同大家庭医療講座教授のジャネット・サウス-ポール氏。1回の診察時間が短い日本でも、トータルの診療時間は米国と大差なく、予防を含めた包括的なケアの提供は可能という考えだ。
産科も学ぶ米国家庭医
米国で家庭医を育てている竹大氏は、「米国における家庭医教育の特徴の一つは、産科研修を義務付けていることだろう」と語る。研修プログラムには、妊婦健診から出産、産後健診までが組み込まれている。広大な国土を有する米国において、何でもできる医師として家庭医が養成されてきたことがうかがえる。
ただし、開業して実地診療を始めた後などは、「地域・患者のニーズや医師自身の得手不得手、医療過誤保険によるカバー範囲に合わせて、診療の幅が狭まることはよくある」と竹大氏。例えば、同氏が以前診療を行っていたインディアナ州の小さな町には産婦人科医は2人しかおらず、「ほとんどのお産を家庭医が取り上げていた」という。その一方で、ピッツバーグのような都市部で産婦人科医が多い場所では、家庭医に対する産科診療のニーズは相対的に低くなるという。
とはいえ、米国では婦人科疾患を家庭医が診ることは浸透している。竹大氏は日常診療として、不正出血で受診した若い女性患者に対し、内診、顕微鏡下での性感染症の診断、避妊に関する話し合いを実施していた。婦人科疾患に対応するため、家庭医の診察台は内診が可能なものとなっている。
米国では、医学生の半数近くが家庭医、一般内科医、一般小児科医といったプライマリケア医になる。そのプライマリケア医の約半数は家庭医が占め、家庭医の数は現在も増え続けている。
ただし、家庭医を含めプライマリケア医の待遇は決して恵まれたものではないのが実情だ。「専門医に比べて、地位や収入が低い」(サウス-ポール氏)ためだ。
医学部教育の中で家庭医療を知り、その魅力を感じる学生でも、「収入面を重視する場合には、家庭医を選択しない」とバナッキィ氏。「専門医の年収はだいたい50万~100万ドル。一方、家庭医の年収は16万~18万ドル程度。かつ開業医の場合には、この年収から電気代などの諸経費が引かれることになる」と苦笑する。プライマリケア医と専門医では、大きな収入格差が存在するのだ。
オバマ政権が家庭医を後押し
しかし近年、オバマ政権の下でプライマリケアの重要性が認められてきていると、両氏とも目を輝かせる。現在、米国ではプライマリケアの充実を介して国民の健康を向上させようという全国的プロジェクト(患者中心メディカルホーム:Patient- Centered Medical Home、PCMH)
が動き始めている。PCMHとは質的な成果に基づき、主治医として診ている患者数に合わせて医師の報酬を決めるという新しい医療システム。
このような背景には、「カナダなどプライマリケア医の割合が高い国における国民の健康レベルが高いことが研究で示されている」(サウス-ポール氏)ことがある。
さらに両氏とも、家庭医はリーダーシップを発揮できる仕事であることを若い世代に伝えていきたいという。「医療はチームで行うもの。そのリーダーとなるのが家庭医」と、バナッキィ氏。またサウス-ポール氏は、「現在、家庭医が医学部長を務める大学が全米で10ある」と、大学内でも家庭医療を専門とする医師の地位が少しずつ向上していることを誇らしげに語った。
23.病気を治す名医だけでなく、病気にさせない名医になりたい
児玉 秀樹氏
日経メディカル2012年1月27日
児玉 秀樹 氏 Hideki Kodama, D.D.S., PhD, MBA
現在の職業 : 理事長 歯科医師
現在の勤務先 : 医療法人ナチュラルスマイル会
ナチュラルスマイル西宮北口歯科
出身大学・学部 : 大阪歯科大学歯学部
大阪歯科大学大学院歯学研究科
慶應義塾大学大学院経営管理研究科
臨床専門分野 : 歯科 口腔外科 (日本口腔診断学会専門医 日本禁煙学禁煙専門歯科医)
+αの道に入る前の臨床経験年数 : 13年
+αの道に入った後の臨床経験年数 : 3年
+αの道の種類 : 経営学修士(MBA)
何故+αを選んだのか
今の歯科医療に疑問を感じていたことが、+αを選んだきっかけです。
まず、医療は年中無休であってほしいと思いませんか?私が経営するナチュラルスマイルは年中無休で営業しており、昼休診もありません。まさに「病に休日なし」です。私は、医療こそ年中無休であるべきと考えています。
また、歯科医療もすべて保険適応になってほしいと思いませんか?今日、保険と保険外診療とでは、治療技術やレベルに大きな差があります。このままでは、お金のある人とない人とで、ますます受けられる医療に差が開いていきます。それはおかしいと思ったことも、+αを選んだ理由です。当院では、なるべく保険が効くところは保険で、保険でできない部分はなるべく安く行うようにしています。
更に、経営への不安もありました。私どもの医院は、優秀な医師をヘッドハンティングして採用しています。このため非常に高い人件費がかかっています。また、大学出たての研修医が治療してもベテランが治療しても国家指定価格は同じです。当院では、価格は同じであるにも関わらず、優秀な医師を雇い、最新の医療機器を購入し、よりよい医療を提供してきました。その結果患者さんはひっきりなしに来るのですが、どんどん赤字になっていきました(笑)。
そこで、治療技術だけではだめ、人事、財務、マーケティングなど経営学を学ばなくてはいけないと思いました。そんな折知ったのが、大学院の慶應義塾大学ビジネススクールでした。
どのようにして+α道に入ったのか
まず、色んな経営学の本を読みました。そして学んだことを実践していったのです。しかし勉強だけではなんだか物足りないものでした。ところがある時、色々勉強していくうちに慶應義塾にMBAというものがあり、そこに医療・介護制度が専門の田中滋教授がおられるということ知りました。そして幸運にも田中先生の授業を聞くチャンスに恵まれたのです。
その授業に出て、私の目が開きました。
日本人は自分から意見を言わない民族だといわれますが、先生が出される質問に、塾生(慶應では学生を塾生と呼ぶ)たちは真剣に考え、誰もが次々に自分の意見を発表していました。そして場合によっては、塾生同士で熱い議論をかわしていました。私はこの授業に衝撃を受けました。
また、先生の深い授業にも感銘を受けました。財務、マーケティング、人事、組織などの学問としての経営学だけでなく、哲学、社会の歴史や仕組み、政治の盛衰など、学問だけでは学べないことを学びました。
そこで是非とも、この先生のもとで勉強がしたいと決意し、慶應義塾ビジネススクールを受験しました。
プラスαの道はどうであったか、何を学んだか
慶應では、毎晩深夜まで猛烈に勉強しました。授業はハーバードビジネススクールからはじまったケースメソッドという手法で行われています。色んな会社をモデルにし、例えば経営危機からどう立ち直らせるかなど、会社経営のあらゆる問題をディスカッション形式で考えるものです。まるで、患者さんのレントゲンと既往歴と症状から、今後の治療方針を議論する様なものです。それを数百も行うのです。
NHKの白熱授業でも放送されましたが、授業がまさに白熱しています。しかし、授業よりもさらに白熱するのが塾生同士の勉強会です。
塾生それぞれが、会計士や弁護士、医師、銀行家、大企業やベンチャー企業出身者など、色んな経歴を持つため、多様な意見を議論できる環境でした。そしてお互い熱い信頼と友情で結ばれました。私はこれほど前向きで熱心な人たちに出会ったことはありません。今ではこれが塾員(卒業生を塾員と呼ぶ)となり、親交が続いています。そしてみんな優秀な会社に入社し社長コースまっしぐらです(笑)。慶應のいいところはこの塾員同士のつながりが強い点です。
現職に+αはどう生きているか、または現職が+αそのものの場合は、臨床経験が現在どう生きているか
歯科医院はコンビニより多いと言われ、今日では、過当競争から潰れてしまう医院も多いのが現実。私の駅の西宮北口地区は、歯科医院は28軒です。今期は3軒新規オープンしましたので、31軒です(笑)。コンビニは数軒ですから、歯科医院は何倍も多いのです。
歯科医院経営においても、MBAで学ぶような、ケースメソッドは大きく役に立ちました。ケースでは、大企業を素材にしたものが多いのですが、そのエッセンスは弱小零細企業にも十分使えます。特に、リーダー論、組織、人事、財務、そしてマーケティングなど、歯科医師としては、まったく無知だったので、すべてが役に立っています。
また、田中先生のもとで学んだ医療の基本、人をいかに慈しみ、人を助けるか、人を愛するかということを常に考えるようになりました。
そして、MBAで学んだことをフルにいかして実践した結果、患者数、売り上げともにドンドン伸びています。
今後どのようにキャリアを形成していくか
私は、「病気を治す名医だけでなく、病気にさせない名医になりたい」の理念を持ち、「むし歯や歯周病のない社会」の実現を目指しています。その実現には、従来からある治療主体の歯科医院だけでは不可能です。実現には、治療(治すこと)だけではなく、予防(病気にならないこと)、啓蒙(講習会・知ること学ぶこと)の3つの融合が必要です。
治療においては、質の高い治療を常に研鑽しています。またインプラントなど口腔外科も揃え、トータルに歯科口腔保健分野をカバーしています。
予防においては、定期健診を実施しむし歯を予防しています。また子供の時期からの虫歯予防を重視し、歯を守るフッ素塗布を行っています。
啓蒙(講習会)においては、痛くなってから歯科にかかるという患者さんを少しでも減らすため、お子さん・お母さん向けや高齢者向け、そして医療職介護職向けの講習会などをボランティアで行っています。年間30回近く講演会を行っている歯科医師は、日本にはほとんどいないはずです。ご依頼があれば、遠慮なくご連絡ください。
「知らないから、行かない」、「行かないから、悪くなっていく」。私はこんな悪循環を断ち切ろうと思って活動しています。病気を治す名医だけでなく、病気にさせない名医を目指して、「治療・予防・啓蒙」活動をこれからも続けていきます。
ブログ・ホームページなど
会社HP http://naturalsmile.jp/
ご自身が紹介されたマスコミ媒体など
TV
・ウェイクアップ
・夕どき!
・ズームイン!
・知っとこ!
