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May 23, 2012 [Clipping News]
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1.脳萎縮とPTSD、因果関係を解明 東北大
2.脳梗塞悪化の仕組み発見 慶大教授ら、新治療に道
3.がん細胞の増殖抑えるインドの薬草 産総研が効果確認
4.血管の病気 脳動脈瘤
5.ビタミンCで血圧下がる可能性―米研究
6.善玉コレステロールが心筋梗塞リスクを下げない可能性 欧米の大規模研究
7.世界最小の人工心臓、生後16か月の幼児を救う イタリア
8.高血圧のリスク、適度な運動で回避可能 米研究
9.後期高齢者制度廃止“撤回”に「待った」- 民主・厚労部門会議
10.月経痛軽く見ず医療機関受診を- 日本子宮内膜症啓発会議
11.膵・腎臓同時移植の優先見直しを了承 厚労省作業班
12.ロクロニウムを手術室で紛失 国立国際医療研究センターで筋弛緩剤紛失、情報公開
13.ホルモン補充療法の問診票 日本産婦人科医会が作成、ガイドラインに準拠
14.小児学会、予防接種表を更新 ヒブ、ロタ、水痘ワクチンの推奨接種時期を変更
15.[難病] すべての難病に高度な医療提供する新・難病医療拠点病院を設置
16.機構と保険会社だけが利益を得る制度 - 池下久弥・産科中小施設研究会
17.食後血糖値、1時間か2時間か?
18.ミュータンス菌 脳出血と潰瘍性大腸炎にも関与
19.腹部大動脈径が30mm未満でも循環器疾患に要注意
20.ホスピタリストの仕事満足度、バーンアウト、ワークライフバランス
21.生殖医療技術後の先天異常リスク増大に、母胎要因がどこまで関わっているのか
22.心臓外科がない病院のPCIアウトカム、ある病院に対し非劣性
23.Skin cells turned into healthy heart muscle cells
24.Patients Prefer More Invasive Form of Colon Scan: Study
25.Asthma Meds May Be Linked to Irregular Heartbeat
26.Sleep Apnea 'Mask' Might Also Help the Heart
27.U.S. Sees Drop in Deaths Linked to Diabetes
28.Studies See Advances in Detecting, Treating Pancreatic Cancer
29.Men Can Still Ask for PSA Test, and Some Should, Doctors Say
30.Middle-Aged Diabetics May Need Earlier Colon Checks
31.Colonoscopy May Detect Curable Cancer in Elderly: Study
32.JMM:内部被曝通信 福島・浜通りから~体内の放射能分析は試行錯誤
33.中央社会保険医療協議会総会(第225回)
34.中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会(第1回)議事次第
35.'疑義解釈 新7対1における夜勤平均時間に関するQ&A'
36.プレスリリース
1) NIH study finds sigmoidoscopy reduces colorectal cancer rates
2) Concentrated saline therapy not effective in young children with cystic fibrosis
3) 東日本大震災による健常人の外傷性ストレス障害(PTSD)と脳萎縮の関連を解明
4) 脳にやさしく脳の中の神経の活動を知る技術
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1.脳萎縮とPTSD、因果関係を解明 東北大
日本経済新聞社2012年5月23日
脳の萎縮と心的外傷後ストレス障害(PTSD)の因果関係について、東北大が東日本大震災前後の大学生の脳画像を解析したところ、特定の脳部位の萎縮でPTSDが起きやすくなることがわかった。PTSDの発症に伴って別の部位で脳萎縮することも新たに明らかになった。
これまでPTSDの患者に脳萎縮がみられることが指摘されていたが、因果関係は明らかになっていなかった。研究成果は22日付の米の分子生物学専門誌モレキュラー・サイキアトリー(電子版)に掲載された。
震災前の脳画像が保存されていた東北大の学生に募集をかけ、42人を調査。昨年6~7月にかけて面談でPTSD症状の発症度合いをはかり、磁気共鳴画像装置(MRI)で脳画像を撮影した。
2.脳梗塞悪化の仕組み発見 慶大教授ら、新治療に道
日本経済新聞社2012年5月22日
脳梗塞が起きた際、死んだ細胞から放出されたタンパク質が、さらなる症状悪化の引き金となることを、慶応大医学部の吉村昭彦教授(免疫学)らが発見し、米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表した。
脳梗塞は、発症直後に投薬治療を始めることが、まひなどからの回復のため重要とされる。だが、今回分かった症状悪化の仕組みは発症の少し後に働くため、このタンパク質の働きを邪魔することで、治療開始が遅れた場合の有効な治療法に結び付く可能性がある。
脳梗塞の国内患者は推定96万人。脳の血管に血の塊が詰まって酸素や栄養が送られなくなり、組織が死んでしまう。発症後に炎症が起きると、脳の組織が腫れ、損傷がさらに広がっていく。
吉村教授らはマウスを使った研究で、死んだ脳細胞からペルオキシレドキシンというタンパク質が放出され、これが周囲にある免疫細胞の表面にくっついて刺激し、炎症を起こす物質を作らせていることを発見した。
そこで、このタンパク質が免疫細胞にたどり着く前につかまえてしまう抗体を作り、脳梗塞のマウスに注射すると、炎症が抑えられたという。
筑波大、大阪大、岡山大、九州大、福岡歯科大などとの共同研究。
3.がん細胞の増殖抑えるインドの薬草 産総研が効果確認
産経新聞社2012年5月22日
ネズミを使った動物実験で、通常は皮下腫瘍が肥大化する(上)のに対し、アシュワガンダを投与すると腫瘍は縮小した(下)(産業技術総合研究所提供)
インドで珍重されてきた薬草「アシュワガンダ」にがん細胞の増殖を抑え、老化を防ぐ効果のあることが独立行政法人・産業技術総合研究所の動物実験などで分かった。
アシュワガンダはインドで滋養強壮や長寿薬として効果があるとされ、アシュワガンダは疲労回復の健康食品などとして海外でも市販されている。ナス科の植物で平地に分布し、インドのほかネパールやパキスタンにも植生する。
産総研は科学的な検証がないアシュワガンダの有効作用に注目。その葉をアルコールで抽出した成分が、正常細胞とがん細胞に与える影響を動物実験などで調査したところ、がん細胞を死滅させ、正常細胞の老化を防ぐ効果があった。
さらに化学的な分析を行った結果、ウィザノンと呼ばれる物質が「p53」というガン抑制遺伝子を活性化させ、がん細胞の増殖抑制や正常細胞の老化防止を導くことが分かった。
産総研では、アルツハイマーやパーキンソン病へのアシュワガンダの効果についても研究を進めており、「健康補助食品や老化防止の化粧品の開発などにつなぎたい」としている。
【用語解説】アシュワガンダ
インドやネパールの乾燥地などに自生するナス科の低木植物で、約2メートルに成長する。「アシュワガンダ」はサンスクリットで「馬」を意味し、飲めば馬の力を得るなどといわれることが語源とされる。
4.血管の病気 脳動脈瘤
朝日新聞社2012年5月17日~23日
1 検査から4年 頭痛再び
「砂山の砂に 砂に腹這ひ初恋の いたみを遠く……」
石川啄木の詩をグランドピアノの音色にのせ、約12畳の教室から、朗らかな歌声が響く。
東京都杉並区の河田光世さん(54)は、自宅で声楽やピアノを教えている。教え子は、91歳の女性を筆頭に、約50人を数える。「とにかく褒め上手。先生といると楽しい」とみんなから慕われる河田さんだが、10年ほど前から、たびたび頭痛に悩まされることがあった。
疲れてくると、ジンジンする痛みが頭のあちこちに広がる。これが初期の自覚症状だった。眠れば治まったが、痛みの間隔がだんだん短くなるのが気になっていた。その10年前、母親(80)が59歳のころに、くも膜下出血を発症した記憶が頭をかすめたからだ。
朝起きて歯を磨こうとした母親は突然、後頭部をハンマーで殴られたような痛みに襲われた。救急車で武蔵野赤十字病院(東京都武蔵野市)に運ばれ、脳の血管にできたこぶ(動脈瘤)が破裂したと診断された。
頭蓋骨を切り開く手術で、破裂したこぶの根元にクリップをかけて、こぶに流れ込む血液を遮断、再び破裂するのを防ぐ手術を受けた。当時の入院期間は、2カ月間近くにも及んだ。
2002年夏、河田さんは念のため母親と同じ武蔵野赤十字病院を訪ね、脳神経外科でCTとMRIを撮影してもらった。幸い、このときは異常を示す画像はなかった。
部長の戸根修さん(59)は「大丈夫ですよ。ただ気になるなら、定期的に脳ドックを受けてみてもいいかもしれませんね」といった。この言葉に安心し、その後、頭痛も治まった。
ところが検査から4年後。教え子の1人から「夜中に頭が割れるように痛くなった」と聞いたのをきっかけに、疲れると再び頭痛が出るようになった。
同じころ、友人が、くも膜下出血で倒れた。搬送先が見つからず一時は危険な状態に陥ったが、すんでのところで武蔵野赤十字病院に搬送され、戸根さんの治療で命を取り留めた。
「やっぱり戸根先生にまた診てもらおう」。自分にもこぶがあるかもしれないと思うと、いても立ってもいられなくなった。
2 こぶ? えー、どうしよう
脳動脈瘤があるかどうか調べるため、MRAの検査を行った
繰り返す頭痛に悩んでいた東京都杉並区の音楽教師、河田光世さん(54)は、友人がくも膜下出血で倒れたのをきっかけに2007年1月上旬、武蔵野赤十字病院で脳の検査を受けた。
脳神経外科部長の主治医、戸根修さん(59)は、CTに加えて新たに「MRA(磁気共鳴血管撮影)」という検査を実施した。MRIの原理を使って、血管をより詳しく調べる方法だ。
9日後、戸根さんはMRA画像を示しながら「3ミリの脳動脈瘤(りゅう)が見つかりました」と切り出した。確かに、脳の前方にある動脈にこぶが見える。
「えー、どうしよう」。河田さんは叫んだきり、パニック状態になった。「今はくも膜下出血になる前に治療ができる。逆に運がよかったと思いましょう」という戸根さんの説明も、耳に届かなかった。
河田さん1人では受けとめられないと判断した戸根さんは、後日、夫の通明(みちあき)さん(57)にも同じ説明をした。「3ミリはまだ小さいので、めったに破れることはありません。経過観察しましょう」。通明さんは「ママ、よかったね」とほっとした様子で声をかけた。
しかし河田さんは早く手術でこぶを取ってもらいたいと思った。なにより、今まで通り歌を教えていいかどうかを知りたかった。歌うと脳の血流が一気に増えて、こぶが破裂してしまうのではないかと不安が募った。
河田さんの希望を受け、戸根さんは精密検査を行うことにした。もし手術をするとしても、大がかりな「開頭クリッピング術」ではなく、血管に入れた管(カテーテル)で金属の細い糸を運び、「毛糸玉」のように丸めてこぶをふさぐ「コイル塞栓(そくせん)術」を念頭に置いた。
2週間後に1泊2日の検査入院をし、造影剤を使って脳の血管を精密に調べた。こぶは3.5ミリと、MRA検査よりはやや大きめだったが、破裂のリスクはまだ小さいと思われた。また、こぶの「首」に当たる部分が広くなっており、コイルがこぶから外れる可能性もあった。
「無理して手術せず、半年後に経過を見ましょう。今まで通り、歌を教えても大丈夫です」
戸根さんの丁寧な説明で、安心した。翌日から再び、歌を教える日々が始まった。
3 母にもこぶ、見つかった
脳の動脈に、3.5ミリのこぶが見つかった東京都杉並区の河田光世さん(54)は、経過を見ながら音楽教室を続けていた。半年後の検査も、その1年後の検査でも、こぶの大きさに変化はなかった。
ところが2008年7月、今度は隣に住んでいる母親(80)に異変が起きた。美容院に行った帰りに意識を失い、転倒してしまった。すぐに近くの病院でCT検査を受けたが、異常は見つからなかった。
ただ、20年ほど前にくも膜下出血を発症したこともあり、念のため、9月に武蔵野赤十字病院を訪ねた。当時、救急車で運び込まれ、脳の血管のこぶをクリップで留める開頭手術を受けた病院だ。
河田さんも付き添い、河田さんの主治医を務める脳神経外科部長の戸根修さん(59)の診察を受けた。CTより詳しく状態がわかるMRI検査を受け、9日後に結果を聞きにいった。
戸根さんは画像を見ながら「あー、前とは違う位置に動脈瘤(りゅう)ができていますね」と言った。こぶは、血液が脳の中心を走る脳底動脈にあった。血管造影検査の結果、こぶの大きさは5.8ミリと判明。5ミリ以上だと、治療の検討の対象となる。
「今は、頭を開かなくても手術できますよ」。こぶがクリップで挟みづらい場所にあることもあり、戸根さんはカテーテルを通じて血管内に金属製の細い糸を入れて丸めてふさぐ「コイル塞栓術」を提案した。
治療は12月11日に決まった。付き添っていた河田さんは、「大丈夫よ。戸根先生だから」と励ました。
足のつけ根の動脈を切開してカテーテルを入れ、脳の血管のこぶに無事にコイルが入った。2時間ほどで終わった。
治療前に「出血するので、術後6時間は足を動かさないように」と注意を受けていた。全身麻酔から覚めた後、無意識に足を動かす母親を、河田さんと義理の姉が必死に押さえた。
でも翌日、母親はベッドに座って何事もなかったようにテレビを見ていた。体も普通に動かせるという。
「こんなに早く回復するんだ」。河田さんも母親も、2カ月も入院した以前の開頭手術との違いに驚いた。
4 こぶ成長 決心の時
東京都杉並区の河田光世さん(54)は、3.5ミリの脳動脈瘤(りゅう)が見つかってから、2008年12月に武蔵野赤十字病院で母親(80)が受けた脳動脈瘤のコイル塞栓術の効果に驚いた。
翌年7月。年に1度のMRI検査を受けると、河田さんの脳動脈のこぶは、4ミリとやや大きくなっていることがわかった。
通常はまだ経過観察を続ける大きさだが、主治医の戸根修さん(59)は、こぶが成長していることが気になった。9月に再検査したが、やはりこぶは4ミリの大きさだった。
「大きくなったので、決心しましょう」。戸根さんの言葉に、河田さんは初めてこぶが見つかったときと同様にパニック状態になった。頭を切開する手術を勧められるのだと思った。
「先生、頭を開くのは嫌です……」
戸根さんは「お母さんの時は冷静だったのに」と苦笑しながら、母親と同じコイル塞栓術をするのだと説明した。血管のこぶにコイルを入れるとき、1%の確率で出血するリスクがあることも付け加えたが、1年前に母親の治療を見ていたこともあり、河田さんは全く心配していなかった。治療日は11月30日と決まった。
手術の約1カ月前、麻酔科医の櫻井美奈さん(32)から、治療は全身麻酔で行うため、口からのどの奥に呼吸用の管を入れると説明された。
声楽を教える河田さんは、管でのどが傷つき、声に影響が出ないか心配だった。櫻井さんは「なるべく気をつけますね」と話した。
治療の前後は入院するため、音楽教室を1週間ほど休講しなければならない。だが河田さんはごく少数の教え子を除き「親戚の所に行くからお休みする」とだけ説明し、入院のことは言わなかった。見舞いに来てもらうのが申し訳なかったからだ。
なるべく休講の影響を減らそうと、入院の当日も午前中に3人に教えた。本当は午後のレッスンを終えてから入院したかったが、「風邪でもひいたら困る」と戸根さんにたしなめられ、諦めた。
翌日の手術。「はい、じゃあ麻酔をかけますね」と言われ、「1、2」と数えたところで、眠りに落ちた。
5 こぶ無くなり歌える幸せ
東京都杉並区の河田光世さん(54)の脳動脈瘤に対するコイル塞栓(そくせん)術が2009年11月、武蔵野赤十字病院で実施された。主治医の戸根修さん(59)は、予定時刻より30分ほど早く、家族の前に現れた。
「コイルを入れる途中でこぶが破れ、少し出血しましたが、血圧を下げて麻酔で眠らせているので、心配ありません」
脳梗塞になるのを防ぐため、治療中は血液を固まりにくくするヘパリンを点滴している。出血が確認されてからすぐにヘパリンの効果をなくす薬を使い、出血の拡大を止めたという。
「後遺症が残らなければいいが」。いつもはどっしりと構えている夫の通明さん(57)も、さすがに心配になった。
河田さんが麻酔から目覚めたのは翌朝の10時過ぎ。まず頭に浮かんだのは、母の治療の時にもいわれた「足を動かしてはいけない」という注意だった。だが、足が勝手に動いてしまう。
「どうしよう」。慌てていると、看護師は「いいんですよ」と言う。どうも様子がおかしい。「なぜ動かしてもいいの」と家族に聞いても、答えが返ってこなかった。
パニックに陥りやすい河田さんの性格を考え、家族は出血の事実を口止めされていた。「うまくいったから大丈夫」とだけいったものの、河田さんは疑心暗鬼になり「本当は失敗したんだ」と、泣き出した。
母の入院のときは、血が固まりにくくなる抗血小板薬を飲んでいた。しかし、自分の薬袋には入っていない。看護師に尋ねると、治療中に出血したからだという答えが返ってきた。
「私の頭の中は血だらけなの?」。看護師が慌てて、戸根さんを呼びにいった。「出血しましたが、少しだから大丈夫ですよ」。戸根さんの説明で、ようやく落ち着いた。
1週間後の予定だった退院日は3日ほど延びたが、無事退院した。気になっていた声への影響も年明け早々、近所の耳鼻咽喉科医院で検査し、問題ないことが確認できた。昨年11月の経過観察でも異常がなかった。
「戸根先生と出会えて、本当によかった」。脳のこぶが無くなったお陰で、高い声も思い切り出せる。毎日教え子たちと歌える幸せを、かみしめている。
6 情報編 変わる治療法
血管内治療の仕組み
脳動脈にできたこぶ(動脈瘤)が破裂すると、脳を包む「くも膜」と脳とのすき間に血液が流れ込む「くも膜下出血」となる。くも膜下出血は3人に1人が亡くなる怖い病気だ。
こぶは、脳ドックを受けた人の数十人に1人に見つかるが、破裂にいたるのは年に約1%とされる。こぶが5ミリ未満の場合は「経過観察」とし、半年から1年おきに検査を受けることが多い。だが、こぶが何ミリ以上になれば破裂するのかなど、はっきりとしたデータはない。小さいこぶが見つかった不安から、うつ状態になる人もいる。
日本脳卒中学会が2009年にまとめた脳卒中治療ガイドラインは「患者の余命が10~15年以上で、こぶの大きさが5~7ミリ以上」の場合、治療を検討するとした。ただし5ミリ未満でも、こぶの形や場所などによっては、治療の対象となる。
破裂を予防する治療法には、頭蓋骨(ずがいこつ)を切開手術し、こぶの根元をクリップではさむ「開頭クリッピング術」や、足のつけ根の動脈からカテーテルを通し、こぶに金属製のコイルを詰める「血管内治療」がある。
予防治療の約7割は開頭クリッピング術。手術時間は約3時間で、2週間ほどの入院が必要だ。こぶが脳の表面に近かったり、こぶの首の部分が広がっていたりする場合には、クリッピング術が適している。
傷が小さく入院期間が短い血管内治療は、体への負担が少ない。しかし長期的な経過はまだわからない。武蔵野赤十字病院脳神経外科の戸根修部長は「治療中に出血した場合、すぐに次の処置に移れるよう、全身麻酔での実施が望ましい」と話す。
また10年7月から、コイルがこぶから飛び出すのを防ぐため、金属の筒(ステント)を使った手術も、公的医療保険で認められるようになった。
いずれの治療も、5%の確率でまひやしびれ、重い後遺症などが出る可能性がある。クリッピング術には感染症や硬膜下血腫、血管内治療には脳梗塞や追加治療などのリスクがある。
三重大理事の滝和郎さん(脳神経外科)は「こぶが破裂する可能性やそれぞれの治療法のメリット、デメリットなどを知った上で、治療法を選ぶことが大切だ」と話す。
5.ビタミンCで血圧下がる可能性―米研究
Medical Tribune2012年5月23日
ビタミンCに降圧作用があることを示唆する解析結果が、米ジョンズホプキンス大学のStephen P. Juraschek氏らによって米医学誌「American Journal of Clinical Nutrition」(2012; 95: 1079-1088)に発表された。
高血圧患者で顕著に改善
これまで、被験者の日常的行動を調査する観察試験ではビタミンCの摂取増加、ビタミンC補充、血液中のビタミンC濃度が高いことは血圧の低下と関係することが示されているが、臨床試験ではその効果に関するエビデンス(科学的根拠となる研究結果)は一致していない。
Juraschek氏らは、1966~2011年に報告された2週間以上のビタミンC補充による血圧への影響を検討した研究を対象に、メタ解析※を行った。
対象となった29研究では、ビタミンCの用量が1日500ミリグラム(中央値)、投与期間は8週間(同)、参加者は10~120人だった。
解析の結果、全試験におけるビタミンC群の血圧の平均変化は収縮期(最高)血圧が3.84ミリメートルHg減、拡張期(最低)血圧が1.48ミリメートルHg減、高血圧患者が参加した試験ではそれぞれ4.85ミリメートルHg減、1.67ミリメートルHg減だった。
Juraschek氏らは「ビタミンC補充による血圧などへの影響を、さらに長期的な研究で解明する必要がある」と指摘している。
Effects of vitamin C supplementation on blood pressure: a meta-analysis of randomized controlled trials
http://www.ajcn.org/content/95/5/1079.abstract
6.善玉コレステロールが心筋梗塞リスクを下げない可能性 欧米の大規模研究
Medical Tribune2012年5月23日
「善玉コレステロール」とも呼ばれるHDLコレステロール(HDL-C)は、多ければ多いほど良いとされている。そのため、HDL-Cを上げる薬の開発が進められてきたが、心臓や血管の状態を良くすると直接証明できた臨床試験はなく、開発中止を決めたメーカーも複数出ているようだ。こうした中、脂質と動脈硬化に関する従来の知見を覆すような検討結果が欧米の研究から明らかになり、5月17日付の英医学誌「Lancet」(電子版)に発表された。HDL-C上昇が、心臓や血管の病気になるリスクの低下につながらない可能性が示されたという。このほか、米ハーバード公衆衛生大学院のFrank M. Sacks氏らからは、HDL-Cの中に“悪玉”が存在するという研究結果を報告している
遺伝的にHDL-C高い人でリスク低下せず
報告を行った米ペンシルベニア大学のBenjamin F. Voight氏ら欧米の国際研究グループは、20件の臨床試験から心筋梗塞患者2万913人と、患者でない9万5,407人の遺伝情報(一塩基多型=SNP)の解析を実施。遺伝的にHDL-C値が高いことに関連する内皮リパーゼ遺伝子型を持つ人とそうでない人の心筋梗塞リスクを比較した。
この遺伝子型を持つ割合は全体の2.6%で、保有しているグループのHDL-C値は保有していないグループに比べて高かったものの、心筋梗塞リスクに関連するそのほかの要素は保有していないグループと同等だった。
Voight氏らは、HDL-C値の差から保有群の心筋梗塞リスクは13%低下すると予測したが、実際にはリスクの低下が認められなかった。この検討から「遺伝的な高HDL-C血症は心筋梗塞リスクの低下に関連しないことが確認された」と同氏らは結論している。
さらに、コレステロールに関する遺伝子と心筋梗塞リスクの関連を検討したところ、LDL(悪玉)コレステロールに関する遺伝子で心筋梗塞リスク上昇との関連が認められたのに対し、HDL-Cではリスク低下との関連が認められなかった。
Voight氏らは、何らかの形でHDL-Cが上昇していても、それが心筋梗塞リスクの低下に関連しない可能性が示されたと結論。HDL-Cを上昇させる薬を飲んだとしても、心筋梗塞リスクを低下させるとは考えにくいとの見解を述べている。
Plasma HDL cholesterol and risk of myocardial infarction: a mendelian randomisation study
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2812%2960312-2/abstract
7.世界最小の人工心臓、生後16か月の幼児を救う イタリア
AFPBB News2012年5月23日
イタリア・ローマ(Rome)の小児病院で3月、世界で最も小さな人工心臓が生後16か月の幼児に埋め込まれていたことがこのほど明らかになった。
移植手術を行ったバンビーノ・ジェズ病院(Bambino Gesu Hospital)のアントニオ・アモデオ(Antonio Amodeo)医師が発表した声明によると、移植されたチタン製の人工心臓は重量わずか11グラムで、拍出量は毎分1.5リットル。
この幼児は重度の拡張型心筋症だったが、先に埋め込まれていた心室補助装置が重度の感染症を起こしたため、心臓移植手術を受けるまでの13日間を乗り切る緊急措置として人工心臓が埋め込まれた。
手術から1か月以上が経過したが、幼児の健康状態は良好だという。(c)AFP
8.高血圧のリスク、適度な運動で回避可能 米研究
AFPBB News2012年5月22日
高血圧の家系に生まれても、適度な運動でその呪縛から逃れることができるとした最新の研究結果が21日、アメリカ心臓協会(American Heart Association、AHA)の専門誌「Hypertension」に掲載された。
研究結果によると、高血圧の家系に生まれながらも適度な運動で健康を維持している人は、運動をほとんどしない人より高血圧になるリスクが約34%低いという。またうれしいニュースとしては、ジムに通っての長時間の激しい運動は必要なく、毎日70分程度早歩きだけで効果が見られるとした。
研究は、健康な成人6000人以上を対象に行われ、被験者の約3分の1については親が高血圧だった。
この研究について、米サウスカロライナ大学(University of South Carolina)アーノルド公衆衛生学部(Arnold School of Public Health)大学院博士課程に在籍する研究者、ロビン・P・シュック(Robin P. Shook)氏は、「研究結果は、週150分程度の早歩きといった現実的で適度な運動量でも、健康に大きなメリットをもたらすことを明確に示すものだ。高血圧の家系に生まれた人にとっては特にそうだ」との声明を発表した。
健康に関する情報サイト「WebMD」によると、これまでの研究で、高血圧の親を持つ人には約35%~65%の確率で血圧にばらつきが見られることが分かっているという。
9.後期高齢者制度廃止“撤回”に「待った」- 民主・厚労部門会議
CareerBrain2012年5月23日
衆院社会保障と税の一体改革特別委員会で閣僚が、一体改革大綱に盛り込まれた後期高齢者医療制度廃止の撤回を示唆するとも受け取れる答弁をしているとして、民主党の厚生労働部門会議が「待った」を掛けた。
「議論もなしに高齢者医療制度見直しが撤回されて、一体改革に賛成なんてあり得るのか」「党内で積み重ねた議論を踏まえずに撤回するとしたら、党の決定プロセスはどうなっているんだ」―。23日の部門会議の会合では、出席議員から閣僚答弁に批判的な意見が相次いだ。
同制度の見直しは、2009年衆院選や10年参院選の党マニフェストに掲げられている上、今年2月に閣議決定された一体改革大綱にも盛り込まれている。
大綱には、「具体的内容について、関係者の理解を得た上で、12年通常国会に後期高齢者医療制度廃止に向けた見直しのための法案を提出する」と記されているため、政府・与党は、制度見直しで負担増が見込まれるとされる都道府県側の理解を得るための調整を水面下で進めているが、難航している。
全国知事会などとの調整を行ってきた部門会議の柚木道義医療・介護ワーキングチーム座長は、同日の会合で状況を報告。これを受けて部門会議では、早急に具体案を作成して財源部分を含めた議論に着手し、関係者からも合意を得た上で、策定した与党案を政府に提示する方針を固めた。
会合後、記者団に対し柚木氏は、「きょうも含め一日でも早く、(新しい高齢者医療制度の)議論に入らなければならないという危機感を、部門会議全体が持っている」と述べた。
10.月経痛軽く見ず医療機関受診を- 日本子宮内膜症啓発会議
CareerBrain2012年5月23日
月経痛や不妊の原因になる子宮内膜症について早期受診を啓発する「日本子宮内膜症啓発会議」が22日、設立の記者会見を開いた。同会議は、3年後までに子宮内膜症などでの産科受診者数を2倍に増やす目標を掲げており、実行委員長を務める百枝幹雄・聖路加国際病院女性総合診療部長は会見で、「特に若い世代の女性に、月経痛を軽く見ず、医療機関を受診すべきと知らせたい」と述べ、目標達成への意気込みを示した。
子宮内膜症は、子宮以外の場所に子宮内膜が発生する疾患で、月経痛や排便痛、性交痛を引き起こすほか、不妊の原因にもなる。また、子宮内膜が卵巣内部にできる「チョコレート嚢胞」が長期化すると、がん化する恐れもあるという。
子宮内膜症を発症する詳しい原因は分かっていないが、月経の回数が多いほど、発症リスクが高まることが知られている。同会議によると、栄養状態が良くなったことで、初経から閉経までの期間が延びている上、出産の時期が遅くなり、回数が少なくなったため、月経の回数は、ここ50年で10倍ほどに増えており、子宮内膜症患者も増加しているという。
現在の患者数は、推計で200万-400万人だが、医療機関を受診する割合は高くなく、同会議が設立された4月1日時点の受診率は「約13%」(百枝氏)。同会議は、企業健保や養護教諭と連携して啓発活動を行い、2015年末までに、レセプトの枚数ベースの受診数を2倍に引き上げる目標の達成を目指す。
11.膵・腎臓同時移植の優先見直しを了承 厚労省作業班
CareerBrain2012年5月22日
厚生労働省の「腎臓移植の基準等に関する作業班」は21日、腎臓と膵臓の同時移植希望者が、それぞれの臓器の単独移植希望者よりも移植を優先される現行の基準を見直し、腎臓の単独移植希望者への移植機会を増やす「日本膵・膵島移植研究会」の提案について議論し、一部修正を加えて了承した。
同研究会は昨年秋、現行基準の変更を厚労省に提案。しかし、若年層を優先する基準改正を同年3月に実施したばかりだったため、同省は検討のためのデータを集めた。それによると、昨年行われた腎臓単独移植は182例で、膵・腎臓同時移植(29例)の約6倍だった。一方、今年4月2日の時点で腎臓の単独移植希望者は1万2376人おり、膵・腎臓の同時移植希望者(154人)の約80倍に上っている。
現行の基準では、一人のドナーから1つの膵臓と2つの腎臓が提供される場合、膵臓と腎臓の同時移植希望者に優先的に移植されることになっている。ただ、このほかの基準として、拒絶反応の起こりやすさや、待機時間、見込まれる搬送時間などがあり、膵臓が単独移植希望者に配分されることもある。その場合、腎臓は2人の単独移植希望者に配分される。
3人への移植が決定してから、膵臓の移植希望者に感染症などが見つかって移植が断念される場合、膵臓の新たな移植先に腎臓との同時移植希望者が選ばれることがある。同時移植希望者が選ばれると、膵臓1つと腎臓1つを移植するため、移植が決まっていた腎臓単独移植希望者1人が、移植を撤回されることになる。
日本膵・膵島移植研究会では、一度決まった腎臓単独移植希望者への移植が撤回されることを問題視し、膵臓単独移植希望者が移植を断念する場合は、次も単独移植希望者を選ぶべきと提案。作業班の了承を得た。
同研究会は、同時移植希望者への配分が決まっている膵臓や腎臓が、臓器摘出後に移植に適さないと分かった場合の取り扱いに関しても提言。現行基準では、膵臓か腎臓のどちらかしか移植できない場合、同時移植希望者が希望すれば、単独移植を受けられることになっている。同研究会は、腎臓しか移植できない場合、移植を受ける予定だった同時移植希望者ではなく、新たに単独移植希望者を選んで配分すべきとの案を示し、了承された。
また作業班は、同時移植希望者に臓器提供する予定だったドナーから、移植できる腎臓が1つしか確保できない場合、腎臓単独移植希望者に優先的に移植すべきとした。
厚労省では、同作業班の意見を踏まえ、月末に開催する「膵臓移植の基準等に関する作業班」で、さらに議論を深める方針だ。
12.ロクロニウムを手術室で紛失 国立国際医療研究センターで筋弛緩剤紛失、情報公開
国立国際医療研究センターは5 月21 日、毒薬指定の筋弛緩剤であるロクロニウム(商品名エスラックス)を手術室で1バイアル紛失したと報告した。
5 月11 日の全手術終了後、手術室内で定数管理しているロクロニウムが1バイアル足りなかった。21日の発表時点で発見には至っていない。なお、15 日に警察署に紛失届けを提出している。
センターは緊急の院内医療安全推進委員会を開いて対策を検討した。(1)薬品保冷庫の鍵は、責任麻酔科医とリーダー看護師が常時所有、(2)使用時と返却時には、鍵保有者と使用医師でダブルチェックし、本数を記録、(3)薬品保冷庫や薬品カートへの返却時、鍵保有者の引継ぎの際に本数確認を行うことを決めた。
かねてセンターでは、事故が重大な結果を引き起こしたかどうかにかかわらず、公表することが公益に結びつく場合には積極的に情報公開する方針を取っている。
◆プレス「手術室で筋弛緩剤ロクロニウム(エスラックス)紛失について」
http://www.ncgm.go.jp/topics/lost_rocuronium_20120522.pdf
13.ホルモン補充療法の問診票 日本産婦人科医会が作成、ガイドラインに準拠
日本産婦人科医会女性保健委員会は、ホルモン補充療法(HRT)ガイドラインに準拠したチェックシート(問診票)を作成、ホームページで一般公開した。
この問診票で、禁忌と慎重投与事項がすぐ確認できる。慎重投与または禁忌の可能性がある「60歳以上」「閉経後10 年以上」「肥満」「喫煙」の有無を確認でき、既往歴の確認欄では、判断の際に考慮すべき疾患を列挙している。家族歴の欄でリスクの確認もでき、乳癌検査の有無、時期、内容も詳しく記入させる構成になっている。
委員会は、使用時の注意点として、(1)患者のリスクとベネフィットを勘案し、説明と同意を得た上でHRTを行うこと、(2)慎重投与の場合は患者の状態把握に努めること、(3)該当項目がなく、問題ない場合もHRT 開始前に血液検査などで健康状態を評価することを求めている。
◆ホルモン補充療法(HRT)チェックシートの注意事項について
http://www.jaog.or.jp/diagram/notes/HRT_check.pdf
14.小児学会、予防接種表を更新 ヒブ、ロタ、水痘ワクチンの推奨接種時期を変更
日本小児科学会の予防接種・感染対策委員会は「推奨する予防接種スケジュール」を改訂。4月20日開催の委員会で検討の後、若干の修正を加え、5月21日付けでホームページ上に公表した。
今回は以下の3点につき修正を行った。(1)ヒブワクチンの追加接種効果を早期に得るために、4回目の接種は生後12 カ月から開始するよう推奨。(2)ロタウイルス5 価ワクチンを追加。1 価ワクチンとともに、生後8 週から15 週未満の期間に1回目の接種をするよう推奨。(3)水痘ワクチン2 回目の推奨接種期間を、生後18カ月以上2 歳未満に変更。
学会は2011年1月に同時接種に関する考え方を示しており、それに基づいた予防接種スケジュールを同年4月に発表、12月に改訂していた。今回は2回目の修正となる。
◆日本小児科学会推奨の予防接種スケジュールの主な変更点
http://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_110427.pdf
15.[難病] すべての難病に高度な医療提供する新・難病医療拠点病院を設置
厚生政策情報センター2012年5月22日
難病研究・医療ワーキンググループ(第2回 5/18)《厚生労働省》
厚生労働省は5月18日に、難病研究・医療ワーキンググループを開催した。この日は、(1)難病の定義や範囲(2)医療費助成(3)医療提供体制(4)研究―について議論を行った。
まず(1)の難病の定義・範囲については、難病対策要綱(昭和47年)(p12参照)において「原因不明・治療法未確立、かつ負担が大きい」などとされているが、一方で特定疾患(平成14年)については「症例が少なく、原因不明・治療法未確立、かつ長期療養が必要」とされており(p14参照)、「症例が少ない(希少疾患)」との要件を加味するか否かがポイントとなっている(p5参照)。
もっとも、どのような定義を採用するにしろ、難病では長期療養が必要なため医療費負担が大きくなる。また、難病は症例数こそ少ないが、誰もが発症する可能性がある(原因不明)ことから、患者の受療を促進し、全国規模で症例を集積・研究する必要がある。こうした観点から(2)の医療費助成(p15参照)(p23-p28参照)が重要であるが、厚労省は(i)対象疾患すべてに医療費助成を行うべきか(ii)がんなどの他の慢性疾患と比べた場合、助成をどう考えるか(iii)治療の標準化についてどう考えるか―などの検討課題を示している(p6-p7参照)。
また、患者・家族の最大の関心事である(3)の医療提供体制に関しては、(a)すべての難病に対し総合的に高度な医療を提供できる「新・難病医療拠点病院」の設置(b)aの拠点病院と連携して在宅療養サービス提供医療従事者への人材養成等を担う「難病医療地域基幹病院(仮称)」の整備(c)bの基幹病院を中心とした、2次医療圏ごとの「地域難病医療連絡協議会(仮称)」の設置(d)極めて稀な疾患に高度専門的な対応を行う「難病治療研究センター(仮称)」の設置(e)がん登録に倣った「難病患者登録」の実施―などが打ち出されている(p8-p10参照)。
さらに(4)の研究に関しては、「Orphanet(EU)やCDC(米国)などの国際的疾病研究センターとの連携・共同」なども提案されている(p11参照)。
◆第2回難病研究・医療ワーキンググループ議事次第
http://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201205_4/1780_1_1.pdf
16.機構と保険会社だけが利益を得る制度 - 池下久弥・産科中小施設研究会
◆Vol.3
7項目の要望書提出、機構相手の予防訴訟も予定
M3 2012年5月23日
――当初年間800人程度を補償の対象にする想定で、制度設計されました。しかし、実際にはそこまで対象者がいません。
初年度の2009年度で、2011年12月末までに請求されたのは177人、うち158人が認定され、対象外は10人、再申請可能8人、継続審議1人となっています。
補償原資のうち300人相当分までの補償費用は、保険会社に入る仕組みになっています。補償請求は満5歳の誕生日まで可能ですが、2009年度分について、このまま補償対象者があまり増えず、200人程度にとどまると仮定します。つまり、100人分×3000万円、 30億円は保険会社の利益になります。そもそも事務手数料として保険会社に対し、2011年の場合は年間33億円支払っています。
一方、300人を超える分の余剰金は、運営組織、つまり日本医療機能評価機構に入り、「産科医療補償制度のために限定して使用する」とされています。さらに損害賠償が確定すれば、補償費用の1人当たり3000万円は機構に戻ります。このほか、機構の事務手数料は年間約2億7000万円が充てられており、先ほども言いましたが、厚労省の補助金が年8000万円です。
2011年7月の「産科医療補償制度運営委員会」の資料によると、余剰金は、2009年度は236億円、2010年度は285億円となっています(機構のホームページPDF:1.72MBの17ページ)。その後、補償件数が増えているので、余剰金はその分、減っていますが、それでも年間200億円は超える(編集部注:補償対象は、2009年の出生のうち、2010年12月までの確定が計99件、2011年12月までの確定が計158件、2010年の出生のうち、2010年12月までの確定が計9件、2011年12月までの確定が計91件)。23年度もほぼ同額の余剰金が出るでしょう。
――補償の請求は、満5歳の誕生日まで可能です。
しかし、どんな統計を見ても、脳性麻痺の出生は1000人に2人。今の日本は100万分娩ですから、約200人。しかし、本制度の設計当初、沖縄などのごく限られたデータを使って800人にした。800人に3000万円支払うとした設計で、保険料が3万円に設定された。2009年に生まれた子供についても、あと2年半請求は可能です。しかし、もう大抵の場合、脳性麻痺の診断は付いているでしょう。初年度の会計は5年経たないと確定しませんが、かなりの余剰金が出るのは確かなのに、このまま放置していいのでしょうか。
――脳性麻痺が判断されるピークの年齢は。
1歳半くらいでかなり診断ができます。ただ、補償の対象は重度の脳性麻痺ですが、中等度との見極めがつきにくい。だから、補償申請期間は5年にしたのだと思います。
――現時点である程度確実に言えるのは、300人と200人の差、100人分くらいの補償金は保険会社の利益になる。日本医療機能評価機構側にとっても、余剰金があり、裁判になり補償費用が相殺されれば、余剰金の額は増える。
さらに金銭的な問題では、診療報酬とリンクしている点もあります。「ハイリスク妊娠管理加算」(1日1200点)、「ハイリスク分娩管理加算」(1日3200点)の算定要件は、「産科医療補償制度に加入している」とされている。これは非常に高い点数ですが、すべての医療機関を入らせるためでしょう(編集部注:施設基準は、「産科医療補償制度標準補償約款と同一の産科医療補償制度約款に基づく補償を実施していること」とされている)。今、加入率は99.8%、病院は100%。今、入っていないのは診療所7件のみです(2012年4月3日現在、機構のホームページを参照)。
さらに問題なのは、厚労省にとって「業績になる」と考えられる点。
――それはどんな意味でしょうか。
例えば、同一施設で補償対象事例が出た場合、これらを行政処分の対象にすることも想定されます。さらには、民事訴訟だけでなく、刑事訴訟になっているケースもあります。この「原因分析報告書」を見て、患者側が怒ってしまい、民事と刑事、両方を起こしているケースです。特に刑事訴訟をされると、医師は根を上げてしまう。
――ではどんな形で、制度の見直しを進めるべきでしょうか。
既に制度見直しに向けた「産科医療補償制度運営委員会」が今年2回開催されていますが、“時間つぶし”の議論をしているようにしか、思えません。ヒアリング対象も、“身内”の関係者ばかりです。そもそも現状がどうなっているのか、問題点を整理、分析することから始めるべきです。
――今後、先生方はどんな活動を展開される予定でしょうか。
実は、今年2月16日に厚労省に話に行った際に、見直しに関する要望書を出す予定でしたが、我々「産科中小施設研究会」は、民間団体であるという理由で受け取ってもらえませんでした。その後、つてをたどり、4月10日に日本医療機能評価機構に懇談に行きます(本インタビューは4月6日に実施)。
要望書では、(1)カルテ等の提出は不要、(2)報告書の非開示、(3)補償と原因分析を明確に分ける、(4)医師・助産師の反論の場を設ける、(5)調整委員会の廃止、(6)補償金は医療機関に支払う、(7)補償金を1億円に増額、の7点を求めています(編集部注:調整委員会は、「原因分析委員会で重大な過失が明らかと思料された事案について、重大な過失による損害賠償責任の有無に関する事項を審議する」ための委員会)。(1)から(5)は、法律に則った医療機関の当然の権利の要求です。
また可能であれば、日本医療機能評価機構を相手に、予防訴訟を行う予定です。我々は、いつ被害者になり、“さらしもの”になるか分からないので。
――それは何を求める訴訟になるのでしょうか。
原因分析報告書は、患者さんに開示せず、ホームページ上でも公開しないでほしいということ、またカルテの提示を不要とすることを求めます。先ほども言いましたが、本来、補償は子供が脳性麻痺に該当するかどうかで判断すべきであり、その認定に産婦人科医のカルテは必要ありません。補償と原因分析は、明確に分けて行う必要があります。恐らく興味本位と処罰主義で、カルテの提出を求めているのでしょう。
――予防訴訟以外には。
お金の問題を明らかにすることを考えています。先ほどの数字は、あくまで推計なので。この産科医療補償制度の保険料は、出産一時金に3万円に上乗せされる形になっています。つまり、税金や保険料から支払われているわけですから、公正かつ透明性のある運営が求められるはずです。
――本来であれば、そうしたデータは開示されるはず。
隠ぺい体質なのでしょう。私は弁護士さんとの付き合いが多いので、2009年の頃から、最初の準備一時金600万円をもらって、提訴している人の話を聞いていました。しかし、日本医療機能評価機構は、“ゼロ”だと言い続けていた。しかし、18件が損害賠償請求等がなされている事実も、今年2月15日の「産科医療補償制度運営会議」で、ようやく公表されたことです。それまでは「ない」と言っていた。
――今、産科の無過失補償を他科に広げるか否かが検討されています。脳性麻痺という、特定の領域での原因分析でも難しいにもかかわらず、他科に広げることが可能なのか。
それは分かりませんが、まず産科医療補償制度の現状を、数字だけでなく、現場の実態も踏まえて検証することが第一だと思っています。我々の世代はいいですが、次の世代にこの制度を引き継ぐわけにはいきません。その思いで、今後も活動を続けます。
17.食後血糖値、1時間か2時間か?
食後1時間後の臨床効果でデータ出る半面、「現実的な運用は2時間で十分」の声も
M3 2012年5月23日
食後血糖値を食後の1時間にするか、2時間にするか。
DPP-4阻害薬や連続血糖測定などの登場で注目されるポイントだ。
患者の予後をより改善させるには、どちらを選ぶか。
【1h】食後1時間の血糖値を重視
「食後1時間に血糖値のピークが来るのは明らか。食後の2時間では、血糖値が正常に近くなっている、もしくはピークを過ぎて低下している過程の血糖値を測定することになるため参考にならない。食後1時間後を積極的に測定すべきだろう」。東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科准教授の西村理明氏はこう説明する。
食後1時間にピークあり
糖尿病のスクリーニングや治療目標として、食後高血糖を利用しようという動きが高まっている。「食後高血糖が心血管リスクを高める」と分かってきたからである。 従来、IGTT75g(75gのブドウ糖負荷試験)の判定時間が2時間後であり、2007年に発表された国際糖尿病連合(IDF)の「食後血糖値の管理に関するガイドライン」では、食後血糖値の指標として食後2時間の値を見るとされていた。
従来、IGTT75g(75gのブドウ糖負荷試験)の判定時間が2時間後であり、2007年に発表された国際糖尿病連合(IDF)の「食後血糖値の管理に関するガイドライン」では、食後血糖値の指標として食後2時間の値を見るとされていた。
IDFの指針は2011年に改訂され、「食後高血糖の目標値は食後の時間にかかわらず、160mg/dL未満にする」と変わった。
西村氏は背景にDIS試験の結果があると見ている。1996年に発表されたDIS試験により、食後1時間後の高血糖が心血管疾患リスクの予知因子であることが報告された(Diabetologia. 1996 Dec;39(12):1577-83.)。OGTTではなく実際に食後1時間の血糖に注目した試験であり、この結果をより重視したのではないかという見方だ。
今、食後血糖値はどの時点を見るべきかを考える上で、重要なのが持続血糖モニター(CGM)の診断が可能となったことだろう。
西村氏はCGMを駆使して血糖の変動を研究している。例えば、耐糖能正常者の24人を調べたところ、朝食後、昼食後、夕食後ともに血糖のピークは、40分から50分の時間帯に収まっていた。西村氏は、「スクリーニングの観点では、食後1時間の血糖値を見るのが重要なのは明らか」とこれまでの検討から考えている。
さらに、治療目標の観点から、耐糖能異常(IGT)のある患者や糖尿病患者の血糖変化も検証している。
その結果、HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピークがあったものの、8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピークがあった。西村氏は、「管理目標として考える場合にも食後1時間をめどに血糖を測定するのが重要」と話す。
実践の工夫として、西村氏は、「“123法”と呼んでいるが、患者に来院の日によって、今月は食後3時間、来月は食後2時間、再来月は食後1時間と、血糖測定のタイミングを変えて来院してもらうように指導する。すると、食後のいろいろなタイミングの血糖を測定できる。患者も自身の食後高血糖の実態を知って満足する場合が多い」と指摘する。
厳格治療をより上手に
「血糖値をより上手に下げようという流れが重要」と西村氏は見ている。最近では、ACCORD試験、ADVANCE試験、VADT試験と、厳格な血糖コントロールを行うと転帰がむしろ悪くなるいわゆる「Jカーブ現象」が報告されている。
この現象は低血糖により起きているのか、血糖の一時的な急上昇によって起きているのかは分かっていない。重要なのは、単純に平均的な血糖値の平均だけを下げても不十分という点だ。血糖変動の実態を見て、明らかとなった問題に対処する必要がある。その観点から、西村氏は、「血糖値のピークを形成する食後1時間から90分の血糖値を測定するのは一層重要になっている」と考えている。
こうした食後1時間の血糖測定の意義は、インクレチン関連薬や新規のインスリンの登場が続く状況にあっても変わらないという見方だ。「血糖値の山であるピークと谷である低血糖を見極めてリスクを最小化することが極めて重要ではないか」
【2h】食後2時間の血糖で十分
「食後血糖値としては、食後2時間の時点で測定した血糖値を軸として参考とするのがよいだろう。食後1時間の値を見る考え方も出ているが、現状では食後2時間の値を見れば十分なのではないか」。NTT東日本札幌病院内科診療部長の吉岡成人氏はこう考え方を説明する。
食後1時間のピークは不安定
そもそも食後高血糖が注目されたのは、糖尿病患者の大血管障害の抑制が重視されるようになった2000年代以降の変化がある。75g糖負荷試験(OGTT)で2時間後の血糖値が高いと虚血性心疾患のリスクとなるのは、国内外の臨床試験で分かってきていた。
その流れの中で、75gOGTTと同様に食後高血糖も問題視されるようになった。 1996年にDIS試験で食後1時間後の高血糖が心血管疾患のリスクを高めると報告されたのは重要だ(Diabetologia. 1996 Dec;39(12):1577-83.)。
2007年に発表された国際糖尿病連合(IDF)の「食後血糖値の管理に関するガイドライン」で、管理目標として「低血糖にならない限り、食後2時間の血糖値が140mg/dLを超えない」と設定された。
α-GIや超速効型インスリンといった食後の血糖上昇を抑制する薬剤の登場によっても、食後血糖値を意識した治療への注目度は高まった。
臨床現場で食後高血糖は身近になっている。
では、どれくらい重要視するか。吉岡氏は参考値として意識すべき存在と見ている。その観点から、食後1時間ではなく、食後2時間の血糖値を見れば十分と考えている。
まず、現実の臨床で、食後1時間の値を見るのが難しい点は見逃せない。患者が午前に医療機関に受診する場合、食後1時間の時点の血糖値を測定するのは容易ではない。食事をしてから医療機関まで移動し、受付をするだけで1時間が経過してしまう。「8時に朝食を取って、10時に血糖測定するのが現実的」と吉岡氏は指摘する。
さらなる問題として、食後1時間と食後2時間の血糖値を比べた時に、食後1時間の値は患者の条件によって変動しやすく、参考にしにくい、と吉岡氏は見る。
吉岡氏らの研究グループが、2型糖尿病の入院患者を対象に食後高血糖のピークが食後1時間後となる割合を調べたところ、食事療法だけの場合は67%、経口糖尿病薬を処方する場合は64%、インスリンを処方される場合は36%となっていた。1時間が高いか、2時間が高いかは患者個々人によってばらばらとなっている。
医療機関でテストミールを食べてもらって、うまく測定できるかと言えば、それも容易ではない。食後血糖値は、朝食後と昼食後の違いだけで値が異なると知られている。「セカンド・ミール・イフェクト(2回目の食事の効果)」と呼ばれる。起床直後は、インスリン拮抗ホルモンである副腎皮質ホルモン(コルチゾール)や成長ホルモンの血中濃度が高いためだ。 吉岡氏は、「あくまで大きく値が上がる人や低血糖のある人を拾い上げるためにも食後2時間値を見ればよいだろう。食後1時間が200mg/dLや300mg/dLの水準まで高まる人は、食後2時間も高いと考えている」と話す。
食後高血糖は介入すべき?
そもそも食後高血糖を下げれば、心血管疾患のリスクを抑制できるかどうかは分かっていない。
DIS試験で唯一、食後1時間の高血糖が180mg/dL以上の場合に、心血管疾患のリスクが高まると分かっただけ。食後高血糖を下げようと治療をした試験ではない。
さらに、食後の血糖値を下げると知られているα-グルコシダーゼを投与したSTOP-NIDDM試験では、心血管障害が抑制された半面で、試験開始時の75OGTTの2時間値は結果に対して有意に寄与していなかった。「α-GIの一般に知られる食後高血糖の抑制効果が必ずしも心血管障害の抑制につながらなかった」と吉岡氏は見る。
ほかにも超速効型インスリンの効果を検証したNAVIGATOR試験で、主要心血管転帰を実薬群でプラセボ群よりも抑えられなかった、といった結果もある。食後血糖を押さえる治療が治療効果につながるかどうか、不明点があるというのが吉岡氏の現状の見方だ。
最近では、ACCORD試験、ADVANCE試験、VADT試験と、血糖値を下げると転帰がむしろ悪くなるいわゆる「Jカーブ現象」も報告されている。
実際の問題、これまでの報告を踏まえて、吉岡氏は、「低血糖に注意しながら、HbA1cを中心的な指標として血糖値を下げていく。食後血糖値は参考にするが、低血糖や食後の高血糖を見るための指標として、食後2時間の値を見れば十分と考えている」と述べる。
18.ミュータンス菌 脳出血と潰瘍性大腸炎にも関与
日経メディカル2012年5月23日
虫歯の原因となるミュータンス菌(Streptococcus mutans)。その感染が脳出血や潰瘍性大腸炎のリスクを4~5倍高めることが最近明らかになった。
原因となるのはミュータンス菌のうち、コラーゲン結合蛋白をコードする遺伝子(CNM)を持ち、グルコースの側鎖がない高病原性株だ。
阪大大学院歯学研究科薬理学准教授の和田孝一郎氏を中心とするグループは、2006年から口腔常在菌と全身疾患の関連を明らかにする取り組みを開始した。菌血症にクモ膜下出血を併発した患者の血液から検出されたミュータンス菌が、標準菌と異なる糖鎖を持つことに着目。健常ボランティア35人と脳出血患者74人から唾液サンプルを採取し、菌株の単離と同定を実施した。
標準株と、抜歯後菌血症患者の血液から分離された高病原性株に分類したところ、健常人では高病原性株が8.5%しか検出されなかったが、脳出血患者からは27.0%と高率に検出された。検出した高病原性株を脳出血のモデルマウスに経静脈投与したところ、症状が悪化したため、高病原性株と脳出血の関連が示された。
また、検証に使われたマウスのうち数個体から、腸管に発赤と若干の浮腫が認められた。和田氏らは同菌が腸炎にも関与していると推測し、潰瘍性大腸炎患者の唾液サンプルを集めて健常人との比較を行った。
その結果、健常人では高病原性株が481例中3.5%だったのに対し、潰瘍性大腸炎患者は56例中14.3%と、高病原性株の検出率が有意に高かった。脳出血と同様に高病原性株を腸炎のモデルマウスに経静脈投与したところ、症状が悪化し、高病原性株は潰瘍性大腸炎にも関与していることが示された。
ミュータンス菌は、歯磨きなどによって歯と歯茎の隙間から血管内に侵入。グルコースの側鎖を持たない高病原性菌は白血球に貪食されにくく、菌血症状態となり、全身に病原性をもたらすと考えられている。
そもそもミュータンス菌は、日本人成人の6~7割が保菌している、多数ある口腔常在菌の一種。生後15カ月から遅くとも5歳までの間に口移しなどで保菌者の唾液から感染する。以前から歯科治療後に感染性心内膜炎を発症するケースが多く、発症とミュータンス菌には関わりがあるのではないかと考えられてきた。
和田氏は「健常人が高病原性のミュータンス菌に感染しても発症しない。血管や腸に炎症がある場合に発症のリスクが高まる」と説明する。和田氏らは現在、他の出血性疾患や免疫系の疾患についても、ミュータンス菌との関連を調べている。
ミュータンス菌による脳出血などの発症リスクは、口腔内の菌量を減らすことで抑えられる可能性がある。研究グループの一人、横浜市立大消化器内科の日暮琢磨氏は「高病原性のミュータンス菌を持つ患者を治療する場合は、疾患の治療だけではなくオーラルケアの指導も必要だろう」と話している。
19.腹部大動脈径が30mm未満でも循環器疾患に要注意
腹部大動脈瘤スクリーニングを受けた男性約8150人を追跡(BMJ誌から)
日経メディカル2012年5月23日
超音波検査に基づく腹部大動脈瘤(AAA)スクリーニングで、AAAと判定される直径30mm以上のみならず、25~29mmでもその後の循環器疾患などの罹患(入院)リスクの上昇が見られること、リスク上昇はほとんどが動脈瘤以外の血管疾患に起因するものであることが、英国で行われた前向きコホート研究で明らかになった。英Raigmore病院のJohn L Duncan氏らが、BMJ誌電子版に2012年5月4日に報告した。
英国では、これまでに行われた複数の無作為化試験とメタ分析の結果に基づいて、65歳以上の男性に対するAAAスクリーニングの実施が推奨されている。超音波検査によるスクリーニングを1回行い、必要に応じて適切に介入すれば、AAA関連死亡を減らせることが過去の研究で示されており、英国では、その費用対効果は良好と判断されている。
だが、多くのスクリーニングプログラムは、腹部大動脈の直径が30mm以上をカットオフ値に設定しており、それより低い値の男性は追跡対象にはならない。そこで著者らは、スクリーニング時に大動脈の直径が30mm未満だった男性も分析対象に含めて、入院と死亡のリスクを調べる前向きコホート研究を実施した。AAA患者においては、AAA関連死亡に加えて、他の血管疾患による死亡リスクも上昇するとの報告があったことから、様々な疾患による死亡と初回入院を評価指標に設定した。
01年4月から04年3月の間に、スコットランドの2つの州に住む65~74歳の男性をAAAスクリーニングに招き、8355人が参加した。初回のスクリーニング時に、全般的な健康状態、喫煙歴、医療歴、心血管疾患と糖尿病の家族歴などに関する情報を得た。大動脈の直径は前後方向の最大値を記録し、30mm以上をAAAと診断した。
直径が30~44mmの患者は年1回、45~54mmの患者は3カ月に1回検査を行い、55mm以上の患者には治療の実施を検討するとした。AAA(直径30mm以上)と診断された患者には生活改善指導を行い、かかりつけ医に連絡してアスピリンとスタチンの投与を考慮するよう指示した。一方で、大動脈の直径が29mm以下の男性は正常とし、それ以上の検査や介入は行わなかった。
初回のスクリーニングを受けた男性の転帰は、この地域の住民の死亡記録や入院記録を参照し確認した。
主要評価指標は、AAAの存在に関連する疾患罹患(入院)と死亡に設定、患者を大動脈の直径に基づいて24mm以下、25~29mm、30mm以上の3群に層別化して評価した。
スクリーニング時に患者特性などの情報が得られた8146人を、10年6月26日まで、中央値7.4年(四分位範囲6.9~8.2年)追跡した。
初回のスクリーニングでは5.1%(414人)にAAA(直径30mm以上)と判定された。大動脈の直径が25~29mmだった男性は8.2%(669人)、24mm以下の男性は86.7%(7063人)だった。
追跡期間中に8.0%(654人)が死亡し、死亡率と大動脈の直径の間には有意な関係が見られた。24mm以下のグループの死亡は7.2%(512人)だったが、25~29mm群の死亡は10.3%(69人)、30mm以上群では17.6%(73人)で、24mm以下群とそれ以外の2群の死亡率の差は有意だった。
24mm以下群と比較した30mm以上群の全死因死亡の調整ハザード比は、2.03(99%信頼区間1.40-2.94)。リスク上昇は主に、高血圧と血管疾患に関連する死亡(これらを合わせた調整ハザード比は1.90、1.17-3.08)と、癌に関連する死亡(3.03、1.41-6.53)の増加に起因していた。
一方、25~29mm群の全死因死亡の未調整ハザード比は1.48(1.05-2.02)だったが、喫煙や心疾患の既往などの交絡因子で調整すると、有意差はみられなくなった(1.08、0.73-1.59)。
AAA関連死亡は、30mm以上群でも9人にとどまり、5人はAAAの破裂による死亡、4人は破裂後の手術の後に死亡していた。30mm未満の男性の動脈瘤関連死亡は2人のみで、いずれも破裂が原因ではなかった。
追跡期間中に入院がなかった患者の割合は、24mm以下群では34.8%(2459人)、25~29mm群は29.6%(198人)、30mm群は16.9%(70人)だった。
大動脈の直径は、その後の循環器疾患による初回入院リスクの増加に関係していた。交絡因子候補で調整後の25~29mm群の患者のハザード比は1.20(1.04-1.39)、30mm以上群では1.51(1.27-1.79)。25~29mm群では、高血圧関連疾患(調整ハザード比は1.29、1.08-1.54)、虚血性心疾患(1.33、1.08-1.64)、慢性閉塞性肺疾患(1.47、1.07-2.03)による入院リスクが有意に高く、30mm以上群ではそれら(調整ハザード比はそれぞれ1.60、1.29-1.99、1.52、1.18-1.94、1.98、1.37-2.86)に加えて脳血管疾患(1.58、1.02-2.45)、アテローム性動脈硬化(3.84、1.39-10.63)、末梢動脈疾患(2.33、1.49-3.62)、呼吸器疾患(1.38、1.05-1.80)による入院リスクも有意な上昇を示した。
なお、25~29mm群のAAAによる入院リスクは24mm以下群より有意に高く、調整ハザード比は6.7(99%信頼区間3.4-13.2)になった。リスク上昇はスクリーニングから2年後に明らかになった。
この研究では、動脈瘤関連の死亡は少なかったが、大動脈の直径の増加と、血管疾患や癌による死亡(30mm以上で有意)、循環器疾患や呼吸器疾患による入院の間に有意な関係が認められた。スクリーニングで大動脈の直径が25mm以上と判断された男性については、危険因子の管理を行い、定期的な再検査の実施を考慮すべきだろう、と著者らは述べている。
原題は「Long term outcomes in men screened for abdominal aortic aneurysm: prospective cohort study」
http://www.bmj.com/content/344/bmj.e2958
20.ホスピタリストの仕事満足度、バーンアウト、ワークライフバランス
【原題】Job Satisfaction,Burnout,and Worklife Balance Among Hospitalists
Journal Watch Hospital Medicine日経メディカル2012年5月23日
A national survey indicates that job satisfaction is high,compensation schemes differ among practice models,and burnout is not uncommon.
The fast-paced nature of hospital medicine has raised concerns that burnout and job turnover are widespread among hospitalists.The rapid growth and relative youth of our specialty might also lead to ambiguity in the professional function of hospitalists to patients and within organizations.The last examination of the effects of these factors on hospitalists was in 1999.Now,the Society of Hospital Medicine (SHM) Career Satisfaction Task Force reports the results of a 2009-2010 national worklife survey.
The survey instrument borrowed elements of the Physician Worklife Survey and was expanded to include issues relevant to hospitalists.Paper surveys were mailed to a stratified sample of 4315 hospitalists in the SHM database,followed by an electronic survey to available e-mail addresses.
Of 3105 eligible hospitalists,776 (25%) responded; 7% were pediatric hospitalists and 5% were subspecialists.The median age of respondents was 42,33% were women,78% worked full time,44% were employed by a hospital,and mean experience was 7 years.Overall,63% reported high job satisfaction (4 or 5 on a 5-point Likert scale).Most respondents rated high satisfaction in their relationships with staff (80%),colleagues (76%),practice leaders (75%),and patients (63%).In contrast,fewer hospitalists reported high satisfaction with workload (44%),available personal time (28%),compensation (28%),autonomy (17%),and organizational climate (11%).In regression analyses,all satisfaction domains were positively associated with overall job satisfaction with the exception of workload,which was negatively associated with job satisfaction.Nevertheless,burnout was not uncommon (30%) and was more frequent among hospitalists who were planning to reduce work hours,leave their clinical situation,or abandon direct patient care within the next few years.
Analysis of the data according to five practice models revealed that academic hospitalists had more nonclinical work hours,fewer billable encounters,and earned significantly less than other hospitalists (averaging US$60,000 less than the highest paid hospitalists).Overall job satisfaction and burnout rates did not differ among the practice models.
COMMENT
A gross comparison with other studies demonstrates job satisfaction levels and burnout rates comparable to other specialties.Sampling challenges (hospitalists changing hospitals,higher response rate among SHM members) are recognized limitations of these data.Nevertheless,the results suggest that most hospitalists experience professional fulfillment at a level consistent with other types of physicians.
- Grace C.Huang,MD
Hinami K et al.Job characteristics,satisfaction,and burnout across hospitalist practice models.J Hosp Med 2012 Jan 23; [e-pub ahead of print].(http://dx.doi.org/10.1002/jhm.1907)Hinami K et al.Worklife and satisfaction of hospitalists: Toward flourishing careers.J Gen Intern Med 2012 Jan; 27:28.
21.生殖医療技術後の先天異常リスク増大に、母胎要因がどこまで関わっているのか
CareNet2012年5月23日
個々のレジストリ研究やメタ解析など研究成果から、体外受精(IVF)や卵細胞質内精子注入法(ICSI)は先天異常リスクを増大するというエビデンスは一貫して認められている。オーストラリア・アデレード大学のMichael J. Davies氏らは、これまで検討されていなかった、そうした生殖補助医療技術を受けた後に増大が認められる先天異常リスクが、親の特性とどこまで関連しているかについて調査した。NEJM誌2012年5月10日号(オンライン版2012年5月5日号)掲載報告より。
約31万例の出産を対象に、先天異常リスク増大について母親の背景因子別に比較調査
研究グループは、南オーストラリア州の生殖補助技術治療の実態調査結果と、妊娠20週以上または出生時体重400g以上での出産と死産に関する登録記録、および先天異常に関するレジストリ(脳性麻痺、全妊娠期間中での異常による中絶を含む)との関連づけを行った。
5歳の誕生日までに診断された先天異常のリスクについて、母親が(1)生殖補助医療技術の治療を受けた妊娠のケース、(2)過去に生殖補助医療を受けたことがあるが自然妊娠であったケース(すなわち生殖補助医療を受けたケースではない)、(3)不妊症の既往はあるが生殖補助医療技術の治療を受けていない妊娠のケース、(4)不妊症の既往がない妊娠のケース、で比較検討した。
オッズ比は、未補正解析と、多変量補正後解析(母胎年齢、胎児の性別、母親の人種、妊娠中の喫煙など)を算出して検討した。
体外受精、卵細胞質内精子注入法後のリスク増大は?
調査対象となった出産件数は30万8,974例で、そのうち6,163例が生殖補助医療を受けての妊娠だった。
生殖補助医療を受けての分娩例における先天異常は513例(8.3%)で、受けていない分娩での先天異常1万7,546例(5.8%)と比べて、有意なリスク増大が認められた(未補正オッズ比:1.47、95%信頼区間:1.33~1.62)。同リスクについて多変量補正後のオッズ比は1.28(95%信頼区間:1.16~1.41)で、リスクは減弱したが有意なままであった。
体外受精での分娩例における先天異常は165例(7.2%)で、未補正オッズ比1.26(95%信頼区間:1.07~1.48)、多変量補正後オッズ比は1.07(同:0.90~1.26)であった。一方、卵細胞質内精子注入法での分娩例における先天異常は139例(9.9%)で、未補正オッズ比1.77(同:1.47~2.12)、多変量補正後オッズ比は1.57(同:1.30~1.90)だった。
不妊症の既往がある場合は、生殖補助医療を受けたか否かにかかわらず、先天異常との有意な関連が認められた。
これら結果を踏まえてDavies氏は生殖補助医療技術と先天異常リスク増大に関して、「体外受精後の先天異常リスクの増大は、親の背景因子で補正後は減弱し有意ではなくなった。一方、ICSIに関しては、補正後もリスクは増大したままだった。ただしその関連の継続については残余交絡の可能性が排除できない」とまとめている。
http://pmc.carenet.com/?pmid=22559061&keiro=journal
22.心臓外科がない病院のPCIアウトカム、ある病院に対し非劣性
CareNet2012年5月23日
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)のアウトカムは、心臓外科のある病院とない病院とで違いがあるのか。PCIは通常、心臓外科のある病院に限定されるが、米国・ジョンズ・ホプキンス大学のThomas Aversano氏らは、両者を比較する無作為化試験を行った。結果、「心臓外科がない病院の、ある病院に対する非劣性が認められた」と結論する報告が発表された。NEJM誌2012年5月10日号(オンライン版2012年3月25日号)掲載報告より。
術後6週間の死亡率と、9ヵ月間の有害心イベント発生を検討
試験は2006年4月7日から2011年3月31日の間に、全米10州の心臓外科のない60病院の協力を得て、被験者を登録し行われた。同院に心臓カテーテル検査を要するとして受診した、18歳以上、安定性冠動脈疾患または急性冠症候群でPCIを要した患者を試験適格として登録した。ST上昇型急性心筋梗塞やPCIハイリスクの患者、プライマリPCIを要した患者は除外された。
被験者は、心臓外科のある病院と、ない病院のいずれかでPCIを受けるよう無作為に割り付けられ、アウトカムについて、ない病院のある病院に対する非劣性を検討された。
無作為化された被験者1万8,867例。3対1の割合で、心臓外科のない病院でPCIを受ける群(1万4,149例)、または心臓外科のある病院でPCIを受ける群(4,718例)に割り付けられた。
主要エンドポイントは2つで、術後6週間の死亡率と9ヵ月間の主要有害心イベント(死亡、Q波心筋梗塞、標的血管血行再建術施行の複合)発生率とした。
リスク差の非劣性マージンは、6週間の死亡率については0.4ポイント、9ヵ月間の主要有害心イベントについては1.8ポイントとした。
主要エンドポイントに有意差認められず
結果、6週間死亡率は、心臓外科のない病院1.0%、ある病院0.9%だった(差:-0.04ポイント、95%信頼区間:-0.31~0.23、非劣性のP=0.004)。
9ヵ月主要有害心イベント発生率は、心臓外科のない病院12.1%、ある病院11.2%だった(同:0.92ポイント、0.04~1.80、非劣性のP=0.05)。
主要有害心イベントのうち、全死因死亡発生率(3.2%対3.2%)とQ波心筋梗塞発生率(3.1%対3.1%)については両者間に有意差は認められなかったが、標的血管血行再建術の施行率については心臓外科のない病院のほうが有意に高かった(6.5%対5.4%、P=0.01)。
http://pmc.carenet.com/?pmid=22443460&keiro=journal
23.Skin cells turned into healthy heart muscle cells
BBC News2012年5月23日
Scientist say they have managed to turn patients' own skin cells into healthy heart muscle in the lab.
Ultimately they hope this stem cell therapy could be used to treat heart failure patients.
As the transplanted cells are from the individual patient this could avoid the problem of tissue rejection, they told the European Heart Journal.
Early tests in animals proved promising but the experimental treatment is still years from being used in people.
Experts have increasingly been using stem cells to treat a variety of heart problems and other conditions like diabetes, Parkinsons disease or Alzheimer's.
Stem cells are important because they have the ability to become different cell types, and scientists are working on developing ways to get them to repair or regenerate damaged organs or tissues.
'New and exciting'
More than 750,000 people in the UK have heart failure.
It means the heart is not pumping blood around the body as well as it used to.