新聞
・毎日新聞
・神戸新聞
・日刊工業新聞
雑誌
・kobecco
・bone to win
・あんふぁん
・神戸おとなの味案内
起業情報
会社種類:医療法人社団(歯科)、起業した年:2005年、起業準備に要した期間:5年
医療従事者が起業するためのアドバイス
特に医師よりも歯科医師の先生にお伝えしたいのですが、なんとなく開業しないこと。多くの若い歯科医師はそれで倒産しています。居ぬきでの開業案件が多いのはご存じでしょう。
また、+αの起業にしても安易に起業しないこと。院長、社長は船長です。船を出航(起業)させるということは誰にでもできます。しかし、天気図をみて、海流をみて、出航を取りやめるという判断をできる船長が少ないように思います。
慶應ビジネススクールでは、売上をあげるためにどうするかという戦術を立てられる経営者は多いが、事業を撤退する、あるいはやめるといった大きな戦略を立てられない経営者が多い、ということを学びました。戦術と戦略は違います。経営者は戦略を立案できなくてはなりません。
これから起業するみなさんは、起業するという考えだけでなく、大きな借金を作ってしまう前にやらないという決意もできる人であってほしいと思います。
24.最新DI:【新薬】サムチレール内用懸濁液
アトバコン:忍容性が高いニューモシスチス肺炎治療薬
日経メディカル2012年1月26日
北村 正樹=慈恵医大病院薬剤部
2012年1月18日、ニューモシスチス肺炎治療薬のアトバコン(商品名サムチレール内用懸濁液15%)が製造承認を取得した。適応菌種は「ニューモシスチス・イロベチー」で、「ニューモシスチス肺炎とその発症抑制」が適応となる。治療目的では、食後に1回5mL(アトバコン750mg)を1日2回21日間、発症抑制の目的では1回10mL(アトバコン1500mg)を1日1回、どちらも食後に投与する。
ニューモシスチス肺炎(PCP)は、酵母様真菌のニューモシスチス・イベロチー(従来はニューモシスチス・カリニと呼ばれていた)によって引き起こされる肺炎である。HIV感染症や血液腫瘍疾患などで生じた免疫不全患者でみられる日和見感染症であり、患者が有するリスク因子にもよるが、致死率が10~60%と高い。
PCPの治療は、欧米においてはスルファメトキサゾール/トリメトプリム(ST合剤)が第一選択薬であり、第二選択薬としては、ペンタミジン(商品名ベナンバックス)が標準治療法として位置づけられている。しかし、HIV感染者にこれらを使用すると、半数以上に副作用が発症し投与継続困難になることが問題となっていた。
今回、承認されたアトバコンは、ニューモシスチス・イロベチーのミトコンドリア電子伝達系を選択的に阻害することで、抗ニューモシスチス活性を示すユビキノン類似体である。すでに海外で発売されているこの薬剤は、これまでエイズ治療研究目的で個人輸入されてきたが、日本エイズ学会より「医療上の必要性が高い未承認の医薬品」として開発要請が出されていた。
アトバコンの承認に当たっては、PCPの重篤性が考慮され、PCPを対象とした海外臨床研究で有用性が確認されていること、個人輸入などにより日本人に対する十分な使用実績があることなどを根拠に申請が行われており、日本人を対象とした臨床試験は実施されていない。厚生労働省は、PCP治療及び発症抑制において、アトバコンに既存の薬剤と同程度の有効性が認められること、既存薬に比べて高い忍容性が確認されたことを評価し、今回の承認に至っている。アトバコンは、2011年12月現在、世界20カ国以上で、PCPに対する標準的な治療及び発症抑制薬として承認されている。
使用に際しては、対象が「副作用により第一選択薬(ST合剤)の使用が困難な場合」と限定されていることを十分把握しておかなければならない。また、海外での臨床試験において、アトバコンとの因果関係は不明なものを含めると、何らかの有害事象が68%に認められているので注意が必要である。主な有害事象は、悪心(24%)、発疹(22%)、下痢(21%)、頭痛(17%)、嘔吐・発熱(各14%)であり、重大な副作用としては、皮膚粘膜眼症候群、多形紅班、重度の肝機能障害などが認められている。
25.アリスキレンとACE阻害薬/ARBの併用で高K血症リスクが1.5倍
10件の無作為化試験のメタ分析で単剤と比較(BMJ誌から)
日経メディカル2012年1月27日
直接的レニン阻害薬のアリスキレンと、ACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)を併用すると、それぞれを単剤で用いた場合に比べて高カリウム血症のリスクが1.5倍超になることが、無作為化試験のメタ分析で明らかになった。カナダToronto大学のZiv Harel氏らが、BMJ誌電子版に2012年1月9日に報告した。
ONTARGET試験の事後解析などにより、ACE阻害薬とARBを併用すると腎機能などに好ましくない影響が見られることが示されて以来、これら2剤の併用には注意が払われるようになった。これらの薬剤と同じ経路に作用する直接的レニン阻害薬のアリスキレンもまた、ACE阻害薬またはARBと併用すれば同様の影響を及ぼす可能性を持つ。レニン・アンジオテンシン系を阻害した場合に発生しうる重症有害事象は、高カリウム血症と急性腎障害だ。これまで、アリスキレンとACE阻害薬またはARBを併用した場合の安全性を評価した質の高い研究はなかった。
著者らは、アリスキレンの処方が増えていることから、他のレニン・アンジオテンシン系阻害薬との併用の安全性に焦点を当てた評価が必要だと考え、無作為化試験の系統的レビューとメタ分析を行った。
Medline、Embase、コクランライブラリと2つの臨床試験登録に、11年5月7日までに登録された研究の中から、アリスキレンとACE阻害薬またはARBを併用した患者群と、それらの薬剤を単剤投与した患者群の転帰を比較していた無作為化試験で、治療期間が4週間以上、有害事象として高カリウム血症または急性腎障害の発生件数を報告していたものを選出した。
主要アウトカムは高カリウム血症(血清カリウム値が5.5mmol/L超)に、2次アウトカムは急性腎障害(血清クレアチニン値が2.0mg/dL超)と高カリウム血症の重症度(血清カリウム値が5.5~5.9mmol/Lを中等症、6.0mmol/L以上を重症とした)に設定、ランダム効果モデルを用いて分析した。
10件の研究(4814人を登録)が条件を満たした。7件はアリスキレン+ARBとARB単剤を比較しており、うち5件はアリスキレン単剤との比較も行っていた。2件はアリスキレン+ACE阻害薬またはARBと、ACE阻害薬単剤またはARB単剤を比較。1件はアリスキレン+ACE阻害薬と、アリスキレン単剤、ACE阻害薬単剤を比較していた。
用量は研究によって異なっていたが、ほとんどの試験が最大推奨用量の適用を目標に設計されていた。試験期間は8週から36週だった。6件の試験で他の降圧薬(β遮断薬、アルドステロン拮抗薬など)が併用されていた。
アリスキレンとACE阻害薬またはARBの併用(以下、併用群)は、高カリウム血症リスクを有意に高めていた。ACE阻害薬またはARBを単剤で投与された患者群と比較した相対リスクは、1.58(95%信頼区間1.24-2.02)。リスク差は0.02(0.01-0.04)で、害必要数(NNH)は43(28-90)になった。また、アリスキレン単剤群と比較した場合の相対リスクは1.67(1.01-2.79)、リスク差は0.02(0.01-0.03)、害必要数は50(33-125)だった。
重症度別の比較も行った。併用群における中等度の高カリウム血症の相対リスクは、ACE阻害薬またはARB単剤群との比較では1.85(1.18-2.91)、リスク差は0.02(0.01-0.03)、害必要数は50(33-100)になった。アリスキレン単剤群との比較では4.04(2.12-7.71)、リスク差は0.03(0.02-0.04)、害必要数は33(25-50)だった。重度の高カリウム血症の発生率は低く、有意差は見られなかった。ACE阻害薬またはARB単剤群と比較した場合の併用群の相対リスクは1.12(0.55-2.29)、アリスキレン単剤群との比較では0.45(0.53-1.53)だった。
8件の研究が急性腎障害の発生について報告していた。ACE阻害薬またはARB単剤群と比較した併用群の相対リスクは1.14(0.68-1.89)、アリスキレン単剤と比較した相対リスクは0.80(0.31-2.04)で、いずれも有意差を示さなかった。
以上の結果を基に、著者らは、現在進行中の大規模無作為化フェーズ3試験ATMOSPHEREから得られるデータが、これら薬剤の適切な使用に関する情報を与えることに期待を表明した。ATMOSPHEREは、慢性心不全患者を対象に、ACE阻害薬エナラプリルとアリスキレンの併用、エナラプリル単剤、アリスキレン単剤について、有効性と安全性を比較する大規模試験だ。こうした質の高い無作為化試験のデータが蓄積されるまでは、アリスキレンとACE阻害薬またはARBの併用が必要と判断された患者については血清カリウム値を注意深く観察しなければならない、と著者らは述べている。
原題は「The effect of combination treatment with aliskiren and blockers of the renin-angiotensin system on hyperkalaemia and acute kidney injury: systematic review and meta-analysis」
http://www.bmj.com/content/344/bmj.e42
26.線維筋痛症に認知行動療法と運動療法が有効
認知行動療法は電話でも効果(Arch Intern Med誌から)
日経メディカル2012年1月26日
線維筋痛症の主な症状である慢性広範痛(chronic widespread pain)に、電話による認知行動療法(CBT)または運動療法が有効であることが、英Manchester大学のJohn McBeth氏らが行った無作為化試験で明らかになった。論文は、Arch Intern Med誌2012年1月9日号に報告された。
慢性広範痛は患者の生活に大きな影響を及ぼす。現在のところ、慢性広範痛治療ガイドラインは、薬物療法、理学療法、心理療法を推奨しているが、それらが疼痛軽減においてどの程度有効なのかは明らかではない。これまでに行われた系統的レビューでは、運動療法と認知行動療法が有望であることが示されているが、面接での認知行動療法の提供には限りがある。
対面にではなく、電話による認知行動療法(TCBT)も慢性広範痛に有効であることが示唆されていたが、そうしたアプローチについて評価した質の高い研究は行われていなかった。そこで著者らは、慢性広範痛に対するTCBTと運動療法、さらに、それらを組み合わせた治療をプライマリケアで提供すると、通常の治療と比べて臨床的有効性と費用対効果がどう異なるかを比較するため、無作為化試験MUSICIANを行った。
25歳以上で、米リウマチ学会の基準を満たす慢性広範痛患者442人(平均年齢56.2歳、女性が69.5%)を登録し、無作為にTCBT(112人)、運動療法(109人)、それらの併用(112人)、または主治医の判断に任せた通常の治療(109人)のいずれかに割り付け、6カ月間適用した。通常治療以外に割り付けた3群にも、並行して通常の治療を実施した。追跡は9カ月後まで継続した。
TCBTは以下のように行った。最初に、セラピストが認知行動療法についての簡単な説明やセラピストとの連絡方法などを患者に郵送。最初のセッションで45~60分かけて患者の状態を評価した。その後、週1回30~45分のセッションを7回実施。続けて、割り付けから3カ月後に1回、6カ月後に1回、セッションを行った。セラピストは、患者が抱えている問題の理解と分析を患者と共に行い、患者自身が2つから3つの目標を設定するよう促した。
患者には、この試験のために作成した慢性広範痛自己管理のためのCBTマニュアルを提供。マニュアルは、架空の患者の物語のスタイルを取りながら、行動の適切な活性化、認知的再構成(好ましくない思考法の存在を調べ評価する)、ライフスタイルの修正(睡眠、疲労感、興奮性の管理)といったCBT特有のテクニックについて説明している。
2回目から9回目までのセッションは、CBTテクニックの実行に関する内容になっており、患者は目標達成に向けて課題を遂行。後半のセッションは、再発防止に焦点を当てた内容だった。試験に参加したセラピストは4人で、CBT経験は平均11年だった。
運動に割り付けられた患者には、米スポーツ医療学会のガイドラインに沿って、レジャー施設やジムで行うよう設計された、心肺機能を高める運動プログラムを提供した。患者は導入セッションに続いて月1回、インストラクターからプログラムに関する指導を計6回受けた。
運動強度は、最大心拍予備能(安静時心拍数と最大心拍数の差)の%強度が40~85%(最大心拍予備能×0.4~0.85+安静時心拍数)になるよう調節した。運動の種類は指導者と患者が決定した。運動時間は20~60分を推奨。ガイドラインは週に3~5回の運動を推奨しているが、今回は最低でも週2回ジムなどで運動し、それ以外にもできるだけ毎日、ウォーキングなどを行うよう指示した。患者は運動日記をつけ、運動時間や運動の種類を記録した。
主要アウトカムは、介入終了時(6カ月時)と9カ月後の、患者自身が自宅で評価した全般的な健康状態とし、回答用紙の郵送、または電話インタビューへの回答を求める形でデータを収集した。評価は7ポイント(1「非常に悪い」~7「非常に良い」)で行い、スコア6の「かなり良い」とスコア7の「非常に良い」を選んだ患者を転帰良好とした。追跡データが得られた患者を対象にintention-to-treat分析した。
6カ月後に転帰良好と判定された患者は、通常の治療群では8.1%、TCBT群では29.9%、運動群は34.8%、併用群は37.2%で、9カ月後はそれぞれ8.3%、32.6%、24.2%、37.1%になった(P<0.001)。
年齢、性別、施設、ベースラインの転帰予測因子(慢性疼痛グレード質問票〔CPG〕と全般的健康質問票〔GHQ-12〕による評価)で調整しても、通常の治療に比べ、積極的な治療を受けた3群の患者の改善は有意に大きかった。TCBT群の6カ月時の転帰良好のオッズ比は5.0(95%信頼区間2.0-12.5)、9カ月時は5.4(2.3-12.8)、運動群はそれぞれ6.1(2.5-15.1)と3.6(1.5-8.5)、併用群はそれぞれ7.1(2.9-17.2)と6.2(2.7-14.4)だった。
2次アウトカムに設定された、CPG(グレード0は痛みなし、グレード4は強い痛みがあり障害レベルが高い)を用いて評価されたグレードは、通常治療群以外の3群のいずれも改善傾向を示した。9カ月時の通常治療群との差は、TCBT群が-0.6(-1.3から0.0)、運動群が-0.6(-1.2から0.0)、併用群が-0.6(-1.3から0.0)の改善となった。
12項目からなるGHQ-12(スコアは1~12で高スコアほど健康状態が悪い)は、通常治療群以外のどの群も、6カ月時には通常の治療群に比べて有意な改善を示し、9カ月時も改善傾向を示した。
今回評価された6カ月間のTCBTまたは運動療法は、慢性広範痛患者のCPGを有意に改善することはできなかったが、患者の自己申告に基づく全般的な健康状態に臨床的に意義のある改善をもたらした。介入終了後もその状態は継続した。TCBTと運動を併用しても、TCBTのみ、運動のみの効果に有意に優る結果は得られなかった。費用対効果も考慮すると、積極的な介入法の中ではTCBTが有望と考えられる、と著者らは述べている。
原題は「Cognitive Behavior Therapy, Exercise, or Both for Treating Chronic Widespread Pain」
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/172/1/48
27.マンモグラフィ検診、開始10年は有害性が勝る可能性
CareNet2012年1月27日
マンモグラフィによる乳がんのスクリーニング検診の導入により、検診開始から10年間は有害性が勝る可能性があることが、英国・Southampton大学のJames Raftery氏らの検討で示された。マンモグラフィによるスクリーニング検診は、人命を救う一方で、偽陽性によりQOLを損ない、不要な治療を強いる場合もある。有害性(harm)が有益性(benefit)を上回ることも示唆されているが、これを定量的に評価した試験はないという。BMJ誌2012年1月14日号(オンライン版2011年12月8日号)掲載の報告。
検診の有益性と有害性をQALYで評価
研究グループは、イギリスにおけるマンモグラフィによる乳がんのスクリーニング検診導入の論拠となったForrest報告の解析データを更新することで、「マンモグラフィ・スクリーニング検診は有益性よりも有害性が勝る」とするコクランレビューの主張の検証を行った。
対象は50歳以上の女性とした。Forrest報告の結果を再現したのち、系統的なレビューや臨床試験などのデータを用いて更新、拡張する生命表モデルを開発した。
主要評価項目は、スクリーニング検診によって得られる生存年と、偽陽性および手術によるQOLの損失を統合した質調整生存年(QALY)とした。
純累積QALY推定値が半分以下に低下
20年後の純累積QALYの推定値は、有害性の影響によって3,301から1,536へと半分以下に低下した。
コクランレビューによるQALY推定値は、スクリーニング検診開始から7年間は最良の場合でもネガティブで、10年後に70となり、20年後は834であった。
感度分析では、これらの結果は広範な頑健性を示し、特に最初の10年は頑健性が高かった。また、手術の有害性の程度やその期間が重要であることも示唆された。
著者は、「この解析は、マンモグラフィによる乳がんのスクリーニング検診の導入により、検診開始から10年間は有害性が勝る可能性があるとの主張を支持するもの」と結論し、「Forrest報告は必要な手術に限定してQOLを評価し、その他の有害性はすべて除外しているが、今回の解析は偽陽性や不要な手術による有害性も含めたため、このような違いが生じたと考えられる」としている。
http://pmc.carenet.com/?pmid=22155336&keiro=journal
28.80歳以上高血圧患者への積極的降圧治療、早期から長期にが支持される
CareNet2012年1月27日
収縮期血圧が160mmHg以上の80歳以上の超高齢高血圧患者に対する降圧治療は、効果が開始直後から認められ、長期的には全死亡と心血管死亡の有意な低下をもたらすことが明らかにされた。超高齢高血圧に対する降圧治療については、無作為化対照試験HYVETでベネフィットがあることが認められているが、早期からベネフィットが得られるかどうかを調べるため、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのN.Beckett氏らがオープンラベルでの延長試験を1年間行った。結果を受けて、「超高齢高血圧患者への、早期から、かつ長期にわたる降圧治療が必要であることが支持された」と結論している。BMJ誌2012年1月14日号(オンライン版2012年1月4日号)より。
HYVET被験者への治療をオープンラベルで1年延長し転帰を検討
試験グループは、HYVET(Hypertension in the Very Elderly Trial)参加者への積極的治療をオープンラベルで1年間延長し、転帰について追跡した。試験は東西ヨーロッパ、中国、チュニジアの病院とクリニックを通じて行われ、HYVETによる二重盲検試験を終了した患者に延長試験への参加が認められた。
積極的降圧治療の参加者は降圧薬を服用し続け(継続群)、プラセボの投与を受けていた参加者は新たに積極的降圧治療による介入を受けた(新規群)。
治療投薬は従前試験と同じくインダパミドSr 1.5mg(商品名:ナトリックス、テナキシル)](+必要に応じてペリンドプリル2~4mg)の投与で、血圧目標も同じ150/80mmHg未満とした。
主要転帰はすべての脳卒中のほか全死因死亡、心血管死亡、心血管イベントを含めた。
全死因死亡、心血管死亡で、継続群と新規群で有意差認められる
結果、参加適格者は1,882例で、うち1,712例(91%)かが延長試験に加わることに同意した。
延長期間中に1,682人・年分のデータが集まった。
結果、治療開始後6ヵ月間は、継続群と新規群の2群間の血圧差は1.2/0.7mmHgだった。
以前の試験で積極的薬物治療を受けていた人とプラセボを投与されていた人を比較すると、脳卒中(13例、ハザード比:1.92、95%信頼区間:0.59~6.22)、心血管イベント(25例、同:1.72、0.36~0.78)には、有意差は認められなかった。
一報で、全死因死亡(死亡47例、同:0.48、0.26~0.87、P=0.02)と心血管死亡(死亡11例、同:0.19、P=0.03)については、2群間に有意な差が認められた。
http://pmc.carenet.com/?pmid=22218098&keiro=journal
29.Autism: Brainwaves 'show risk from age of six months'
BBC News2012年1月27日
It may be possible to detect autism at a much earlier age than previously thought, according to an international team of researchers.
A study published in Current Biology identified differences in infants' brainwaves from as early as six months.
Behavioural symptoms of autism typically develop between a child's first and second birthdays.
Autism charities said identifying the disorder at an earlier stage could help with treatment.
It is thought that one in every 100 children has an autism spectrum disorder in the UK. It affects more boys than girls. While there is no "cure", education and behavioural programmes can help.
One of the researchers, Prof Mark Johnson from Birkbeck College, University of London, told the BBC: "The prevailing view is that if we are able to intervene before the onset of full symptoms, such as a training programme, at least in some cases we can maybe alleviate full symptoms."
His team looked for the earliest signs of autism in 104 children aged between six and 10 months. Half were known to be at risk of the disorder because they had on older sibling who had been diagnosed with autism. The rest were low risk.
Older children with autism can show a lack of eye contact, so the babies were shown pictures of people's faces that switched between looking at or away from the baby.
Sensors attached to the scalp looked for differences in brain activity.
In low-risk babies, or high-risk babies that did not develop autism, there was a large difference in the brainwaves when looking at each type of image.
There was a much smaller difference in the brainwaves of babies who developed autism.
'Very effective'
Prof Johnson said: "It is important to note it is not a 100% predictor. We had babies who flagged up warning signs who did not develop autism."
There were also babies who did develop autism who had low-risk brainwaves. The test would need to be more accurate before it was used routinely.
Prof Tony Charman, Centre for Research in Autism and Education at the Institute of Education, said: "Differences in the use of eye gaze to regulate social interaction are already a well-recognised early feature in many children with autism from the second year of life.
"Future studies will be required to determine whether measurements of brain function such as those used in our study might one day play a role in helping to identify children at an even earlier age."
Christine Swabey from the charity Autistica said: "The hope is that this important research will lead to improved identification and access to services for future generations.
"Ultimately, the earlier we can identify autism and provide early intervention, the better the outcomes will be."
Dr Georgina Gomez-de-la-Cuesta from the National Autistic Society said: "Further research to investigate these differences will eventually lead to earlier recognition of the condition.
"Early intervention is very effective in supporting those with autism, so recognition in infancy can only be beneficial in helping individuals with autism reach their full potential.
"However, this important research is still in its early stages, and larger studies looking at several early markers of autism will be necessary before a robust clinical diagnosis could be possible at such a young age."
http://www.bbc.co.uk/news/health-16740758
30.More men 'have oral cancer virus'
BBC News2012年1月27日
Oral human papillomavirus (HPV) infection is more common among men than women, leading to an increased risk for men of head and neck cancers, a US study suggests.
The Journal of the American Medical Association (JAMA) study assessed around 5,500 people aged 14 to 69.
Around 10% of men had oral HPV, compared with 3.6% of women.
HPV causes the majority of cervical cancers, as well as genital and anal - and head and neck cancers.
Smoking and drinking are significant known risk factors for head and neck cancers. But oral HPV infection increases cancer risk by around 50%, according to the research team from Ohio State University Comprehensive Cancer Center.
They say the incidence of head and neck cancers has significantly increased over the last three decades, and HPV has been directly implicated as an underlying cause.
The researchers used data from a cross-sectional study as part of the 2009-10 National Health and Nutrition Examination Survey.
They all provided a skin cell samples for testing from their mouths, and were interviewed about their lifestyles and sexual history.
Overall prevalence of oral HPV infection was 7%.
Prevalence of HPV increased with lifetime or recent number of partners for any kind of sex, vaginal sex, or oral sex.
Writing in JAMA, the team led by Dr Maura Gillison, said their findings should influence research into the existing HPV vaccines and how effective they could be in preventing oral cancers.
"Vaccine efficacy against oral HPV infection is unknown, and therefore vaccination cannot currently be recommended for the primary prevention of oropharyngeal cancer.
"Given an analysis of US cancer registry data recently projected that the number of HPV-positive oropharyngeal cancers diagnosed each year will surpass that of invasive cervical cancers by the year 2020, perhaps such vaccine trials are warranted."
Jessica Harris, health information manager at Cancer Research UK, said: "As we learn how common HPV infections in the mouth are, and how they are passed on, we can understand more about who is most at risk and how people can reduce the risk of HPV-related cancers.
"Although there isn't yet any evidence to show whether HPV vaccination is effective at preventing oral HPV infections, results like these are vital to help inform prevention programmes in the future."
http://www.bbc.co.uk/news/health-16746619
31.Test Might Predict Risk of Lung Cancer's Return
But it's not clear yet how helpful the molecular exam will be, experts say
HealthDay News2012年1月26日
A new industry-funded study suggests that a molecular test can provide insight into whether patients are at high risk of a relapse after surgical treatment for a form of lung cancer.
The test, which is currently available, could help doctors decide whether the patients should undergo chemotherapy to prevent the cancer from returning.
There are caveats: The test is expensive, and researchers don't yet know whether patients determined to be at high risk will live longer if they undergo chemotherapy.
Still, "this may be one of the very first examples of where we understood enough about the molecular biology of a cancer to truly personalize the treatment of patients and actually improve the cure rate for that cancer," said study co-author Dr. Michael Mann, an associate professor of surgery at the University of California, San Francisco.
At issue is non-small-cell lung cancer, by far the most common kind of lung cancer. Even if tumors are diagnosed early and removed, the cancer will spread and kill 35 percent to 50 percent of patients.
In these cases, "even when the tumor is small and they got it all, microscopic disease has spread around the body," said Dr. John Minna, co-author of a commentary accompanying the study. He is a cancer researcher and professor of medicine at the University of Texas Southwestern Medical Center in Dallas.
Scientists are trying to find a way to predict what will happen to patients after surgery so they can figure out if chemotherapy treatment is a good idea.
In the new study, researchers gave the molecular test to 433 lung cancer patients in California and 1,006 patients in China. The researchers found that the test helped them to predict the likelihood that patients would survive for five years.
Conceivably, physicians could adjust the treatment of patients after surgery to coincide with the risk of a recurrence of their cancer. For now, though, that's not proven. The research "doesn't tell you that if you had a bad prognosis and you were treated with chemotherapy, then you'd do better," Minna said.
Still, information about the risks faced by a patient could help doctors make choices about treatments, said Minna, who called the test "promising."
Study co-author Mann agreed: "There may be an important conversation that you can have with your oncologist about potential benefit from additional therapy to reduce the likelihood of the cancer coming back."
Mann said the test -- which is currently available -- could cost several thousand dollars. Minna, the commentary co-author, said any cost over a few hundred dollars could be an issue for insurors.
The research was funded by the firm that developed the molecular test, and several of the study authors serve as consultants to the firm.
The study appears in the Jan. 27 online issue of The Lancet.
More information
For more about lung cancer, try the U.S. National Library of Medicine.
SOURCES: Michael J. Mann, M.D., associate professor, surgery, University of California, San Francisco; John D. Minna, M.D., professor, medicine, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas; Jan. 27, 2012, The Lancet
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=661114
32.Statins May Stave Off Liver Cancer in People With Hepatitis B
Study found lower risk of developing disease for people taking these cholesterol-cutting drugs
HealthDay News2012年1月26日
Popular cholesterol-lowering statins may also lower risk for liver cancer among people with hepatitis B, a new study shows. Hepatitis B, an inflammation of the liver due to the hepatitis B virus, is one of the main causes of liver cancer.
This is not the first time that statins have shown promise in reducing risk for cancer. Other studies have hinted that these drugs may play a role in preventing certain types of cancer, including breast cancer.
In the new study of more than 33,000 individuals with hepatitis B followed from 1997 to 2008, those who took a statin were less likely to develop liver cancer, when compared to participants who were not prescribed statins. What's more, the longer a person took statins, the greater the liver-cancer risk reduction. Study participants were prescribed the statins to treat high cholesterol levels. Overall, 1,021 people developed liver cancer during the study period.
More research is needed to see how statins may lower liver cancer risk among people with hepatitis B, the researchers said.