Researchers are looking at ways of fixing the damaged heart muscle.
In the latest study, the team in Israel took skin cells from two men with heart failure and mixed the cells up with a cocktail of genes and chemicals in the lab to create the stem cell treatment.
The cells that they created were identical to healthy heart muscle cells. When these beating cells were transplanted into a rat, they started to make connections with the surrounding heart tissue.
Lead researcher Professor Lior Gepstein, said: "What is new and exciting about our research is that we have shown that it's possible to take skin cells from an elderly patient with advanced heart failure and end up with his own beating cells in a laboratory dish that are healthy and young - the equivalent to the stage of his heart cells when just born."
The researchers say more work is needed before they can begin trials in humans.
Dr Mike Knapton of the British Heart Foundation, said: "This is a very promising area of study.
"However, we still have a way to go before these findings could be applied to the clinic."
http://www.bbc.co.uk/news/health-18158122
24.Patients Prefer More Invasive Form of Colon Scan: Study
They reported less pain with traditional colonoscopy than with 'virtual' imaging procedure
HealthDay News2012年5月22日
Patients undergoing colonoscopies frequently complain about having the procedure, which involves threading a camera through the colon to detect precancerous or cancerous growths.
But a new study has found that patients overwhelmingly preferred colonoscopy to the less invasive and less time-consuming CT-based colon scan.
Colonoscopy has long been the standard of care for colon cancer screening. Computed tomography (CT) colonography -- sometimes called "virtual colonoscopy" -- is a newer technology and involves simply scanning the abdomen to look for abnormalities.
Colon cancer is one of the most common cancers in the world but can largely be prevented with adequate screening.
For this study, 90 patients at average risk for colon cancer underwent CT colonography followed by a colonoscopy within the following two hours. They then answered 13 questions regarding their experience.
All participants underwent the same preparation for the procedure, involving drinking copious amounts of liquid the night before to clean out the bowel.
Three-quarters of the patients said they would opt for a traditional colonoscopy for their next examination.
The remaining one-quarter who preferred CT colonography said they did so because it took less time -- 10 minutes versus about 30 minutes for colonoscopy.
"Overall, patients would prefer colonoscopy for a repeat procedure," said Dr. Greg Rosenfeld, co-author of the study, which is being presented Tuesday at Digestive Disease Week meetings in San Diego.
Specifically, participants reported less anxiety and pain with a colonoscopy, as well as a slight preference for the endoscopy unit (used for colonoscopy) versus the radiation suite (used for CT colonography).
Rosenfeld, of the University of British Columbia in Vancouver, said the researchers were a "little bit surprised" by the findings, but attribute them to the fact that patients reported less pain with the colonoscopy.
Patients received mild sedation and were conscious during the colonoscopy. No sedation or painkiller was given for the CT colonography, which involves distending the stomach with carbon dioxide.
A second study presented at the conference found that patients' perception of the preparation required for a colonoscopy (often cited as onerous and uncomfortable) affected not only how clean the colon was but also how accurately polyps and adenomas were detected.
For this study, 430 patients undergoing colonoscopy completed an 18-point questionnaire regarding how clean their bowel was and other aspects of their experience with the procedure.
There was a correlation between how well the bowel was prepared and both how clean the bowel was at the time of the colonoscopy and how many adenomas were found.
"How many adenomas we found is directly associated with how many cancers develop and how many lives we could save," said study lead author Dr. Edward Holt, a gastroenterology fellow with California Pacific Medical Center in San Francisco.
After adjusting for various factors, women were found to be, overall, less satisfied with the experience. It's not clear why, but the fact that women are more likely than men to have irritable bowel syndrome may be related, Holt said.
Because the studies were presented at a medical meeting, the data and conclusions should be viewed as preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
The U.S. National Cancer Institute has more on colorectal cancer.
SOURCE: May 22, 2012, press conference with Greg Rosenfeld, M.D., University of British Columbia, Vancouver, Canada, and Edward Holt, M.D., gastroenterology fellow, California Pacific Medical Center, San Francisco; study abstracts, Digestive Disease Week 2012, San Diego
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=665020
25.Asthma Meds May Be Linked to Irregular Heartbeat
Early study found more arrhythmias in young people on certain inhalers
HealthDay News2012年5月22日
New research suggests that young asthma patients who use drugs known as inhaled anticholinergics -- such as ipratropium [Atrovent] -- could be more likely than others to suffer from potentially dangerous irregular heartbeat.
However, the increased risk was not seen for some types of anticholinergics.
"Obviously, this finding raises concern because of the recent interest in use of anticholinergics in asthma," study author Todd Lee of the University of Illinois at Chicago, said in a news release from the American Thoracic Society.
Still, "while we did find an increase in the risk of events associated with the use of anticholinergics, the overall number of events we found was relatively small," Lee said. "Therefore, the absolute risk of an event for an individual patient is relatively low."
Asthma patients use anticholinergic drugs when they have flare-ups to get quick relief. The medications have shown promise for use in the long term to prevent exacerbations, the release noted.
But based on research with patients who have chronic obstructive pulmonary disease, scientists wonder if the drugs could boost the risk of heart problems. In the new study, researchers studied data on more than 280,000 asthma patients aged 5 to 24. They found 7,656 new users of asthma drugs who had at least 6 months' usage and compared them to about 76,000 other patients.
The researchers found that those who used the drugs faced a risk of irregular heartbeat. The abstract of the study doesn't say how many developed the problem, but reports that the anticholinergic users had 1.56 times the risk of non-users.
The type of anticholingeric drug used made a difference. No signficant risk was seen for tiotropium (Spiriva) or with ipratropium when it was combined with other asthma drugs called short-acting beta agonists, like albuterol.
The increased risk was only seen with higher anticholinergic doses.
It's also not clear if the drugs are directly responsible for any increased risk. While the study found an association between anticholinergic use and irregular heartbeats, it did not prove a cause-and-effect relationship.
Dr. Alan Baptist, an assistant professor of allergy and immunology at the University of Michigan, said the study is useful, but cautioned that the patients who took the drugs -- which are typically considered a secondary option after other drugs -- might differ from other asthma patients.
"For example, patients are sometimes given ipratropium because they complain of 'racing heart' with albuterol, the first-line therapy," Baptist said. "Therefore, perhaps those patients given anticholinergics were at an increased baseline risk for an arrhythmia even before they received the anticholinergic."
What should doctors and patients do? "Always consider the risks and benefits of medications, step down medication level when asthma control is reached, and use the lowest dose possible," he said.
The study was scheduled for release Tuesday at an American Thoracic Society conference in San Francisco. The data and conclusions should be viewed as preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
For more about asthma, check the U.S. National Library of Medicine.
SOURCES: Alan P. Baptist, assistant professor, allergy and immunology, University of Michigan, Ann Arbor; May 22, 2012, presentation, American Thoracic Society meeting, San Francisco
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664846
26.Sleep Apnea 'Mask' Might Also Help the Heart
CPAP treatment was tied to lowered odds for high blood pressure, study found
HealthDay News2012年5月22日
New research suggests that treating obstructive sleep apnea, a common cause of snoring and daytime sleepiness, might also cut down on a serious health hazard associated with the condition -- the risk of developing high blood pressure.
Researchers in Spain examined the number of new cases of high blood pressure in two groups with sleep apnea who used continuous positive airway pressure therapy, or CPAP, for either about four or 11 years. CPAP involves the use of a mask to help push air into the lungs while asleep.
The results were published in a pair of studies in the May 23/30 issue of the Journal of the American Medical Association.
Both studies found that people who used CPAP, the most common treatment for sleep apnea, for at least four hours a night had lower rates of developing high blood pressure compared with those who were not prescribed CPAP or who used it less regularly.
"CPAP seems to have a protective effect in patients who use the machine properly," said Dr. José Marin, director of the Sleep Respiratory Unit at Miguel Servet University Hospital in Zaragoza, an author of both studies.
However, about 10 percent of people used the machine for fewer than four hours nightly, which is considered the minimum amount to see benefits, Marin said.
Many patients are uncomfortable with CPAP because it is inconvenient and the mask covers their nose while they sleep, or the person they sleep with does not like the noise the machine makes, Marin said.
But alternative treatments, such as surgery or mouth devices, generally don't work as well as CPAP, and there are less data suggesting they reduce the risk of high blood pressure, said Dr. Aneesa Das, assistant director of the sleep disorders program at the Ohio State University Wexner Medical Center.
A reduction in high blood pressure risk could also reduce the risk of other diseases, such as heart failure, which are more common in people with sleep apnea. "The idea is that there are probably multiple factors that are causing cardiovascular events and stroke [in sleep apnea patients], including [high blood pressure]," said Das.
It is estimated that 17 percent of U.S. adults have obstructive sleep apnea, which occurs when the airway closes during sleep and restricts breathing. It can cause people to wake up repeatedly and can lead to low levels of oxygen in the blood.
One of the studies included about 1,900 patients at Marin's sleep clinic who did not have high blood pressure. Their average age was 50.
The researchers assigned participants to CPAP treatment if they had severe obstructive sleep apnea or a less severe form along with daytime sleepiness. Then they measured their blood pressure each year for an average of 11 years.
The investigators found that patients with sleep apnea who used CPAP therapy were 29 percent less likely to develop high blood pressure during the study than the "control" group, which did not have sleep apnea and did not receive CPAP. However, as Marin pointed out, the people in the control group were "snorers, and they have been reported to have cardiovascular problems."
The researchers also found that patients with sleep apnea who did not use CPAP had higher rates of high blood pressure compared with the control group.
For example, the 10 percent of 922 participants who did not use CPAP at least four hours a night had a 78 percent higher risk of developing high blood pressure than the control group.
The researchers found that the lower risk of high blood pressure in the CPAP group could not be explained by differences in factors such as patients' body mass index (a measurement that takes into account height and weight), alcohol use or blood pressure at the beginning of the study.
However, there could still be differences between the CPAP-treated and untreated groups that could make the CPAP group less likely to develop high blood pressure, Marin said.
Marin and his colleagues conducted a second study in which they randomly assigned 725 patients who had obstructive sleep apnea but not daytime sleepiness to use CPAP or not to use CPAP. Then they tracked participants' blood pressure and heart disease for an average of four years.
At first the researchers did not see a statistically significant difference between the groups. However, 36 percent of the CPAP group was using the machine less than four hours a night.
In a follow-up analysis, which the authors pointed out may be open to bias, the researchers found that patients using CPAP for at least four hours a night were 28 percent less likely than the control group to develop high blood pressure.
Dr. Stuart Quan, professor of sleep medicine at Harvard Medical School in Boston, wasn't surprised by the findings. "I already believe that sleep apnea impacts [high blood pressure] and treating with CPAP reduces the risk, so these studies do not affect my way of thinking about this," he said.
Quan added that he prescribes CPAP to patients with at least moderate obstructive sleep apnea or those with sleep apnea and symptoms such as daytime sleepiness or mood problems.
Medicare requires patients to use CPAP at least four hours a night for 70 percent of nights to cover the treatment. The insurance deductible for CPAP is usually between $100 and $500, Quan said.
While the study uncovered an association between CPAP use and reduced risk of developing high blood pressure, it did not prove a cause-and-effect relationship.
More information
To learn more about sleep apnea, visit the U.S. National Heart, Lung, and Blood Institute.
SOURCES: José Marin, M.D., director, Sleep Respiratory Unit, Miguel Servet University Hospital, and professor, University of Zaragoza, Zaragoza, Spain; Aneesa Das, M.D., assistant director, Ohio State sleep disorders program, and assistant professor, pulmonology, allergy, critical care, sleep, Wexner Medical Center at Ohio State University, Columbus, Ohio; Stuart F. Quan, M.D., professor, sleep medicine, Harvard Medical School, Boston; May 23/30, 2012, Journal of the American Medical Association
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=665016
27.U.S. Sees Drop in Deaths Linked to Diabetes
Better control of risk factors, improved care making the difference, CDC says
HealthDay News2012年5月22日
Healthier lifestyles and better disease management led to a sharp drop in death rates for Americans with diabetes between 1997 and 2006, especially deaths caused by heart disease and stroke, a new federal government report shows.
During that time, deaths from all causes for Americans with diabetes fell by 23 percent and deaths caused by heart disease and stroke in this group declined by 40 percent, according to the analysis of 1997-2004 National Health Interview Survey data on nearly 250,000 adults.
One expert said the findings were reason for hope.
"The encouraging news that less diabetic patients are dying from heart disease and stroke is a testament to multiple factors that have changed the playing field," said Dr. Tara Narula, a cardiologist at Lenox Hill Hospital in New York City.
The study was conducted by researchers at the U.S. Centers for Disease Control and Prevention and the U.S. National Institutes of Health. They stressed that despite improvements in care, adults with diabetes are still more likely to die at a younger age than those without the disease. Nevertheless, the gap is narrowing, they said.
Contributing to the decline in death rates among people with diabetes were improved medical treatments for heart disease, better management of diabetes, better control of high blood pressure and high cholesterol, and healthy lifestyle changes among diabetes patients, who were less likely to smoke and more likely to be physically active than in the past.
Narula agreed, noting that improvements in drug therapy and control of risk factors have been key to keeping diabetic patients healthier for longer. Advances in the surgical care of heart disease have helped, too, she said.
"Finally, widespread educational campaigns about heart disease and diabetes have increased awareness in the general public and physician practice of how diabetes affects the cardiovascular system and the benefits of stricter blood sugar control," Narula said. All of these changes "have additive effects. So, while overall obesity and diabetes rates may be climbing, our approach to treating diabetics aggressively with medication, intervention and teaching has improved," she said.
However, Narula and the CDC researchers noted that obesity levels among people with diabetes continued to increase during the study period.
"Taking care of your heart through healthy lifestyle choices is making a difference, but Americans continue to die from a disease that can be prevented," Ann Albright, director of CDC's division of diabetes translation, said in a CDC news release. "Although the cardiovascular disease death rate for people with diabetes has dropped, it is still twice as high as for adults without diabetes."
The study was published May 22 in the journal Diabetes Care.
Previous research has found that rates of heart disease and stroke are declining for all U.S. adults, and those rates are dropping faster for people with diabetes for those without diabetes.
Recent CDC studies also found that people with diabetes have declining rates of kidney failure, amputation of feet and legs, and hospitalization for heart disease and stroke.
The number of Americans diagnosed with diabetes has tripled since 1980. The CDC estimates that 25.8 million Americans currently have diabetes, but 7 million of them are not aware they have the disease.
In 2009, diabetes was the seventh leading cause of death in the United States, and is the leading cause of new cases of kidney failure, blindness among adults younger than 75, and amputation of feet and legs not related to injury.
Medical costs for people with diabetes are more than twice as high as for people without diabetes. The estimated total costs of diabetes in the United States are $174 billion, including $116 in direct medical costs.
More information
The U.S. National Institute of Neurological Disorders and Stroke has more about type 2 diabetes.
SOURCES: Tara Narula, cardiologist, Lenox Hill Hospital, New York City; U.S. Centers for Disease Control and Prevention, news release, May 22, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=665017
28.Studies See Advances in Detecting, Treating Pancreatic Cancer
Early research includes a vaccine and a high-tech probe to spot signs of disease
HealthDay News2012年5月22日
Two preliminary studies suggest that some headway is being made in both the detection and treatment of pancreatic cancer.
On the treatment front, researchers from two Cleveland institutions said they have fashioned a vaccine that, in early trials, appears to kick-start the patient's immune system into attacking cancer cells.
The team -- from Case Western Reserve University School of Medicine and the Seidman Cancer Center at University Hospitals Case Medical Center in Cleveland -- stressed that the vaccine (called Algenpantucel-L) is not designed to prevent disease from occurring in the first place.
Initial testing, however, indicates that when used in conjunction with a standard six months of chemotherapy (with or without radiation) and surgical interventions, the vaccine may prolong short-term, disease-free survival, and perhaps even overall survival.
Lynn Matrisian, vice president of scientific and medical affairs at the Pancreatic Cancer Action Network, said the vaccine work shows promise.
"We are eager for the outcome of the phase III trial of the Algenpantucel-L vaccine," she said. "The phase II results are very encouraging, and the ongoing larger-scale, randomized phase III trial will determine the effectiveness of this novel treatment strategy."
On the detection front, a separate team of researchers from the Mayo Clinic in Jacksonville, Fla., said it has come up with a novel and minimally invasive method to screen for signs of pancreatic cancer at a much earlier stage than is currently possible.
Instead of standard image scanning or biopsies, the experimental method, called "polarization gating spectroscopy," uses a small fiber-optic endoscopic probe configured with a light to explore regions near to, but much more accessible than, the pancreas itself.
The goal: to spot telltale signs of regional blood vessel and blood oxygen changes that scientists view as indicators of adjacent pancreatic cancer.
Both studies are scheduled for presentation at the international Digestive Disease Week meeting this week in San Diego.
According to the U.S. National Cancer Institute, more than 37,000 men and women will die of pancreatic cancer in 2012.
Treatment obstacles are significant, given that tumor growth often festers under the radar, leaving most patients with a late-stage diagnosis when treatment options are of limited value.
Collectively, the study authors paint a grim bottom line. At best, only 5 percent of cases are curable. Without surgery, survival is about four to six months, while only 0.4 percent to 5 percent of patients make it to the five-year mark. Even with surgery, 70 percent of patients ultimately relapse and die.
And although encouraging, both of the new studies share an important caveat: Each involved just a small group of patients.
"Our work so far involved just 70 patients," said Dr. Jeffrey Hardacre, lead author of the vaccine study.
"Although now we already have under way a larger trial involving 700 patients at 50 cancer centers," added Hardacre, a surgical oncologist at University Hospitals Case Medical Center and an associate professor at Case Western. "And the results of that trial, which will probably be available in a couple of years, will provide a definitive yes or no as to whether this therapy will improve survival."
"But already," he continued, "we have seen that if you compare the patients from our study to patients treated in the past with the same type of standard therapies but without the vaccine, our patients had notable improvement in terms of survival."
Hardacre said standard treatment typically affords disease-free survival of roughly 11 months. By comparison, add in the Algenpantucel-L vaccine to surgery and chemo prolonged survival among his patients to the 14-plus month mark.
"That's a large difference in percentage terms, although our work so far looked only at disease-free survival, not overall survival," he said. "Overall is the most important parameter, so that is what we are looking at now."
Dr. Michael Wallace, the lead author of the detection study, said his team's findings are a cause for guarded optimism: a 100 percent success rate in spotting pancreatic cancer using the light-screening method.
The approach does, however, yield a significant number of false-positive results. What's more, the findings stem from an analysis of very early data concerning just 21 patients in a 30-patient pilot study.
"So now we plan to launch a 600-person trial across the U.S. and Europe in late summer to validate our findings regarding a novel diagnostic concept: to shine a light on the small intestine, as opposed to the tumor itself, and to see how that light bounces back and reveals changes in the surrounding blood supply that tumors need to grow," said Wallace, Mayo's chairman of the division of gastroenterology.
"The beauty here is that this is minimally invasive, and will hopefully help us to shift to early detection," he said. "Because, as things are today, the vast majority of patients are diagnosed way too late and simply cannot be cured."
For her part, Matrisian said only time will tell how effective the new detection method might be.
"The intestinal probe is an interesting concept and further work will determine whether this will be useful in the early detection of pancreatic cancer," she said.
Because the studies were presented at a medical meeting, the data and conclusions should be viewed as preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
For more on pancreatic cancer, visit the U.S. National Library of Medicine.
SOURCES: Lynn Matrisian, PhD, vice-president, scientific and medical affairs, Pancreatic Cancer Action Network, Manhattan Beach, Calif; Jeffrey Hardacre, M.D., surgical oncologist, University Hospitals Case Medical Center, and associate professor, Case Western Reserve University School of Medicine, Cleveland; Michael Wallace, M.D., gastroenterologist and chairman, division of gastroenterology, Mayo Clinic, Jacksonville, Fla.; May 22, 2012, presentation, Digestive Disease Week (May 19-22, 2012), San Diego
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=665009
29.Men Can Still Ask for PSA Test, and Some Should, Doctors Say
New guidelines on prostate cancer screening don't supersede physician-patient relationship, experts note
HealthDay News2012年5月22日
Although a U.S. advisory panel no longer recommends that men routinely undergo prostate cancer screening with a PSA blood test, men should ask their doctors for the exam if they're uncomfortable without monitoring, health experts say.
Urologists and cancer experts dismissed the idea that the U.S. Preventive Services Task Force's criticism of the PSA test will set a man's personal agenda or interfere with doctor-patient relationships. They acknowledged, however, that health insurers are likely to take notice of the new recommendation, released May 22 in the journal Annals of Internal Medicine, and potentially alter coverage of the screening test.
In abandoning earlier guidelines that called for screening to start at 50, the task force said the PSA test does more harm than good, resulting in overdiagnosis of many slow-growing cancers while prompting aggressive treatment that can leave men impotent or incontinent. The test measures blood levels of prostate-specific antigen, a protein produced by the prostate gland.
Judicious use of potentially risky tests and treatments can help mitigate those problems, said Dr. Sandip Prasad, a urologic oncology research fellow at the University of Chicago Medical Center.
"As we adopt smarter treatment strategies ... the goal is always to identify men who are going to die of prostate cancer. Taking away the PSA reduces our ability to do that," Prasad said. "Most of us are very open with our patients about the limits of PSA testing. Screening doesn't have to get this big ball rolling that takes you to the bottom of a hill."
About 28,000 American men will die of prostate cancer -- the second most common malignancy in men -- this year, according to the U.S. National Cancer Institute. Despite the PSA test's high false-positive rate, which can trigger painful and unnecessary biopsies, no other reliable screening test exists to detect prostate cancer.
Patients should discuss any concerns about testing -- or not testing -- with their doctor, experts said.
Dr. Otis Brawley, chief medical officer of the American Cancer Society, said better tests to determine not only the presence of prostate cancer but each case's true threat to patients have been held back from development because of the fixation on PSA testing. But Brawley and other experts said such future tests will likely focus on the specific genes at play in the malignancy.
"Truth be told, prostate cancer screening as a whole, and its progress, has been delayed because so many people have been adamant about doing PSA screening in the last 20 years and not assessing if it works," Brawley said.
Prasad called it "stunning" that imaging tests such as CT or MRI scans aren't often used to detect prostate cancer, as they are for many other malignancies.
"If we go back to diagnosing with symptoms ... it seems like a tremendous step backward," he said.
"Without the PSA, obviously we will diagnose fewer and fewer men," Prasad added. "But for the guys [in which] you pick it up five, seven or 10 years earlier, you can save their life. As physicians, we're called on to do that as best we can."
A better test will come, Brawley said, noting that "the science has advanced so much in the last five years."
Dr. Anthony D'Amico, chief of radiation oncology at Brigham and Women's Hospital in Boston, said pathology guidelines are needed that would better identify aggressive prostate cancers from less harmful versions.
"PSA diagnoses every cancer that walks, and not every prostate cancer that walks needs to be cured," he said. "The solution lies at the level of the pathologist... We need to sit down with them and come up with guidelines [about what constitutes high-grade prostate cancer]. It can be done, but it needs to be worked on."
Until then, some physicians fear that insurance companies will cut off coverage of the PSA test, creating a devastating disparity between those who can afford to pay for it out of pocket and those who can't. The latter group likely will include minorities and senior citizens, who already are at higher risk for developing prostate cancer.
"Older black and Hispanic men are going to have increases in prostate cancer because they won't have the opportunity for early detection," D'Amico said. "So I think we should screen high-risk populations, because we know who they are."
More information
To learn more about the PSA test, visit the U.S. National Cancer Institute.
SOURCES: Otis Brawley, M.D., M.P.H., chief medical officer, American Cancer Society, Atlanta; Sandip Prasad, M.D., urologic oncology research fellow, University of Chicago Medical Center; Anthony D'Amico, M.D., Ph.D., chief, radiation oncology, Brigham and Women's Hospital, Boston; May 22, 2012, Annals of Internal Medicine, online
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664951
30.Middle-Aged Diabetics May Need Earlier Colon Checks
Type 2 disease linked with higher risk of precancerous lesions in those 40 to 49, study finds
HealthDay News2012年5月22日
Researchers who say they've linked type 2 diabetes with earlier development of precancerous colon lesions recommend people with the blood sugar disorder start colorectal screenings at a younger age than others.
"Based on our data, it implies that people with diabetes should get screenings earlier, possibly at age 40, rather than at age 50," said Dr. Hongha Vu, a clinical gastroenterology fellow at Washington University in St. Louis.
However, another expert said more research is needed before making that recommendation. Also, the researchers cautioned that they can't say for sure that diabetes by itself raises the risk of the precancerous lesions and further study is required.
Experts know that diabetes is linked with an increased risk of colon and other cancers. Vu's team set out to determine if people with diabetes develop precancerous lesions, also called polyps or adenomas, earlier than people without diabetes.
The researchers compared the incidence of polyps in three groups of patients: those 40 to 49 with and without diabetes and those 50 to 59 without diabetes. Each group had 125 people.
All had colonoscopies between June 2005 and June 2011. In a colonoscopy, a doctor examines the large intestine with a long, thin tube that has a camera at the end. Any polyps found are removed so they can't progress to cancer.
The younger men and women with diabetes had a rate of polyps similar to the older people without diabetes, she found.
"We found that between the three groups, the adenoma detection rate in those 40 to 49 without diabetes was 14.4 percent, whereas it was significantly higher in those with diabetes in the same age range -- at 30.4 percent," she said. "This is a similar rate as those 50 to 59 without diabetes." The 50- to 59-year-olds had a rate of 32 percent, she found.
Vu took into account other risk factors, such as race, obesity and smoking, and still found that those in their 40s with diabetes had a higher rate of polyps.
She is scheduled to present her findings Tuesday at Digestive Disease Week in San Diego.
More than 25 million people in the United States have diabetes, according to the U.S. Centers for Disease Control and Prevention. Most have type 2 diabetes, in which the body doesn't properly use and produce insulin, a hormone needed to convert food into energy. Because diabetes cases are expected to soar in coming decades, partly driven by the obesity epidemic, the researchers believe the findings have important public health implications.
Without insurance, a colonoscopy costs about $1,200 or more.
Dr. John Petrini, past president of the American Society of Gastrointestinal Endoscopy, said the results are intriguing but need to be confirmed in larger studies.
"Is there something about that small group?" he asked. Only future studies can answer that, said Petrini, also a gastroenterologist at Sansum Clinic, Santa Barbara, Calif.
The American Diabetes Association declined to comment on the study. Currently, its standards of care states that diabetes (possibly only type 2) is linked with a higher risk of colorectal and other cancers. It advises those with diabetes to undergo "recommended age- and sex-appropriate cancer screenings and to reduce their modifiable cancer risk factors [obesity, smoking, physical inactivity]."
In 2008, the American College of Gastroenterology updated its guidelines for colorectal cancer screening, which now say current evidence supports a doctor's recommendation to screen earlier than age 50, perhaps age 45, for patients who have "an extreme smoking history or obesity." Many patients with diabetes are also obese.
Digestive Disease Week is sponsored by four societies: American Association for the Study of Liver Diseases; American Gastroenterological Association Institute; American Society for Gastrointestinal Endoscopy, and Society for Surgery of the Alimentary Tract.
Because this research was presented at a medical meeting, the data and conclusions should be viewed as preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
To learn more about colonoscopy, visit the American Gastroenterological Association.
SOURCES: Hongha T. Vu, M.D., gastroenterology fellow, Washington University, St. Louis; John Petrini, M.D., gastroenterologist, Sansum Clinic, Santa Barbara, Ca., and past president, American Society of Gastrointestinal Endoscopy; presentation, Digestive Disease Week, May 22, 2012, San Diego, Calif.
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664989
31.Colonoscopy May Detect Curable Cancer in Elderly: Study
Screening should be offered to healthy seniors who haven't been tested before, researchers say
HealthDay News2012年5月22日
Colonoscopies helped doctors detect a high rate of curable cancer in elderly people who had the screening for the first time, a new study indicates.
The findings suggest that screenings should be made available to otherwise healthy elderly people who have never been tested, Dr. Therese Kerwel, research fellow at Grand Rapids Medical Education Partners, and colleagues from Spectrum Health Medical Group in Grand Rapids, Mich., concluded.
For the study, the investigators examined information on 903 outpatient colonoscopies among elderly patients. Specifically, they investigated why these people, aged 76 to 85, underwent a colonoscopy and analyzed the results of the screenings.
The study revealed that patients who had never had a colonoscopy before had a cancer rate of 9.4 percent, much higher than those who had had the procedure before.
The findings are scheduled for presentation Tuesday at the Digestive Disease Week meeting in San Diego.
All of the patients diagnosed with colon cancer underwent successful surgery, the researchers noted in a meeting news release. In each of these cases the cancers had not yet spread throughout the patients' bodies. The study authors said their findings underscore the importance of colonoscopies.
However, they noted, the use of routine screening colonoscopy in the elderly has become controversial since the U.S. Preventive Services Task Force determined in 2008 that the risks of the procedure outweigh the benefits in people aged 76 and older.
But, Kerwel said, "It is worthwhile to offer a screening colonoscopy for elderly patients in good health and functional status who have never previously undergone the test."
The data and conclusions of research presented at medical meetings should be viewed as preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
The U.S. National Digestive Diseases Information Clearinghouse has more about colonoscopies.
SOURCE: Digestive Disease Week, news release, May 22, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664850
32.JMM:内部被曝通信 福島・浜通りから~体内の放射能分析は試行錯誤
遮蔽がホールボディーカウンターの性能を決める最も大事な要素であることは、以前のブログで紹介しました。その他にも性能を決めるいくつかの要因がありますが、今回は、もう一つの重要な要素であるスペクトル解析ソフトについてお話をしたいと思います。
大きな測定器を体に近づけて、体から発せられる微量の放射線を計測しているのが、そもそものホールボディーカウンターの原理です。周りで聞こえる騒音の中で(周りに飛び交う放射線の中で)、体から聞こえる小さな音(体から発せられている微量な放射線)を聞き分けているようなものです。出来るだけ周りの騒音が小さければ小さいほど、よりよく小さい音を聞き分けることが出来ます。
この後、聞き分けた音の中で(感知した放射線の中で)、この音ならセシウム134だ、いやセシウム137の音かな? というように、放射能を出す源を判別し、分離する作業があります。
この部分を担当しているのが、スペクトル解析ソフトです。ホールボディーカウンターにも食品の検査機にも搭載されています。セシウムを分離することだけを目的としたソフトや、色々な核種(放射線の元になる元素の種類)があることを漏らさず探すことを目的としたソフトなど様々です。
その器械が計測したスペクトルから、セシウム134や137を正確に分離し、最終的にベクレルの値を出すことが出来るかは、当然その器械の性能に直結します。
では、このソフトで何が問題になっているのでしょうか。小さい音である場合、セシウム134や137の分離を失敗することがあるのです。実際には存在しているのに「存在しない」と判断したり、間違って多く(少なく)見積もったり、違う種類の核種と間違えたりすることがあるのです。明らかに検出するときは、ソフトの動作は問題ないのですが、今現在我々がフォローのターゲットとしているような、検出限界ぎりぎりの値の解析の際には特に問題となります。
ホールボディーカウンターも類によって、このソフトの出来が大きく異なります。少しずれた場所をセシウムと判定するものもありました。「ソフトウエアの作成は、他の企業に委託してあり、よくわかりません」と言われたこともありました。
当院の現在の器械でも、判別に失敗する波形パターンがいくつか明らかになってきています。(もちろんセシウムを明らかに検出するときには、ほぼ失敗しませんが、検出限界ぎりぎりのラインのときには失敗することが多くなります。)今は、当院の放射線技師が手作業で、そのずれを修正してくれています。
この問題を解決するため、ソフトウェアの微調整を行っています。今週はじめ東大の早野先生を始め、企業のスタッフの方にも来院いただき、ディスカッションしながら最適な設定を見つけるための話し合いをしました。お忙しい中本当に感謝です。より正確に値が出るようにソフトの設定に微調整を加えました。
ROIを決めてしまい、net peak areaを計算してもらうようにはプログラミング上出来ず、ピークサーチの感度を下げ、色々な核種を無理矢理拾う方向に設定を変えました。うまく行くかどうかをテストしながら計測をさらに進めています。皆の努力で試行錯誤しながら、少しずつ問題点を解決して行くしかありません。
南相馬市立総合病院
坪倉正治
33.中央社会保険医療協議会総会(第225回)
◆医療機器の保険適用について
※Zilver PTX 薬剤溶出型末梢血管用ステント224,000円(2012年7月収載予定)ほか
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002agiu-att/2r9852000002agn4.pdf
※カネカPTAカテーテルPE-R4 特殊型・・・?何でしょうか?
※BARD ULTRAVERSE PTAバルーンカテーテル標準&特殊型(メディコン)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002agiu-att/2r9852000002anss.pdf
◆先進医療専門家会議の検討結果の報告について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002agiu-att/2r9852000002agmm.pdf
◆新医薬品の処方日数制限について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002agiu-att/2r9852000002au0y.pdf
◆公知申請とされた適応外薬の保険適用について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002agiu-att/2r9852000002ago4.pdf
◆新医薬品の処方日数制限について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002agiu-att/2r9852000002au0y.pdf
34.中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会(第1回)議事次第
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002a7mj.html
35.'疑義解釈 新7対1における夜勤平均時間に関するQ&A'
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken15/dl/zimu2-4.pdf#search
36.プレスリリース
1) NIH study finds sigmoidoscopy reduces colorectal cancer rates
http://www.nih.gov/news/health/may2012/nci-21.htm
2) Concentrated saline therapy not effective in young children with cystic fibrosis
NIH-funded study demonstrates importance of conducting pediatric clinical trials
http://www.nih.gov/news/health/may2012/nhlbi-21.htm
3) 東日本大震災による健常人の外傷性ストレス障害(PTSD)と脳萎縮の関連を解明
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20120516_02web.pdf
4) 脳にやさしく脳の中の神経の活動を知る技術
―脳表面から脳内部の神経活動を知ることに成功―
http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2012/05/post-211.html
1.脳萎縮とPTSD、因果関係を解明 東北大
2.脳梗塞悪化の仕組み発見 慶大教授ら、新治療に道
3.がん細胞の増殖抑えるインドの薬草 産総研が効果確認
4.血管の病気 脳動脈瘤
5.ビタミンCで血圧下がる可能性―米研究
6.善玉コレステロールが心筋梗塞リスクを下げない可能性 欧米の大規模研究
7.世界最小の人工心臓、生後16か月の幼児を救う イタリア
8.高血圧のリスク、適度な運動で回避可能 米研究
9.後期高齢者制度廃止“撤回”に「待った」- 民主・厚労部門会議
10.月経痛軽く見ず医療機関受診を- 日本子宮内膜症啓発会議
11.膵・腎臓同時移植の優先見直しを了承 厚労省作業班
12.ロクロニウムを手術室で紛失 国立国際医療研究センターで筋弛緩剤紛失、情報公開
13.ホルモン補充療法の問診票 日本産婦人科医会が作成、ガイドラインに準拠
14.小児学会、予防接種表を更新 ヒブ、ロタ、水痘ワクチンの推奨接種時期を変更
15.[難病] すべての難病に高度な医療提供する新・難病医療拠点病院を設置
16.機構と保険会社だけが利益を得る制度 - 池下久弥・産科中小施設研究会
17.食後血糖値、1時間か2時間か?
18.ミュータンス菌 脳出血と潰瘍性大腸炎にも関与
19.腹部大動脈径が30mm未満でも循環器疾患に要注意
20.ホスピタリストの仕事満足度、バーンアウト、ワークライフバランス
21.生殖医療技術後の先天異常リスク増大に、母胎要因がどこまで関わっているのか
22.心臓外科がない病院のPCIアウトカム、ある病院に対し非劣性
23.Skin cells turned into healthy heart muscle cells
24.Patients Prefer More Invasive Form of Colon Scan: Study
25.Asthma Meds May Be Linked to Irregular Heartbeat
26.Sleep Apnea 'Mask' Might Also Help the Heart
27.U.S. Sees Drop in Deaths Linked to Diabetes
28.Studies See Advances in Detecting, Treating Pancreatic Cancer
29.Men Can Still Ask for PSA Test, and Some Should, Doctors Say
30.Middle-Aged Diabetics May Need Earlier Colon Checks
31.Colonoscopy May Detect Curable Cancer in Elderly: Study
32.JMM:内部被曝通信 福島・浜通りから~体内の放射能分析は試行錯誤
33.中央社会保険医療協議会総会(第225回)
34.中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会(第1回)議事次第
35.'疑義解釈 新7対1における夜勤平均時間に関するQ&A'
36.プレスリリース
1) NIH study finds sigmoidoscopy reduces colorectal cancer rates
2) Concentrated saline therapy not effective in young children with cystic fibrosis
3) 東日本大震災による健常人の外傷性ストレス障害(PTSD)と脳萎縮の関連を解明
4) 脳にやさしく脳の中の神経の活動を知る技術
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1.脳萎縮とPTSD、因果関係を解明 東北大
日本経済新聞社2012年5月23日
脳の萎縮と心的外傷後ストレス障害(PTSD)の因果関係について、東北大が東日本大震災前後の大学生の脳画像を解析したところ、特定の脳部位の萎縮でPTSDが起きやすくなることがわかった。PTSDの発症に伴って別の部位で脳萎縮することも新たに明らかになった。
これまでPTSDの患者に脳萎縮がみられることが指摘されていたが、因果関係は明らかになっていなかった。研究成果は22日付の米の分子生物学専門誌モレキュラー・サイキアトリー(電子版)に掲載された。
震災前の脳画像が保存されていた東北大の学生に募集をかけ、42人を調査。昨年6~7月にかけて面談でPTSD症状の発症度合いをはかり、磁気共鳴画像装置(MRI)で脳画像を撮影した。
2.脳梗塞悪化の仕組み発見 慶大教授ら、新治療に道
日本経済新聞社2012年5月22日
脳梗塞が起きた際、死んだ細胞から放出されたタンパク質が、さらなる症状悪化の引き金となることを、慶応大医学部の吉村昭彦教授(免疫学)らが発見し、米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表した。
脳梗塞は、発症直後に投薬治療を始めることが、まひなどからの回復のため重要とされる。だが、今回分かった症状悪化の仕組みは発症の少し後に働くため、このタンパク質の働きを邪魔することで、治療開始が遅れた場合の有効な治療法に結び付く可能性がある。
脳梗塞の国内患者は推定96万人。脳の血管に血の塊が詰まって酸素や栄養が送られなくなり、組織が死んでしまう。発症後に炎症が起きると、脳の組織が腫れ、損傷がさらに広がっていく。
吉村教授らはマウスを使った研究で、死んだ脳細胞からペルオキシレドキシンというタンパク質が放出され、これが周囲にある免疫細胞の表面にくっついて刺激し、炎症を起こす物質を作らせていることを発見した。
そこで、このタンパク質が免疫細胞にたどり着く前につかまえてしまう抗体を作り、脳梗塞のマウスに注射すると、炎症が抑えられたという。
筑波大、大阪大、岡山大、九州大、福岡歯科大などとの共同研究。
3.がん細胞の増殖抑えるインドの薬草 産総研が効果確認
産経新聞社2012年5月22日
ネズミを使った動物実験で、通常は皮下腫瘍が肥大化する(上)のに対し、アシュワガンダを投与すると腫瘍は縮小した(下)(産業技術総合研究所提供)
インドで珍重されてきた薬草「アシュワガンダ」にがん細胞の増殖を抑え、老化を防ぐ効果のあることが独立行政法人・産業技術総合研究所の動物実験などで分かった。
アシュワガンダはインドで滋養強壮や長寿薬として効果があるとされ、アシュワガンダは疲労回復の健康食品などとして海外でも市販されている。ナス科の植物で平地に分布し、インドのほかネパールやパキスタンにも植生する。
産総研は科学的な検証がないアシュワガンダの有効作用に注目。その葉をアルコールで抽出した成分が、正常細胞とがん細胞に与える影響を動物実験などで調査したところ、がん細胞を死滅させ、正常細胞の老化を防ぐ効果があった。
さらに化学的な分析を行った結果、ウィザノンと呼ばれる物質が「p53」というガン抑制遺伝子を活性化させ、がん細胞の増殖抑制や正常細胞の老化防止を導くことが分かった。
産総研では、アルツハイマーやパーキンソン病へのアシュワガンダの効果についても研究を進めており、「健康補助食品や老化防止の化粧品の開発などにつなぎたい」としている。
【用語解説】アシュワガンダ
インドやネパールの乾燥地などに自生するナス科の低木植物で、約2メートルに成長する。「アシュワガンダ」はサンスクリットで「馬」を意味し、飲めば馬の力を得るなどといわれることが語源とされる。
4.血管の病気 脳動脈瘤
朝日新聞社2012年5月17日~23日
1 検査から4年 頭痛再び
「砂山の砂に 砂に腹這ひ初恋の いたみを遠く……」
石川啄木の詩をグランドピアノの音色にのせ、約12畳の教室から、朗らかな歌声が響く。
東京都杉並区の河田光世さん(54)は、自宅で声楽やピアノを教えている。教え子は、91歳の女性を筆頭に、約50人を数える。「とにかく褒め上手。先生といると楽しい」とみんなから慕われる河田さんだが、10年ほど前から、たびたび頭痛に悩まされることがあった。
疲れてくると、ジンジンする痛みが頭のあちこちに広がる。これが初期の自覚症状だった。眠れば治まったが、痛みの間隔がだんだん短くなるのが気になっていた。その10年前、母親(80)が59歳のころに、くも膜下出血を発症した記憶が頭をかすめたからだ。
朝起きて歯を磨こうとした母親は突然、後頭部をハンマーで殴られたような痛みに襲われた。救急車で武蔵野赤十字病院(東京都武蔵野市)に運ばれ、脳の血管にできたこぶ(動脈瘤)が破裂したと診断された。
頭蓋骨を切り開く手術で、破裂したこぶの根元にクリップをかけて、こぶに流れ込む血液を遮断、再び破裂するのを防ぐ手術を受けた。当時の入院期間は、2カ月間近くにも及んだ。
2002年夏、河田さんは念のため母親と同じ武蔵野赤十字病院を訪ね、脳神経外科でCTとMRIを撮影してもらった。幸い、このときは異常を示す画像はなかった。
部長の戸根修さん(59)は「大丈夫ですよ。ただ気になるなら、定期的に脳ドックを受けてみてもいいかもしれませんね」といった。この言葉に安心し、その後、頭痛も治まった。
ところが検査から4年後。教え子の1人から「夜中に頭が割れるように痛くなった」と聞いたのをきっかけに、疲れると再び頭痛が出るようになった。
同じころ、友人が、くも膜下出血で倒れた。搬送先が見つからず一時は危険な状態に陥ったが、すんでのところで武蔵野赤十字病院に搬送され、戸根さんの治療で命を取り留めた。
「やっぱり戸根先生にまた診てもらおう」。自分にもこぶがあるかもしれないと思うと、いても立ってもいられなくなった。
2 こぶ? えー、どうしよう
脳動脈瘤があるかどうか調べるため、MRAの検査を行った
繰り返す頭痛に悩んでいた東京都杉並区の音楽教師、河田光世さん(54)は、友人がくも膜下出血で倒れたのをきっかけに2007年1月上旬、武蔵野赤十字病院で脳の検査を受けた。
脳神経外科部長の主治医、戸根修さん(59)は、CTに加えて新たに「MRA(磁気共鳴血管撮影)」という検査を実施した。MRIの原理を使って、血管をより詳しく調べる方法だ。
9日後、戸根さんはMRA画像を示しながら「3ミリの脳動脈瘤(りゅう)が見つかりました」と切り出した。確かに、脳の前方にある動脈にこぶが見える。
「えー、どうしよう」。河田さんは叫んだきり、パニック状態になった。「今はくも膜下出血になる前に治療ができる。逆に運がよかったと思いましょう」という戸根さんの説明も、耳に届かなかった。
河田さん1人では受けとめられないと判断した戸根さんは、後日、夫の通明(みちあき)さん(57)にも同じ説明をした。「3ミリはまだ小さいので、めったに破れることはありません。経過観察しましょう」。通明さんは「ママ、よかったね」とほっとした様子で声をかけた。
しかし河田さんは早く手術でこぶを取ってもらいたいと思った。なにより、今まで通り歌を教えていいかどうかを知りたかった。歌うと脳の血流が一気に増えて、こぶが破裂してしまうのではないかと不安が募った。
河田さんの希望を受け、戸根さんは精密検査を行うことにした。もし手術をするとしても、大がかりな「開頭クリッピング術」ではなく、血管に入れた管(カテーテル)で金属の細い糸を運び、「毛糸玉」のように丸めてこぶをふさぐ「コイル塞栓(そくせん)術」を念頭に置いた。
2週間後に1泊2日の検査入院をし、造影剤を使って脳の血管を精密に調べた。こぶは3.5ミリと、MRA検査よりはやや大きめだったが、破裂のリスクはまだ小さいと思われた。また、こぶの「首」に当たる部分が広くなっており、コイルがこぶから外れる可能性もあった。
「無理して手術せず、半年後に経過を見ましょう。今まで通り、歌を教えても大丈夫です」
戸根さんの丁寧な説明で、安心した。翌日から再び、歌を教える日々が始まった。
3 母にもこぶ、見つかった
脳の動脈に、3.5ミリのこぶが見つかった東京都杉並区の河田光世さん(54)は、経過を見ながら音楽教室を続けていた。半年後の検査も、その1年後の検査でも、こぶの大きさに変化はなかった。
ところが2008年7月、今度は隣に住んでいる母親(80)に異変が起きた。美容院に行った帰りに意識を失い、転倒してしまった。すぐに近くの病院でCT検査を受けたが、異常は見つからなかった。
ただ、20年ほど前にくも膜下出血を発症したこともあり、念のため、9月に武蔵野赤十字病院を訪ねた。当時、救急車で運び込まれ、脳の血管のこぶをクリップで留める開頭手術を受けた病院だ。
河田さんも付き添い、河田さんの主治医を務める脳神経外科部長の戸根修さん(59)の診察を受けた。CTより詳しく状態がわかるMRI検査を受け、9日後に結果を聞きにいった。
戸根さんは画像を見ながら「あー、前とは違う位置に動脈瘤(りゅう)ができていますね」と言った。こぶは、血液が脳の中心を走る脳底動脈にあった。血管造影検査の結果、こぶの大きさは5.8ミリと判明。5ミリ以上だと、治療の検討の対象となる。
「今は、頭を開かなくても手術できますよ」。こぶがクリップで挟みづらい場所にあることもあり、戸根さんはカテーテルを通じて血管内に金属製の細い糸を入れて丸めてふさぐ「コイル塞栓術」を提案した。
治療は12月11日に決まった。付き添っていた河田さんは、「大丈夫よ。戸根先生だから」と励ました。
足のつけ根の動脈を切開してカテーテルを入れ、脳の血管のこぶに無事にコイルが入った。2時間ほどで終わった。
治療前に「出血するので、術後6時間は足を動かさないように」と注意を受けていた。全身麻酔から覚めた後、無意識に足を動かす母親を、河田さんと義理の姉が必死に押さえた。
でも翌日、母親はベッドに座って何事もなかったようにテレビを見ていた。体も普通に動かせるという。
「こんなに早く回復するんだ」。河田さんも母親も、2カ月も入院した以前の開頭手術との違いに驚いた。
4 こぶ成長 決心の時
東京都杉並区の河田光世さん(54)は、3.5ミリの脳動脈瘤(りゅう)が見つかってから、2008年12月に武蔵野赤十字病院で母親(80)が受けた脳動脈瘤のコイル塞栓術の効果に驚いた。
翌年7月。年に1度のMRI検査を受けると、河田さんの脳動脈のこぶは、4ミリとやや大きくなっていることがわかった。
通常はまだ経過観察を続ける大きさだが、主治医の戸根修さん(59)は、こぶが成長していることが気になった。9月に再検査したが、やはりこぶは4ミリの大きさだった。
「大きくなったので、決心しましょう」。戸根さんの言葉に、河田さんは初めてこぶが見つかったときと同様にパニック状態になった。頭を切開する手術を勧められるのだと思った。
「先生、頭を開くのは嫌です……」
戸根さんは「お母さんの時は冷静だったのに」と苦笑しながら、母親と同じコイル塞栓術をするのだと説明した。血管のこぶにコイルを入れるとき、1%の確率で出血するリスクがあることも付け加えたが、1年前に母親の治療を見ていたこともあり、河田さんは全く心配していなかった。治療日は11月30日と決まった。
手術の約1カ月前、麻酔科医の櫻井美奈さん(32)から、治療は全身麻酔で行うため、口からのどの奥に呼吸用の管を入れると説明された。
声楽を教える河田さんは、管でのどが傷つき、声に影響が出ないか心配だった。櫻井さんは「なるべく気をつけますね」と話した。
治療の前後は入院するため、音楽教室を1週間ほど休講しなければならない。だが河田さんはごく少数の教え子を除き「親戚の所に行くからお休みする」とだけ説明し、入院のことは言わなかった。見舞いに来てもらうのが申し訳なかったからだ。
なるべく休講の影響を減らそうと、入院の当日も午前中に3人に教えた。本当は午後のレッスンを終えてから入院したかったが、「風邪でもひいたら困る」と戸根さんにたしなめられ、諦めた。
翌日の手術。「はい、じゃあ麻酔をかけますね」と言われ、「1、2」と数えたところで、眠りに落ちた。
5 こぶ無くなり歌える幸せ
東京都杉並区の河田光世さん(54)の脳動脈瘤に対するコイル塞栓(そくせん)術が2009年11月、武蔵野赤十字病院で実施された。主治医の戸根修さん(59)は、予定時刻より30分ほど早く、家族の前に現れた。
「コイルを入れる途中でこぶが破れ、少し出血しましたが、血圧を下げて麻酔で眠らせているので、心配ありません」
脳梗塞になるのを防ぐため、治療中は血液を固まりにくくするヘパリンを点滴している。出血が確認されてからすぐにヘパリンの効果をなくす薬を使い、出血の拡大を止めたという。
「後遺症が残らなければいいが」。いつもはどっしりと構えている夫の通明さん(57)も、さすがに心配になった。
河田さんが麻酔から目覚めたのは翌朝の10時過ぎ。まず頭に浮かんだのは、母の治療の時にもいわれた「足を動かしてはいけない」という注意だった。だが、足が勝手に動いてしまう。
「どうしよう」。慌てていると、看護師は「いいんですよ」と言う。どうも様子がおかしい。「なぜ動かしてもいいの」と家族に聞いても、答えが返ってこなかった。
パニックに陥りやすい河田さんの性格を考え、家族は出血の事実を口止めされていた。「うまくいったから大丈夫」とだけいったものの、河田さんは疑心暗鬼になり「本当は失敗したんだ」と、泣き出した。
母の入院のときは、血が固まりにくくなる抗血小板薬を飲んでいた。しかし、自分の薬袋には入っていない。看護師に尋ねると、治療中に出血したからだという答えが返ってきた。
「私の頭の中は血だらけなの?」。看護師が慌てて、戸根さんを呼びにいった。「出血しましたが、少しだから大丈夫ですよ」。戸根さんの説明で、ようやく落ち着いた。
1週間後の予定だった退院日は3日ほど延びたが、無事退院した。気になっていた声への影響も年明け早々、近所の耳鼻咽喉科医院で検査し、問題ないことが確認できた。昨年11月の経過観察でも異常がなかった。
「戸根先生と出会えて、本当によかった」。脳のこぶが無くなったお陰で、高い声も思い切り出せる。毎日教え子たちと歌える幸せを、かみしめている。
6 情報編 変わる治療法
血管内治療の仕組み
脳動脈にできたこぶ(動脈瘤)が破裂すると、脳を包む「くも膜」と脳とのすき間に血液が流れ込む「くも膜下出血」となる。くも膜下出血は3人に1人が亡くなる怖い病気だ。
こぶは、脳ドックを受けた人の数十人に1人に見つかるが、破裂にいたるのは年に約1%とされる。こぶが5ミリ未満の場合は「経過観察」とし、半年から1年おきに検査を受けることが多い。だが、こぶが何ミリ以上になれば破裂するのかなど、はっきりとしたデータはない。小さいこぶが見つかった不安から、うつ状態になる人もいる。
日本脳卒中学会が2009年にまとめた脳卒中治療ガイドラインは「患者の余命が10~15年以上で、こぶの大きさが5~7ミリ以上」の場合、治療を検討するとした。ただし5ミリ未満でも、こぶの形や場所などによっては、治療の対象となる。
破裂を予防する治療法には、頭蓋骨(ずがいこつ)を切開手術し、こぶの根元をクリップではさむ「開頭クリッピング術」や、足のつけ根の動脈からカテーテルを通し、こぶに金属製のコイルを詰める「血管内治療」がある。
予防治療の約7割は開頭クリッピング術。手術時間は約3時間で、2週間ほどの入院が必要だ。こぶが脳の表面に近かったり、こぶの首の部分が広がっていたりする場合には、クリッピング術が適している。
傷が小さく入院期間が短い血管内治療は、体への負担が少ない。しかし長期的な経過はまだわからない。武蔵野赤十字病院脳神経外科の戸根修部長は「治療中に出血した場合、すぐに次の処置に移れるよう、全身麻酔での実施が望ましい」と話す。
また10年7月から、コイルがこぶから飛び出すのを防ぐため、金属の筒(ステント)を使った手術も、公的医療保険で認められるようになった。
いずれの治療も、5%の確率でまひやしびれ、重い後遺症などが出る可能性がある。クリッピング術には感染症や硬膜下血腫、血管内治療には脳梗塞や追加治療などのリスクがある。
三重大理事の滝和郎さん(脳神経外科)は「こぶが破裂する可能性やそれぞれの治療法のメリット、デメリットなどを知った上で、治療法を選ぶことが大切だ」と話す。
5.ビタミンCで血圧下がる可能性―米研究
Medical Tribune2012年5月23日
ビタミンCに降圧作用があることを示唆する解析結果が、米ジョンズホプキンス大学のStephen P. Juraschek氏らによって米医学誌「American Journal of Clinical Nutrition」(2012; 95: 1079-1088)に発表された。
高血圧患者で顕著に改善
これまで、被験者の日常的行動を調査する観察試験ではビタミンCの摂取増加、ビタミンC補充、血液中のビタミンC濃度が高いことは血圧の低下と関係することが示されているが、臨床試験ではその効果に関するエビデンス(科学的根拠となる研究結果)は一致していない。
Juraschek氏らは、1966~2011年に報告された2週間以上のビタミンC補充による血圧への影響を検討した研究を対象に、メタ解析※を行った。
対象となった29研究では、ビタミンCの用量が1日500ミリグラム(中央値)、投与期間は8週間(同)、参加者は10~120人だった。
解析の結果、全試験におけるビタミンC群の血圧の平均変化は収縮期(最高)血圧が3.84ミリメートルHg減、拡張期(最低)血圧が1.48ミリメートルHg減、高血圧患者が参加した試験ではそれぞれ4.85ミリメートルHg減、1.67ミリメートルHg減だった。
Juraschek氏らは「ビタミンC補充による血圧などへの影響を、さらに長期的な研究で解明する必要がある」と指摘している。
Effects of vitamin C supplementation on blood pressure: a meta-analysis of randomized controlled trials
http://www.ajcn.org/content/95/5/1079.abstract
6.善玉コレステロールが心筋梗塞リスクを下げない可能性 欧米の大規模研究
Medical Tribune2012年5月23日
「善玉コレステロール」とも呼ばれるHDLコレステロール(HDL-C)は、多ければ多いほど良いとされている。そのため、HDL-Cを上げる薬の開発が進められてきたが、心臓や血管の状態を良くすると直接証明できた臨床試験はなく、開発中止を決めたメーカーも複数出ているようだ。こうした中、脂質と動脈硬化に関する従来の知見を覆すような検討結果が欧米の研究から明らかになり、5月17日付の英医学誌「Lancet」(電子版)に発表された。HDL-C上昇が、心臓や血管の病気になるリスクの低下につながらない可能性が示されたという。このほか、米ハーバード公衆衛生大学院のFrank M. Sacks氏らからは、HDL-Cの中に“悪玉”が存在するという研究結果を報告している
遺伝的にHDL-C高い人でリスク低下せず
報告を行った米ペンシルベニア大学のBenjamin F. Voight氏ら欧米の国際研究グループは、20件の臨床試験から心筋梗塞患者2万913人と、患者でない9万5,407人の遺伝情報(一塩基多型=SNP)の解析を実施。遺伝的にHDL-C値が高いことに関連する内皮リパーゼ遺伝子型を持つ人とそうでない人の心筋梗塞リスクを比較した。
この遺伝子型を持つ割合は全体の2.6%で、保有しているグループのHDL-C値は保有していないグループに比べて高かったものの、心筋梗塞リスクに関連するそのほかの要素は保有していないグループと同等だった。
Voight氏らは、HDL-C値の差から保有群の心筋梗塞リスクは13%低下すると予測したが、実際にはリスクの低下が認められなかった。この検討から「遺伝的な高HDL-C血症は心筋梗塞リスクの低下に関連しないことが確認された」と同氏らは結論している。
さらに、コレステロールに関する遺伝子と心筋梗塞リスクの関連を検討したところ、LDL(悪玉)コレステロールに関する遺伝子で心筋梗塞リスク上昇との関連が認められたのに対し、HDL-Cではリスク低下との関連が認められなかった。
Voight氏らは、何らかの形でHDL-Cが上昇していても、それが心筋梗塞リスクの低下に関連しない可能性が示されたと結論。HDL-Cを上昇させる薬を飲んだとしても、心筋梗塞リスクを低下させるとは考えにくいとの見解を述べている。
Plasma HDL cholesterol and risk of myocardial infarction: a mendelian randomisation study
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2812%2960312-2/abstract
7.世界最小の人工心臓、生後16か月の幼児を救う イタリア
AFPBB News2012年5月23日
イタリア・ローマ(Rome)の小児病院で3月、世界で最も小さな人工心臓が生後16か月の幼児に埋め込まれていたことがこのほど明らかになった。
移植手術を行ったバンビーノ・ジェズ病院(Bambino Gesu Hospital)のアントニオ・アモデオ(Antonio Amodeo)医師が発表した声明によると、移植されたチタン製の人工心臓は重量わずか11グラムで、拍出量は毎分1.5リットル。
この幼児は重度の拡張型心筋症だったが、先に埋め込まれていた心室補助装置が重度の感染症を起こしたため、心臓移植手術を受けるまでの13日間を乗り切る緊急措置として人工心臓が埋め込まれた。
手術から1か月以上が経過したが、幼児の健康状態は良好だという。(c)AFP
8.高血圧のリスク、適度な運動で回避可能 米研究
AFPBB News2012年5月22日
高血圧の家系に生まれても、適度な運動でその呪縛から逃れることができるとした最新の研究結果が21日、アメリカ心臓協会(American Heart Association、AHA)の専門誌「Hypertension」に掲載された。
研究結果によると、高血圧の家系に生まれながらも適度な運動で健康を維持している人は、運動をほとんどしない人より高血圧になるリスクが約34%低いという。またうれしいニュースとしては、ジムに通っての長時間の激しい運動は必要なく、毎日70分程度早歩きだけで効果が見られるとした。
研究は、健康な成人6000人以上を対象に行われ、被験者の約3分の1については親が高血圧だった。
この研究について、米サウスカロライナ大学(University of South Carolina)アーノルド公衆衛生学部(Arnold School of Public Health)大学院博士課程に在籍する研究者、ロビン・P・シュック(Robin P. Shook)氏は、「研究結果は、週150分程度の早歩きといった現実的で適度な運動量でも、健康に大きなメリットをもたらすことを明確に示すものだ。高血圧の家系に生まれた人にとっては特にそうだ」との声明を発表した。
健康に関する情報サイト「WebMD」によると、これまでの研究で、高血圧の親を持つ人には約35%~65%の確率で血圧にばらつきが見られることが分かっているという。
9.後期高齢者制度廃止“撤回”に「待った」- 民主・厚労部門会議
CareerBrain2012年5月23日
衆院社会保障と税の一体改革特別委員会で閣僚が、一体改革大綱に盛り込まれた後期高齢者医療制度廃止の撤回を示唆するとも受け取れる答弁をしているとして、民主党の厚生労働部門会議が「待った」を掛けた。
「議論もなしに高齢者医療制度見直しが撤回されて、一体改革に賛成なんてあり得るのか」「党内で積み重ねた議論を踏まえずに撤回するとしたら、党の決定プロセスはどうなっているんだ」―。23日の部門会議の会合では、出席議員から閣僚答弁に批判的な意見が相次いだ。
同制度の見直しは、2009年衆院選や10年参院選の党マニフェストに掲げられている上、今年2月に閣議決定された一体改革大綱にも盛り込まれている。
大綱には、「具体的内容について、関係者の理解を得た上で、12年通常国会に後期高齢者医療制度廃止に向けた見直しのための法案を提出する」と記されているため、政府・与党は、制度見直しで負担増が見込まれるとされる都道府県側の理解を得るための調整を水面下で進めているが、難航している。
全国知事会などとの調整を行ってきた部門会議の柚木道義医療・介護ワーキングチーム座長は、同日の会合で状況を報告。これを受けて部門会議では、早急に具体案を作成して財源部分を含めた議論に着手し、関係者からも合意を得た上で、策定した与党案を政府に提示する方針を固めた。
会合後、記者団に対し柚木氏は、「きょうも含め一日でも早く、(新しい高齢者医療制度の)議論に入らなければならないという危機感を、部門会議全体が持っている」と述べた。
10.月経痛軽く見ず医療機関受診を- 日本子宮内膜症啓発会議
CareerBrain2012年5月23日
月経痛や不妊の原因になる子宮内膜症について早期受診を啓発する「日本子宮内膜症啓発会議」が22日、設立の記者会見を開いた。同会議は、3年後までに子宮内膜症などでの産科受診者数を2倍に増やす目標を掲げており、実行委員長を務める百枝幹雄・聖路加国際病院女性総合診療部長は会見で、「特に若い世代の女性に、月経痛を軽く見ず、医療機関を受診すべきと知らせたい」と述べ、目標達成への意気込みを示した。
子宮内膜症は、子宮以外の場所に子宮内膜が発生する疾患で、月経痛や排便痛、性交痛を引き起こすほか、不妊の原因にもなる。また、子宮内膜が卵巣内部にできる「チョコレート嚢胞」が長期化すると、がん化する恐れもあるという。
子宮内膜症を発症する詳しい原因は分かっていないが、月経の回数が多いほど、発症リスクが高まることが知られている。同会議によると、栄養状態が良くなったことで、初経から閉経までの期間が延びている上、出産の時期が遅くなり、回数が少なくなったため、月経の回数は、ここ50年で10倍ほどに増えており、子宮内膜症患者も増加しているという。
現在の患者数は、推計で200万-400万人だが、医療機関を受診する割合は高くなく、同会議が設立された4月1日時点の受診率は「約13%」(百枝氏)。同会議は、企業健保や養護教諭と連携して啓発活動を行い、2015年末までに、レセプトの枚数ベースの受診数を2倍に引き上げる目標の達成を目指す。
11.膵・腎臓同時移植の優先見直しを了承 厚労省作業班
CareerBrain2012年5月22日
厚生労働省の「腎臓移植の基準等に関する作業班」は21日、腎臓と膵臓の同時移植希望者が、それぞれの臓器の単独移植希望者よりも移植を優先される現行の基準を見直し、腎臓の単独移植希望者への移植機会を増やす「日本膵・膵島移植研究会」の提案について議論し、一部修正を加えて了承した。
同研究会は昨年秋、現行基準の変更を厚労省に提案。しかし、若年層を優先する基準改正を同年3月に実施したばかりだったため、同省は検討のためのデータを集めた。それによると、昨年行われた腎臓単独移植は182例で、膵・腎臓同時移植(29例)の約6倍だった。一方、今年4月2日の時点で腎臓の単独移植希望者は1万2376人おり、膵・腎臓の同時移植希望者(154人)の約80倍に上っている。
現行の基準では、一人のドナーから1つの膵臓と2つの腎臓が提供される場合、膵臓と腎臓の同時移植希望者に優先的に移植されることになっている。ただ、このほかの基準として、拒絶反応の起こりやすさや、待機時間、見込まれる搬送時間などがあり、膵臓が単独移植希望者に配分されることもある。その場合、腎臓は2人の単独移植希望者に配分される。
3人への移植が決定してから、膵臓の移植希望者に感染症などが見つかって移植が断念される場合、膵臓の新たな移植先に腎臓との同時移植希望者が選ばれることがある。同時移植希望者が選ばれると、膵臓1つと腎臓1つを移植するため、移植が決まっていた腎臓単独移植希望者1人が、移植を撤回されることになる。
日本膵・膵島移植研究会では、一度決まった腎臓単独移植希望者への移植が撤回されることを問題視し、膵臓単独移植希望者が移植を断念する場合は、次も単独移植希望者を選ぶべきと提案。作業班の了承を得た。
同研究会は、同時移植希望者への配分が決まっている膵臓や腎臓が、臓器摘出後に移植に適さないと分かった場合の取り扱いに関しても提言。現行基準では、膵臓か腎臓のどちらかしか移植できない場合、同時移植希望者が希望すれば、単独移植を受けられることになっている。同研究会は、腎臓しか移植できない場合、移植を受ける予定だった同時移植希望者ではなく、新たに単独移植希望者を選んで配分すべきとの案を示し、了承された。
また作業班は、同時移植希望者に臓器提供する予定だったドナーから、移植できる腎臓が1つしか確保できない場合、腎臓単独移植希望者に優先的に移植すべきとした。
厚労省では、同作業班の意見を踏まえ、月末に開催する「膵臓移植の基準等に関する作業班」で、さらに議論を深める方針だ。
12.ロクロニウムを手術室で紛失 国立国際医療研究センターで筋弛緩剤紛失、情報公開
国立国際医療研究センターは5 月21 日、毒薬指定の筋弛緩剤であるロクロニウム(商品名エスラックス)を手術室で1バイアル紛失したと報告した。
5 月11 日の全手術終了後、手術室内で定数管理しているロクロニウムが1バイアル足りなかった。21日の発表時点で発見には至っていない。なお、15 日に警察署に紛失届けを提出している。
センターは緊急の院内医療安全推進委員会を開いて対策を検討した。(1)薬品保冷庫の鍵は、責任麻酔科医とリーダー看護師が常時所有、(2)使用時と返却時には、鍵保有者と使用医師でダブルチェックし、本数を記録、(3)薬品保冷庫や薬品カートへの返却時、鍵保有者の引継ぎの際に本数確認を行うことを決めた。
かねてセンターでは、事故が重大な結果を引き起こしたかどうかにかかわらず、公表することが公益に結びつく場合には積極的に情報公開する方針を取っている。
◆プレス「手術室で筋弛緩剤ロクロニウム(エスラックス)紛失について」
http://www.ncgm.go.jp/topics/lost_rocuronium_20120522.pdf
13.ホルモン補充療法の問診票 日本産婦人科医会が作成、ガイドラインに準拠
日本産婦人科医会女性保健委員会は、ホルモン補充療法(HRT)ガイドラインに準拠したチェックシート(問診票)を作成、ホームページで一般公開した。
この問診票で、禁忌と慎重投与事項がすぐ確認できる。慎重投与または禁忌の可能性がある「60歳以上」「閉経後10 年以上」「肥満」「喫煙」の有無を確認でき、既往歴の確認欄では、判断の際に考慮すべき疾患を列挙している。家族歴の欄でリスクの確認もでき、乳癌検査の有無、時期、内容も詳しく記入させる構成になっている。
委員会は、使用時の注意点として、(1)患者のリスクとベネフィットを勘案し、説明と同意を得た上でHRTを行うこと、(2)慎重投与の場合は患者の状態把握に努めること、(3)該当項目がなく、問題ない場合もHRT 開始前に血液検査などで健康状態を評価することを求めている。
◆ホルモン補充療法(HRT)チェックシートの注意事項について
http://www.jaog.or.jp/diagram/notes/HRT_check.pdf
14.小児学会、予防接種表を更新 ヒブ、ロタ、水痘ワクチンの推奨接種時期を変更
日本小児科学会の予防接種・感染対策委員会は「推奨する予防接種スケジュール」を改訂。4月20日開催の委員会で検討の後、若干の修正を加え、5月21日付けでホームページ上に公表した。
今回は以下の3点につき修正を行った。(1)ヒブワクチンの追加接種効果を早期に得るために、4回目の接種は生後12 カ月から開始するよう推奨。(2)ロタウイルス5 価ワクチンを追加。1 価ワクチンとともに、生後8 週から15 週未満の期間に1回目の接種をするよう推奨。(3)水痘ワクチン2 回目の推奨接種期間を、生後18カ月以上2 歳未満に変更。
学会は2011年1月に同時接種に関する考え方を示しており、それに基づいた予防接種スケジュールを同年4月に発表、12月に改訂していた。今回は2回目の修正となる。
◆日本小児科学会推奨の予防接種スケジュールの主な変更点
http://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_110427.pdf
15.[難病] すべての難病に高度な医療提供する新・難病医療拠点病院を設置
厚生政策情報センター2012年5月22日
難病研究・医療ワーキンググループ(第2回 5/18)《厚生労働省》
厚生労働省は5月18日に、難病研究・医療ワーキンググループを開催した。この日は、(1)難病の定義や範囲(2)医療費助成(3)医療提供体制(4)研究―について議論を行った。
まず(1)の難病の定義・範囲については、難病対策要綱(昭和47年)(p12参照)において「原因不明・治療法未確立、かつ負担が大きい」などとされているが、一方で特定疾患(平成14年)については「症例が少なく、原因不明・治療法未確立、かつ長期療養が必要」とされており(p14参照)、「症例が少ない(希少疾患)」との要件を加味するか否かがポイントとなっている(p5参照)。
もっとも、どのような定義を採用するにしろ、難病では長期療養が必要なため医療費負担が大きくなる。また、難病は症例数こそ少ないが、誰もが発症する可能性がある(原因不明)ことから、患者の受療を促進し、全国規模で症例を集積・研究する必要がある。こうした観点から(2)の医療費助成(p15参照)(p23-p28参照)が重要であるが、厚労省は(i)対象疾患すべてに医療費助成を行うべきか(ii)がんなどの他の慢性疾患と比べた場合、助成をどう考えるか(iii)治療の標準化についてどう考えるか―などの検討課題を示している(p6-p7参照)。
また、患者・家族の最大の関心事である(3)の医療提供体制に関しては、(a)すべての難病に対し総合的に高度な医療を提供できる「新・難病医療拠点病院」の設置(b)aの拠点病院と連携して在宅療養サービス提供医療従事者への人材養成等を担う「難病医療地域基幹病院(仮称)」の整備(c)bの基幹病院を中心とした、2次医療圏ごとの「地域難病医療連絡協議会(仮称)」の設置(d)極めて稀な疾患に高度専門的な対応を行う「難病治療研究センター(仮称)」の設置(e)がん登録に倣った「難病患者登録」の実施―などが打ち出されている(p8-p10参照)。
さらに(4)の研究に関しては、「Orphanet(EU)やCDC(米国)などの国際的疾病研究センターとの連携・共同」なども提案されている(p11参照)。
◆第2回難病研究・医療ワーキンググループ議事次第
http://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201205_4/1780_1_1.pdf
16.機構と保険会社だけが利益を得る制度 - 池下久弥・産科中小施設研究会
◆Vol.3
7項目の要望書提出、機構相手の予防訴訟も予定
M3 2012年5月23日
――当初年間800人程度を補償の対象にする想定で、制度設計されました。しかし、実際にはそこまで対象者がいません。
初年度の2009年度で、2011年12月末までに請求されたのは177人、うち158人が認定され、対象外は10人、再申請可能8人、継続審議1人となっています。
補償原資のうち300人相当分までの補償費用は、保険会社に入る仕組みになっています。補償請求は満5歳の誕生日まで可能ですが、2009年度分について、このまま補償対象者があまり増えず、200人程度にとどまると仮定します。つまり、100人分×3000万円、 30億円は保険会社の利益になります。そもそも事務手数料として保険会社に対し、2011年の場合は年間33億円支払っています。
一方、300人を超える分の余剰金は、運営組織、つまり日本医療機能評価機構に入り、「産科医療補償制度のために限定して使用する」とされています。さらに損害賠償が確定すれば、補償費用の1人当たり3000万円は機構に戻ります。このほか、機構の事務手数料は年間約2億7000万円が充てられており、先ほども言いましたが、厚労省の補助金が年8000万円です。
2011年7月の「産科医療補償制度運営委員会」の資料によると、余剰金は、2009年度は236億円、2010年度は285億円となっています(機構のホームページPDF:1.72MBの17ページ)。その後、補償件数が増えているので、余剰金はその分、減っていますが、それでも年間200億円は超える(編集部注:補償対象は、2009年の出生のうち、2010年12月までの確定が計99件、2011年12月までの確定が計158件、2010年の出生のうち、2010年12月までの確定が計9件、2011年12月までの確定が計91件)。23年度もほぼ同額の余剰金が出るでしょう。
――補償の請求は、満5歳の誕生日まで可能です。
しかし、どんな統計を見ても、脳性麻痺の出生は1000人に2人。今の日本は100万分娩ですから、約200人。しかし、本制度の設計当初、沖縄などのごく限られたデータを使って800人にした。800人に3000万円支払うとした設計で、保険料が3万円に設定された。2009年に生まれた子供についても、あと2年半請求は可能です。しかし、もう大抵の場合、脳性麻痺の診断は付いているでしょう。初年度の会計は5年経たないと確定しませんが、かなりの余剰金が出るのは確かなのに、このまま放置していいのでしょうか。
――脳性麻痺が判断されるピークの年齢は。
1歳半くらいでかなり診断ができます。ただ、補償の対象は重度の脳性麻痺ですが、中等度との見極めがつきにくい。だから、補償申請期間は5年にしたのだと思います。
――現時点である程度確実に言えるのは、300人と200人の差、100人分くらいの補償金は保険会社の利益になる。日本医療機能評価機構側にとっても、余剰金があり、裁判になり補償費用が相殺されれば、余剰金の額は増える。
さらに金銭的な問題では、診療報酬とリンクしている点もあります。「ハイリスク妊娠管理加算」(1日1200点)、「ハイリスク分娩管理加算」(1日3200点)の算定要件は、「産科医療補償制度に加入している」とされている。これは非常に高い点数ですが、すべての医療機関を入らせるためでしょう(編集部注:施設基準は、「産科医療補償制度標準補償約款と同一の産科医療補償制度約款に基づく補償を実施していること」とされている)。今、加入率は99.8%、病院は100%。今、入っていないのは診療所7件のみです(2012年4月3日現在、機構のホームページを参照)。
さらに問題なのは、厚労省にとって「業績になる」と考えられる点。
――それはどんな意味でしょうか。
例えば、同一施設で補償対象事例が出た場合、これらを行政処分の対象にすることも想定されます。さらには、民事訴訟だけでなく、刑事訴訟になっているケースもあります。この「原因分析報告書」を見て、患者側が怒ってしまい、民事と刑事、両方を起こしているケースです。特に刑事訴訟をされると、医師は根を上げてしまう。
――ではどんな形で、制度の見直しを進めるべきでしょうか。
既に制度見直しに向けた「産科医療補償制度運営委員会」が今年2回開催されていますが、“時間つぶし”の議論をしているようにしか、思えません。ヒアリング対象も、“身内”の関係者ばかりです。そもそも現状がどうなっているのか、問題点を整理、分析することから始めるべきです。
――今後、先生方はどんな活動を展開される予定でしょうか。
実は、今年2月16日に厚労省に話に行った際に、見直しに関する要望書を出す予定でしたが、我々「産科中小施設研究会」は、民間団体であるという理由で受け取ってもらえませんでした。その後、つてをたどり、4月10日に日本医療機能評価機構に懇談に行きます(本インタビューは4月6日に実施)。
要望書では、(1)カルテ等の提出は不要、(2)報告書の非開示、(3)補償と原因分析を明確に分ける、(4)医師・助産師の反論の場を設ける、(5)調整委員会の廃止、(6)補償金は医療機関に支払う、(7)補償金を1億円に増額、の7点を求めています(編集部注:調整委員会は、「原因分析委員会で重大な過失が明らかと思料された事案について、重大な過失による損害賠償責任の有無に関する事項を審議する」ための委員会)。(1)から(5)は、法律に則った医療機関の当然の権利の要求です。
また可能であれば、日本医療機能評価機構を相手に、予防訴訟を行う予定です。我々は、いつ被害者になり、“さらしもの”になるか分からないので。
――それは何を求める訴訟になるのでしょうか。
原因分析報告書は、患者さんに開示せず、ホームページ上でも公開しないでほしいということ、またカルテの提示を不要とすることを求めます。先ほども言いましたが、本来、補償は子供が脳性麻痺に該当するかどうかで判断すべきであり、その認定に産婦人科医のカルテは必要ありません。補償と原因分析は、明確に分けて行う必要があります。恐らく興味本位と処罰主義で、カルテの提出を求めているのでしょう。
――予防訴訟以外には。
お金の問題を明らかにすることを考えています。先ほどの数字は、あくまで推計なので。この産科医療補償制度の保険料は、出産一時金に3万円に上乗せされる形になっています。つまり、税金や保険料から支払われているわけですから、公正かつ透明性のある運営が求められるはずです。
――本来であれば、そうしたデータは開示されるはず。
隠ぺい体質なのでしょう。私は弁護士さんとの付き合いが多いので、2009年の頃から、最初の準備一時金600万円をもらって、提訴している人の話を聞いていました。しかし、日本医療機能評価機構は、“ゼロ”だと言い続けていた。しかし、18件が損害賠償請求等がなされている事実も、今年2月15日の「産科医療補償制度運営会議」で、ようやく公表されたことです。それまでは「ない」と言っていた。
――今、産科の無過失補償を他科に広げるか否かが検討されています。脳性麻痺という、特定の領域での原因分析でも難しいにもかかわらず、他科に広げることが可能なのか。
それは分かりませんが、まず産科医療補償制度の現状を、数字だけでなく、現場の実態も踏まえて検証することが第一だと思っています。我々の世代はいいですが、次の世代にこの制度を引き継ぐわけにはいきません。その思いで、今後も活動を続けます。
17.食後血糖値、1時間か2時間か?