"Statins have potential protective effects against cancers [and] carriers of hepatitis B virus infection have a substantial risk of [liver] carcinoma," said Dr. Pau-Chung Chen, a professor of environmental medicine and epidemiology at National Taiwan University, in Taipei. "Statin use is not only a benefit to preventing cardiovascular diseases, but also an additional, convenient and acceptable strategy for preventing hepatocellular carcinoma," or liver cancer, Chen said.
However, statins can cause a potentially dangerous rise in liver enzymes and liver damage. Regular liver function tests are required for all people who take statins.
The study appeared online Jan. 23 in the Journal of Clinical Oncology.
"This is exciting and unequivocally solid research," said Dr. Eugene Schiff, a professor of medicine and director of the Center for Liver Diseases at the University of Miami Miller School of Medicine.
"One of the issues is that statins are relatively contraindicated in people with liver disease," Schiff said. But "the take-home message for people with hepatitis B or anybody with liver disease is that statins are safe. This re-emphasizes the point that if someone has chronic hepatitis B and there is an indication for statins, they should get them and they may be beneficial far beyond lowering cholesterol: They may also reduce their risk for liver cancer."
Dr. David Bernstein, chief of hepatology at North Shore University Hospital and Long Island Jewish Medical Center in Manhasset, N.Y., is more cautious. "In almost all other liver conditions, cirrhosis must be present before [liver cancer] develops," he said. During cirrhosis, scar tissue replaces healthy liver tissue. "Statins must be used with caution in patients with cirrhosis, which can limit their use in patients with liver disease at risk of developing liver cancer," he said. "Further studies are needed in this patient population to confirm these findings."
More information
For information on hepatitis B, visit the U.S. National Digestive Diseases Information Clearinghouse.
SOURCES: Pau-Chung Chen, M.D., professor, environmental medicine and epidemiology, National Taiwan University, Taipei; Eugene R. Schiff, M.D., professor of medicine and director, Center for Liver Diseases, University of Miami School of Medicine; David Bernstein, M.D., chief, hepatology, North Shore University Hospital and Long Island Jewish Medical Center, Manhasset, N.Y.; Jan. 23, 2012, Journal of Clinical Oncology, online
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=661151
33.Researchers Spot Potential Bile Duct Cancer Drug Targets
Mutations in two genes found in tumors appear to fuel their growth
HealthDay News2012年1月26日
Researchers who identified a new genetic signature associated with bile duct cancer say their discovery could lead to targeted treatment for the deadly cancer.
The team at the Massachusetts General Hospital Cancer Center screened samples from 287 patients with gastrointestinal tumors and found that growth-enhancing mutations in two genes (IDH1 and IDH2) may account for nearly one-fourth of bile duct tumors that develop in the liver.
Mutations in IDH1 were found in 13 percent of all bile duct tumors and in 23 percent of those within the liver itself. Mutations in IDH2 were less common.
It may be possible to develop drugs that target this mutation in order to control tumor growth, they said.
The findings were published online in The Oncologist.
Bile duct cancer occurs in a duct that carries bile from the liver to the small intestine.
"Patients with bile duct cancer have a generally poor prognosis. Most of them are diagnosed with advanced or metastatic disease, so surgical resection [removal] is not feasible," study co-senior author Dr. Andrew Zhu, director of Liver Cancer Research at the MGH Cancer Center, said in a hospital news release.
"Identifying this new and relatively common mutation in intrahepatic [within the liver] bile duct cancer may have significant implications for the diagnosis, prognosis and therapy of patients whose tumors harbor this mutation," Zhu added.
Currently, there are no drugs that target IDH mutations, but extensive efforts are underway to develop such drugs, the researchers say.
Each year in the United States, 12,000 people are diagnosed with cancers of the gallbladder and bile duct, but only 10 percent of those cancers are discovered early enough for successful surgical treatment. Average survival, even with chemotherapy, is less than a year.
More information
The American Cancer Society has more about bile duct cancer.
SOURCE: Massachusetts General Hospital, news release, Jan. 18, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=660943
34.Mutations in 2 Genes Linked to Rare Autism-Related Disorder
Research sheds light on Joubert syndrome, which causes physical and mental disabilities
HealthDay News2012年1月26日
Newly discovered mutations in two adjacent genes cause a rare genetic brain condition called Joubert syndrome, according to a new study.
People with Joubert syndrome have malformation or underdevelopment of the cerebellum and brainstem, resulting in a range of physical and mental disabilities such as poor muscle control and mental retardation.
As many as four in 10 people with Joubert syndrome meet the criteria for an autism diagnosis and other neurocognitive disorders, according to background information in a news release about the research.
In the study, a team led by University of California, San Diego School of Medicine researchers found that mutations in two adjacent genes -- TMEM216 and TMEM138 -- cause Joubert syndrome.
"It is extraordinarily rare for two adjacent genes to cause the same human disease," team leader Dr. Joseph Gleeson, a professor of neurosciences and pediatrics, said in the university news release. "The mystery that emerged from this was whether these two adjacent, non-duplicated genes causing indistinguishable disease have functional connections at the gene or protein level."
The researchers conducted evolutionary analysis and concluded that the two genes became joined end-to-end about 260 million years ago. The connected genes then evolved simultaneously and became regulated by the same transcription factors, the authors reported in the study published online Jan. 26 in Science Express.
More information
The U.S. National Institute of Neurological Disorders and Stroke has more about Joubert syndrome.
SOURCE: University of California, San Diego, news release, Jan. 26, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=661070
35.Factors Linked to Age of Onset of Menopause Identified
Researchers zero in on 13 new genetic clues
HealthDay News2012年1月26日
New genetic factors associated with a woman's age when she begins menopause have been identified by an international team of researchers.
Researchers identified 13 loci (specific location of a gene on a chromosome) linked with immune function and DNA repair, which have an effect on when menopause begins, said the researchers from the Boston University Schools of Public Health and Medicine and colleagues.
They also confirmed four previously established loci.
For most women, menopause -- the term for the end of reproductive function of the ovaries -- occurs in the early 50s.
The study was published online Jan. 22 in the journal Nature Genetics.
Most previous studies examining age of onset of menopause have zeroed in on genes associated with the estrogen-production pathway or vascular components, the researchers said.
"Our findings demonstrate the role of genes which regulate DNA repair and immune function, as well as genes affecting neuroendocrine pathways of ovarian function in regulating age at menopause, indicating the process of aging is involved in both somatic and germ line aging," the study authors said.
The new findings "bring us closer to understanding the genetic basis for the timing of menopause. They may also provide clues to the genetic basis of early onset or premature menopause and reduced fertility," team co-leader Kathryn Lunetta, a professor of biostatistics at the BU School of Public Health, said in a university news release.
"We hope that as a better understanding of the biologic effects of these menopause-related variants are uncovered, we will gain new insights into the connections between menopause and cardiovascular disease, breast cancer, osteoporosis and other traits related to aging, and that this will provide avenues for prevention and treatment of these conditions," Lunetta said.
More information
The U.S. National Institute on Aging has more about menopause.
SOURCE: Boston University Schools of Public Health and Medicine, news release, Jan. 23, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=661030
36.インフルエンザ[疾患別情報]インフルエンザ関連死亡迅速把握システム
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/inf-rpd/index-rpd.html
37.中央社会保険医療協議会総会(第218回)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000215yd.html
38.第14回ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会 議事録
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000217k6.html
39.プレスリリース
1) New NIH fact sheet explains test for diabetes, prediabetes
http://www.nih.gov/news/health/jan2012/niddk-26.htm
2) NIH launches trials to evaluate CPR and drugs after sudden cardiac arrest
http://www.nih.gov/news/health/jan2012/nhlbi-26.htm
3) NIH Study shows caffeine consumption linked to estrogen changes
Moderate caffeine intake associated with higher level for Asians, lower for whites
http://www.nih.gov/news/health/jan2012/nichd-26.htm
4) Elevated risk factors linked to major cardiovascular disease events across a lifetime
NIH-supported project analyzed data from 18 population-based studies, involving over 250,000 people
http://www.nih.gov/news/health/jan2012/nhlbi-25.htm
5) 血管再狭窄抑制に有効な薬剤塗布型PTAバルーンカテーテルの製造販売契約を締結
http://www.anges-mg.com/news/pdf/20120126.pdf
40.Other Topics
1) 第11回社会保障審議会短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会
◆説明資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021aea-att/2r98520000021aj0.pdf
◆参考資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021aea-att/2r98520000021ajk.pdf
2) 年金や医療、55年生まれ以降は負担超過 内閣府試算
朝日新聞社2012年1月27日
1955年以降に生まれた人は、一生を通じて受け取る社会保障サービスの「受益」よりも、保険料などの「負担」の方が多くなることが、内閣府の推計でわかった。2010年生まれの人では、生涯収入の13%分も「損」をすることになるという。
試算は、年金・医療・介護の3分野について、受給額から支払額を差し引いた金額が、平均生涯収入のどのくらいの割合になるかを世代別にはじいたもの。50年生まれは厚生年金の受給額が多く、社会保障サービスが負担を上回って、生涯収入の1%分は「得」をする計算だ。
一方、55年生まれ以降は「損」をする。85年生まれ以降の人は10%を超え、2015年生まれは13.2%までふくらむ。損のおよそ3分の2は、年金のマイナスが占める。
3) クモ、目のピンぼけで距離つかむ 大阪市大チームが解明
共同通信社2012年1月27日
ハエトリグモの「主眼」(矢印)(永田崇研究員提供)
ジャンプして獲物を捕るハエトリグモは、目の中に写るピンぼけした像をもとに、見る対象物までの距離をつかんでいることを大阪市立大の寺北明久教授のチームが解明し、27日付の米科学誌サイエンスに発表した。
チームによると、このクモがハエなどに飛び付く際、どのように距離を測るのかは謎だった。ヒトでは左右の目のわずかな見え方の違いから測定しているが、今回のような視覚メカニズムが明らかになったのは初めて。
東北大や京都大との共同研究。距離を素早く検出するセンサーやロボットへの応用が期待されるという。
1.金曜入院、月曜退院を抑制=医療機関の報酬引き下げへ-中医協
2.主張:介護報酬改定 「処遇改善」にはなお遠い
3.脳動脈瘤、安全に治療…新型ステントを開発
4.大腸の代謝物質、大部分を解明 鶴岡のベンチャー企業
5.移植後に分裂異常…低成功率のクローンマウス
6.長時間の睡眠が動脈硬化を招く可能性―北海道大
7.心臓病の生涯リスク、想定よりはるかに高かった 米研究
8.コヴィディエンが石灰化病変治療としてのプラーク切除に関する臨床データを発表
9.京大など、アセチルコリン受容体の立体構造解明、薬剤結合部位を把握
10.J&J日本法人、九大と先端医療機器開発で共同研究
11.東芝メディカル、最新被曝低減技術搭載の4列CTを発売
12.エデルマンセミナー、花粉症は初期治療が大切、最適法へ意思疎通を
13.【保険医療材料】米国申請から半年以内の迅速導入‐製品ごとに評価
14.再診料と複数科受診、議論紛糾、まとまらず
15.有床診の充実求める決議文採択、民主・議連
16.自宅で死ねるか 在宅緩和ケアの現場
17.【ミニレビュー(2/4)】 繰り返す発熱と自己炎症症候群
18.<速報>定点当たり報告数が全国で22.73人と急増
19.インフル患者報告急増、前週の3倍に- 警報レベル保健所地域は8倍近くに
20.定点当たり報告数が全国で22.73人と急増、福井県59.88人、高知県59.31人、三重県も52.2人に
21.フィリップス・MRI研究者インタビュー「将来、CTはMRIに置き換わる」
22.患者と深く関わり信頼関係を醸成、産婦人科も含め幅広い分野を診療
23.病気を治す名医だけでなく、病気にさせない名医になりたい
24.最新DI:【新薬】サムチレール内用懸濁液
25.アリスキレンとACE阻害薬/ARBの併用で高K血症リスクが1.5倍
26.線維筋痛症に認知行動療法と運動療法が有効
27.マンモグラフィ検診、開始10年は有害性が勝る可能性
28.80歳以上高血圧患者への積極的降圧治療、早期から長期にが支持される
29.Autism: Brainwaves 'show risk from age of six months'
30.More men 'have oral cancer virus'
31.Test Might Predict Risk of Lung Cancer's Return
32.Statins May Stave Off Liver Cancer in People With Hepatitis B
33.Researchers Spot Potential Bile Duct Cancer Drug Targets
34.Mutations in 2 Genes Linked to Rare Autism-Related Disorder
35.Factors Linked to Age of Onset of Menopause Identified
36.インフルエンザ[疾患別情報]インフルエンザ関連死亡迅速把握システム
37.中央社会保険医療協議会総会(第218回)
38.第14回ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会 議事録
39.プレスリリース
1) New NIH fact sheet explains test for diabetes, prediabetes
2) NIH launches trials to evaluate CPR and drugs after sudden cardiac arrest
3) NIH Study shows caffeine consumption linked to estrogen changes
4) Elevated risk factors linked to major cardiovascular disease events across a lifetime
5) 血管再狭窄抑制に有効な薬剤塗布型PTAバルーンカテーテルの製造販売契約を締結
40.Other Topics
1) 第11回社会保障審議会短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会
2) 年金や医療、55年生まれ以降は負担超過 内閣府試算
3) クモ、目のピンぼけで距離つかむ 大阪市大チームが解明
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1.金曜入院、月曜退院を抑制=医療機関の報酬引き下げへ-中医協
時事通信社2012年1月27日
厚生労働省は27日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で、金曜日の入院や月曜日の退院の割合が高い医療機関に対し、医療機関が受け取る報酬である入院基本料を引き下げる方針を提示した。休診日が多い土日をまたぐと入院期間が長引き、医療費の増加につながると判断した。厚労省は、中医協の了承を得て10月から導入、医療費の抑制につなげたい考えだ。
厚労省によると、金曜日に入院したり月曜日に退院したりするケースでは、他の曜日に入退院した場合より平均入院日数が長い。年々増加する医療費に歯止めがかからないことを踏まえ、他の医療機関に比べ金曜入院や月曜退院の割合が高い病院には、手術など高度の医療行為をした場合を除き土日分の入院基本料を減額する。
また、高度な医療行為をするケースが少ない午前中の退院が多い医療機関についても、30日以上入院している患者を対象に入院基本料を減額する方針だ。減額幅など制度の詳細は今後、検討する。
2.主張:介護報酬改定 「処遇改善」にはなお遠い
産経新聞社2012年1月27日
人手が不足すれば、どんな制度も安定的に運営できない。人材確保には安心して働ける環境を整えることが重要だ。
民主党政権で初めてまとめた介護報酬の改定からは、こうした懸念がぬぐえない。
4月から実施される今回の改定の目玉は、報酬全体を1・2%引き上げて、職員給与を月額で1万5千円底上げする「処遇改善加算」を新設したことだ。
仕事がきつい割に賃金が低く、志を抱いて職に就いても辞めていく人が後を絶たない介護現場の改善のためである。しかし月額1万5千円の底上げは、自公政権下でも交付金で行われてきた。財源を付け替え、現行水準を下げないよう維持しただけなのである。
高齢化が進み、介護のニーズは一層大きくなる。介護職員は現在140万人だが、団塊世代が75歳になる平成37年には232万人~244万人が必要となる。政府はさらに待遇向上が実現できるよう、追加的な取り組みを進めなくてはならない。事業所経営者の一層の努力も求めたい。
新設された加算制度が、確実に基本給に反映されるよう目を光らせることも大事だ。現行の交付金は暫定措置のため、ボーナスや諸手当といった一時的な待遇改善に使われることが多かった。加算制度も3年間の経過措置であることには変わりない。
もう1つの特徴は、介護の大きな方針を「施設から在宅へ」と明確に移行させたことだ。24時間対応の訪問サービスを定額で利用できる仕組みなどを新設し、在宅医療との連携にも力を入れた。1人暮らしや重度者も、自宅で生活できるようにするのが狙いだ。
利用者の増大に対し、施設整備が追いつかないというのが現状である。その点、在宅介護への移行は現実的な政策判断で、政府がその対応に本腰を入れ始めたことは評価したい。
だが、通常の訪問日時や回数を決めるのは事業者側だ。必要な訪問回数を確保し、利用者が望むサービスが受けられるようにするには、ケアマネジャーが中心となってきめ細かく連携を図っていくことが不可欠となる。
新サービスの導入で、在宅介護がすべてうまく機能するわけではない。家族や地域による「見守り」が引き続き求められていることも忘れてはならない。
3.脳動脈瘤、安全に治療…新型ステントを開発
読売新聞社2012年1月27日
くも膜下出血の原因になる「脳動脈瘤」の新しい治療法を、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)の中山泰秀研究所室長らが開発した。
脳の動脈にできる小さなコブの内側に、特殊な筒を挿入してコブへの血液の流入を遮断、破裂を防ぐ。既存の治療法と比べて安全性が高いなど利点が多く、3年後、臨床試験(治験)を目指す。