食後1時間後の臨床効果でデータ出る半面、「現実的な運用は2時間で十分」の声も
M3 2012年5月23日
食後血糖値を食後の1時間にするか、2時間にするか。
DPP-4阻害薬や連続血糖測定などの登場で注目されるポイントだ。
患者の予後をより改善させるには、どちらを選ぶか。
【1h】食後1時間の血糖値を重視
「食後1時間に血糖値のピークが来るのは明らか。食後の2時間では、血糖値が正常に近くなっている、もしくはピークを過ぎて低下している過程の血糖値を測定することになるため参考にならない。食後1時間後を積極的に測定すべきだろう」。東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科准教授の西村理明氏はこう説明する。
食後1時間にピークあり
糖尿病のスクリーニングや治療目標として、食後高血糖を利用しようという動きが高まっている。「食後高血糖が心血管リスクを高める」と分かってきたからである。 従来、IGTT75g(75gのブドウ糖負荷試験)の判定時間が2時間後であり、2007年に発表された国際糖尿病連合(IDF)の「食後血糖値の管理に関するガイドライン」では、食後血糖値の指標として食後2時間の値を見るとされていた。
従来、IGTT75g(75gのブドウ糖負荷試験)の判定時間が2時間後であり、2007年に発表された国際糖尿病連合(IDF)の「食後血糖値の管理に関するガイドライン」では、食後血糖値の指標として食後2時間の値を見るとされていた。
IDFの指針は2011年に改訂され、「食後高血糖の目標値は食後の時間にかかわらず、160mg/dL未満にする」と変わった。
西村氏は背景にDIS試験の結果があると見ている。1996年に発表されたDIS試験により、食後1時間後の高血糖が心血管疾患リスクの予知因子であることが報告された(Diabetologia. 1996 Dec;39(12):1577-83.)。OGTTではなく実際に食後1時間の血糖に注目した試験であり、この結果をより重視したのではないかという見方だ。
今、食後血糖値はどの時点を見るべきかを考える上で、重要なのが持続血糖モニター(CGM)の診断が可能となったことだろう。
西村氏はCGMを駆使して血糖の変動を研究している。例えば、耐糖能正常者の24人を調べたところ、朝食後、昼食後、夕食後ともに血糖のピークは、40分から50分の時間帯に収まっていた。西村氏は、「スクリーニングの観点では、食後1時間の血糖値を見るのが重要なのは明らか」とこれまでの検討から考えている。
さらに、治療目標の観点から、耐糖能異常(IGT)のある患者や糖尿病患者の血糖変化も検証している。
その結果、HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピークがあったものの、8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピークがあった。西村氏は、「管理目標として考える場合にも食後1時間をめどに血糖を測定するのが重要」と話す。
実践の工夫として、西村氏は、「“123法”と呼んでいるが、患者に来院の日によって、今月は食後3時間、来月は食後2時間、再来月は食後1時間と、血糖測定のタイミングを変えて来院してもらうように指導する。すると、食後のいろいろなタイミングの血糖を測定できる。患者も自身の食後高血糖の実態を知って満足する場合が多い」と指摘する。
厳格治療をより上手に
「血糖値をより上手に下げようという流れが重要」と西村氏は見ている。最近では、ACCORD試験、ADVANCE試験、VADT試験と、厳格な血糖コントロールを行うと転帰がむしろ悪くなるいわゆる「Jカーブ現象」が報告されている。
この現象は低血糖により起きているのか、血糖の一時的な急上昇によって起きているのかは分かっていない。重要なのは、単純に平均的な血糖値の平均だけを下げても不十分という点だ。血糖変動の実態を見て、明らかとなった問題に対処する必要がある。その観点から、西村氏は、「血糖値のピークを形成する食後1時間から90分の血糖値を測定するのは一層重要になっている」と考えている。
こうした食後1時間の血糖測定の意義は、インクレチン関連薬や新規のインスリンの登場が続く状況にあっても変わらないという見方だ。「血糖値の山であるピークと谷である低血糖を見極めてリスクを最小化することが極めて重要ではないか」
【2h】食後2時間の血糖で十分
「食後血糖値としては、食後2時間の時点で測定した血糖値を軸として参考とするのがよいだろう。食後1時間の値を見る考え方も出ているが、現状では食後2時間の値を見れば十分なのではないか」。NTT東日本札幌病院内科診療部長の吉岡成人氏はこう考え方を説明する。
食後1時間のピークは不安定
そもそも食後高血糖が注目されたのは、糖尿病患者の大血管障害の抑制が重視されるようになった2000年代以降の変化がある。75g糖負荷試験(OGTT)で2時間後の血糖値が高いと虚血性心疾患のリスクとなるのは、国内外の臨床試験で分かってきていた。
その流れの中で、75gOGTTと同様に食後高血糖も問題視されるようになった。 1996年にDIS試験で食後1時間後の高血糖が心血管疾患のリスクを高めると報告されたのは重要だ(Diabetologia. 1996 Dec;39(12):1577-83.)。
2007年に発表された国際糖尿病連合(IDF)の「食後血糖値の管理に関するガイドライン」で、管理目標として「低血糖にならない限り、食後2時間の血糖値が140mg/dLを超えない」と設定された。
α-GIや超速効型インスリンといった食後の血糖上昇を抑制する薬剤の登場によっても、食後血糖値を意識した治療への注目度は高まった。
臨床現場で食後高血糖は身近になっている。
では、どれくらい重要視するか。吉岡氏は参考値として意識すべき存在と見ている。その観点から、食後1時間ではなく、食後2時間の血糖値を見れば十分と考えている。
まず、現実の臨床で、食後1時間の値を見るのが難しい点は見逃せない。患者が午前に医療機関に受診する場合、食後1時間の時点の血糖値を測定するのは容易ではない。食事をしてから医療機関まで移動し、受付をするだけで1時間が経過してしまう。「8時に朝食を取って、10時に血糖測定するのが現実的」と吉岡氏は指摘する。
さらなる問題として、食後1時間と食後2時間の血糖値を比べた時に、食後1時間の値は患者の条件によって変動しやすく、参考にしにくい、と吉岡氏は見る。
吉岡氏らの研究グループが、2型糖尿病の入院患者を対象に食後高血糖のピークが食後1時間後となる割合を調べたところ、食事療法だけの場合は67%、経口糖尿病薬を処方する場合は64%、インスリンを処方される場合は36%となっていた。1時間が高いか、2時間が高いかは患者個々人によってばらばらとなっている。
医療機関でテストミールを食べてもらって、うまく測定できるかと言えば、それも容易ではない。食後血糖値は、朝食後と昼食後の違いだけで値が異なると知られている。「セカンド・ミール・イフェクト(2回目の食事の効果)」と呼ばれる。起床直後は、インスリン拮抗ホルモンである副腎皮質ホルモン(コルチゾール)や成長ホルモンの血中濃度が高いためだ。 吉岡氏は、「あくまで大きく値が上がる人や低血糖のある人を拾い上げるためにも食後2時間値を見ればよいだろう。食後1時間が200mg/dLや300mg/dLの水準まで高まる人は、食後2時間も高いと考えている」と話す。
食後高血糖は介入すべき?
そもそも食後高血糖を下げれば、心血管疾患のリスクを抑制できるかどうかは分かっていない。
DIS試験で唯一、食後1時間の高血糖が180mg/dL以上の場合に、心血管疾患のリスクが高まると分かっただけ。食後高血糖を下げようと治療をした試験ではない。
さらに、食後の血糖値を下げると知られているα-グルコシダーゼを投与したSTOP-NIDDM試験では、心血管障害が抑制された半面で、試験開始時の75OGTTの2時間値は結果に対して有意に寄与していなかった。「α-GIの一般に知られる食後高血糖の抑制効果が必ずしも心血管障害の抑制につながらなかった」と吉岡氏は見る。
ほかにも超速効型インスリンの効果を検証したNAVIGATOR試験で、主要心血管転帰を実薬群でプラセボ群よりも抑えられなかった、といった結果もある。食後血糖を押さえる治療が治療効果につながるかどうか、不明点があるというのが吉岡氏の現状の見方だ。
最近では、ACCORD試験、ADVANCE試験、VADT試験と、血糖値を下げると転帰がむしろ悪くなるいわゆる「Jカーブ現象」も報告されている。
実際の問題、これまでの報告を踏まえて、吉岡氏は、「低血糖に注意しながら、HbA1cを中心的な指標として血糖値を下げていく。食後血糖値は参考にするが、低血糖や食後の高血糖を見るための指標として、食後2時間の値を見れば十分と考えている」と述べる。
18.ミュータンス菌 脳出血と潰瘍性大腸炎にも関与
日経メディカル2012年5月23日
虫歯の原因となるミュータンス菌(Streptococcus mutans)。その感染が脳出血や潰瘍性大腸炎のリスクを4~5倍高めることが最近明らかになった。
原因となるのはミュータンス菌のうち、コラーゲン結合蛋白をコードする遺伝子(CNM)を持ち、グルコースの側鎖がない高病原性株だ。
阪大大学院歯学研究科薬理学准教授の和田孝一郎氏を中心とするグループは、2006年から口腔常在菌と全身疾患の関連を明らかにする取り組みを開始した。菌血症にクモ膜下出血を併発した患者の血液から検出されたミュータンス菌が、標準菌と異なる糖鎖を持つことに着目。健常ボランティア35人と脳出血患者74人から唾液サンプルを採取し、菌株の単離と同定を実施した。
標準株と、抜歯後菌血症患者の血液から分離された高病原性株に分類したところ、健常人では高病原性株が8.5%しか検出されなかったが、脳出血患者からは27.0%と高率に検出された。検出した高病原性株を脳出血のモデルマウスに経静脈投与したところ、症状が悪化したため、高病原性株と脳出血の関連が示された。
また、検証に使われたマウスのうち数個体から、腸管に発赤と若干の浮腫が認められた。和田氏らは同菌が腸炎にも関与していると推測し、潰瘍性大腸炎患者の唾液サンプルを集めて健常人との比較を行った。
その結果、健常人では高病原性株が481例中3.5%だったのに対し、潰瘍性大腸炎患者は56例中14.3%と、高病原性株の検出率が有意に高かった。脳出血と同様に高病原性株を腸炎のモデルマウスに経静脈投与したところ、症状が悪化し、高病原性株は潰瘍性大腸炎にも関与していることが示された。
ミュータンス菌は、歯磨きなどによって歯と歯茎の隙間から血管内に侵入。グルコースの側鎖を持たない高病原性菌は白血球に貪食されにくく、菌血症状態となり、全身に病原性をもたらすと考えられている。
そもそもミュータンス菌は、日本人成人の6~7割が保菌している、多数ある口腔常在菌の一種。生後15カ月から遅くとも5歳までの間に口移しなどで保菌者の唾液から感染する。以前から歯科治療後に感染性心内膜炎を発症するケースが多く、発症とミュータンス菌には関わりがあるのではないかと考えられてきた。
和田氏は「健常人が高病原性のミュータンス菌に感染しても発症しない。血管や腸に炎症がある場合に発症のリスクが高まる」と説明する。和田氏らは現在、他の出血性疾患や免疫系の疾患についても、ミュータンス菌との関連を調べている。
ミュータンス菌による脳出血などの発症リスクは、口腔内の菌量を減らすことで抑えられる可能性がある。研究グループの一人、横浜市立大消化器内科の日暮琢磨氏は「高病原性のミュータンス菌を持つ患者を治療する場合は、疾患の治療だけではなくオーラルケアの指導も必要だろう」と話している。
19.腹部大動脈径が30mm未満でも循環器疾患に要注意
腹部大動脈瘤スクリーニングを受けた男性約8150人を追跡(BMJ誌から)
日経メディカル2012年5月23日
超音波検査に基づく腹部大動脈瘤(AAA)スクリーニングで、AAAと判定される直径30mm以上のみならず、25~29mmでもその後の循環器疾患などの罹患(入院)リスクの上昇が見られること、リスク上昇はほとんどが動脈瘤以外の血管疾患に起因するものであることが、英国で行われた前向きコホート研究で明らかになった。英Raigmore病院のJohn L Duncan氏らが、BMJ誌電子版に2012年5月4日に報告した。
英国では、これまでに行われた複数の無作為化試験とメタ分析の結果に基づいて、65歳以上の男性に対するAAAスクリーニングの実施が推奨されている。超音波検査によるスクリーニングを1回行い、必要に応じて適切に介入すれば、AAA関連死亡を減らせることが過去の研究で示されており、英国では、その費用対効果は良好と判断されている。
だが、多くのスクリーニングプログラムは、腹部大動脈の直径が30mm以上をカットオフ値に設定しており、それより低い値の男性は追跡対象にはならない。そこで著者らは、スクリーニング時に大動脈の直径が30mm未満だった男性も分析対象に含めて、入院と死亡のリスクを調べる前向きコホート研究を実施した。AAA患者においては、AAA関連死亡に加えて、他の血管疾患による死亡リスクも上昇するとの報告があったことから、様々な疾患による死亡と初回入院を評価指標に設定した。
01年4月から04年3月の間に、スコットランドの2つの州に住む65~74歳の男性をAAAスクリーニングに招き、8355人が参加した。初回のスクリーニング時に、全般的な健康状態、喫煙歴、医療歴、心血管疾患と糖尿病の家族歴などに関する情報を得た。大動脈の直径は前後方向の最大値を記録し、30mm以上をAAAと診断した。
直径が30~44mmの患者は年1回、45~54mmの患者は3カ月に1回検査を行い、55mm以上の患者には治療の実施を検討するとした。AAA(直径30mm以上)と診断された患者には生活改善指導を行い、かかりつけ医に連絡してアスピリンとスタチンの投与を考慮するよう指示した。一方で、大動脈の直径が29mm以下の男性は正常とし、それ以上の検査や介入は行わなかった。
初回のスクリーニングを受けた男性の転帰は、この地域の住民の死亡記録や入院記録を参照し確認した。
主要評価指標は、AAAの存在に関連する疾患罹患(入院)と死亡に設定、患者を大動脈の直径に基づいて24mm以下、25~29mm、30mm以上の3群に層別化して評価した。
スクリーニング時に患者特性などの情報が得られた8146人を、10年6月26日まで、中央値7.4年(四分位範囲6.9~8.2年)追跡した。
初回のスクリーニングでは5.1%(414人)にAAA(直径30mm以上)と判定された。大動脈の直径が25~29mmだった男性は8.2%(669人)、24mm以下の男性は86.7%(7063人)だった。
追跡期間中に8.0%(654人)が死亡し、死亡率と大動脈の直径の間には有意な関係が見られた。24mm以下のグループの死亡は7.2%(512人)だったが、25~29mm群の死亡は10.3%(69人)、30mm以上群では17.6%(73人)で、24mm以下群とそれ以外の2群の死亡率の差は有意だった。
24mm以下群と比較した30mm以上群の全死因死亡の調整ハザード比は、2.03(99%信頼区間1.40-2.94)。リスク上昇は主に、高血圧と血管疾患に関連する死亡(これらを合わせた調整ハザード比は1.90、1.17-3.08)と、癌に関連する死亡(3.03、1.41-6.53)の増加に起因していた。
一方、25~29mm群の全死因死亡の未調整ハザード比は1.48(1.05-2.02)だったが、喫煙や心疾患の既往などの交絡因子で調整すると、有意差はみられなくなった(1.08、0.73-1.59)。
AAA関連死亡は、30mm以上群でも9人にとどまり、5人はAAAの破裂による死亡、4人は破裂後の手術の後に死亡していた。30mm未満の男性の動脈瘤関連死亡は2人のみで、いずれも破裂が原因ではなかった。
追跡期間中に入院がなかった患者の割合は、24mm以下群では34.8%(2459人)、25~29mm群は29.6%(198人)、30mm群は16.9%(70人)だった。
大動脈の直径は、その後の循環器疾患による初回入院リスクの増加に関係していた。交絡因子候補で調整後の25~29mm群の患者のハザード比は1.20(1.04-1.39)、30mm以上群では1.51(1.27-1.79)。25~29mm群では、高血圧関連疾患(調整ハザード比は1.29、1.08-1.54)、虚血性心疾患(1.33、1.08-1.64)、慢性閉塞性肺疾患(1.47、1.07-2.03)による入院リスクが有意に高く、30mm以上群ではそれら(調整ハザード比はそれぞれ1.60、1.29-1.99、1.52、1.18-1.94、1.98、1.37-2.86)に加えて脳血管疾患(1.58、1.02-2.45)、アテローム性動脈硬化(3.84、1.39-10.63)、末梢動脈疾患(2.33、1.49-3.62)、呼吸器疾患(1.38、1.05-1.80)による入院リスクも有意な上昇を示した。
なお、25~29mm群のAAAによる入院リスクは24mm以下群より有意に高く、調整ハザード比は6.7(99%信頼区間3.4-13.2)になった。リスク上昇はスクリーニングから2年後に明らかになった。
この研究では、動脈瘤関連の死亡は少なかったが、大動脈の直径の増加と、血管疾患や癌による死亡(30mm以上で有意)、循環器疾患や呼吸器疾患による入院の間に有意な関係が認められた。スクリーニングで大動脈の直径が25mm以上と判断された男性については、危険因子の管理を行い、定期的な再検査の実施を考慮すべきだろう、と著者らは述べている。
原題は「Long term outcomes in men screened for abdominal aortic aneurysm: prospective cohort study」
http://www.bmj.com/content/344/bmj.e2958
20.ホスピタリストの仕事満足度、バーンアウト、ワークライフバランス
【原題】Job Satisfaction,Burnout,and Worklife Balance Among Hospitalists
Journal Watch Hospital Medicine日経メディカル2012年5月23日
A national survey indicates that job satisfaction is high,compensation schemes differ among practice models,and burnout is not uncommon.
The fast-paced nature of hospital medicine has raised concerns that burnout and job turnover are widespread among hospitalists.The rapid growth and relative youth of our specialty might also lead to ambiguity in the professional function of hospitalists to patients and within organizations.The last examination of the effects of these factors on hospitalists was in 1999.Now,the Society of Hospital Medicine (SHM) Career Satisfaction Task Force reports the results of a 2009-2010 national worklife survey.
The survey instrument borrowed elements of the Physician Worklife Survey and was expanded to include issues relevant to hospitalists.Paper surveys were mailed to a stratified sample of 4315 hospitalists in the SHM database,followed by an electronic survey to available e-mail addresses.
Of 3105 eligible hospitalists,776 (25%) responded; 7% were pediatric hospitalists and 5% were subspecialists.The median age of respondents was 42,33% were women,78% worked full time,44% were employed by a hospital,and mean experience was 7 years.Overall,63% reported high job satisfaction (4 or 5 on a 5-point Likert scale).Most respondents rated high satisfaction in their relationships with staff (80%),colleagues (76%),practice leaders (75%),and patients (63%).In contrast,fewer hospitalists reported high satisfaction with workload (44%),available personal time (28%),compensation (28%),autonomy (17%),and organizational climate (11%).In regression analyses,all satisfaction domains were positively associated with overall job satisfaction with the exception of workload,which was negatively associated with job satisfaction.Nevertheless,burnout was not uncommon (30%) and was more frequent among hospitalists who were planning to reduce work hours,leave their clinical situation,or abandon direct patient care within the next few years.
Analysis of the data according to five practice models revealed that academic hospitalists had more nonclinical work hours,fewer billable encounters,and earned significantly less than other hospitalists (averaging US$60,000 less than the highest paid hospitalists).Overall job satisfaction and burnout rates did not differ among the practice models.
COMMENT
A gross comparison with other studies demonstrates job satisfaction levels and burnout rates comparable to other specialties.Sampling challenges (hospitalists changing hospitals,higher response rate among SHM members) are recognized limitations of these data.Nevertheless,the results suggest that most hospitalists experience professional fulfillment at a level consistent with other types of physicians.
- Grace C.Huang,MD
Hinami K et al.Job characteristics,satisfaction,and burnout across hospitalist practice models.J Hosp Med 2012 Jan 23; [e-pub ahead of print].(http://dx.doi.org/10.1002/jhm.1907)Hinami K et al.Worklife and satisfaction of hospitalists: Toward flourishing careers.J Gen Intern Med 2012 Jan; 27:28.
21.生殖医療技術後の先天異常リスク増大に、母胎要因がどこまで関わっているのか
CareNet2012年5月23日
個々のレジストリ研究やメタ解析など研究成果から、体外受精(IVF)や卵細胞質内精子注入法(ICSI)は先天異常リスクを増大するというエビデンスは一貫して認められている。オーストラリア・アデレード大学のMichael J. Davies氏らは、これまで検討されていなかった、そうした生殖補助医療技術を受けた後に増大が認められる先天異常リスクが、親の特性とどこまで関連しているかについて調査した。NEJM誌2012年5月10日号(オンライン版2012年5月5日号)掲載報告より。
約31万例の出産を対象に、先天異常リスク増大について母親の背景因子別に比較調査
研究グループは、南オーストラリア州の生殖補助技術治療の実態調査結果と、妊娠20週以上または出生時体重400g以上での出産と死産に関する登録記録、および先天異常に関するレジストリ(脳性麻痺、全妊娠期間中での異常による中絶を含む)との関連づけを行った。
5歳の誕生日までに診断された先天異常のリスクについて、母親が(1)生殖補助医療技術の治療を受けた妊娠のケース、(2)過去に生殖補助医療を受けたことがあるが自然妊娠であったケース(すなわち生殖補助医療を受けたケースではない)、(3)不妊症の既往はあるが生殖補助医療技術の治療を受けていない妊娠のケース、(4)不妊症の既往がない妊娠のケース、で比較検討した。
オッズ比は、未補正解析と、多変量補正後解析(母胎年齢、胎児の性別、母親の人種、妊娠中の喫煙など)を算出して検討した。
体外受精、卵細胞質内精子注入法後のリスク増大は?
調査対象となった出産件数は30万8,974例で、そのうち6,163例が生殖補助医療を受けての妊娠だった。
生殖補助医療を受けての分娩例における先天異常は513例(8.3%)で、受けていない分娩での先天異常1万7,546例(5.8%)と比べて、有意なリスク増大が認められた(未補正オッズ比:1.47、95%信頼区間:1.33~1.62)。同リスクについて多変量補正後のオッズ比は1.28(95%信頼区間:1.16~1.41)で、リスクは減弱したが有意なままであった。
体外受精での分娩例における先天異常は165例(7.2%)で、未補正オッズ比1.26(95%信頼区間:1.07~1.48)、多変量補正後オッズ比は1.07(同:0.90~1.26)であった。一方、卵細胞質内精子注入法での分娩例における先天異常は139例(9.9%)で、未補正オッズ比1.77(同:1.47~2.12)、多変量補正後オッズ比は1.57(同:1.30~1.90)だった。
不妊症の既往がある場合は、生殖補助医療を受けたか否かにかかわらず、先天異常との有意な関連が認められた。
これら結果を踏まえてDavies氏は生殖補助医療技術と先天異常リスク増大に関して、「体外受精後の先天異常リスクの増大は、親の背景因子で補正後は減弱し有意ではなくなった。一方、ICSIに関しては、補正後もリスクは増大したままだった。ただしその関連の継続については残余交絡の可能性が排除できない」とまとめている。
http://pmc.carenet.com/?pmid=22559061&keiro=journal
22.心臓外科がない病院のPCIアウトカム、ある病院に対し非劣性
CareNet2012年5月23日
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)のアウトカムは、心臓外科のある病院とない病院とで違いがあるのか。PCIは通常、心臓外科のある病院に限定されるが、米国・ジョンズ・ホプキンス大学のThomas Aversano氏らは、両者を比較する無作為化試験を行った。結果、「心臓外科がない病院の、ある病院に対する非劣性が認められた」と結論する報告が発表された。NEJM誌2012年5月10日号(オンライン版2012年3月25日号)掲載報告より。
術後6週間の死亡率と、9ヵ月間の有害心イベント発生を検討
試験は2006年4月7日から2011年3月31日の間に、全米10州の心臓外科のない60病院の協力を得て、被験者を登録し行われた。同院に心臓カテーテル検査を要するとして受診した、18歳以上、安定性冠動脈疾患または急性冠症候群でPCIを要した患者を試験適格として登録した。ST上昇型急性心筋梗塞やPCIハイリスクの患者、プライマリPCIを要した患者は除外された。
被験者は、心臓外科のある病院と、ない病院のいずれかでPCIを受けるよう無作為に割り付けられ、アウトカムについて、ない病院のある病院に対する非劣性を検討された。
無作為化された被験者1万8,867例。3対1の割合で、心臓外科のない病院でPCIを受ける群(1万4,149例)、または心臓外科のある病院でPCIを受ける群(4,718例)に割り付けられた。
主要エンドポイントは2つで、術後6週間の死亡率と9ヵ月間の主要有害心イベント(死亡、Q波心筋梗塞、標的血管血行再建術施行の複合)発生率とした。
リスク差の非劣性マージンは、6週間の死亡率については0.4ポイント、9ヵ月間の主要有害心イベントについては1.8ポイントとした。
主要エンドポイントに有意差認められず
結果、6週間死亡率は、心臓外科のない病院1.0%、ある病院0.9%だった(差:-0.04ポイント、95%信頼区間:-0.31~0.23、非劣性のP=0.004)。
9ヵ月主要有害心イベント発生率は、心臓外科のない病院12.1%、ある病院11.2%だった(同:0.92ポイント、0.04~1.80、非劣性のP=0.05)。
主要有害心イベントのうち、全死因死亡発生率(3.2%対3.2%)とQ波心筋梗塞発生率(3.1%対3.1%)については両者間に有意差は認められなかったが、標的血管血行再建術の施行率については心臓外科のない病院のほうが有意に高かった(6.5%対5.4%、P=0.01)。
http://pmc.carenet.com/?pmid=22443460&keiro=journal
23.Skin cells turned into healthy heart muscle cells
BBC News2012年5月23日
Scientist say they have managed to turn patients' own skin cells into healthy heart muscle in the lab.
Ultimately they hope this stem cell therapy could be used to treat heart failure patients.
As the transplanted cells are from the individual patient this could avoid the problem of tissue rejection, they told the European Heart Journal.
Early tests in animals proved promising but the experimental treatment is still years from being used in people.
Experts have increasingly been using stem cells to treat a variety of heart problems and other conditions like diabetes, Parkinsons disease or Alzheimer's.
Stem cells are important because they have the ability to become different cell types, and scientists are working on developing ways to get them to repair or regenerate damaged organs or tissues.
'New and exciting'
More than 750,000 people in the UK have heart failure.
It means the heart is not pumping blood around the body as well as it used to.
Researchers are looking at ways of fixing the damaged heart muscle.
In the latest study, the team in Israel took skin cells from two men with heart failure and mixed the cells up with a cocktail of genes and chemicals in the lab to create the stem cell treatment.
The cells that they created were identical to healthy heart muscle cells. When these beating cells were transplanted into a rat, they started to make connections with the surrounding heart tissue.
Lead researcher Professor Lior Gepstein, said: "What is new and exciting about our research is that we have shown that it's possible to take skin cells from an elderly patient with advanced heart failure and end up with his own beating cells in a laboratory dish that are healthy and young - the equivalent to the stage of his heart cells when just born."
The researchers say more work is needed before they can begin trials in humans.
Dr Mike Knapton of the British Heart Foundation, said: "This is a very promising area of study.
"However, we still have a way to go before these findings could be applied to the clinic."
http://www.bbc.co.uk/news/health-18158122
24.Patients Prefer More Invasive Form of Colon Scan: Study
They reported less pain with traditional colonoscopy than with 'virtual' imaging procedure
HealthDay News2012年5月22日
Patients undergoing colonoscopies frequently complain about having the procedure, which involves threading a camera through the colon to detect precancerous or cancerous growths.
But a new study has found that patients overwhelmingly preferred colonoscopy to the less invasive and less time-consuming CT-based colon scan.
Colonoscopy has long been the standard of care for colon cancer screening. Computed tomography (CT) colonography -- sometimes called "virtual colonoscopy" -- is a newer technology and involves simply scanning the abdomen to look for abnormalities.
Colon cancer is one of the most common cancers in the world but can largely be prevented with adequate screening.
For this study, 90 patients at average risk for colon cancer underwent CT colonography followed by a colonoscopy within the following two hours. They then answered 13 questions regarding their experience.
All participants underwent the same preparation for the procedure, involving drinking copious amounts of liquid the night before to clean out the bowel.
Three-quarters of the patients said they would opt for a traditional colonoscopy for their next examination.
The remaining one-quarter who preferred CT colonography said they did so because it took less time -- 10 minutes versus about 30 minutes for colonoscopy.
"Overall, patients would prefer colonoscopy for a repeat procedure," said Dr. Greg Rosenfeld, co-author of the study, which is being presented Tuesday at Digestive Disease Week meetings in San Diego.
Specifically, participants reported less anxiety and pain with a colonoscopy, as well as a slight preference for the endoscopy unit (used for colonoscopy) versus the radiation suite (used for CT colonography).
Rosenfeld, of the University of British Columbia in Vancouver, said the researchers were a "little bit surprised" by the findings, but attribute them to the fact that patients reported less pain with the colonoscopy.
Patients received mild sedation and were conscious during the colonoscopy. No sedation or painkiller was given for the CT colonography, which involves distending the stomach with carbon dioxide.
A second study presented at the conference found that patients' perception of the preparation required for a colonoscopy (often cited as onerous and uncomfortable) affected not only how clean the colon was but also how accurately polyps and adenomas were detected.
For this study, 430 patients undergoing colonoscopy completed an 18-point questionnaire regarding how clean their bowel was and other aspects of their experience with the procedure.
There was a correlation between how well the bowel was prepared and both how clean the bowel was at the time of the colonoscopy and how many adenomas were found.
"How many adenomas we found is directly associated with how many cancers develop and how many lives we could save," said study lead author Dr. Edward Holt, a gastroenterology fellow with California Pacific Medical Center in San Francisco.
After adjusting for various factors, women were found to be, overall, less satisfied with the experience. It's not clear why, but the fact that women are more likely than men to have irritable bowel syndrome may be related, Holt said.
Because the studies were presented at a medical meeting, the data and conclusions should be viewed as preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
The U.S. National Cancer Institute has more on colorectal cancer.
SOURCE: May 22, 2012, press conference with Greg Rosenfeld, M.D., University of British Columbia, Vancouver, Canada, and Edward Holt, M.D., gastroenterology fellow, California Pacific Medical Center, San Francisco; study abstracts, Digestive Disease Week 2012, San Diego
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=665020
25.Asthma Meds May Be Linked to Irregular Heartbeat
Early study found more arrhythmias in young people on certain inhalers
HealthDay News2012年5月22日
New research suggests that young asthma patients who use drugs known as inhaled anticholinergics -- such as ipratropium [Atrovent] -- could be more likely than others to suffer from potentially dangerous irregular heartbeat.
However, the increased risk was not seen for some types of anticholinergics.
"Obviously, this finding raises concern because of the recent interest in use of anticholinergics in asthma," study author Todd Lee of the University of Illinois at Chicago, said in a news release from the American Thoracic Society.
Still, "while we did find an increase in the risk of events associated with the use of anticholinergics, the overall number of events we found was relatively small," Lee said. "Therefore, the absolute risk of an event for an individual patient is relatively low."
Asthma patients use anticholinergic drugs when they have flare-ups to get quick relief. The medications have shown promise for use in the long term to prevent exacerbations, the release noted.
But based on research with patients who have chronic obstructive pulmonary disease, scientists wonder if the drugs could boost the risk of heart problems. In the new study, researchers studied data on more than 280,000 asthma patients aged 5 to 24. They found 7,656 new users of asthma drugs who had at least 6 months' usage and compared them to about 76,000 other patients.
The researchers found that those who used the drugs faced a risk of irregular heartbeat. The abstract of the study doesn't say how many developed the problem, but reports that the anticholinergic users had 1.56 times the risk of non-users.
The type of anticholingeric drug used made a difference. No signficant risk was seen for tiotropium (Spiriva) or with ipratropium when it was combined with other asthma drugs called short-acting beta agonists, like albuterol.
The increased risk was only seen with higher anticholinergic doses.
It's also not clear if the drugs are directly responsible for any increased risk. While the study found an association between anticholinergic use and irregular heartbeats, it did not prove a cause-and-effect relationship.
Dr. Alan Baptist, an assistant professor of allergy and immunology at the University of Michigan, said the study is useful, but cautioned that the patients who took the drugs -- which are typically considered a secondary option after other drugs -- might differ from other asthma patients.
"For example, patients are sometimes given ipratropium because they complain of 'racing heart' with albuterol, the first-line therapy," Baptist said. "Therefore, perhaps those patients given anticholinergics were at an increased baseline risk for an arrhythmia even before they received the anticholinergic."
What should doctors and patients do? "Always consider the risks and benefits of medications, step down medication level when asthma control is reached, and use the lowest dose possible," he said.
The study was scheduled for release Tuesday at an American Thoracic Society conference in San Francisco. The data and conclusions should be viewed as preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
For more about asthma, check the U.S. National Library of Medicine.
SOURCES: Alan P. Baptist, assistant professor, allergy and immunology, University of Michigan, Ann Arbor; May 22, 2012, presentation, American Thoracic Society meeting, San Francisco
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664846
26.Sleep Apnea 'Mask' Might Also Help the Heart
CPAP treatment was tied to lowered odds for high blood pressure, study found
HealthDay News2012年5月22日
New research suggests that treating obstructive sleep apnea, a common cause of snoring and daytime sleepiness, might also cut down on a serious health hazard associated with the condition -- the risk of developing high blood pressure.
Researchers in Spain examined the number of new cases of high blood pressure in two groups with sleep apnea who used continuous positive airway pressure therapy, or CPAP, for either about four or 11 years. CPAP involves the use of a mask to help push air into the lungs while asleep.
The results were published in a pair of studies in the May 23/30 issue of the Journal of the American Medical Association.
Both studies found that people who used CPAP, the most common treatment for sleep apnea, for at least four hours a night had lower rates of developing high blood pressure compared with those who were not prescribed CPAP or who used it less regularly.
"CPAP seems to have a protective effect in patients who use the machine properly," said Dr. José Marin, director of the Sleep Respiratory Unit at Miguel Servet University Hospital in Zaragoza, an author of both studies.
However, about 10 percent of people used the machine for fewer than four hours nightly, which is considered the minimum amount to see benefits, Marin said.
Many patients are uncomfortable with CPAP because it is inconvenient and the mask covers their nose while they sleep, or the person they sleep with does not like the noise the machine makes, Marin said.
But alternative treatments, such as surgery or mouth devices, generally don't work as well as CPAP, and there are less data suggesting they reduce the risk of high blood pressure, said Dr. Aneesa Das, assistant director of the sleep disorders program at the Ohio State University Wexner Medical Center.
A reduction in high blood pressure risk could also reduce the risk of other diseases, such as heart failure, which are more common in people with sleep apnea. "The idea is that there are probably multiple factors that are causing cardiovascular events and stroke [in sleep apnea patients], including [high blood pressure]," said Das.
It is estimated that 17 percent of U.S. adults have obstructive sleep apnea, which occurs when the airway closes during sleep and restricts breathing. It can cause people to wake up repeatedly and can lead to low levels of oxygen in the blood.
One of the studies included about 1,900 patients at Marin's sleep clinic who did not have high blood pressure. Their average age was 50.
The researchers assigned participants to CPAP treatment if they had severe obstructive sleep apnea or a less severe form along with daytime sleepiness. Then they measured their blood pressure each year for an average of 11 years.
The investigators found that patients with sleep apnea who used CPAP therapy were 29 percent less likely to develop high blood pressure during the study than the "control" group, which did not have sleep apnea and did not receive CPAP. However, as Marin pointed out, the people in the control group were "snorers, and they have been reported to have cardiovascular problems."
The researchers also found that patients with sleep apnea who did not use CPAP had higher rates of high blood pressure compared with the control group.
For example, the 10 percent of 922 participants who did not use CPAP at least four hours a night had a 78 percent higher risk of developing high blood pressure than the control group.
The researchers found that the lower risk of high blood pressure in the CPAP group could not be explained by differences in factors such as patients' body mass index (a measurement that takes into account height and weight), alcohol use or blood pressure at the beginning of the study.
However, there could still be differences between the CPAP-treated and untreated groups that could make the CPAP group less likely to develop high blood pressure, Marin said.
Marin and his colleagues conducted a second study in which they randomly assigned 725 patients who had obstructive sleep apnea but not daytime sleepiness to use CPAP or not to use CPAP. Then they tracked participants' blood pressure and heart disease for an average of four years.
At first the researchers did not see a statistically significant difference between the groups. However, 36 percent of the CPAP group was using the machine less than four hours a night.
In a follow-up analysis, which the authors pointed out may be open to bias, the researchers found that patients using CPAP for at least four hours a night were 28 percent less likely than the control group to develop high blood pressure.
Dr. Stuart Quan, professor of sleep medicine at Harvard Medical School in Boston, wasn't surprised by the findings. "I already believe that sleep apnea impacts [high blood pressure] and treating with CPAP reduces the risk, so these studies do not affect my way of thinking about this," he said.
Quan added that he prescribes CPAP to patients with at least moderate obstructive sleep apnea or those with sleep apnea and symptoms such as daytime sleepiness or mood problems.
Medicare requires patients to use CPAP at least four hours a night for 70 percent of nights to cover the treatment. The insurance deductible for CPAP is usually between $100 and $500, Quan said.
While the study uncovered an association between CPAP use and reduced risk of developing high blood pressure, it did not prove a cause-and-effect relationship.
More information
To learn more about sleep apnea, visit the U.S. National Heart, Lung, and Blood Institute.
SOURCES: José Marin, M.D., director, Sleep Respiratory Unit, Miguel Servet University Hospital, and professor, University of Zaragoza, Zaragoza, Spain; Aneesa Das, M.D., assistant director, Ohio State sleep disorders program, and assistant professor, pulmonology, allergy, critical care, sleep, Wexner Medical Center at Ohio State University, Columbus, Ohio; Stuart F. Quan, M.D., professor, sleep medicine, Harvard Medical School, Boston; May 23/30, 2012, Journal of the American Medical Association
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=665016
27.U.S. Sees Drop in Deaths Linked to Diabetes
Better control of risk factors, improved care making the difference, CDC says
HealthDay News2012年5月22日
Healthier lifestyles and better disease management led to a sharp drop in death rates for Americans with diabetes between 1997 and 2006, especially deaths caused by heart disease and stroke, a new federal government report shows.
During that time, deaths from all causes for Americans with diabetes fell by 23 percent and deaths caused by heart disease and stroke in this group declined by 40 percent, according to the analysis of 1997-2004 National Health Interview Survey data on nearly 250,000 adults.
One expert said the findings were reason for hope.
"The encouraging news that less diabetic patients are dying from heart disease and stroke is a testament to multiple factors that have changed the playing field," said Dr. Tara Narula, a cardiologist at Lenox Hill Hospital in New York City.
The study was conducted by researchers at the U.S. Centers for Disease Control and Prevention and the U.S. National Institutes of Health. They stressed that despite improvements in care, adults with diabetes are still more likely to die at a younger age than those without the disease. Nevertheless, the gap is narrowing, they said.
Contributing to the decline in death rates among people with diabetes were improved medical treatments for heart disease, better management of diabetes, better control of high blood pressure and high cholesterol, and healthy lifestyle changes among diabetes patients, who were less likely to smoke and more likely to be physically active than in the past.
Narula agreed, noting that improvements in drug therapy and control of risk factors have been key to keeping diabetic patients healthier for longer. Advances in the surgical care of heart disease have helped, too, she said.
"Finally, widespread educational campaigns about heart disease and diabetes have increased awareness in the general public and physician practice of how diabetes affects the cardiovascular system and the benefits of stricter blood sugar control," Narula said. All of these changes "have additive effects. So, while overall obesity and diabetes rates may be climbing, our approach to treating diabetics aggressively with medication, intervention and teaching has improved," she said.
However, Narula and the CDC researchers noted that obesity levels among people with diabetes continued to increase during the study period.
"Taking care of your heart through healthy lifestyle choices is making a difference, but Americans continue to die from a disease that can be prevented," Ann Albright, director of CDC's division of diabetes translation, said in a CDC news release. "Although the cardiovascular disease death rate for people with diabetes has dropped, it is still twice as high as for adults without diabetes."
The study was published May 22 in the journal Diabetes Care.
Previous research has found that rates of heart disease and stroke are declining for all U.S. adults, and those rates are dropping faster for people with diabetes for those without diabetes.
Recent CDC studies also found that people with diabetes have declining rates of kidney failure, amputation of feet and legs, and hospitalization for heart disease and stroke.
The number of Americans diagnosed with diabetes has tripled since 1980. The CDC estimates that 25.8 million Americans currently have diabetes, but 7 million of them are not aware they have the disease.
In 2009, diabetes was the seventh leading cause of death in the United States, and is the leading cause of new cases of kidney failure, blindness among adults younger than 75, and amputation of feet and legs not related to injury.
Medical costs for people with diabetes are more than twice as high as for people without diabetes. The estimated total costs of diabetes in the United States are $174 billion, including $116 in direct medical costs.
More information
The U.S. National Institute of Neurological Disorders and Stroke has more about type 2 diabetes.
SOURCES: Tara Narula, cardiologist, Lenox Hill Hospital, New York City; U.S. Centers for Disease Control and Prevention, news release, May 22, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=665017
28.Studies See Advances in Detecting, Treating Pancreatic Cancer
Early research includes a vaccine and a high-tech probe to spot signs of disease
HealthDay News2012年5月22日
Two preliminary studies suggest that some headway is being made in both the detection and treatment of pancreatic cancer.
On the treatment front, researchers from two Cleveland institutions said they have fashioned a vaccine that, in early trials, appears to kick-start the patient's immune system into attacking cancer cells.
The team -- from Case Western Reserve University School of Medicine and the Seidman Cancer Center at University Hospitals Case Medical Center in Cleveland -- stressed that the vaccine (called Algenpantucel-L) is not designed to prevent disease from occurring in the first place.
Initial testing, however, indicates that when used in conjunction with a standard six months of chemotherapy (with or without radiation) and surgical interventions, the vaccine may prolong short-term, disease-free survival, and perhaps even overall survival.
Lynn Matrisian, vice president of scientific and medical affairs at the Pancreatic Cancer Action Network, said the vaccine work shows promise.
"We are eager for the outcome of the phase III trial of the Algenpantucel-L vaccine," she said. "The phase II results are very encouraging, and the ongoing larger-scale, randomized phase III trial will determine the effectiveness of this novel treatment strategy."
On the detection front, a separate team of researchers from the Mayo Clinic in Jacksonville, Fla., said it has come up with a novel and minimally invasive method to screen for signs of pancreatic cancer at a much earlier stage than is currently possible.
Instead of standard image scanning or biopsies, the experimental method, called "polarization gating spectroscopy," uses a small fiber-optic endoscopic probe configured with a light to explore regions near to, but much more accessible than, the pancreas itself.
The goal: to spot telltale signs of regional blood vessel and blood oxygen changes that scientists view as indicators of adjacent pancreatic cancer.
Both studies are scheduled for presentation at the international Digestive Disease Week meeting this week in San Diego.
According to the U.S. National Cancer Institute, more than 37,000 men and women will die of pancreatic cancer in 2012.
Treatment obstacles are significant, given that tumor growth often festers under the radar, leaving most patients with a late-stage diagnosis when treatment options are of limited value.
Collectively, the study authors paint a grim bottom line. At best, only 5 percent of cases are curable. Without surgery, survival is about four to six months, while only 0.4 percent to 5 percent of patients make it to the five-year mark. Even with surgery, 70 percent of patients ultimately relapse and die.
And although encouraging, both of the new studies share an important caveat: Each involved just a small group of patients.
"Our work so far involved just 70 patients," said Dr. Jeffrey Hardacre, lead author of the vaccine study.
"Although now we already have under way a larger trial involving 700 patients at 50 cancer centers," added Hardacre, a surgical oncologist at University Hospitals Case Medical Center and an associate professor at Case Western. "And the results of that trial, which will probably be available in a couple of years, will provide a definitive yes or no as to whether this therapy will improve survival."
"But already," he continued, "we have seen that if you compare the patients from our study to patients treated in the past with the same type of standard therapies but without the vaccine, our patients had notable improvement in terms of survival."
Hardacre said standard treatment typically affords disease-free survival of roughly 11 months. By comparison, add in the Algenpantucel-L vaccine to surgery and chemo prolonged survival among his patients to the 14-plus month mark.
"That's a large difference in percentage terms, although our work so far looked only at disease-free survival, not overall survival," he said. "Overall is the most important parameter, so that is what we are looking at now."
Dr. Michael Wallace, the lead author of the detection study, said his team's findings are a cause for guarded optimism: a 100 percent success rate in spotting pancreatic cancer using the light-screening method.
The approach does, however, yield a significant number of false-positive results. What's more, the findings stem from an analysis of very early data concerning just 21 patients in a 30-patient pilot study.
"So now we plan to launch a 600-person trial across the U.S. and Europe in late summer to validate our findings regarding a novel diagnostic concept: to shine a light on the small intestine, as opposed to the tumor itself, and to see how that light bounces back and reveals changes in the surrounding blood supply that tumors need to grow," said Wallace, Mayo's chairman of the division of gastroenterology.
"The beauty here is that this is minimally invasive, and will hopefully help us to shift to early detection," he said. "Because, as things are today, the vast majority of patients are diagnosed way too late and simply cannot be cured."
For her part, Matrisian said only time will tell how effective the new detection method might be.
"The intestinal probe is an interesting concept and further work will determine whether this will be useful in the early detection of pancreatic cancer," she said.
Because the studies were presented at a medical meeting, the data and conclusions should be viewed as preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
For more on pancreatic cancer, visit the U.S. National Library of Medicine.
SOURCES: Lynn Matrisian, PhD, vice-president, scientific and medical affairs, Pancreatic Cancer Action Network, Manhattan Beach, Calif; Jeffrey Hardacre, M.D., surgical oncologist, University Hospitals Case Medical Center, and associate professor, Case Western Reserve University School of Medicine, Cleveland; Michael Wallace, M.D., gastroenterologist and chairman, division of gastroenterology, Mayo Clinic, Jacksonville, Fla.; May 22, 2012, presentation, Digestive Disease Week (May 19-22, 2012), San Diego
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=665009
29.Men Can Still Ask for PSA Test, and Some Should, Doctors Say
New guidelines on prostate cancer screening don't supersede physician-patient relationship, experts note
HealthDay News2012年5月22日
Although a U.S. advisory panel no longer recommends that men routinely undergo prostate cancer screening with a PSA blood test, men should ask their doctors for the exam if they're uncomfortable without monitoring, health experts say.
Urologists and cancer experts dismissed the idea that the U.S. Preventive Services Task Force's criticism of the PSA test will set a man's personal agenda or interfere with doctor-patient relationships. They acknowledged, however, that health insurers are likely to take notice of the new recommendation, released May 22 in the journal Annals of Internal Medicine, and potentially alter coverage of the screening test.
In abandoning earlier guidelines that called for screening to start at 50, the task force said the PSA test does more harm than good, resulting in overdiagnosis of many slow-growing cancers while prompting aggressive treatment that can leave men impotent or incontinent. The test measures blood levels of prostate-specific antigen, a protein produced by the prostate gland.
Judicious use of potentially risky tests and treatments can help mitigate those problems, said Dr. Sandip Prasad, a urologic oncology research fellow at the University of Chicago Medical Center.
"As we adopt smarter treatment strategies ... the goal is always to identify men who are going to die of prostate cancer. Taking away the PSA reduces our ability to do that," Prasad said. "Most of us are very open with our patients about the limits of PSA testing. Screening doesn't have to get this big ball rolling that takes you to the bottom of a hill."
About 28,000 American men will die of prostate cancer -- the second most common malignancy in men -- this year, according to the U.S. National Cancer Institute. Despite the PSA test's high false-positive rate, which can trigger painful and unnecessary biopsies, no other reliable screening test exists to detect prostate cancer.
Patients should discuss any concerns about testing -- or not testing -- with their doctor, experts said.
Dr. Otis Brawley, chief medical officer of the American Cancer Society, said better tests to determine not only the presence of prostate cancer but each case's true threat to patients have been held back from development because of the fixation on PSA testing. But Brawley and other experts said such future tests will likely focus on the specific genes at play in the malignancy.
"Truth be told, prostate cancer screening as a whole, and its progress, has been delayed because so many people have been adamant about doing PSA screening in the last 20 years and not assessing if it works," Brawley said.
Prasad called it "stunning" that imaging tests such as CT or MRI scans aren't often used to detect prostate cancer, as they are for many other malignancies.
"If we go back to diagnosing with symptoms ... it seems like a tremendous step backward," he said.
"Without the PSA, obviously we will diagnose fewer and fewer men," Prasad added. "But for the guys [in which] you pick it up five, seven or 10 years earlier, you can save their life. As physicians, we're called on to do that as best we can."
A better test will come, Brawley said, noting that "the science has advanced so much in the last five years."
Dr. Anthony D'Amico, chief of radiation oncology at Brigham and Women's Hospital in Boston, said pathology guidelines are needed that would better identify aggressive prostate cancers from less harmful versions.
"PSA diagnoses every cancer that walks, and not every prostate cancer that walks needs to be cured," he said. "The solution lies at the level of the pathologist... We need to sit down with them and come up with guidelines [about what constitutes high-grade prostate cancer]. It can be done, but it needs to be worked on."
Until then, some physicians fear that insurance companies will cut off coverage of the PSA test, creating a devastating disparity between those who can afford to pay for it out of pocket and those who can't. The latter group likely will include minorities and senior citizens, who already are at higher risk for developing prostate cancer.
"Older black and Hispanic men are going to have increases in prostate cancer because they won't have the opportunity for early detection," D'Amico said. "So I think we should screen high-risk populations, because we know who they are."
More information
To learn more about the PSA test, visit the U.S. National Cancer Institute.
SOURCES: Otis Brawley, M.D., M.P.H., chief medical officer, American Cancer Society, Atlanta; Sandip Prasad, M.D., urologic oncology research fellow, University of Chicago Medical Center; Anthony D'Amico, M.D., Ph.D., chief, radiation oncology, Brigham and Women's Hospital, Boston; May 22, 2012, Annals of Internal Medicine, online
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664951
30.Middle-Aged Diabetics May Need Earlier Colon Checks
Type 2 disease linked with higher risk of precancerous lesions in those 40 to 49, study finds
HealthDay News2012年5月22日
Researchers who say they've linked type 2 diabetes with earlier development of precancerous colon lesions recommend people with the blood sugar disorder start colorectal screenings at a younger age than others.
"Based on our data, it implies that people with diabetes should get screenings earlier, possibly at age 40, rather than at age 50," said Dr. Hongha Vu, a clinical gastroenterology fellow at Washington University in St. Louis.
However, another expert said more research is needed before making that recommendation. Also, the researchers cautioned that they can't say for sure that diabetes by itself raises the risk of the precancerous lesions and further study is required.
Experts know that diabetes is linked with an increased risk of colon and other cancers. Vu's team set out to determine if people with diabetes develop precancerous lesions, also called polyps or adenomas, earlier than people without diabetes.
The researchers compared the incidence of polyps in three groups of patients: those 40 to 49 with and without diabetes and those 50 to 59 without diabetes. Each group had 125 people.
All had colonoscopies between June 2005 and June 2011. In a colonoscopy, a doctor examines the large intestine with a long, thin tube that has a camera at the end. Any polyps found are removed so they can't progress to cancer.
The younger men and women with diabetes had a rate of polyps similar to the older people without diabetes, she found.
"We found that between the three groups, the adenoma detection rate in those 40 to 49 without diabetes was 14.4 percent, whereas it was significantly higher in those with diabetes in the same age range -- at 30.4 percent," she said. "This is a similar rate as those 50 to 59 without diabetes." The 50- to 59-year-olds had a rate of 32 percent, she found.
Vu took into account other risk factors, such as race, obesity and smoking, and still found that those in their 40s with diabetes had a higher rate of polyps.
She is scheduled to present her findings Tuesday at Digestive Disease Week in San Diego.
More than 25 million people in the United States have diabetes, according to the U.S. Centers for Disease Control and Prevention. Most have type 2 diabetes, in which the body doesn't properly use and produce insulin, a hormone needed to convert food into energy. Because diabetes cases are expected to soar in coming decades, partly driven by the obesity epidemic, the researchers believe the findings have important public health implications.
Without insurance, a colonoscopy costs about $1,200 or more.
Dr. John Petrini, past president of the American Society of Gastrointestinal Endoscopy, said the results are intriguing but need to be confirmed in larger studies.
"Is there something about that small group?" he asked. Only future studies can answer that, said Petrini, also a gastroenterologist at Sansum Clinic, Santa Barbara, Calif.
The American Diabetes Association declined to comment on the study. Currently, its standards of care states that diabetes (possibly only type 2) is linked with a higher risk of colorectal and other cancers. It advises those with diabetes to undergo "recommended age- and sex-appropriate cancer screenings and to reduce their modifiable cancer risk factors [obesity, smoking, physical inactivity]."
In 2008, the American College of Gastroenterology updated its guidelines for colorectal cancer screening, which now say current evidence supports a doctor's recommendation to screen earlier than age 50, perhaps age 45, for patients who have "an extreme smoking history or obesity." Many patients with diabetes are also obese.
Digestive Disease Week is sponsored by four societies: American Association for the Study of Liver Diseases; American Gastroenterological Association Institute; American Society for Gastrointestinal Endoscopy, and Society for Surgery of the Alimentary Tract.
Because this research was presented at a medical meeting, the data and conclusions should be viewed as preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
To learn more about colonoscopy, visit the American Gastroenterological Association.
SOURCES: Hongha T. Vu, M.D., gastroenterology fellow, Washington University, St. Louis; John Petrini, M.D., gastroenterologist, Sansum Clinic, Santa Barbara, Ca., and past president, American Society of Gastrointestinal Endoscopy; presentation, Digestive Disease Week, May 22, 2012, San Diego, Calif.
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664989
31.Colonoscopy May Detect Curable Cancer in Elderly: Study
Screening should be offered to healthy seniors who haven't been tested before, researchers say
HealthDay News2012年5月22日
Colonoscopies helped doctors detect a high rate of curable cancer in elderly people who had the screening for the first time, a new study indicates.
The findings suggest that screenings should be made available to otherwise healthy elderly people who have never been tested, Dr. Therese Kerwel, research fellow at Grand Rapids Medical Education Partners, and colleagues from Spectrum Health Medical Group in Grand Rapids, Mich., concluded.
For the study, the investigators examined information on 903 outpatient colonoscopies among elderly patients. Specifically, they investigated why these people, aged 76 to 85, underwent a colonoscopy and analyzed the results of the screenings.
The study revealed that patients who had never had a colonoscopy before had a cancer rate of 9.4 percent, much higher than those who had had the procedure before.
The findings are scheduled for presentation Tuesday at the Digestive Disease Week meeting in San Diego.
All of the patients diagnosed with colon cancer underwent successful surgery, the researchers noted in a meeting news release. In each of these cases the cancers had not yet spread throughout the patients' bodies. The study authors said their findings underscore the importance of colonoscopies.
However, they noted, the use of routine screening colonoscopy in the elderly has become controversial since the U.S. Preventive Services Task Force determined in 2008 that the risks of the procedure outweigh the benefits in people aged 76 and older.
But, Kerwel said, "It is worthwhile to offer a screening colonoscopy for elderly patients in good health and functional status who have never previously undergone the test."
The data and conclusions of research presented at medical meetings should be viewed as preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
The U.S. National Digestive Diseases Information Clearinghouse has more about colonoscopies.
SOURCE: Digestive Disease Week, news release, May 22, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664850
32.JMM:内部被曝通信 福島・浜通りから~体内の放射能分析は試行錯誤
遮蔽がホールボディーカウンターの性能を決める最も大事な要素であることは、以前のブログで紹介しました。その他にも性能を決めるいくつかの要因がありますが、今回は、もう一つの重要な要素であるスペクトル解析ソフトについてお話をしたいと思います。
大きな測定器を体に近づけて、体から発せられる微量の放射線を計測しているのが、そもそものホールボディーカウンターの原理です。周りで聞こえる騒音の中で(周りに飛び交う放射線の中で)、体から聞こえる小さな音(体から発せられている微量な放射線)を聞き分けているようなものです。出来るだけ周りの騒音が小さければ小さいほど、よりよく小さい音を聞き分けることが出来ます。
この後、聞き分けた音の中で(感知した放射線の中で)、この音ならセシウム134だ、いやセシウム137の音かな? というように、放射能を出す源を判別し、分離する作業があります。
この部分を担当しているのが、スペクトル解析ソフトです。ホールボディーカウンターにも食品の検査機にも搭載されています。セシウムを分離することだけを目的としたソフトや、色々な核種(放射線の元になる元素の種類)があることを漏らさず探すことを目的としたソフトなど様々です。
その器械が計測したスペクトルから、セシウム134や137を正確に分離し、最終的にベクレルの値を出すことが出来るかは、当然その器械の性能に直結します。
では、このソフトで何が問題になっているのでしょうか。小さい音である場合、セシウム134や137の分離を失敗することがあるのです。実際には存在しているのに「存在しない」と判断したり、間違って多く(少なく)見積もったり、違う種類の核種と間違えたりすることがあるのです。明らかに検出するときは、ソフトの動作は問題ないのですが、今現在我々がフォローのターゲットとしているような、検出限界ぎりぎりの値の解析の際には特に問題となります。
ホールボディーカウンターも類によって、このソフトの出来が大きく異なります。少しずれた場所をセシウムと判定するものもありました。「ソフトウエアの作成は、他の企業に委託してあり、よくわかりません」と言われたこともありました。
当院の現在の器械でも、判別に失敗する波形パターンがいくつか明らかになってきています。(もちろんセシウムを明らかに検出するときには、ほぼ失敗しませんが、検出限界ぎりぎりのラインのときには失敗することが多くなります。)今は、当院の放射線技師が手作業で、そのずれを修正してくれています。
この問題を解決するため、ソフトウェアの微調整を行っています。今週はじめ東大の早野先生を始め、企業のスタッフの方にも来院いただき、ディスカッションしながら最適な設定を見つけるための話し合いをしました。お忙しい中本当に感謝です。より正確に値が出るようにソフトの設定に微調整を加えました。
ROIを決めてしまい、net peak areaを計算してもらうようにはプログラミング上出来ず、ピークサーチの感度を下げ、色々な核種を無理矢理拾う方向に設定を変えました。うまく行くかどうかをテストしながら計測をさらに進めています。皆の努力で試行錯誤しながら、少しずつ問題点を解決して行くしかありません。
南相馬市立総合病院
坪倉正治
33.中央社会保険医療協議会総会(第225回)
◆医療機器の保険適用について
※Zilver PTX 薬剤溶出型末梢血管用ステント224,000円(2012年7月収載予定)ほか
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002agiu-att/2r9852000002agn4.pdf
※カネカPTAカテーテルPE-R4 特殊型・・・?何でしょうか?
※BARD ULTRAVERSE PTAバルーンカテーテル標準&特殊型(メディコン)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002agiu-att/2r9852000002anss.pdf
◆先進医療専門家会議の検討結果の報告について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002agiu-att/2r9852000002agmm.pdf
◆新医薬品の処方日数制限について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002agiu-att/2r9852000002au0y.pdf
◆公知申請とされた適応外薬の保険適用について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002agiu-att/2r9852000002ago4.pdf
◆新医薬品の処方日数制限について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002agiu-att/2r9852000002au0y.pdf
34.中央社会保険医療協議会 費用対効果評価専門部会(第1回)議事次第
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002a7mj.html
35.'疑義解釈 新7対1における夜勤平均時間に関するQ&A'
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken15/dl/zimu2-4.pdf#search
36.プレスリリース
1) NIH study finds sigmoidoscopy reduces colorectal cancer rates
http://www.nih.gov/news/health/may2012/nci-21.htm
2) Concentrated saline therapy not effective in young children with cystic fibrosis
NIH-funded study demonstrates importance of conducting pediatric clinical trials
http://www.nih.gov/news/health/may2012/nhlbi-21.htm
3) 東日本大震災による健常人の外傷性ストレス障害(PTSD)と脳萎縮の関連を解明
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20120516_02web.pdf
4) 脳にやさしく脳の中の神経の活動を知る技術
―脳表面から脳内部の神経活動を知ることに成功―
http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2012/05/post-211.html
May 22, 2012 [Clipping News]
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1.薬事行政監視進まず 政府、第三者機関設置の法案断念へ
2.補助人工心臓を再利用 国循・ニプロなど開発
3.尿の臭いで肺がん識別 パナソニックと名大が技術開発
4.抗生物質と心臓病死の関連で安全性情報―米当局
5.「肩甲骨ストレッチ」で頑固な肩こり解消 一人で手軽 仕事の合間にこまめに
6.肺高血圧症、治療可能な病気に 学びや成長、地域で支えて
7.「ジェネラリスト必要」、認識高まる◆Vol.2
8.今日もまたまたアルバイト Vol.2満足?不満?みんなのアルバイト事情
9.「支払基金」って何ですか?
10.問診票の見落としで禁忌薬を処方!医師のための薬の時間
11.高齢者の胃瘻管理を見直す 経口摂取の併用でQOL向上を目指す試みも
12.救急部門でのST上昇心筋梗塞疑い、36%は偽陽性
13.禁煙治療のバレニクリン使用で、重症心血管有害事象の増加はなし
14.高齢心房細動患者、脳卒中発症リスクは女性が男性より高い
15.推定GFRによる死亡や末期腎疾患予測、CKD-EPI式がMDRD式より正確に
16.「HDLコレステロール=善玉」に疑問符
17.インドメタシン単回直腸内投与、ERCP後膵炎予防
18.急性リンパ芽球性白血病(ALL)の予後不良、T細胞性などで
19.術中失血量が長期生存に影響するという仮説を支持
20.エタネルセプト、硬膜外ステロイド群に比し神経痛に無効
21.フィブラート薬処方、エゼチミブ群に比し腎転帰不良
22.学会ダイジェスト:第55回日本糖尿病学会
1) 食物繊維摂取の好影響、日本人2型糖尿病患者対象の大規模研究でも明らかに
2) 新規プレフィルド型注入器FlexTouchは低用量設定でも優れた注入精度
3) 夕食ボリューム型の食事で空腹時血糖、中性脂肪が高値に
4) 災害時・緊急時に最も重宝するインスリン製剤は超速効型、震災後の巡回診療の経験から
5) 高齢の2型糖尿病患者では拡張期血圧が認知機能低下と関連する可能性
23.Two patients get eye stem cells transplanted to restore sight
24.U.S. Advisers Say 'No' to Routine PSA Tests for Prostate Cancer
25.New Blood Thinner May Lower Chances of Clots in High-Risk Heart Patients: FDA
26.Vigorous Exercise Might Keep Psoriasis at Bay
27.Could Compound in Artificial Sweeteners Worsen Crohn's Disease?