同センターでは、心筋梗塞などの治療で、詰まった血管を内側から広げるステント(金属製の筒)治療に実績がある。今回、中山室長らは複雑に曲がりくねった脳の動脈内でも固定できる、伸縮性の高いポリウレタン製フィルムで覆われたステントを開発した。
サイズは直径3~6ミリ、長さ2~3センチで、患部に応じて12種類ある。直径1ミリの棒状にし、脚の血管からコブのある血管まで送り込んでステントを拡張。フィルムで、コブへの血液流入を止める。人工的に脳動脈瘤にしたウサギの実験では約50匹すべてで、コブが完全にしぼんで消えた。
4.大腸の代謝物質、大部分を解明 鶴岡のベンチャー企業
共同通信社2012年1月27日
メタボローム(代謝物質)解析を手掛ける鶴岡市のバイオベンチャー企業「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ」(HMT)は25日、総合乳業メーカー協同乳業(本社・東京)とマウスを使った共同研究の結果、大腸内の代謝物質をほぼ解明したと発表した。
人間の大腸内には500~1000種類、100兆個の腸内常在菌がおり、代謝物質を生み出して免疫やがん、肥満、寿命など健康状態と密接に関係しているといわれている。しかし、大腸内の代謝物質はこれまで一部しか明らかになっていなかったという。
研究では、マウスの大腸内容物を、HMTの高性能メタボローム解析装置で分析。これまで知られていなかったものも含め、179の代謝物質を検出した。また、健康維持に寄与するGABA(ギャバ)などの代謝物質を、腸内常在菌が生み出していることも解明した。
今回の研究成果は、腸内常在菌と健康に関する研究の基礎的データとなるもので、乳酸菌などを使った健康機能性食品の開発や、疾病の発症メカニズム解明も今後期待されるという。
5.移植後に分裂異常…低成功率のクローンマウス
読売新聞社2012年1月26日
普通の細胞の核を卵子に移植して作るクローンマウスの成功率が2~3%と低いのは、核移植直後に細胞分裂の異常が起きやすいためであることを、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の若山照彦チームリーダーと山縣一夫研究員らのグループが突き止め、25日に発表した。
クローン技術の向上だけでなく、受精卵の初期状態を把握して不妊治療に生かすという面からも注目されそうだ。
グループは、受精卵の染色体を蛍光たんぱく質によって60時間発光させ、撮影する技術を開発。クローン技術による卵と、体外受精卵をマウスで約300個ずつ作り、細胞分裂が進む様子を観察した。その結果、クローン卵の約80%で、分裂が始まって8個の細胞になるまでに、染色体の一部がちぎれることがわかった。染色体異常の卵をマウスの子宮に着床させても、胎児として成長しなかった。異常の発生率は体外受精卵より3倍ほど高かった。
6.長時間の睡眠が動脈硬化を招く可能性―北海道大
Medical Tribune2012年1月27日
毎日の9時間以上の睡眠が動脈の硬さと関係している可能性があると、北海道大学などの研究グループが米医学誌「Sleep」(2010; 34: 1681-1686)に発表した。
男性のみ関連か
研究グループは、2003年4月~04年3月に定期健康診断を受けた35~62歳の地方公務員で、完全なデータが得られた4,268人(男性3,410人)を対象に、自己報告による毎日の睡眠時間と動脈の硬さとの関係を調べた。
動脈の硬さの評価には上腕-足首間の脈波伝播速度(baPWV)を用いた。毎日の睡眠時間は5時間以下、6時間、7時間、8時間、9時間以上の5群に分類した。
その結果、7時間群と比べて9時間以上群は、baPWV値が統計学的有意に高かった。性で層別化した解析では、男性でのみ有意な関係が見られたという。
7.心臓病の生涯リスク、想定よりはるかに高かった 米研究
AFPBB News2012年1月27日
人が生涯に心臓病を患うリスクはこれまで考えられてきたよりはるかに高い可能性があるとの論文が、25日の米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に発表された。
心臓発作や脳卒中の発症リスクは、喫煙や糖尿病、高血圧、高コレステロールといった個々のリスク要因によって著しく増大するが、過去の研究の大半は因果関係の観察期間を5~10年に絞っているため、長期的に見ると非現実的な結果が示されていたという。
主執筆者の米テキサス大学サウスウエスタン医学センター(University of Texas Southwestern Medical Center)のジャレット・ベリー(Jarett Berry)准教授(内科)は、「若年期と中年期に獲得したリスク要因が、心臓病の生涯リスクを決定する。短期間のリスクだけに注目する現在の心臓病予防は、特に40代と50代に誤った安心感を与えてしまう」と述べている。
■データで明らかになった生涯リスク
米国立心肺血液研究所(National Heart, Lung and Blood Institute、NHLBI)が出資した今回の研究では、リスク要因を測定する「Cardiovascular Lifetime Risk Pooling Project(心臓血管の生涯リスクデータ蓄積プロジェクト)」に参加した全米の45歳、55歳、65歳、75歳の白人および黒人の男女25万4000人のデータを精査した。
その結果、リスク要因が複数ある人が生涯に心臓病を発症する確率は、リスク要因が全くない人の10倍だった。
例えば、生涯に心臓発作か脳卒中を患う確率は、45歳の健康な男性で1.4%だったのに対し、リスク要因が複数ある同年齢の男性では49.5%だった。女性の場合は、45歳の健康な人では4.1%、リスク要因が複数ある同年齢の女性では30.7%だった。
調査を主導したノースウエスタン大学フェインバーグ医学部(Northwestern University Feinberg School of Medicine)のドナルド・ロイドジョーンズ(Donald Lloyd-Jones)准教授(予防医学)によると、長期的に見た場合、「リスク要因が1つだけでも、生涯に重大な心血管系症状を発症して死に至るか、生活の質や健康を大きく損なう結果を招く確率が非常に高くなる」という。
ただ逆に、中年期にリスク要因が最も少ない状態を維持できた場合には、残りの生涯に目覚ましい好影響が及ぶことも分かったという。リスク要因が最も少ない状態とは、喫煙せず、糖尿病がなく、総コレステロール値が1デシリットル当たり180ミリグラム以下、平常時の最高血圧120以下、最低血圧80以下の状態を言う。
8.コヴィディエンが石灰化病変治療としてのプラーク切除に関する臨床データを発表
財経新聞社2012年1月27日
臨床試験DEFINITIVE Ca++の最終結果をISET 2012にて発表
ヘルスケア製品世界的大手のコヴィディエン(NYSE:COV)は本日、DEFINITIVE Ca++試験の結果を発表しました。 DEFINITIVE Ca++では、大腿膝窩動脈における中等度から重度の石灰化病変を治療する方法として、末梢プラーク切除装置SilverHawk
試験結果を発表したのは、クリーブランドクリニック・ラーナー医科大学血管外科部長で国内共同治験責任医師を務めたDaniel Clair医師(MD)です。Clair医師は当地で開催された 国際血管内治療会議(ISET)の「提出論文・最近の画期的臨床試験(Preffered Papers / Late Breaking Trials)」セッションにて、本試験に関する発表を行いました。
試験は、治療困難な病変がTurboHawkとSpiderFXの両装置によって安全かつ有効に治療できることを証明しました。計133人の患者(168カ所の病変)が試験に組み入れられました。血管の狭窄度は76.5パーセントで、患者の80.0パーセントは手術時にアウトフローの障害を呈していました。重度の石灰化は81.0パーセントの病変で観察され、17.9パーセントは完全閉塞していました。ステントの使用率は4.1パーセントでした。有効性のプライマリーエンドポイント(残存狭窄率が50.0パーセント以下と定義)は、コアラボの評価において92.0パーセントの病変で達成され、治験実施施設の評価において97.0パーセントの病変で達成されました。
米カリフォルニア州サクラメントにあるサター医療センターのサター心臓血管研究所でメディカルディレクターを務めるデビッド・ロバーツ医師(MD)も、国内共同治験責任医師の1人でした。「SpiderFX装置は使いやすく効果的で、TurboHawk装置は複雑な石灰化を呈する浅大腿動脈・膝窩疾患に対処する上で、大きな成功を収めました。結果は素晴らしいもので、安全な血行再建の転帰が得られました。」
30日間の主要有害事象(MAE)無発生維持率は93.1パーセントで、死亡、四肢切断、仮性動脈瘤、臨床的標的病変血行再建は1例もなく、遠位塞栓が3例発生しましたが、いずれも治療を受け臨床後遺症はありませんでした。データは30日間MAE発生率とベイルアウトステントの実施率が低く、血行再建の成功率が高いことを示しました。
P.A.D.は最も一般的な血管疾患の1つで、下肢動脈がプラークによって狭窄ないし閉塞した場合に発生します。閉塞は患者に重度の下肢痛、身体可動性の制約、非治癒性の下肢潰瘍をもたらす場合があります。米国心臓協会によれば、 米国で約1000万人がP.A.D.を患っています。
コヴィディエンの血管治療事業プレジデントを務めるStacy Enxing Sengは、次のように述べています。「この試験はコヴィディエンのDEFINITIVE試験シリーズの一部に過ぎません。同シリーズは、P.A.D.治療の安全で有効な選択肢としてのプラーク切除の効果を実証するものです。治療困難な進行性病変を持つ患者の大規模コホートにおける本試験の結果は、有望なものです。」
9.京大など、アセチルコリン受容体の立体構造解明、薬剤結合部位を把握
化学工業日報社2012年1月27日
京都大学大学院医学研究科の岩田想教授、小林拓也講師、学習院大学、米スタンフォード大学の研究グループは、認知症などの抑制に関わるGたん白質共役型受容体(GPCR)のひとつ、ヒトのアセチルコリン受容体の立体構造を解明することに世界で初めて成功した。宿主に昆虫細胞を利用した発現系と精製や脂質立方相法と呼ばれる結晶化のための技術を採用するなど、新手法を組み合わせ実現した。抗コリン作用のある薬剤と結合した状態のまま立体構造解析ができ、詳細な結合部位データを得られた。結晶をつくるのが難しいGPCRは、さまざまな創薬の重要なターゲットで、今回の成果は薬剤の探索や設計の基盤技術となる可能性がある。
研究グループが対象としたのは、ヒトのムスカリンM2受容体。アセチルコリンは神経伝達物質で、神経からのシグナルを細胞に伝えるが、その伝達を仲介しながら細胞機能を調整するGPCRの一種として、中枢神経細胞や心筋細胞などに存在する。ムスカリン性アセチルコリン受容体は代謝調節型であり、さらに5つのタイプが存在。GPCRは、細胞内外まで7本の細胞膜を貫通するかたちが特徴的だが、不安定で疎水性のため、これまでたん白質として精製したり結晶にすることが大変難しく、詳細な構造情報が少ない。
今回の成果によれば、まず蛾由来の昆虫細胞を宿主にして、安定したヒトGPCRを大量に発現することに成功。たん白質分取用のリガンドアフィニティーカラムを用いて単一の精製品を得て、脂質立方相法により結晶化した。脂質立方相法は、脂質二重層内にたん白質を入れて生体膜に近い環境を再現させる技術で、膜たん白質の結晶化に適するという報告をもとに採用した。
結晶化したムスカリンM2受容体とアセチルコリンが、同受容体を刺激することを阻害する抗コリン作用の薬剤3-キヌクリジニルベンジラート(QNB)との結合体をつくり、これをタンパク質の立体構造がわかるX線結晶構造で解析。
その結果、QNBにこのGPCRの3つのチロシン(アミノ酸)がふたのように覆いかぶさり、外れにくくすることがわかった。QNBは、アセチルコリンが同GPCRに結合する部位(オルソステリック部位)と同じところに結合し、その周囲を構成する特有のアミノ酸の詳細も明らかになったという。
今回の成果は、抗コリン作用の薬剤とM2の結合体の解析だが、他のGPCRについても解析可能で、アセチルコリンの作用を下げる必要があるパーキンソン病や統合失調症を含め、GPCRが関わる分子標的化合物の探索、薬剤設計の基盤技術となり得る。成果はきょう26日、英科学雑誌「ネイチャー」電子版に公開された。
10.J&J日本法人、九大と先端医療機器開発で共同研究
化学工業日報社2012年1月27日
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)日本法人メディカルカンパニーは25日、九州大学先端医療イノベーションセンター(橋爪誠センター長)と、低侵襲先端医療学研究部門における共同研究を実施する契約を締結したと発表した。
同センターは先端医療分野の研究成果を医薬品・医療機器として早期に実用化することを目的に、昨年7月に開設された。研究、診療の両方の施設を備えており、研究開発から臨床試験まで一貫して実施できる。国立大学としては初の試み。
J&Jは同センターや優れた技術を持つ日本メーカーと連携することで、日本発の先端医療機器の開発・実用化を目指す。
11.東芝メディカル、最新被曝低減技術搭載の4列CTを発売
化学工業日報社2012年1月27日
東芝メディカルシステムズは、最新の被ばく低減技術を搭載した4列マルチスライスCT「アレクシオン アクセスエディション」を23日から販売開始した。初年度に国内と海外で各100台の販売を計画している。
同社の16列CT「アレクシオン」を基本プラットフォームに、最新の被ばく低減技術「AIDR 3D」を搭載。同技術は逐次近似再構成法の原理を応用した画像再構成アルゴリズムで、高画質を維持したまま大幅な被ばく低減が可能。最大75%の線量を低減しつつ高画質画像を取得できる。価格は6億9500万円(税別)。
12.エデルマンセミナー、花粉症は初期治療が大切、最適法へ意思疎通を
化学工業日報社2012年1月27日
脳神経疾患研究所附属総合南東北病院の今野昭義アレルギー・頭頸部センター所長(千葉大学名誉教授)は、エデルマン・ジャパンの花粉症意識調査に関するセミナーで講演し、「花粉症は医師と患者が一緒になって、その人に合った治療を見つけることが大事」と指摘した。講演後に今野氏を含め3人の医師によるパネルディスカッションが行われ、症状が重症化する前からの初期治療の実施などが提言された。
エデルマンの調査は20~84歳の男女一般生活者を対象に昨年11月に実施、有効回答は2089件だった。くしゃみや鼻づまり、目のかゆみなどさまざまな症状がある花粉症の患者理解度、処方薬と治療効果などを調べた。
セミナーでは今野氏が調査結果を解説し、受診する診療科目は耳鼻咽喉科(45・3%)、内科(33・5%)が多く、12・7%は複数の診療科を受診していることや、治療方針の説明に関し「とてもよくわかった」と「大体わかった」の合計は8割を超えることなどが示された。
初期治療に関しては、説明を受けた人は6割強で、そのうち初期治療に肯定的な割合は8割を超えたが、説明を受けていない人でも6割近くが必要と思っていることが示された。また処方された薬は内服薬・点鼻薬・点眼薬の3点セットが37・5%と最も多く、服用遵守割合は内服薬が72・1%で、点眼薬と点鼻薬は40%台だった。
今野氏によると「花粉症は中年以降に発症すると自然寛解することもあるが、若いときに発症した人はほとんど治らない」という。
自治医科大学医学部耳鼻咽喉科学教室の市村恵一教授、東京女子医科大学医学部医学科眼科学教室の高村悦子教授を交えたパネルディスカッションでは、治療に関して市村氏が「初期治療に尽きる」と指摘。高村氏は、最初の治療で耳鼻咽喉科や内科が抗アレルギー点眼薬を処方するのはよいが、「ステロイド点眼薬は眼科の管理のもとで処方する」ことを強調した。
今野氏は「花粉症治療は薬を追加したり変えたりするので、医師1人ではできない」と指摘。市村氏は服用遵守と効果の相関性から「患者のアドヒアランスを高めるコミュニケーションが必要」とし、時間を有効活用する方法として問診票の利用などを挙げた。
エデルマンは世界最大の独立系PRコンサルティング会社。本社は米国にある。
13.【保険医療材料】米国申請から半年以内の迅速導入‐製品ごとに評価
薬事日報社2012年1月27日
デバイス・ラグ解消に向けて、機能区分ごとに償還価格が設定されている保険医療材料制度に、迅速に国内導入した製品を個別に評価する加算が、2012年度改革で創設される。中央社会保険医療協議会がこのほど新たな仕組みの詳細を了承した。