28.More Research Points to Long-Term Ills With Bone Drugs
29.Dieting May Lower Hormone Levels Tied to Breast Cancer
30.Statins May Help Prevent Enlarged Prostate: Study
31.プレスリリース
1) がん治療薬ECI301のGMP生産に関するお知らせ
2) 国立がん研究センターと第一三共、包括的研究提携契約を締結
32.Other Topics
1) 大学や専門家の「権威」は失墜したほうが良い
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1.薬事行政監視進まず 政府、第三者機関設置の法案断念へ
朝日新聞社2012年5月22日
医薬品行政を監視する第三者機関のイメージ
薬害を防ぐために医薬品行政を監視する第三者機関を創設する法案について、厚生労働省は、今国会に政府として提出するのを断念する方針を固めた。創設は2年前に提言され、民主党の歴代厚労相が、今国会に法案を出すと明言してきたが、守られない公算が大きくなった。
小宮山洋子厚労相は21日夜、朝日新聞社の取材に対し、「政府案として今国会の提出は無理。議員立法で成立させてもらいたい」と述べた。
第三者機関は、医薬品の承認審査や安全対策が適切に実施されているかを監視し、副作用など安全性に関する情報を集めて必要な対策を厚労省に勧告する役割を担う。薬害肝炎を検証する委員会が2010年に提言した。提言では、委員には薬害被害者も入り、厚労省などから定期的に報告を受けるだけでなく、製薬企業や医療機関の情報を集めるよう厚労省に依頼できる、とした。独立性を担保するために、既存の審議会とは別に設けることを求めた。
2.補助人工心臓を再利用 国循・ニプロなど開発
日本経済新聞社2012年5月22日
国立循環器病研究センターはニプロや産業技術総合研究所と共同で新しい補助人工心臓を開発した。血液を送り出すポンプの部分だけ交換して再利用できるため、価格を従来品よりも安くできるという。1カ月ほど装着し、心臓移植など本格的な治療が必要かどうかを判断するのに使う。2年後の臨床試験(治験)を目指す。
補助人工心臓は弱った心臓につないで全身に血液を循環させるのを助ける。開発したのは体の外に取り付けるタイプで、心筋梗塞や狭心症など急性心不全の容体が安定しない患者に取り付ける。心機能が回復するかどうかを見極め、次の治療手段を決めるまでのつなぎ役として使う。次の患者に使う場合、ポンプの部分を取り換える。
直径約6センチメートル、長さ約12センチの円筒形で、重さ500グラムの補助人工心臓を試作した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の成果を生かした。
プラスチック製の羽根車を電磁石の力で回して心臓に血液を送る。羽根車はポンプ内で浮かせて回し、動作不良や症状悪化の原因になる血液の塊(血栓)ができにくい。
羽根車や容器の形状を数マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの精度で精密加工。羽根車の姿勢が安定し、ポンプ部分の壁などに衝突しないようにした。
3頭のヤギに取り付けて1カ月間動かしたところ、いずれも血栓の発生はなく経過は良好だったという。今後1年かけてさらにヤギ8頭で実験し、効果などを調べる。国循が中心となって医師主導型の治験を目指す。
急性心不全患者の6~7割は容体が不安定な状態が数日から1カ月ほど続く。その間に補助人工心臓を取り付け、長期間の使用を想定した埋め込み型補助人工心臓を移植するかを見極める。こうした用途に使うタイプは300万円以上する。
3.尿の臭いで肺がん識別 パナソニックと名大が技術開発
日本経済新聞社2012年5月22日
パナソニックと名古屋大学の花井陽介研究員らは、尿の臭い成分から肺がんかどうかを95%の精度で識別する技術を開発した。4種類の物質の比率などから判定する。がんが小さいうちに早期発見できるのか見極めながら、定期健診などに使う簡易検査法として、2020年ごろの実用化を目指す。
協力する米ペンシルベニア大学から肺がん患者約20人の尿の提供を受け、揮発して臭いのもとになる物質を詳しく調べた。強い臭いを出す2ペンタノンと呼ぶ物質など、4種類が肺がんと関わりが深いことを見つけた。
検査では、尿から揮発する物質を集め、バイオ研究に使われている質量分析装置で調べる。肺がん患者などの尿を調べたところ、患者を「肺がんの疑いあり」と判定する確率は約95%。一方、健康な人を「疑いなし」とする確率は70~100%だった。尿や血液を使う簡易検査法は約70%以上であれば実用的な水準にあるとされ、精度は十分に高いとみている。
肺がんには、がん細胞の形によって、腺がんや扁平(へんぺい)上皮がんなどがある。腺がん患者の尿は2ペンタノンが多かった。データを集めて調べれば、がんの種類も特定できる可能性があるという。
4.抗生物質と心臓病死の関連で安全性情報―米当局
Medical Tribune2012年5月22日
「相談せず服薬中止しないで」
5月17日付の米医学誌「New England Journal of Medicine」(2012; 366: 1881-1890)に報告された、抗生物質「アジスロマイシン」(商品名ジスロマックほか)と心筋梗塞などの心血管疾患による死亡(心血管死)リスクとの関連を示した検討結果を受け、米食品医薬品局(FDA)は医師や薬剤師に向けて安全性情報を発表した。同検討に関する精査を行い、対応を検討中であることを明らかにしたほか、現在アジスロマイシンを使用している患者に医師との相談なく服薬を中止しないよう呼び掛けている。
医師へは処方時の注意を喚起
アジスロマイシンを含むマクロライド系抗生物質の一部に不整脈を引き起こす副作用があることは、以前から指摘されている。FDAによると、マクロライド系薬の「クラリスロマイシン」(商品名クラリスほか)と「エリスロマイシン」(同エリスロシン)の警告欄には、重大な不整脈を引き起こすQT延長に関する情報が記載されている。
アジスロマイシンはその作用が小さいとされていたが、New England Journal of Medicine誌に発表された検討では、アジスロマイシンを使っていたグループで、心血管死のリスクが使っていないグループの2.88倍に上っていることが分かった。
この報告を受け、FDAは新たな情報の更新を行うとしている。その上で現時点では、患者へは医師への相談なく同薬の服用を中止しないこと、医師へはマクロライド系薬の処方に当たって患者にQT延長や不整脈のリスクがないかどうか、十分注意するよう呼び掛けている。
Zithromax (azithromycin): FDA Statement on risk of cardiovascular death
http://www.fda.gov/Safety/MedWatch/SafetyInformation/SafetyAlertsforHumanMedicalProducts/ucm304503.htm?source=govdelivery
5.「肩甲骨ストレッチ」で頑固な肩こり解消 一人で手軽 仕事の合間にこまめに
日本経済新聞社2012年5月22日
国民病ともいわれる肩こり。もんでもたたいても治らず、ひどくなると頭痛などの原因にもなる。パソコンで長時間作業をすると筋肉が収縮するなどして痛みが発生、その痛みのせいで筋肉がさらに硬くなる。そこで、専門家がすすめるのが「肩甲骨ストレッチ」だ。肩こりに関係の深い3つの筋肉を重点的にほぐして鍛えるという新しいストレッチ法だ。
女性では1位、男性でも腰痛に次いで2番目――。厚生労働省の国民生活基礎調査によると「気になる自覚症状」として、肩こりを挙げた人が男女とも上位を占めている。
肩こりはどうして起こるのか。法政大学の伊藤マモル教授(医学博士)は「筋肉の中やそばを通る血管が圧迫されている状態だ」と説明する。筋肉が過度に緊張した状態が続くと、硬くなって血管が収縮する。血液の流れが悪くなり、乳酸などの老廃物が筋肉にたまる。これらが神経を刺激すると「肩が凝った」という感覚につながるとされる。
■前かがみで筋肉に負荷
首や肩の周辺には、大小さまざまな筋肉がある。中でも、首や背骨の後ろから肩にかけて広がる僧帽筋(そうぼうきん)と、首筋にある肩甲挙筋(けんこうきょきん)は肩こりと関わりが深い。肩こりの症状が現れたとき、僧帽筋のうち首周辺の上部線維と肩甲挙筋が縮んだ状態になっている。
パソコン作業や家事で前かがみの姿勢を続けると、こうした筋肉は体を起こそうとしてフル回転で働く。特に、パソコンで長時間作業をしていると、顔が画面に近づき、肩が前に出てしまいがちで、筋肉に負荷がかかりやすい。
乾布摩擦のときのように、片手を上から、もう一方の手を下から背中に延ばす。指先が5センチメートル以上離れていれば、筋肉が縮んで硬くなっている証拠だ。マッサージを受けたり湿布を貼ったりする人も多いが、一時的に症状が軽くなるだけ。お金もかかるので、頻繁には利用しづらい。
「緊張して硬くなった首や肩周辺の筋肉をストレッチすれば、肩こりは解消できる」と伊藤教授は説明する。時間はかかるものの、効果は高いという。
肩甲骨は背中側の左右両肩の下にある大きな三角形の骨だ。肩こりに関わる3種類の筋肉はこの骨の周辺に集まっている。ここをストレッチで伸ばしてリラックスさせる。
■痛みを感じない程度に伸ばす
ストレッチのやり方は簡単だ。まず、正面を向いたまま頭を左に倒し、耳を左肩に近づけて止める。これを30秒間保つと、首から肩に広がる僧帽筋上部線維を伸ばせる。頭を左に向けて倒し、鼻を左肩に近づけて30秒間静止すると、首筋にある肩甲挙筋を伸ばせる。
痛みを感じない程度に伸ばすのがポイントだ。左に頭を傾けると、つられて右肩も上がろうとするため、右手で椅子をつかむとよいという。左右交互にやって、3セットを目安にする。
これで肩こりの症状をかなり解消できる。ただ、首都大学東京・健康福祉学部の竹井仁・准教授は「僧帽筋下部線維を鍛えることも心がけてほしい」と話す。肩や肩甲骨を下に引き下げる働きがあり、僧帽筋上部線維と肩甲挙筋が縮むと、伸びた状態になる。この筋肉を強くしてやれば、僧帽筋上部線維と肩甲挙筋が縮こまって硬くなるのを抑えられ、肩こりの予防につながる。
両腕を開いて肘から上を天井に向けたまま、肩甲骨を下方向に動かす。十分に下まで下がったと感じたらその状態を5秒維持し、その後元に戻す。この動作を10~20回繰り返す。上部線維と肩甲挙筋を伸ばす効果もある。
■パソコン作業中なら1時間に1回めど
「ストレッチはできるだけ頻繁にやった方がよい」と、竹井准教授はアドバイスする。例えば、パソコン作業中なら1時間に1回を目安にしたい。通常のデスクワークでも「疲れたな」と感じたらストレッチをやるようにする。こまめに実行すると血行もよくなり、肩こりを和らげる効果も高まる。
肩の痛みには、筋肉の緊張ではなく、病気が原因の場合もある。肩の関節周辺が炎症を起こす五十肩が思い浮かぶが、心臓病などの深刻な病気の前兆というケースもあり、要注意だ。1カ月以上ストレッチを続けても痛みが変わらなかったり、しびれが続いたりするようなら、専門医に受診することをおすすめしたい。
6.肺高血圧症、治療可能な病気に 学びや成長、地域で支えて
産経新聞社2012年5月22日
肺の血管が狭くなることで肺動脈の血圧が高くなり、心不全などを引き起こす肺高血圧症。かつては有効な治療法がなかった。しかし、この10年ほどの治療薬の進歩で、診断後に長期間生存する患者も増えてきた。ただ、まれな病気ということもあり病気について知らない人も多く、患者への理解や支援が十分とはいえないのが現状だ。
不安はないが…
難病情報センターによると、平成22年度の肺高血圧症の患者は2848人。効果の高い静脈注射(点滴)の治療薬が日本で使えるようになったのは11年で、前年の10年度に比べ、約8倍の患者数だ。
慶応大学医学部小児科学専任講師の福島裕之さんは「患者数の増加は、発症後も長く生きられるようになった人が増えたため。私が小児科医になった25年前は、子供の肺高血圧症は有効な治療薬がなく、診断後の平均余命は2・3年だった。今は多くの子供が生き延びることができるようになり、闘える病気になった」と話す。
プロスキーヤーの森幸さん(36)の長女、未瑠加ちゃん(3)は生まれてすぐ、新生児遷延性肺高血圧症と診断された。初めて聞く病名で、インターネットで調べたが、未瑠加ちゃんと同じような症状の子供はいなかった。医師から説明されても病気を受け止めらず、「どれぐらい生きられるんだろう」と不安な日々を送っていた。
前向きに考えられるようになったのは約1年前。患者会に入会し、患者やその家族らと情報交換するようになったことがきっかけだ。幸さんは「未瑠加が明るく過ごしているのを見て、大丈夫と思えるようになった。今は不安はありません」。
残念なのは、未瑠加ちゃんは日中も酸素吸入の必要があり、酸素ボンベを付けた姿を見た人が未瑠加ちゃんを重病と思ってしまうことだ。「公園などで、子供に近寄らないように言うお母さんもいた。未瑠加は自分から積極的に近寄っていき、一緒に遊ぶので心配してないが、病気についての理解がもっと広まってほしい」
普通の環境で学ぶ
今春、幼稚園から入園を断られた。酸素ボンベを扱うには常に大人が付き添う必要があることから、対応できないとのことだった。小学校も普通学級は難しいかもしれないと言われたという。主治医でもある福島さんは「未瑠加ちゃんが小学校入学時に24時間酸素吸入が必要だとしても、普通学級での受け入れは十分可能だと思う。できる限りのサポートをしたい」と話す。
文部科学省によると、酸素ボンベが手放せない子供でも普通学級で勉強している子供は全国にいるという。ただ、入学できるかどうかは地域の体制や子供の状態によって異なり、就学前に学校とよく話し合うことが大事になる。
福島さんは「学校は子供たちにとって社会生活の場。将来、本当の社会に出て社会人として生活できるように、できるだけ自然な環境を用意することが大切だ。そのためには地域の協力が不可欠。未瑠加ちゃんのような子供が普通の環境で学び成長できるよう、多くの人にこの病気について知ってもらいたい」と話している。
血管拡張薬で治療、肺移植も
肺高血圧症になると、全身に血液をうまく送れなくなる。初期は、息切れ▽疲れやすい▽立ちくらみがする▽顔や足がむくむ-などの症状が出る。患者は20~60代が多く、男女比は1対2・6で女性が多い。子供の患者は少ないが、就学前の健康診断で見つかることもある。
治療には、血管拡張薬や抗凝固薬が使われる。日本では静脈注射(点滴)か飲み薬しかないが、海外では吸入薬も使える。薬物療法で十分な効果が得られない場合、肺移植を行うこともある。脳死からの提供が少ない日本では親族から提供してもらう生体肺移植が多く、これまでに約100例が実施されている。
◆新生児遷延性肺高血圧症
http://mymed.jp/di/dsa.html
http://merckmanual.jp/mmpej/sec19/ch277/ch277f.html
◆Selective serotonin reuptake inhibitors during pregnancy and risk of persistent pulmonary hypertension in the newborn: population based cohort study from the five Nordic countries
http://www.bmj.com/content/344/bmj.d8012
◆肺高血圧症の治療:母子保健情報第62 号(2010 年11 月)
http://www.aiiku.or.jp/aiiku/jigyo/contents/kaisetsu/ks1103/62-13.pdf
7.「ジェネラリスト必要」、認識高まる◆Vol.2
ニーズに応えきれず、苦戦する総合医も
M3 2012年5月22日
――学生あるいは若手医師の総合医に対する関心は、高まってきているのでしょうか。
前野 高まってきていると思います。今、私がお話したイメージを持つ学生は決して少なくないと思います。
――医学部入学時点は、総合医的志向を持っていても、医学教育の6年間で、教員の大半は臓器別の専門医であるため、その講義を聞くうちに、次第に志向が変わるという話もお聞きします。
福井 専門医は、「自分が診たい病気だけを診ていたい」と考えるわけです。しかし、「自分の診たい病気を仕分けしてくれる医師」がどこかにいなければ、あらゆる病気を診なくてはならない。「仕分けする医師」の必要性は、誰が考えても当たり前の話です。ところが、大学の教授の多くは、自分が専門とする領域以外で何が起こっているかが分からなくなってしまいます。周囲の人が、「この教授は、この疾患しか診ない、あるいは診ることができない」と分かっているため、仕分けされた患者だけが教授に診察してもらう仕組みができ上がってしまうのです。したがって、教授は、日常的には全体的、総合的に診る医師がいかに重要かが、分からなくなってしまいます。診療体制のあり方や学生に大きな影響力を持っている教授が、患者を最初に診る段階での「仕分け」の重要性が分からなりやすい状況は不幸なことです。
――多くの大学教授には、先ほどの「1000人」の集団に、どのような患者層がいるかが理解できない。
福井 前野先生が言われた、「地域を丸ごと診る」ことを可能にするためには、「地域診断」、コミュニティー・ダイアグノーシス(Community Diagnosis)が必要ですが、日本ではこのような考え方をほとんど教えていない。公衆衛生学的な視点からの教育は日本では遅れているので、恐らく大部分の医師にとって、「地域診断」という言葉は、あまり馴染みがないかもしれません。一人の患者さんを、お金はいくらかかってもいいから治す、目の前の患者さんの問題さえ治せばいいと考える。日本では、地域全体を診るのではなく、一人の患者さんを診る、あるいは特殊な病気を診ることに大きな価値を見い出し、精力を費やしています。もちろん、このことは重要ですが、バランスが良くない。
――地域全体を診ることと、個々の患者さんを診ることのバランスの問題は、少しは改善されてきたのか。あるいは悪化しているのか。この辺りはいかがでしょうか。
福井 このまま放置すれば、狭い分野に特化する専門医がますます増え、バランスがさらに悪化する懸念があります。ただ、前野先生のように若い先生方が総合診療の分野に入ってきているので、その傾向はある程度、引き止められている面もあります。しかし、前野先生のような奇特な人がいなくなれば、狭い分野にしか興味を持たない医師だけが増える。なぜなら、サイエンスの面だけを見れば、狭い分野に特化する方が面白いからです。日本の医学部入試は偏差値が高い人を求める制度になっているため、結果的に諸外国と比べると、狭い領域の論文を書こうとする医師が多いように思います。
――では専門医の間では、総合医の必要性は浸透してきているのでしょうか。
前野 「ジェネラリストが必要」という認識は、ここ数年、かなり高まってきていると思います。ただ、それはどちらかと言うと、先ほど福井先生がおっしゃったように、「誰かに問題を整理してほしい」というニーズも大きいでしょう。専門医も、その領域内でますます専門特化、細分化してきている。自分の専門の仕事をするためには、それ以外の患者をスクリーニングし、自分の専門の患者のみを回してくれる医師が欲しいわけです。
福井 「自分が診たい病気だけを診ることができるシステムにしてほしい」という意味から、総合医的な医師がいた方がいい、と思っている専門医は多いと思います。
前野 私は専門医の1つのモデルとして、そういうスタンスはあっていいと思います。その代わり、「この領域は任せておけ」として、その領域については最高水準のものを提供していただければありがたいと思っています。
問題なのは、そのモデルが成り立つには、非常に多くの総合医が必要になる点です。医師の半分が総合医であれば、専門医が専門の領域に専念できる体制ができるでしょう。例えば、医師が100人いる病院なら、50人の総合医がいればいいですが、そこまで総合医がいる病院はほとんどない。現実には、総合医が5人しかいないような病院も多いと思いますが、その場合、専門医の先生方から、その5人に50人分の仕事を要求されると厳しい。全国で苦戦している総合医の先生方の話をお聞きすると、特にこの点の問題が大きい。
私は、「できる」には、二つの意味があると思います。一つは能力的にできる、もう一つは労力としてできるということ。能力的には、専門医がスーパーバイズするという条件下であれば、総合医は入院患者のかなりの部分を診ることができると思うのです。しかし、それにはマンパワーが圧倒的に足りない。その結果、能力的には診ることができても、労力的には無理という問題が必ず発生する。そうなると、総合医は(能力的に)診られる患者を全部引き受けるとつぶれてしまいますので、あるところで線を引いて断るしかなくなる。そうなると、専門医から見ると、「何でも診られると言ったのに、なぜ診ないのか」となる。
それから、我々が最初に診て、それから専門医にお願いするケースでも、専門医から見れば、総合医の手際は良くないように映ることもあります。もちろん、我々も専門医の先生に信頼してもらえるようにスキルを磨いていかなければならないのですが、それぞれの専門分野の診療で専門医が優れているのはある意味で当たり前ですし、また「後医は名医」という要素も働く部分もあるでしょう。結果として、専門医は、「コンサルトが遅い」とか、「なぜ先にこの検査をしなかったのか」と見てしまう。その結果「総合医は能力も低く、期待通りの仕事もしてくれない」となり、マイナスイメージが生まれる。臨床実習に来た学生には、「あんなところ行くな」と言う。こうした構図があるように思います。
8.今日もまたまたアルバイト Vol.2満足?不満?みんなのアルバイト事情
日経メディカル2012年5月22日
アルバイトで最も多いのは「外来業務」で50.3%。以下、「健診」、「日当直」(共に10.5%)と続く(Q7)。「その他」として挙げられた業務には、内視鏡などの検査やX線やCTの読影、麻酔などがあった。
また、バイトで従事する診療内容が「自分の専門と関連する」との回答は約7割(Q8)。Q7で「手術・処置」と答えた医師において、「自分の専門」との回答が93.3%と高いのは当然だろうが、外来についても84.4%が「自分の専門」と回答した。一方、日当直では、「自身の専門と関連している」との回答は49.2%にとどまった。
バイト先については、63.4%が「満足している」と回答(Q9)。その理由としては、「忙しすぎない」が67.9%と最も多く、「勤務先のスタッフの雰囲気がいい」が39.7%で続いた。
常に忙しい医師にとって、「バイトはせざるを得なくても、せめてゆっくりしたい」というのが本音のようだ。
一方、バイト先に「満足していない」との回答は、バイト内容が専門関連の場合で12.7%、専門外で16.1%。不満の最大の理由はともに「時給が低い」だったが、専門関連(55.4%)と専門外(70.0%)の間にはやはり差があった。専門性の有無が時給に反映され、医師の満足度を左右しているのかもしれない。
私が経験したこんなアルバイト
Episode 1
当直明けの競輪場は昼寝の時間だった
山田朋子氏(匿名)
内科、40歳代
私にとって、競輪場は「当直明けに寝に行く場所」でした。大学医局入局後、すぐに派遣されたのは3次救急を担う市立病院。当然ながら忙しく、当直時には眠る余裕もありませんでした。そして当直明けの研修医は、市が運営する競輪場の医務室にそのまま“出勤”。医務室奥にあった、医師向けベッドで休みを取っていたのです。
競輪の選手は体を鍛えていますし、落車もそうあることではないですから、医務室で仕事があるのは健診のときくらい。車券を買いにきたお客さんを診察した記憶もありません。鍛えあげられた競輪選手の肉体美は今でも鮮明に記憶に残っています(笑)。競輪選手と仲良くなり、一緒に遊びに行っていた同期もいたようです。
Episode 2
バンド経験者として志願した“フジロック”バイト
鈴木進一氏
Shinichi Suzuki
鈴木医院院長●1998年聖マリアンナ医大卒。同大第一内科に入局後、横浜旭中央総合病院(横浜市旭区)などを経て現職。
バンドを組んでいた私にとって、コンサートの医務室のバイトは特別なものでした。医師紹介会社には、コンサートの医務スタッフのバイトの求人があるときは声をかけてもらうようお願いしていたので、アイドルのコンサートも含めていろいろ行きました。
中でも4年間、医務スタッフとして働いたフジロックフェスティバルは印象的でしたね。通常、医務室に音は聞こえないのですが、“フジロック”は医師が控えるテントからも舞台が見えました。バイトに来る医師たちも音楽好きばかりで、修学旅行みたいでしたね。
ただ、舞台からダイブしてけがしたり、飲酒してケンカした患者など外傷例が多く、仕事は必ずしも楽ではありませんでしたが(笑)。
まだまだある 珍しいアルバイト
●ホテルのスキー場診療所。給料は安かったが、スキーし放題リフト代無料、ホテルでの食事も無料、ホテル宿泊も優待料金だった。(40歳代、麻酔科)
●高校のヨーロッパ修学旅行の添乗。副担任がダウンしてしまい(恐らくノロウィルス感染)、成田まで飛行機に乗せられるかどうか、ぎりぎりまで迷って大変だった。(40歳代、整形外科)
●離島での健診業務。会議室の机を内視鏡の処置台にするなどの苦労はあったが、勉強になった。(30歳代、内科)
●3日間だけではあったが、船医として俗世間から離れた暮らしができた。(40代、外科)
●温泉旅館の従業員健診で、健診後に豪華な食事をいただいた。(30代、基礎)
調査概要
日経メディカルオンラインの医師会員を対象にWebアンケートを実施。期間は2012年1月31日~2月14日。有効回答は1021人。性別●男性904人/女性105人年齢●20歳代55人/30歳代269人/40歳代365人/50歳代170人/60歳以上58人 勤務形態●勤務医840人/開業医130人/その他(研究施設、行政機関、企業など)51人
9.「支払基金」って何ですか?
社会保険診療報酬支払基金専務理事の足利聖治氏に聞く(その1)
日経メディカル2012年5月22日
医療機関や薬局の収入を左右する社会保険診療報酬支払基金による査定。提出したレセプトが“削られ”、不満を感じたことのある医療関係者も多いはずだ。専務理事の足利氏に話を聞いた。インタビューの1回目は支払基金の仕組みについて、2回目は縦覧・突合点検など、支払基金が始めた新しい試みについて紹介する。
-支払基金の業務を一言で説明すると、何を行っているところと言えばいいのでしょうか。
足利 社会保険診療報酬支払基金法に定められた、保険診療に係る、医療費の迅速適正な支払業務と診療報酬請求書の審査業務です。
本来、医療費の請求は各保険医療機関や薬局がそれぞれの保険者(健康保険組合や共済組合など)に請求するもの。ですが、全国22万7000カ所の医療機関が、1万3000の保険者と公費負担医療の実施機関などに請求するとなると大変です。そこで、支払基金が各医療機関等からの医療費の請求を受け付ける窓口となり、都道府県単位で受け付けた医療費の請求が正しいか審査したうえで、それを保険者へ請求し、保険者からその医療費の支払を受け、それを医療機関等へ支払っているわけです。
これは、保険者の委託を受けて実施しているわけで、そのために必要な事務費(運営コスト)を保険者に負担していただいています。
-審査業務についてもう少し伺います。すべてのレセプトを、医師がチェックしているわけではないですよね。
足利 毎月7400万件、1年で8億9000万件のレセプトが支払基金に集まります。これをすべて医師などの審査委員がチェックするのは物理的に不可能です。まず事務職員が事前にレセプトを点検して、保険診療ルールに適合していないと思われる項目に疑義付箋を付け、それを審査委員が重点的にチェックします。
紙レセプトは、人による目視でのチェックで行わざるを得なかったのですが、電子請求されたレセプトについては、すべてコンピューターチェックを行います。ただ、医学的な妥当性も吟味する必要がありますから、いずれにしても最後は審査委員の目を通すことになります。
医薬品の適応に関しては、コンピューターによるチェックで、チェックしたレセプトの3.2%に疑義付箋が付きます。それを職員が点検し、さらに審査委員がチェックする流れです。最終的に査定されるのは、コンピューターで疑義付箋が付いたものの1割ほどです。
-審査委員を務められる医師はどのような方々なのでしょうか。審査委員の専門によって、審査内容が変わってきそうな気もするのですが…。
足利 審査委員会は、「診療担当者を代表とする者、保険者を代表する者及び学識経験者の三者から同数を委嘱すること」と法律で定められており、それぞれの関係団体から推薦された方が審査委員を務めています。
足利 個別の診療行為については、各審査委員の専門性・診療科に応じて審査いただいており、最終的には審査委員会の合議により決定されます。また、決定に不服があれば、保険者、医療機関のどちらからも再審査を請求できる仕組みになっていますから、そうした問題はないと考えています。
-地域ごとに査定の基準が違いすぎるとの指摘もよく耳にします。
足利 そのような指摘があることは認識しています。そのため、1995年に支部間の違いを議論するための「審査に関する支部間差異解消のための検討委員会」を設置し、具体的事案に沿った検討・協議を行ってきました。現在、支部間で見解が異なる場合は本部に設置した中央検討委員会で議論しています。また、2004年には、「審査情報検討委員会」を設置し、審査上の一般的取扱いについて情報提供するなど、支部間の差異解消に努めています
-支払基金が設置されたのは戦後まもない1948年です。50年近く経ってから対策を講じるというのはいささか遅すぎのように思えますが、徐々に問題が顕在化してきたということでしょうか。
足利 審査は支部ごとに設けられた審査委員会で行われる仕組みですが、支部間において差異があるということは以前より保険者の方から指摘されてきました。遅いという批判はあるにせよ、それを受けて検討委員会などを設けたわけです。さらには2009年5月、支払基金内に設置した「今後の審査委員会のあり方に関する検討会」の報告を踏まえて、2010年6月からは専門領域の審査について話し合うために他支部に相談・協議を行えるような体制整備や、「審査委員長等ブロック別会議」を開催して審査委員会間の情報交換を行うなど、審査委員会の機能の強化を図っています。
-2009年に行った、福岡県と山口県とでレセプトを交換して再度審査する取り組みも、その一貫ということですね。
足利 支部ごとの査定の違いについて、過去には「医療機関の集中度合いや、高次機能病院の数なども影響し、提出されているレセプト自体が違うため」といった説明もしていました。そうした説明が正しいのか、実際にレセプトを交換して確認してみようとなったのです。
福岡県と山口県は関門海峡を挟んで隣接していますが、福岡県は査定がきびしく、山口はそうでもないと言われ、実際、査定実績にも3.6倍の差がありました。そこで審査が終わったレセプトを両県で交換し、さらに、第三者的立場として、千葉県の審査委員の先生も加わって改めて審査していただいたのです。その結果、同じレセプトの審査でも、福岡と山口とでは査定となる件数で7.6倍、同じく点数で8.2倍の差があることが判明しました。
もちろん、同じ福岡でも審査にたずさわった審査委員も異なりますし、「本番」かどうかなど置かれた状況が違いますので単純に判断できるものではありません。ですが、追加調査ではその差異の原因が「医学的判断のとらえ方の違い」という微妙なところにあるものが少なくなかったのです。
これを踏まえて、今後はレセプト審査の中で最もウェイトが高い医薬品の適応などについて、まずはコンピューターチェックを充実させてばらつきを抑え、平準化していきたいと考えています。
足利 また、今年からは、審査事務に関する職員の理解度の把握も始めました。最終的に審査するのは審査委員の先生ですが、職員は審査委員会の審査が効率的に行われるよう審査を補助し、支援する業務(審査事務)を行っています。これまでも研修やe-Learningは行ってきましたが、全国で同じ課題で理解度を確認することは行っていませんでした。2回目以降のスケジュールは決まっていませんが、四半期に1度くらいは行いたいと考えています。
-医療機関からは審査内容自体だけでなく、返戻についての不満を聞くことも少なくありません。例えば、「不適格と言われても、何が問題なのか分からない」とのことですが…。
足利 返戻理由について、審査委員が直接説明する場を積極的に作ることでそのような不満は解消していきたいと考えています。2010年6月からは、常勤の医師を「医療顧問」として各支部に配置し、これまで以上に個別に説明していただくようにしています。医師への説明ですから、医師が直接説明することで理解につながると考えています。医療顧問は現在、全国で医科69人、歯科32人。まだ医療顧問のいない支部も6つありますが、2012年度中には整備したいですね。
-「病名の記載漏れなどの単純ミスで、一発でアウトになるのはつらい」という声もあります。「単なるミスなのに、再審査請求するチャンスはないのか」と。
足利 支払基金においては、適正なレセプトの提出につながるよう、電子レセプト提出前にWeb上でチェックできるASPシステムを提供したり、審査委員や職員が連絡するなどの働きかけをしています。また、大半が査定となるようなものなど、一律に審査決定することが困難なものは「返戻」としています。こういう取組みを踏まえても、なおかつなされる単純ミスについては保険診療のルールで対応すべきものと理解していただけないでしょうか。長年行われてきている保険請求だからこそ、単純な請求漏れを機械的に補正していくのは適切ではないと思います。
-支払基金自体がムダではないかとの批判もあります。
足利 年間800億円の予算をかけて、200億円の査定を行っていることを疑問視される向きもありますが、われわれは医療費の適正化のための組織ではないのです。金額の多寡による批判は当たりません。窃盗による被害以上の額を、警察の維持のために使っていたとして、「警察を廃止しろ」という議論にならないのと同じです。適切な診療ルールにのっとった診療を行っていただくことを担保するのがわれわれの役目。また、その費用についても、電算化によって効率化し、保険者の手数料を引き下げています。
-「支払基金は厚労省の天下り機関だ」という批判に対してはいかがでしょうか。
足利 確かに過去は厚生労働省の出身者が理事、理事長に就いていました。また、私自身は厚労省の出身です。ですが、現在の河内山理事長は、山口県柳井市の市長を16年間務めた人物で、厚労省のOBではありません。また、私も含めて、理事長以下3人の理事は公募で書類選考と面接を経て選ばれています。公募要綱はWebサイト上で公開されていましたし、選考委員会は保険者、被保険者、診療担当者、学識系経験者の4つのステークホルダーから選考委員を出していただき、理事会とは独立して行われました。これまで、“天下り”と指摘されてきたポストは4つありましたが、現在厚労省のOBは私一人、しかも公募です。大きく変わっています。
◆足利聖治●あしかがしょうじ氏 1977年東京大学法学部卒、同年厚生省(現厚生労働省)入省。年金局年金課、保健医療局老人保健課などを経て、07年8月北海道厚生局長で退職。同年10月より社会保険診療報酬支払基金専務理事。
10.問診票の見落としで禁忌薬を処方!医師のための薬の時間
日経メディカル2012年5月22日
<処方せんの具体的内容は>
70歳代の女性
<処方1> 眼科
クラビット点眼液 0.5% 1本(5mL) 1日3回 左眼に点眼
フルメトロン点眼液 0.1% 1本(5mL) 1日4回 左眼に点眼
AZ 点眼液 0.02% 1本(5mL) 1日4回 右眼に点眼
ミロル点眼液 0.5% 1本(5mL) 1日1回 朝左眼に点眼
<何が起こりましたか?>
・問診票の既往歴の項目を見落とし、喘息患者にβ遮断薬のミロル点眼液 0.5% <レボブノロール>を処方してしまった。
<どのような過程で起こりましたか?>
・当該患者はこれまで他の眼科にかかっていたが、状態が芳しくなく当眼科を受診した。
・当院では受付時に患者に問診票を用いて、症状や既往歴、アレルギーなどを記入してもらっていた。
・左眼の炎症に対する処方に加え、眼圧が高かったことから点眼液を処方しようとしたが、問診票に書かれていた喘息の既往歴を見落としてしまい、喘息患者に禁忌となっているβ遮断薬のミロル点眼液<レボブノロール>を処方してしまった。
<どのような状態になりましたか>
・調剤薬局から電話があり問診票を再確認したところ、患者が喘息であることが分かった。
・ミロル点眼液を中止し、処方を変更したため、患者に有害事象は発生しなかった。
<なぜ起こったのでしょうか?>
・当院で用いている問診票は、既往歴を選択式で回答し、その下に具体的な症状、服用中の薬などを記入してもらう形式になっていた。患者はその設問で「喘息」の選択肢に黒ボールペンでチェックマークを付けていたが、具体的な治療については記入しておらず、ぱっと見では気づきにくくかった。
・診療時には問診票を確認したのみで、口頭での既往歴の確認を行わなかった。
<二度と起こさないためには今後どうしますか?>
・見落としがないよう、診察時に問診票の内容を患者と一緒に再度確認する。
・また、重要な内容については、問診票に記入されていない場合でも「問診票には既往歴がないとかかれていますが、喘息はありませんか」等、患者に口頭で確認するようにする。
・問診票の設問やレイアウト、設置するペンの色などを変更し、選択された項目や記載が一目でわかるように工夫をしておく。