日本での薬事承認申請が米国より早いか、米国での承認申請や市販前届出の完了から180日以内で、さらに薬事審査の総期間のうち企業の持ち時間が、優先品目と臨床試験のある改良品目で150日以内、通常品目で240日以内であることが要件に決まった。
申請時期の基準は、日本医療機器産業連合会が企業に“申請ラグ”と考えられる水準をきいたとろこ、欧米より「6カ月遅れ」が3割で、「1年遅れ」まで広げると8割に達するため、厳し目の180日にした。また、実績として申請時期の米国からの遅れが6カ月以内にとどまる製品が少ないことも踏まえ、高い努力目標を据えた。
14.再診料と複数科受診、議論紛糾、まとまらず
紹介率低い大病院、初再診引き下げで外来抑制 中央社会保険医療協議会
M3 2012年1月27日
中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・東京大学大学院法学政治学研究科教授)が1月27日開催され、「個別改定項目(その1)」について議論、主要点数のおおまかな要件等が示された。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000215yd.html
次回1月30日は「個別改定項目(その2)」を議論、その後、個別の点数の議論に入る。
27日の総会で最も意見が対立したのは、再診料と複数科受診の扱い。再診料については具体的な点数は示されなかったが、京都府医師会副会長の安達秀樹氏は、「勤務医の負担軽減の観点から、そのベースメントにあるのは診療所機能」と指摘、その機能維持のために、従来の主張通り、診療所再診料を71点への引き上げを求めるとともに、支払側の見解を改めて質した(『再診料、69点から71点への「回復」が焦点』を参照)。
これに対し、健康保険組合連合会専務理事の白川修二氏は、勤務医の負担軽減につながるという診療所機能は認めつつ、「社会保障審議会の基本方針に沿って、定められた財源を配分するのが中医協の役割。基本方針の『重点課題』に従えば、優先度が高いものは他にほかにあり、傾斜配分すべき。診療所についても、地域医療貢献加算、あるいは在宅などを力を注いでいるところを評価すべきであり、再診料全体の引き上げについて反対している」と従来の主張を繰り返した。さらに、2010年度改定で、200床未満の病院と診療所の点数を統一した点を指摘、「一物一価であるべき。診療所の再診料を上げるのであれば、病院の点数も上げることにあるが、それはまさに『底上げ』。その意味からも反対」と強調。
安達氏は、「前回改定における病診の再診料の統一は、11月ごろに突然出てきた話であり、71点にそろえるなら、異議なし、としていた」と説明、その上で、「そもそも基本診療料は何を評価しているか、その議論をしないと、病院と診療所の再診料が同一であるべきかどうか、議論できない。仮に71点が実現しないのであれば、その議論の場を作ることを付帯意見として付けてほしい」と応酬した。
2科目の再診料は半額程度
同一日の複数科受診は、2科目について厚労省は、(1)1科目と疾患が異なる、(2)乳幼児加算、外来管理加算等の加算点数は算定できない、などの条件に、再診料や外来診療料(200床以上の病院)の半額程度が算定可能になる案を提示。これは「同一初診料」と同じ考え方だ。
白川氏はこれに対し、「賛成できない。患者の立場になれば、従来と同じことをやっているにもかかわらず、急に負担が増えることを意味する。そんなに簡単に認められることではない。また、複数科受診を一様に対象にするのは、いわゆる底上げであり、重点配分の趣旨からも違う」と強く反対。さらに、初診料については、他疾患であれば、2科目でも半額が算定可能だが、「現実には審査、チェックができない。最初の科の疾患との関連性を確認できず、基準が緩められて運用されている懸念がある」とした。
一方、診療側は従来から2科目でも再診料の算定を可能にするよう求めている。結局、意見はまとまらず、次回以降に議論は持ち越しに。
そのほか、外来関係改定の主なものは以下の通り。
【病院関係】
◆同一日複数科受診
・同一日に、同一医療機関で、他の疾患を受診した場合に、再診料の算定が可能に。
・点数は1科目の半額程度。乳幼児加算、外来管理加算などの各種加算は算定不可。
◆大学病院と500床以上の地域医療支援病院の外来
・紹介あるいは逆紹介率が低い病院について、初診料の引き下げ。他医療機関等に紹介したにもかかわらず、受診した場合の外来診療料の引き下げ。
・引き下げ相当分を、保険外併用療養制度の枠組みを利用して、患者から徴収。結果的に患者負担増に。過期間を置くため、実施は2013年4月1日。
【診療所関係】
◆地域医療貢献加算
・名称を変更。
・準夜帯の評価のみだったが、(1)24時間対応、(2)準夜帯のみ対応(現行の「地域医療貢献加算」に相当)、(3)輪番制で対応、の三つの体制評価に変更。
・(3)は、地域の医療機関と輪番による連携を行い、当番日の標榜時間外の準夜帯において、患者からの電話等による問い合わせに応じる。当番日の深夜または早朝は留守番電話等で対応しても差し支えない。「何かあれば、ここに電話すればいい、と患者が分かる形にすることを要件にする」(厚労省保険局医療課長の鈴木康裕氏)。
15.有床診の充実求める決議文採択、民主・議連
入院基本料引き上げ、看護補助加算の創設を要望
適切な医療費を考える議員連盟
M3 2012年1月26日
民主党の「適切な医療費を考える議員連盟」(会長:柳田稔参議院議員)の第12回勉強会が1月25日に開かれ、有床診療所の現状と課題について、全国有床診療所連絡協議会会長で日本医師会常任理事の葉梨之紀氏からヒアリングを行った。これを踏まえ、有床診療所の入院基本料の大幅な引き上げなどを求める決議文を採択し、民主党の輿石東幹事長に申し入れした。
冒頭、会長の柳田氏が、「自公政権の過去の改定では5回10年間、煮え湯を飲まされて、地域医療は崩壊、あるいは崩壊寸前のところも多かった。その思いを持って、民主党政権が誕生し、診療報酬を前回引き上げた。しかし、今回は本当に厳しかった。当初、この議員連盟で、ネットで3%引き上げを目指すと言ったら、保険者から反対を受けた。賃金、物価下がっている中で、診療報酬の本体プラス改定はあり得ないと言われたが、議員の仲間と力を合わせてネットで0.004%増を勝ち取った。現在、(財源の配分をめぐり)有床診療所には配慮するという議論もあるようだが、現状を聞きながら我々も頑張りたい」と挨拶。
続いて葉梨氏が、有床診の現状について、2011年10月末時点で約1万100施設で、1990年の約2万3600施設から半減し、病床数も27万2000床から13万1000床に減少していると説明。一方で、有床診が果たす新たな役割として、急性期で早期退院をした患者の受け入れ、在宅医療、介護施設への入所が困難な高齢者の受け皿などを挙げた。その上で、葉梨氏は、「有床診は地域住民の安心・安全な医療の確保につながる。しかし。年間約500の有床診療所が閉鎖している。病院に比べて有床診の入院基本料が低く、介護施設と比べても著しく低いことが原因だ」と指摘。入院基本料の引き上げに加えて、病院と同様の看護補助加算の創設、有床診療所の回復期リハビリテーション加算の創設などを要望した。
また、同日の会合に出席した広島県医師会有床診療所部会会長の森康氏は、「有床診療所は毎月、どこかで潰れている。今後も潰し続けるのか、それとも食い止めるのかはっきりさせなくてはいけない。以前は病院も有床診療所も入院基本料は同じだったが、病院は看護師の配置基準ができてから入院基本料が上がった。有床診療所の場合、外来は黒字でも、入院で赤字になるため、病床を閉鎖することになる。外来と入院を一体で維持するのは不可能な状態だ」と訴えた。
同議連顧問で参議院議員の桜井充氏は、「厚生労働省が在宅医療を推進するというから、私は有床診を中心にしたらいいと提案した。診療報酬の配分は地域医療に携わっている人たちに配慮し、地域医療を担っている医療機関が経営を継続できるようにしなければいけない。そうでなければ、7対1で看護師を配置をしている病院だけが潤うことになる」と語気を強めた。
決議文「有床診療所の充実を目指して」の要旨
有床診療所は地域の多様なニーズに応えることができる医療機関であり、手術等の専門医療の提供、急性期後の退院の受け皿となる後方病床機能、在宅療養や介護施設への移行が困難な患者の受け入れなどに期待される。日本の医療における有床診療所の役割を再度見直し、機能の維持・強化のための適切な診療報酬体系を構築すべきと考え以下を決議する。
(1) 有床診療所の入院基本料は、病院や介護施設と比較して著しく低く設定されている。経営基盤を安定させ、地域で必要とされる機能を安定的に発揮できるよう、入院基本料の大幅な引き上げを行うべき。
(2) 有床診療所における看護補助加算、終末期・看取り加算、回復期リハビリテーション加算、緩和ケア加算、認知機能障害加算の創設を行うべき。
(3) 現行の診療報酬体系では、診療における判断両が非常に低い評価にとどまっていること、あるべき医療提供体制を構築するために必要なコスト(人件費や施設整備費等)が十分にまかなえていない。今回の診療報酬本体引き上げの財源の一部を初・再診料をはじめとする基本診療料の引き上げに充てるべき。
16.自宅で死ねるか 在宅緩和ケアの現場
CareerBrain2012年1月26日~27日
(上)患者に「好きに生きる時間」を
末期がん患者の在宅医療の需要が増している。高齢化とともに、日本人の死因トップを占めるがん患者が増えるのは必至。「最期は住み慣れた自宅で」と望む声は少なくなく、入院から在宅へと誘導する医療政策の流れからも、「末期がん患者の在宅緩和ケア」の必要性が叫ばれている。だが一方で、それに応えるだけの医療体制は整っていないのが現状だ。末期がん患者の行き場は、自宅にあるのか―。在宅緩和ケアの現場を訪ねた。
吐き気を訴えるロクちゃんを診察する川越医師(右)=東京都墨田区
■「家は楽しい」ロクちゃんの選択
「今は、わがまま放題に過ごしてるの」―。肌寒くなってきた昨年11月上旬、東京都墨田区内のマンションで、見津六男さん(63)が、にやりと笑った。愛称は「ロクちゃん」。若いころは、ギタリストとして銀座や赤坂のステージを務め、一昨年には、自宅近くにミュージックバーを開いた。肺がんと診断されたのは4年前。手術と抗がん剤による治療を重ねたが、昨年4月、病院の医師は「このまま治療を続けても、可能性は十に一つ」と告げた。ロクちゃんは、「好きに生きる時間」を選び、在宅緩和ケアに移行した。
10月半ばから、同区内の在宅療養支援診療所(在支診)「クリニック川越」院長の川越厚医師が毎週、診療に訪れるほか、週3回の訪問看護が入っている。肺がんに特徴的な呼吸苦や、首から肩にかけての痛みは、オピオイド鎮痛薬でずいぶん和らいだ。この1週間で急速に弱り、話す声にも、せきやたんが交じるが、決して「不自然な経過」ではない。ロクちゃんは、「今は、吐き気がつらい」と訴え、吐き気止めの薬を処方してもらった。
ロクちゃんの手帳には、毎日の出来事や体調がメモしてある。ある休日の欄には、「やっぱり家に人がいると楽しい」。妻と小学6年の娘がそばにいてくれることが、何より力になっているのだという。「そばにいてほしいとき、独りになりたいとき。他人には言えないことも、家族になら遠慮せずに言えるよね」。家族の話をする表情は、自然にほころぶ。前夜は、娘が習っている三味線を披露してくれた。「今は、小学校の卒業が楽しみなの」。
この日から約1週間後、ロクちゃんは息を引き取った。
■ひとくくりにされてきた在宅にひずみ
川越氏が理事長を務める医療法人社団パリアンは、「クリニック川越」に加えて「訪問看護パリアン」を展開し、末期がん患者への専門的な在宅緩和ケアを提供している。「末期がんの患者さんは、在宅医療の中でも難しい。『一般的な医療の延長』で考えては無理なんです」と川越氏。末期がん患者と非がん患者では、その臨床的特徴が大きく違っているからだ。
川越氏によると、クリニック川越の末期がん患者は、▽死亡時の平均年齢が71.7歳で、非がん患者に比べて15歳ほど若い▽在宅の初診から看取りまでは平均56.2日と、短期間で急な経過をたどる▽高度・専門的な医療ニーズが高い―といった特徴があるという。こうした違いにもかかわらず、「在宅医療」でひとくくりにされてきた現状に、川越氏は疑問を投げ掛けている。「現在の『在宅医療』は、高齢の非がん患者を想定してデザインされている。がん患者の『在宅緩和ケア』は、この枠組みに途中から入るという形で進められてきたために、いろんな問題が生じてしまっているんです」。
人口動態統計によると、2010年の全死亡者のうち、自宅で亡くなった人が12.6%にとどまるのに対し、病院での死亡は77.9%。この傾向は近年、ほぼ変わりがない。その一方、厚生労働省の終末期医療に関する調査(08年)で、「治る見込みがなく、死期が迫っている場合の療養場所」に「自宅」を希望した国民は、「必要になれば医療機関に入院したい」と回答した人も含めると63.3%に達し、「自宅での療養」を望む割合は、増加傾向にある=グラフ=。
だが半面、「最期まで自宅で療養するのは実現困難だ」と考える人も66.2%に上り、「実現可能」とした6.2%をはるかに上回った。ネックになっているのは、「介護する家族の負担」に加え、「症状が急に悪化したときの対応に不安がある」ことだ。
終末期医療に課題を感じている医療関係者も少なくない。同じ調査で、「終末期医療に悩みや疑問を感じた経験がある」と答えた医師は84.1%。「在宅医療を実施したくても、体制が十分でないこと」「病院内の設備や終末期医療の施設が乏しいこと」など、医療体制の不十分さに対するものが目立つ。
■がん患者の受け皿を地域に育てる
「『在宅緩和ケアは理想だけれど、現実的には難しい。だから、施設の緩和ケアを充実させよう』という方向に向かっては駄目なんです」。川越氏は、あくまでも「自宅での最期」の実現にこだわり、そのために「在宅緩和ケアの専門チーム」を地域に育てる重要性を訴えている。「在院日数の短縮化や急性期医療の強化が進められ、病院は、患者を出さざるを得ない。それなのに、在宅の受け皿がないので、どこに出していいのか、みんな困っているんです。今後も増えるがん患者の地域での受け皿が、どうしても必要です」。
年の瀬の晴れた午後、川越氏は、訪問診療に向かう道々、「困ったなあ」とつぶやいた。病院で「あと2、3か月」とされ、在宅緩和ケアに移行した腎がんの男性(70)が、もう3年近くも生きている。「東京スカイツリーが開業したら、一緒に展望台に登る約束をしちゃってて…」。高所恐怖症の川越氏にとっては、なかなかつらい約束だ。この日の診療でも念を押されてしまい、「分かった。僕が死ぬ気になって登ります!」という川越氏の宣言に、笑い声が茶の間に響いた。
在宅に移行後、病院で治療を続けていた時の見通しよりも死が遠のくことがある。男性は、「がんが治るわけじゃないから、あんまり長くなっても疲れちゃうよ」と言うが、一緒に暮らす姉と川越氏と3人で「死ぬ瞬間てのは、結構気持ちいいものなんじゃないか」などと話している様子は穏やかだ。「まあ、またお雑煮を食べてから逝きなさいよね」と言う姉に、男性は「うん、そうだね」と答えた。
(下)- 課題山積、医療機関の育成がカギ
高齢化に伴うがん患者の増加は、同時に、認知症や複数の疾患を併せ持つがん患者の増加を意味する。こうした患者の受け皿となる医療機関や施設は、十分にあるとは言い難い。一方、独居高齢者も増えており、在宅緩和ケアが直面する現状は、ますます厳しい。
川越医師(左)の訪問診療風景。高齢世帯の増加など、在宅緩和ケアはさらなる課題に直面している
(上)―患者に「好きに生きる時間」を
■ここにいてもいいの?
東京都江東区で独り住まいだった清水玉子さん(享年94)は2009年7月、乳がんのため、自宅で息を引き取った。大おばに当たる清水さんから、娘のようにかわいがられたという土屋希代子さん(45)=福島県郡山市=は、亡くなる数年前から清水さんが、「わたし、ここにいてもいいの?」と、たびたび問うようになったと振り返る。
都内で長く音楽教師として勤めた清水さんは、大正生まれの「ハイカラさん」。年を取ってもヒールを鳴らして歩くような、きりっとした自立的な女性だった。60代半ばから、「わたしは、この家で死ぬわ」と話していた。不必要な延命治療は受けないという意思も明確で、「望む最期」を描いていたようだった。しかし、80歳を過ぎたころ、軽い認知症の症状が出始め、体調も思わしくなくなると、次第に生活への自信を失っていったという。
■年を取ったら、病院で死ねる?
「このまま家にいたら、迷惑になる」「どこかいい所を探してちょうだい」―。
訴えのたび、離れて暮らす土屋さんは、入院できる医療機関や高齢者施設探しに奔走した。しかし、「高齢でがん。認知症はあるが、まだ要支援の状態」という清水さんの行き場は幾つもなく、ようやく見つかった施設も、いざとなると本人が「やっぱり家にいたい」とかたくなに拒否した。「年を取って病気をしたら、入院して、病院で死ねるもの」とばかり思っていた土屋さんは、八方ふさがりの現実にがくぜんとしたという。
知人の紹介で、がん患者を中心に在宅医療を提供する「クリニック川越」(墨田区)を知ったのは08年春。医師の往診と訪問看護が定期的に入るようになり、土屋さんは「本当に助かったという思いだった」。
しかし約1年が過ぎて、乳がんによる右胸の痛みが強まり、緊急コールが増えだすと、郡山市から月2回通うのが精いっぱいだった土屋さんは、心配に耐えられなくなった。周囲からも「あんな状態で独りにするなんて」「年寄りの言うことをいちいち聞かないで、ちゃんとした所に入れるべきだ」と責められ、往診に来ていた院長の川越厚氏に助けを求めた。「もうどこかに入れたいんです」―。
川越氏から返ってきたのは、厳しい言葉だった。「本人の意思で、ここまで在宅でやってきたのに、いまさら病院に入れて、どちらが本望か。どちらが幸せか!」。
「これで覚悟が決まった」と、土屋さんは振り返る。たとえ周囲に責められても、はた目には悲惨に映ったとしても、見慣れた天井の下で逝かせたい―。
清水さんが亡くなったのは、それから約2か月後。最期は、協力してくれた土屋さんの母が手を握って看取った。夏の夜明け、苦しみもなく若々しい表情だったという。「独りが不安だったのは事実だけど、自分の意思を貫いて、本当に『らしい最期』だった」と話す土屋さん。「もっとああしていれば」という思いもあるが、その言葉には満足感が漂う。
■独居、認知症、経済苦…これからのがん患者
「こういうケースは、これからどんどん増えていきますよ」。独居や高齢世帯など、家族の介護力不足のほか、認知症や精神疾患を併せ持つ患者や、経済的な困難を抱える患者が増加し、今の体制のままでは、在宅にも施設にも行き場のない人が増えていく―。川越氏は、こう指摘する。「もう単純に『自宅の方がいい』と言っている場合じゃないんです。最期まで、病院が全部面倒を見てくれた時代は終わった。こうした難しいケースをどう家で看取るかが問われています」。
がん患者が抱える身体的・精神的・社会的な苦痛も合わせた「トータルペイン」に対応できる質の高いケアが在宅緩和ケアに求められる中、カギとなるのが、専門的な在宅緩和ケア医療機関の育成だ。
在宅医療の推進のため06年度に創設され、二十四時間体制の往診などを要件とする「在宅療養支援診療所」(在支診)は、厚生労働省のまとめによると10年7月現在、全国で1万2487か所に上る。しかし、このうち在宅患者の看取り実績があったのは5833か所。在支診として届け出のある施設の過半数は、看取りにかかわっていないのが実態だ。
こうした現状に対し、在宅緩和ケアを専門に取り組んでいる現場の声を発信しようと、川越氏らは10年、「緩和ケア診療所(PCC)連絡協議会」を発足させた。入会には、▽過去5年以上の診療実績がある▽直近3年間の年間がん看取り数が平均30例以上、在宅看取り率は平均60%以上を満たす―という基準を設け、実績を重視。現在約30の診療所が参加しているという。
■病院―専門診療所―開業医で地域のネットワークを
さらに、昨年12月には、「在宅ホスピス緩和ケア基準」を作成。医師と看護師を核とする一体化したチームによって、「専門的な知識と確実な技術をもって症状緩和を行う」「患者と家族が、家にいることでの不安を解消できるように、タイムリーなケアを提供する」「家で療養し、家族で看取ったことが遺族の支えとなり、本人の死後も家族が健康的に生きていけるように支援する」など、協議会として、在るべき在宅緩和ケアの姿を示した。
協議会は今後、会員施設の診療データを集積することで、緩和ケアの質の向上を図るといった活動を進めながら、「実績に基づく在宅緩和ケアの在り方」を提言していく考えだ。
協議会の代表を務める川越氏は、「看取りまで責任を持たず、最期は病院に丸投げしてしまうような在宅緩和ケアでは、意味がない。最期まで質の高いケアを提供できる専門チームが各地域に育っていくことが、患者さんの一番の安心につながる」と強調する。専門的な在宅緩和ケアを担う診療所が、病院と、基本的なケアを提供する在支診や開業医との間をつなぐことで、地域のネットワークを形成し、在宅療養・在宅死を望む患者と家族をバックアップする。PCC連絡協議会は、その手本、地域のリーダーとなるチームを育てるのだという。
川越氏は力を込める。「とにかく本物をこの国に息づかせなくちゃいけない。そういう時期です」。
17.【ミニレビュー(2/4)】 繰り返す発熱と自己炎症症候群
―感染症科医のためのprimer
帝京大学ちば総合医療センター血液・リウマチ内科 萩野 昇
KANSEN JOURNAL No.32(2012.1.26)
(1/4回目)
研修医しまむら(以下「しまむら」) 「ちょっとちょっと、ぶぅちんセンセ!」
指導医ぶぅちん(以下「ぶぅちん」) 「何かね、しまむら君」
しまむら 「いきなり内容がアサッテの方向に向かっていますよ。基礎免疫の話なんかしちゃって。明日からの感染症臨床にどう役立てればいいんですか? 忙しい感染症科の先生方はもう読んでないよ、きっと」
ぶぅちん 「まぁ待て、焦るな。すぐに使えるようになる知識はすぐに使えなくなるんだ。不明熱診療も日々の勉強も、焦りは禁物であるぞ」
しまむら 「ダイエットもですね、センセ!」
ぶぅちん 「……そうだね」
しまむら 「でも、もう少し噛み砕いて説明してください。そもそも略語や漢字が多くて読みにくいし、英単語も入り混じっているし」
ぶぅちん 「ヒトの体表には10の14乗個の常在菌がいて、そいつらと普段は仲良くつき合っているわけだ。しかし、感染が起きると、ある特定の菌やらウイルスやらがぶゎーっと増えてヒトの体内で何やら悪さをしよる。そこで、その『特定の菌やらウイルスやらの病原体』を同定して、免疫による防御システムを作動させる必要があるわけだ」
しまむら 「センセ、その10の14乗個ってどうやって数えたんですか?」
ぶぅちん 「先生が1個1個丹念に数えた」
しまむら 「……」
ぶぅちん 「過去には、T細胞受容体やB細胞の産生する抗体がものすごーく多様なので、『特定の病原体』が何であっても充分に対応できると考えられていた。ところが、そういったT細胞やB細胞が病原体に反応して活性化し、抗体なんかを産生するために、そもそも他の細胞(抗原提示細胞)からの刺激が必要だと分かってきたのが1980年代後半」
しまむら 「ふんふん」
ぶぅちん 「それで、そもそも『特定の病原体へのファーストコンタクト』、つまり『こいつは敵だ!準備しろ!』ということを免疫システムはどのようにやっているのかというのが、ここ20年ほどで長足の進歩を遂げた自然免疫なんです。innate immunityね」
しまむら 「ほぅほぅ」
ぶぅちん 「そこで大きく分けて2つの考え方が出てきた。一つはJaneway先生らによる『進化の過程で保存された、病原体の構造というかパターン(PAMPs)を認識するPRRが抗原提示細胞に発現していて、そこからシグナルが入るとT細胞やB細胞の活性化に結びついていく』という説。こちらが今のところ主流。もう一つはMatzinger先生らによる『細胞が病原体によってヤバい死に方をすると、そこからマジヤバイ警報(danger signal)が出て、それがT細胞やB細胞の活性化に結びついていく』という説。PAMPsに対応してdamage-associated molecular patterns(DAMPs)のような、細胞成分の一部でありながら免疫を活性化する構造があるのではないかと推定されていて、実際いくつか候補は見つかっているけど、これこそがDAMPsだ!というものは同定されていないのが現状」
しまむら 「なるほど。DAMPsとかPAMPsって見たら、なぜかISSAって単語を思い出したけど、ISSAって何かの略語でしたっけ、センセ?」
ぶぅちん 「……この2つの説で説明できること・できないことがそれぞれあるんだけど、最近ではこの2つの考え方自体が統合されつつある。ここでは深入りしない。Janeway先生は免疫学における『知の巨人』の一人で、彼の1989年の記念碑的論文では、驚くべき正確さで『自然免疫の研究で発見されるであろうこと』が予言されている[1]。Matzinger先生も面白い人で、初期の論文では自分の飼い犬を共著者にしたりしている[2]。インパクトファクター7の犬。ちなみにアフガンハウンド」
しまむら 「なんか知らんけど敗北感……」
ぶぅちん 「そして、そういったDAMPs(マジヤバイ警報)とかPAMPsとかを受け取ったマクロファージとか樹状細胞とかは、細胞内でinflammasomeというタンパク複合体を形成して、これが『風が吹けば桶屋が儲かる』ようなメカニズムで強力な炎症性サイトカイン IL-1βを活性化するわけです」
しまむら 「だいたい1学年に1人ぐらい、大食いで『マクロファージ』ってアダ名の医学生いるよね……。センセ、そういえば、末梢血の分画にマクロファージがありません!」
ぶぅちん 「先生の学年には『選り好みしない』って意味で『メ△ペ◯』ってアダ名のやつが……。そんなことはどうでもよろしい。しまむら君、免疫学の授業に出てなかったでしょ?」
しまむら 「免疫学の授業にも出ていませんでした!」
ぶぅちん 「……血管の中にいる間は『単球』、これが活性化して、炎症のある場所などで血管外に出ると『マクロファージ』、そこが結合組織内だと『組織球』です」
しまむら 「めもめも」
ぶぅちん 「IL-1βは、発熱の原因になるし、炎症局所に白血球を呼び寄せる働きもあるのです。で、ここ10年ちょっと『サイトカイン阻害療法』とか『生物学的製剤』っていうのが脚光を浴びていてね、『IL-1βを抑えるとどうなるの?』ということでIL-1βに対する生物学的製剤Anakinraというのが開発された。関節リウマチには残念ながら今一つ効かなかったし、毎日皮下注射ってことも他の生物学的製剤より不便だったので、関節リウマチには使われなくなった」
しまむら 「あら」
ぶぅちん 「しかし! これまでおしゃべりしてきたような自然免疫システムの理解によって、『もしかしたらAnakinraはinflammasomeの関連した病気には効くんじゃない?』ということで、徐々にそういう疾患に使われるようになってきた。まずはありふれた病気でありながら、時として治療が悩ましい『痛風発作』に使われた。尿酸の結晶がinflammasomeを活性化して足の親指のつけ根の関節にどかーんと関節炎を起こすのが痛風発作で、尿酸はDAMPsの一員なのではないかと言われているけど、これがAnakinra皮下注射(1回100mg、3日間連続)ですーっと治まる」
しまむら 「へぇぇ」
ぶぅちん 「Anakinraみたいに毎日皮下注射しなくてもいいCanakinumabやRilonaceptといった新規抗IL-1β製剤も出てきているみたいだね。10年以上前は『サイトカインは同じ作用を持ったものが複数あるから、1つだけサイトカインを抑えても他のサイトカインがその働きをカバーするから、炎症はよくならないんじゃないかな?』と言われていたけど、ベッドサイドでの効果は雄弁です。というか、免疫学の進歩を知らずに薬を使うことはほとんど不可能になってしまった」
しまむら 「センセ、ちょっと臨床っぽい話が出てきて安心しました! でも、感染症の臨床とどう結びついていくんですか?」
ぶぅちん 「例えば、原因不明の『発熱を繰り返す』患者さんがいるとして、しまむら君ならどうする?」
しまむら 「感染症か、リウマチ専門の先生に相談します!」
ぶぅちん 「リウマチ科医は『うちの県ではクッシーとかヒバゴン並に珍しい存在』って、某マイクロブログで言われていたぞ」(注:実話[3])
しまむら 「うーん……」
ぶぅちん 「原因がよく分からない発熱の患者さんは、総合内科、総合診療科、あるいは感染症科で診療されていることが多いと思うんです。いわゆる『不明熱』に限ると、検査の進歩に伴って、developed countryでは感染症や腫瘍が不明熱の原因になる比率は徐々に下がってきていて、一方でリウマチ性疾患の比率が上がってきています。さらに、不明熱が『診断不明』になる比率も上がっていて、これは別に『なぞの発熱』が増えたわけじゃなくて、もともと一定の比率で診断が難しい発熱の患者さんはいらっしゃって、感染症や腫瘍が『不明熱』の分類基準を満たす前にさくっと診断されるようになってきたからだと想像されます。そうした『最終診断が不明の不明熱』の予後は全般的に良好で、多くが6か月ほどすれば解熱すると言われているけど、そんな中でも関節の痛みや腹痛などで困っている患者さんがいらっしゃって、その中に『自己炎症症候群』の方が混じっているかもしれないと」
しまむら 「なるほど」
ぶぅちん 「そういうわけで、臨床免疫学の進歩を紹介しつつ、新しい『自己炎症症候群』という概念を紹介できればと思います」
しまむら 「締め切りを大幅に破っ……(ガシッ)」
ぶぅちん 「……ということで、後半の各論もおつき合いください」
しまむら 「ください」
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