・喘息など、診療科で特に問題となりやすい疾患については独立した設問を設定するなど、患者が既往歴(現病歴)の重要性を理解していなくても、記入漏れが起こらないよう工夫をする。
11.高齢者の胃瘻管理を見直す 経口摂取の併用でQOL向上を目指す試みも
日経メディカル2012年5月22日
高齢患者に対する胃瘻の造設や管理を見直す動きが活発化してきた。学会は、「人工栄養を導入しない」選択肢も患者や家族に示すことを求める指針案を作成。経口摂取の併用を試みる施設も増えている。
高齢患者に造設された胃瘻。腹壁外に出ているボタンを開いて栄養剤を投与する。
日本老年医学会は2011年12月、摂食嚥下障害のある高齢患者に対して、胃瘻をはじめとする人工栄養を導入するかどうか決定する際の意思決定過程についてのガイドライン試案を作成した。試案では、人工栄養を導入しないことも選択肢として示した上で、医療者が患者の価値観や死生観を尊重したり、家族と一緒に患者の意思を推定するなどして最善の決定を目指すべきだとした。試案はパブリックコメントを経て、今夏にも学会のガイドラインとして策定される見通しだ。
胃瘻とは、経腸栄養の一種であり、腹壁を介して胃内に直接チューブを留置する方法(別掲記事参照)。全日本病院協会が10年に実施したアンケート調査によると、国内の胃瘻造設者数は約26万人。神経疾患患者に対する水分・栄養の補給や薬剤投与、頭頸部癌患者や食道癌患者の周術期の栄養管理、癌性腹膜炎の減圧などに使われる。
「導入しない」選択肢も示す
しかし摂食嚥下機能が低下した高齢患者を中心に、安易に造設される例も少なくない。病院では疾患の治療終了後も経口で十分な栄養を摂取できなければ、胃瘻の造設が検討される。人手が限られる介護施設にとっても、経口摂取が難しい入所者に対して食事介助を行うのは手間がかかる。人工栄養を導入しないという選択肢が示されないまま、病院や療養先の事情で胃瘻造設に至るケースもある。
もっとも、「認知症や加齢で嚥下機能が衰えて栄養状態が悪化したり、誤嚥性肺炎を繰り返す高齢患者、かなり高齢になってから脳血管疾患を発症した患者に対する胃瘻造設については判断が難しい」と草津総合病院(滋賀県草津市)消化器内科副部長の伊藤明彦氏は話す。こうした患者は、胃瘻を造設すれば、造設しない場合に比べて生存期間が延びる可能性が高い。
ただし、若年の患者に比べれば胃瘻造設後、再び経口から十分な栄養を摂取できるようになる可能性は低く、認知機能やADLが落ちて終日臥床で過ごし、そのまま終末期を迎えることも考えられる。在宅医療を手掛けるたんぽぽクリニック(愛媛県松山市)理事長の永井康徳氏は、「患者や家族に『導入しない』という選択肢を示すことは、これまでタブー視されていた面がある。今後、『導入しない』という選択肢が示されれば、こうした高齢患者への胃瘻造設を差し控える例が増えるのではないか」と話す。
一方で造設を希望する患者に対しては、「最良と思われる方法で造設・管理し、最期は胃瘻を上手に使って看取りまで提供することが必要だ」と、鶴岡協立病院(山形県鶴岡市)消化器内科科長の高橋美香子氏は指摘する。
嚥下機能評価などを徹底
国内では、言語聴覚士(ST)や摂食・嚥下障害看護認定看護師など、嚥下機能の評価や嚥下リハビリテーションを専門とする医療者の数が限られていることなどから、高齢患者は嚥下機能評価やリハビリの対象になりにくかった。胃瘻造設時に嚥下機能が落ちていると判断され、「誤嚥の可能性があるので経口摂取しないでください」と言われる高齢患者も多い。療養先の介護施設などで、寝たきりで胃瘻から栄養を摂取するだけとなり、認知機能やADLが下がったままという例も珍しくない。
しかし近年、胃瘻を造設した高齢患者に対しても、専門の外来などを設けて積極的に嚥下機能評価やリハビリを行ったり、経口摂取を試みる動きが出ている。嚥下リハビリの第一人者である浜松市リハビリテーション病院病院長の藤島一郎氏は、「残された機能を使ったり、適切な訓練を行えば、高齢患者でも少しは食べられるようになる。口腔ケアを実施し、無理のない範囲でリハビリすることが大切だ」と話す。
草津総合病院では、03年に栄養サポートチーム(NST)が発足したのを機に、看護師や栄養士、ST、歯科衛生士などが口腔ケアや嚥下機能評価、リハビリ、嚥下食の提供を行う体制を整えた。04年には、院内のクリティカルパスを改訂。同病院で胃瘻を造設した患者に対し、栄養状態の評価や嚥下造影による嚥下機能評価を徹底し、どのような形態の食事なら経口摂取できるかを見極めて、できるだけ経口摂取を併用させるようにした。同病院の伊藤氏は「以前は、主治医が食べられるかもしれないと思ったときに嚥下機能評価を行ったり、経口摂取させてみる程度だった。しかし今では、NSTの専門チームが嚥下機能評価を行って、食形態や必要なリハビリについて指示を出し、主治医はそれに従うようになった」と語る。
経口摂取の可能性がある患者をくまなく拾い上げた結果、胃瘻を造設した入院患者のうち、経口摂取を併用する患者は10%以下から20%超に増加。05年からは在宅療養患者や介護施設の入所者に対しても、専門の外来を設置して嚥下機能評価を行うなどしている。同病院では現在、胃瘻造設前などに嚥下機能を調べる患者も含め、年間150回以上の嚥下造影を行っており、その多くを高齢患者が占めている。伊藤氏は、「経口摂取の併用をきっかけに、発語が増えたりADLが向上した高齢患者もいる。一口だけでも経口摂取を併用し、胃瘻造設後もQOLの向上を目指すことが大切だと考えている」と話す。
胃瘻でも常食を経口摂取
介護施設においても、同様の動きが出ている。特別養護老人ホーム(特養)のしらゆりの園(沖縄県南城市)では昨年、胃瘻を造設していた9人全員が経口で必要な栄養を摂取できるようになった(症例1)。
症例1 3食とも常食が経口摂取できるようになった1例(友名氏による)
【症例】
91歳、女性。要介護5。
【既往歴】
神経因性膀胱、左尿管結石、狭心症、高血圧、大腿骨頸部骨折、急性心筋梗塞。
【家族】
同居家族はなし。身元引受人は姉妹。
【経過】
6年前に85歳で当施設に入所。主食は粥、副食はキザミ食を自力で経口摂取。2年前、左脳皮質下出血で入院し、尿路感染を合併。入院中、血圧が低下。経口摂取が困難となり、胃瘻を造設して退院。退院後、「経口摂取ができればうれしい」との身元引受人の意向を確認した。
退院翌日から、2500mL/日を目指して水分量を漸増しながら水分と高栄養流動食を投与。退院2カ月後、嚥下リハビリ(アイスマッサージなど)を行い、経口での水分摂取の訓練を開始。活気が出て、発語が多くなる。スプーンを持って、自力で口に運ぶ動作が見られたことなどから、退院5カ月後に少量のペースト食の提供を試みる。経口からの水分摂取が増加したため、胃瘻からの水分投与を止める。
退院11カ月後に外食。嚥下リハビリを行った後、常食の約半分を経口摂取。その日以降、常食の経口摂取量が増加。退院13カ月後には常食(3食)を自力で経口摂取できるようになった。常食化直後は体調を崩すことが多かったが、その後、離床時間も増加。現在は食事の際、座位で介助なしで常食を経口摂取。体調を崩すことも減った。
しらゆりの園が実践したのは、国際医療福祉大大学院教授の竹内孝仁氏の理論。同氏は特養における研究から、必要以上に食事の介助をすると高齢者が自分のペースで咀嚼できず、かえってむせや誤嚥を引き起こすことや、キザミ食やペースト食よりも通常の食事(常食)を食べた方が活発な咀嚼や舌の動きが誘発され、むせが少なくなることなどを見いだした。「経口で常食を取らせるには、十分な水分を投与して覚醒レベルを上げ、椅子に座って良い姿勢を保った上で、自分のペースでゆっくり食べることが欠かせない」と竹内氏は言う。
しらゆりの園では以前から、(1)口腔ケアを導入する、(2)十分な水分を投与して覚醒レベルを上げる、(3)日中離床させて寝たきりにしない、(4)胃瘻からの栄養剤投与も含めて椅子に座っての食事を徹底する─など、ケアレベルの向上を図ってきた。その上で、胃瘻の有無にかかわらず、入所者の常食化を進めた。理事長の友名孝子氏は、「誤嚥のリスクがあることは分かっているが、できる限り口から常食を取りたいと思うのは当たり前のこと」と常食化に取り組んだ理由を話す。
常食化に際しては嚥下リハビリを行ったり、スルメや飴棒をなめさせて口を動かす訓練などをした上で、胃瘻造設者に対しても少量から常食を試行。最終的に9人全員の常食への移行に成功した。今では体調が悪く、経口で十分な水分や栄養が取れないときに胃瘻から栄養剤などを投与し、それ以外は極力経口で常食を取らせるようにしている。
しらゆりの園では常食化実現のため、食事時間を延ばしたり、食事時の職員を手厚くするなどして対応した。「もちろん、こうした取り組みをあらゆる特養で行うのは簡単ではなく、ケアレベルの高い施設でなければ無理だろう」と竹内氏は言う。
全国老人福祉施設協議会では12年度から、入所者の自立に取り組むケアレベルの高い20~30カ所の特養で、胃瘻造設者を含めた入所者の常食化に取り組む計画。事例を積み重ねて、方法や適応について検討を進め、標準化を目指す考えだ。
造設者の看取りにも課題
終末期の看取りの際の胃瘻管理にも注意が必要だ。腎機能や消化管の吸収能力が落ちているにもかかわらず、胃瘻造設者に対して通常と同量の栄養や水分を投与しているケースは少なくない。その結果、患者は浮腫や嘔吐、下痢、痰の増加などを呈することがある。鶴岡協立病院の高橋氏は「こうした場合は患者の機能に合わせ、栄養や水分を受容できる量に減らすことが必要になる」と話す。
たんぽぽクリニックの永井氏は、「必要以上の水分や栄養を投与すると痰やむくみが増え、患者はかえってしんどくなる。看取りの際は、ほぼ全例で少量の経口補水液だけを投与するようにしている」と言う(症例2)。造設後はQOLをいかに維持し、看取りのときはいかに苦痛を取り除くか。改めて胃瘻管理のあり方が問われている。
症例2 看取りに際して栄養剤の投与を中止した1例(永井氏による)
【症例】
80歳、女性。要介護5。
【既往歴】
13年前(67歳)に自宅で転倒し、ほぼ寝たきりになる。その後、誤嚥性肺炎を繰り返し、認知症も進行。
【家族】
1人娘と2人暮らし。1人娘が在宅で介護を行っていた。
【経過】
7年前(73歳)に当院初診。翌年、誤嚥性肺炎で他院に入院。痰の増加が著しく、誤嚥性肺炎を繰り返したため胃瘻を造設。退院後は在宅療養となり、家族が痰の吸引、寒天化した栄養剤の投与を実施。療養開始当初は家族が心配し、夜間・休日を問わず往診依頼が多かった。
死亡19日前から傾眠傾向。痰が増加。家族の同意の下、栄養剤(600mL/日)を漸減開始。18日前、呼吸苦と痰の増加、衰弱の進行を認める。家族に対して看取りについて説明し、在宅での看取りの希望を確認。
死亡17日前、嚥下リハビリ、マッサージを中止。15日前、黒色嘔吐があり、ファモチジンを投与。14日前、胃瘻からの栄養剤の投与を中止し、経口補水液(100mL/日)で経過を観察。10日前、CRP高値が続いたため、モキシフロキサシンの投与を開始。経過中、浮腫は減少し、痰の吸引も不要となり、穏やかな状態であった。5日前、呼吸苦の緩和を認め、抗菌薬と整腸薬の投与を中止。再度、家族に看取りについて説明。その後、在宅にて死亡。
進化する胃瘻造設法や栄養剤の剤形
内視鏡下で造設できるようになり、国内外で急速に広がった胃瘻。近年では国内において、造設法や投与する栄養剤の剤形が独自の進化を遂げている。
胃瘻は従来、プル法(図A)と呼ばれる方法で造設されることが多かった。プル法は腹壁から胃内に挿入したガイドワイヤをスネアでつかみ、一度口外に引き出した後、ガイドワイヤに胃瘻カテーテルを結合。口から胃の中に引き入れ、腹壁外へと引き出してカテーテルを留置する。しかしプル法には、留置するカテーテルが口腔を通過するため、瘻孔が感染しやすいという弱点がある。
そこで近年普及しつつあるのがイントロデューサー変法(図B)だ。この基となったイントロデューサー法も変法も、国内で開発された方法。イントロデューサー変法は、胃壁と腹壁を数カ所で固定して面を作った上で穿刺を実施。ダイレーターで拡張した後、そこに腹壁外から直接胃瘻カテーテルを留置する。
草津総合病院の伊藤氏は「カテーテルが口腔を通過しないほか、胃壁固定を行うので強固な瘻孔ができるメリットがある。また、経鼻内視鏡でも造設が可能だ」と話す。胃壁固定など手技の難しさはあるものの、イントロデューサー変法で胃瘻を造設する病院は増えている。
液体が中心だった栄養剤の剤形も改良が進んでいる。液体の栄養剤は流動性が高いため、噴門から逆流すれば胃食道逆流や誤嚥の原因となるほか、瘻孔から漏れればスキントラブルの原因となる。
そこで国内で、数年前から使用が増えているのが栄養剤をゲル化し、流動性を低くした半固形化栄養剤だ。胃食道逆流や漏れなどを減らす効果が期待されているほか、液体の栄養剤では1時間以上掛かっていた投与時間も10~15分程度で済むようになる。最近では、市販の半固形化栄養剤も増えており、胃食道逆流を起こしやすい患者などに使われている。
12.救急部門でのST上昇心筋梗塞疑い、36%は偽陽性
心カテ要請があった411例について米国の分析(Arch Intern Med誌から)
日経メディカル2012年5月22日
プライマリPCIの実施に向けた心臓カテーテル室の速やかな起動は、ST上昇心筋梗塞(STEMI)患者の転帰を向上させる。しかし、再灌流までの時間の短縮ばかりが強調されると、本来必要のない心カテ室起動の頻度が高まる可能性がある。米Harvard大学医学部のJames M. McCabe氏らは、米国内の2施設で救急部門から心カテ室起動要請があったSTEMI疑い患者について分析し、3分の1を超える患者が実はSTEMIではなく、心カテ室の起動は不要だったことを明らかにした。論文は、Arch Intern Med誌電子版に2012年5月7日に掲載された。
著者らは、PCIが可能な医療機関の救急部門の医師による、STEMI偽陽性患者の心カテ室への照会の発生率を調べ、救急部門でのSTEMI診断時に利用できる、偽陽性リスクに関連する要因を明らかにしようと考えた。米国の2施設(California大学San Francisco校付属病院とSan Francisco総合病院)の救急部門を受診してSTEMIと判断された連続する患者の情報を登録したActivate-SF Registryから、08年10月から11年4月までにプライマリPCI実施に向けて心カテ室の起動要請がなされた患者の情報を抽出した。
これらの病院では、救急部門の医師では判断がつかない場合のみ、心臓専門医に相談するシステムになっている。
STEMI偽陽性の定義は、血管造影が行われた患者については、「責任病変が見つからず、完全に、またはほぼ完全に冠動脈閉塞はなく、TIMI分類がグレードIIIで冠動脈血流は正常だったケース」とした。血管造影が行われなかった患者については、「STEMIの診断を支持する3つのエビデンス(1:救急部門で可能な処置を超えた急性冠症候群に対する薬物療法が開始されていた、and/or STEMI以外の診断がない、2:心電図がSTEMI診断基準を満たす、3:バイオマーカー値がSTEMIを示す)のうち、2つまたは3つが当てはまらないケース」とした。
試験期間中の救急部門からの心カテ室起動要請は計434回で、実際に心カテ室で血管造影を受けた352人の患者と、診断用血管造影は受けなかった(禁忌、死亡、患者自身が拒絶、医師による判断などの理由による) が、STEMIの診断が正しかったのかどうかを分析できる十分な情報が得られた59人を対象に選んだ。これらの患者について、救急部門の医師がどのような情報に基づいて心カテ室起動要請を行うに至ったのかを調べた。
411回のSTEMI診断+心カテ室起動のうち、146回(36%)が偽陽性患者に対する不要な起動と考えられた。診断用血管造影を受けた352人中101人(29%)には責任病変が見当たらず、うち39人(9.5%)には20%を超えるアテローム性の狭窄は見られなかった。血管造影を受けなかった59人では、45人(75%)が臨床的にSTEMI偽陽性と判定された。
不要な心カテ室起動を引き起こした患者のその後の診断で最も多かったのは、心臓の構造的な疾患(左室肥大を含む心筋または弁膜の異常)または心不全だった(これらを合わせて28人、19%)。続いて非特異的胸痛(25人、17%)、重症の併存疾患による労作性の虚血(20人、14%)などが多かった。
STEMI偽陽性患者に対する心カテ室起動要請に関係する臨床的要因と心電図の要因を、ブートストラップ法とロジスティック回帰モデルを用いて評価した。不要な起動リスクの上昇に関係していた要因は、心電図に認められる左室肥大(調整オッズ比3.15、95%信頼区間1.55-6.40、P=0.001)、冠動脈疾患歴(1.93、1.04-3.59、P=0.04)、違法薬物乱用(2.67、1.13-6.26、P=0.02)だった。反対に、不要な起動のリスクを有意に低下させていたのは、受診時の胸痛または胸部圧迫感(0.28、0.14-0.57、P<0.001)とBMI高値(1上昇当たりのオッズ比は0.91、0.86-0.97、P=0.004)だった。
試験期間中に、STEMI偽陽性患者に対する心カテ室起動要請の頻度は上昇していたが(傾向性のP=0.03)、ドア・ツー・バルーン時間(病院到着から処置までの時間)に有意な短縮はなかった(傾向性のP=0.54)。
救急部門からプライマリPCI部門に照会された患者の3分の1超が、STEMIではなかった。左室肥大、冠動脈疾患歴など患者レベルの様々な要因により、STEMI偽陽性患者に対して心カテ室が起動されていた。
原題は「Prevalence and Factors Associated With False-Positive ST-Segment Elevation Myocardial Infarction Diagnoses at Primary Percutaneous Coronary Intervention--Capable Centers」
http://archinte.jamanetwork.com/article.aspx?doi=10.1001/archinternmed.2012.945
13.禁煙治療のバレニクリン使用で、重症心血管有害事象の増加はなし
最新の系統的レビューとメタ分析の結果(BMJ誌から)
日経メディカル2012年5月22日
禁煙を目的とする喫煙者へのバレニクリンの投与中、ならびに中止から30日以内に、重症心血管有害事象リスクの上昇はみられないことが、米California大学San Francisco校のJudith J Prochaska氏らが行った系統的レビューとメタ分析で明らかになった。論文は、BMJ誌電子版に2012年5月4日に掲載された。
近年行われた無作為化試験で、バレニクリンの使用が心血管リスクを上昇させる可能性が示唆されたことを受けて、米食品医薬品局(FDA)は、系統的レビューの実施を求めていた。
先に行われたメタ分析では、バレニクリン群における有意なリスク上昇が示されたが、著者らはその分析方法には様々なバイアスが存在していると考えた。そこで、禁煙目的でバレニクリンを用いた全ての無作為化試験を対象に、質の高い系統的レビューとメタ分析を行うことにした。
Medline、コクランライブラリ、臨床試験登録と、個々の論文の引用文献リストから、バレニクリンに関する最初の論文が発表された05年1月から11年9月までに報告されていた無作為化試験で、成人喫煙者をバレニクリンと対照群に割り付けて追跡し、有害事象を報告していたものを選んだ。
治療中に発生した重症心血管有害事象の定義は、先のメタ分析と同様に、「バレニクリン使用中と中止後30日以内に発生した全ての虚血性または不整脈性の有害な心血管イベント(心筋梗塞、不安定狭心症、冠動脈血行再建術、冠動脈疾患、不整脈、一過性脳虚血発作、脳卒中、突然死または心血管関連死亡、うっ血性心不全)」とし、リスク差、相対リスク、Mantel-Haenszelオッズ比、Petoオッズ比という4通りの要約統計量を求めて比較した。
22件の試験(9232人を登録)が条件を満たした。全てが二重盲検試験で、対照群には偽薬を用いていた。登録患者数の中央値は404人、治療期間の中央値は12週間で、重症心血管有害事象に関する追跡期間の中央値は16週だった。13件は、現在心血管疾患がある患者または心血管疾患歴を有する患者も登録していた。
治療中の重症心血管有害事象の発生率は、バレニクリン群が0.63%(5431人中34人)、偽薬群が0.47%(3801人中18人)だった。8件の試験では重症心血管イベント発生は0人だった。
22件の研究を統合したリスク差は0.27%(95%信頼区間-0.10から0.63%、P=0.15、I2=0%)で、統計学的有意性も臨床的意義も示されなかった。不均質性は見られず、出版バイアスは認められなかった。
1件以上のイベント発生を報告していた14件の研究を分析対象にして求めたバレニクリン群の相対リスクは1.40(0.82-2.39、P=0.22、I2=0%)、Mantel-Haenszel法により統合したオッズ比は1.41(0.82-2.42、P=0.22、I2=0%)、Peto法により求めた統合オッズ比は1.58(0.90-2.76、P=0.11、I2=0%)で、いずれも有意な影響は見られなかった。
感度解析も行ったが、上記の結果にほとんど影響は見られなかった。
なお、様々な分析を行う中で、Petoオッズ比が最も極端な推定値を出すことが明らかになった。著者らは、「先のメタ分析はPetoオッズに基づいてバレニクリン群の重症心血管有害事象リスクの72%上昇を報告したことにより、不要な不安を患者にもたらした」との考えを示している。
今回行われた系統的レビューとメタ分析の結果は、バレニクリン曝露期間の重症心血管有害事象リスク上昇はないことを示し、著者らは「この薬剤は喫煙者に対する禁煙治療の第一選択薬として適用できることを確認した」と結論している。
原題は「Risk of cardiovascular serious adverse events associated with varenicline use for tobacco cessation: systematic review and meta-analysis」
http://www.bmj.com/content/344/bmj.e2856
14.高齢心房細動患者、脳卒中発症リスクは女性が男性より高い
CareNet2012年5月22日
65歳以上の心房細動患者の脳卒中リスクについて男女差を調べた結果、女性が男性に比べて高いことが明らかにされた。カナダ・McGill University Health CenterのMeytal Avgil Tsadok氏らが、心房細動で入院した高齢者7万人超について行った地域住民ベースのコホート試験の結果で、JAMA誌2012年5月9日号で発表した。
女性が男性より高齢、CHADS2スコアも高値
同研究グループは1998~2007年にかけて、カナダのケベック州で、心房細動で入院した65歳以上の男性3万9,398人、女性4万4,115人についてコホート試験を行い、ワルファリンの服用傾向や脳卒中発症リスクの男女差について比較した。
入院時の年齢中央値は、男性が77.2歳に対し、女性は80.2歳と高齢だった。CHADS2スコア平均値も、男性が1.74(SD:1.13)に対し女性は1.99(同:1.10)と高かった(p<0.001)。
共存症やCHADS2スコア補正後の脳卒中発症リスク、女性が男性の1.14倍
退院後30日時点で、ワルファリンを処方されていた割合は、男性が58.2%に対し、女性は60.6%だった。多変量解析の結果、女性は男性に比べ、より多くのワルファリンを処方されていた(オッズ比:1.07、95%信頼区間:1.04~1.11、p<0.001)。男女ともに、ワルファリンのアドヒアランスは高かった。
脳卒中発症率についてみると、補正前では、男性が1.61/100人・年(同:1.54~1.69)に対し、女性のほうが2.02/100人・年(同:1.95~2.10)と高かった(p<0.001)。男女間の差は、主に75歳以上の患者が占める割合によるものだった。
試験開始時の共存症やCHADS2スコアの各項目、ワルファリン治療について補正後も、多変量コックス回帰分析の結果で女性の脳卒中リスクは男性より高かった(補正後ハザード比:1.14、同:1.07~1.22、p<0.001)。
結果を踏まえてTsadok氏は、「臨床家は、高齢の女性心房細動で脳卒中リスクが高いことを意識しなければならず、男女の脳卒中予防が同等となるように新たな治療戦略を適用していかなければならない」と述べている。
http://pmc.carenet.com/?pmid=22570463&keiro=journal
15.推定GFRによる死亡や末期腎疾患予測、CKD-EPI式がMDRD式より正確に
CareNet2012年5月22日
推定糸球体濾過量(eGFR)による死亡や末期腎疾患発症の予測は、CKD-EPI(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration)式のほうがMDRD(Modification of Diet in Renal Disease)式より正確であることが示された。米国・Johns Hopkins大学のKunihiro Matsushita氏らが、45のコホート試験、被験者総数110万人について行ったメタ解析の結果で、JAMA誌2012年5月9日号で発表した。先行研究で、CKD-EPI式のほうがMDRD式より、GFR予測が正確であることはわかってきているが、腎疾患関連リスクとの関係については明らかではなかった。
コホートの平均追跡期間中央値は7.4年、延べ940万人・年追跡
研究グループは、25の一般地域住民を対象としたコホート試験と、7つのハイリスク被験者からなるコホート試験、13の慢性腎疾患患者が参加したコホート試験についてメタ解析を行い、CKD-EPI式とMDRD式による、死亡や末期腎疾患リスクの予測能について比較した。被験者数の合計は、約110万人(18歳以上)で、2011年3月~2012年3月の間に収集解析された。
主要アウトカムは、全死因死亡(40コホート、死亡者数:8万4,482人)、心血管疾患(28コホート、イベント数:2万2,176件)、末期腎疾患(21コホート、イベント数:7,644件)とした。総計940万人・年、平均追跡期間中央値は、7.4年(範囲:4.2~10.5年)だった。
eGFRは両式によって、6カテゴリーが設定された(≧90、60~89、45~59、30~44、15~29、<15、単位:mL/min/1.73m2)。
CKD-EPI式で全死因死亡、心血管疾患死、末期腎疾患の予測能向上
MDRD式と比べてCKD-EPI式によって、一般地域住民コホートの24.4%がより高値のeGFRカテゴリーに、同0.6%がより低値のeGFRカテゴリーに再分類された。また、CKDステージ3~5の人の有病率は8.7%から6.3%へ低下した。
MDRD式でeGFRが45~59mL/min/1.73m2だった人のうち、34.7%が、CKD-EPI式によってeGFR60~89mL/min/1.73m2に再分類された。再分類された人はされなかった人に比べ、主要アウトカム発生率はいずれも低く、それぞれ全死因死亡率は9.9/1,000人・年と34.5/1,000人・年、心血管疾患死亡率は2.7/1000人・年と13.0/1,000人・年、末期腎疾患発症率は0.5/1,000人・年と0.8/1,000人・年だった。補正後ハザード比は、全死因死亡が0.80、心血管疾患死が0.73、末期腎疾患が0.49だった。
同様の所見は、MDRD式による他のカテゴリーでも認められ、eGFRカテゴリーごとのネット再分類改善度(Net Reclassification Improvements ;NRI)は、すべてのアウトカムについてプラスとなった。NRI改善は、年齢(65歳未満と65以上との比較)、性、人種(白人、アジア系、黒人)、糖尿病や高血圧の有無というサブグループ群で同様にプラスとして認められた。ハイリスクコホート、CKDコホートでの結果は、一般地域住民コホートの結果とおおよそ一致していた。
http://pmc.carenet.com/?pmid=22570462&keiro=journal
16.「HDLコレステロール=善玉」に疑問符
Apolipoprotein C-III as a Potential Modulator of the Association Between HDL-Cholesterol and Incident Coronary Heart Disease
J Am Heart Assoc 2012; 1: e000232
心血管疾患リスクとは逆相関を示すことから「善玉コレステロール」との別名で呼ばれることも多いHDLコレステロール(HDL-C)。そのような中,「HDL-C=善玉」説に疑問を投げかける研究成果が米ハーバード公衆衛生大学院のFrank M. Sacks氏らから報告。医療関係者を対象とした大規模症例対照研究で,冠動脈疾患(CHD)発症に関連する「悪玉」HDL-Cの可能性が示された。
http://jaha.ahajournals.org/content/1/2/jah3-e000232.abstract
17.インドメタシン単回直腸内投与、ERCP後膵炎予防
文献:Elmunzer BJ et al.A Randomized Trial of Rectal Indomethacin to Prevent Post-ERCP Pancreatitis.N Engl J Med 2012; 366:1414-1422.
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)後膵炎の高リスク患者602人を対象に、ERCP直後のインドメタシン単回直腸内投与の膵炎予防効果を無作為化プラセボ対照二重盲検試験で検証。膵炎の発症はインドメタシン群で9.2%、プラセボ群で16.9%(P=0.005)、中等-重度膵炎の発症は4.4%、8.8%だった(P=0.03)。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1111103
18.急性リンパ芽球性白血病(ALL)の予後不良、T細胞性などで
文献:Schrappe M et al.Outcomes after Induction Failure in Childhood Acute Lymphoblastic Leukemia.N Engl J Med 2012; 366:1371-1381.
寛解導入療法に失敗した0-18歳の急性リンパ芽球性白血病(ALL:acute lymphoblastic leukemia)患者1041人を対象に、予後因子を分析。10歳以上、T細胞性、11q23転座型および導入療法終了時の骨髄中芽球25%以上が特に予後不良と関連。T細胞性白血病では同種幹細胞移植、B前駆細胞性白血病では化学療法単独の実施が予後良好に関連した。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1110169
19.術中失血量が長期生存に影響するという仮説を支持
文献:Morner MEM et al.The Importance of Blood Loss During Colon Cancer Surgery for Long-Term Survival: An Epidemiological Study Based on a Population Based Register Annals of Surgery.POST AUTHOR CORRECTIONS, 11 April 2012.
スウェーデンで結腸癌の根治手術実施患者データから、術中失血量が長期生存に影響するという仮説を疫学的研究で検証。単変量および多変量解析では失血量250mL以上、男性、合併症の発症、75歳超、ステージIII が、単変量解析では周術期の輸血が全死亡のリスク因子だった。失血程度が長期生存に影響するという仮説が支持された。
http://journals.lww.com/annalsofsurgery/Abstract/publishahead/The_Importance_of_Blood_Loss_During_Colon_Cancer.98854.aspx
20.エタネルセプト、硬膜外ステロイド群に比し神経痛に無効
文献:Cohen SP et al.Epidural Steroids, Etanercept, or Saline in Subacute Sciatica A Multicenter, Randomized Trial.Ann Intern Med April 17, 2012 156:551-559.
腰仙部神経根障害の成人患者84人を対象に、新治療薬として期待のエタネルセプトと硬膜外ステロイド注射または生理的食塩水の疼痛および機能改善効果を無作為化プラセボ対照試験で比較。2回目の注射後1カ月の下肢痛の指標は、生食群またはエタネルセプト群と比べ硬膜外ステロイド群で大きな低下が見られた(平均差-1.26、-1.01)。
http://www.annals.org/content/156/8/551.abstract
21.フィブラート薬処方、エゼチミブ群に比し腎転帰不良
文献:Zhao YY et al.New Fibrate Use and Acute Renal Outcomes in Elderly Adults A Population-Based Study.Ann Intern Med April 17, 2012 156:560-569.
フィブラート系薬またはエゼチミブを新規処方された慢性腎臓病外来患者(66歳以上)8万903人を対象に、90日以内の腎転帰をコホート研究で評価。エゼチミブ群に比べフィブラート系薬群で血清クレアチニン値上昇による入院(調整後オッズ比2.4)、腎臓専門医への受診(絶対リスク差0.15%、調整後オッズ比1.3)が多かった。
http://www.annals.org/content/156/8/560.abstract
22.学会ダイジェスト:第55回日本糖尿病学会
2012年5月17日~19日 横浜
1) 食物繊維摂取の好影響、日本人2型糖尿病患者対象の大規模研究でも明らかに
食物繊維摂取の糖尿病患者に対する影響についてはこれまで海外では報告されているが、日本人を対象にした大規模な研究は数少ない。そこで日本人の2型糖尿病患者4402人を対象に、自記式アンケート調査を実施し、食物繊維摂取量で4分位に分けて比較検討したところ、食物繊維摂取量が多いほど肥満や血糖、脂質、メタボリックシンドロームなどに対して好影響をもたらしていることが示された。九州大学大学院病態機能内科学の藤井裕樹氏らが発表した。
対象は、福岡県下の16の糖尿病専門施設(7病院、9診療所)に通院中の2型糖尿病患者4402人(男性2494人、女性1908人)。
朝食前に採血と採尿を行い、簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)により、過去1カ月の習慣的な栄養素摂取量を評価した。
BDHQで算出された食物摂取量(g/日)を密度法でエネルギー調整食物繊維量(g/1000cal)に調整し、4分位(中央値はそれぞれ5.17、6.77、8.13、10.1)に分類。BMI、空腹時血糖、HbA1c、アディポネクチン、血清脂質、尿アルブミンなどの変数に対する影響について重回帰分析(SAS)、ロジスティック回帰分析による傾向性検定などを行った。
4分位別の臨床特徴としては、食物繊維摂取量が多い群ほど年齢が高く、女性が多く、総エネルギー摂取は少なく、身体活動量は多いなどの傾向が見られた(いずれもP<0.0001)。よっていずれの分析においても、性別、年齢、飲酒、喫煙、余暇身体活動量、糖尿病罹患期間、総エネルギー摂取、経口血糖降下薬、インスリン治療で多変量調整を行った上で比較検討した。
傾向性検定の結果、食物繊維摂取量が増加するにつれ、朝食前血糖、HbA1cは有意に低下し、BMIは有意に低下した(いずれもP for trend<0.0001)。アディポネクチンは上昇(P for trend<0.01)、C-ペプチドは低下した(P for trend<0.0001)。
同様に、血圧については、収縮期血圧は低下したが(P for trend<0.05)、拡張期血圧は変化が見られなかった。血清脂質については、中性脂肪は低下し(P for trend<0.0001)、LDL-Cは変化なく、HDL-Cは上昇した(P for trend<0.05)。メタボリックシンドロームの割合は減少した(P for trend<0.0001)し、尿中アルブミンは低下した(P for trend<0.0001)。
藤井氏は、「2型糖尿病患者において、食物繊維の摂取は肥満、血糖、脂質、メタボリックシンドローム、腎症などに対してよい影響をもたらすことが、日本人の大規模集団においても示された。食物繊維の摂取量が多い群ほど身体活動量が多いなど、健康意識が高い傾向が見られたが、こうした交絡因子の調整後にも同様の結果が示された」と結論した。
2) 新規プレフィルド型注入器FlexTouchは低用量設定でも優れた注入精度
新規のプレフィルド・インスリン・ペン型注入器であるFlexTouchは、高い注入精度を有し、特に低用量設定における精度が既存の同タイプの注入器よりも高いことが示された。デンマークNovo Nordisk社の研究者らの発表、Marcus Niemeyer氏らが報告した。
インスリンを適正に投与するためには注入量の精度が重要で、高い精度が維持されることで効果的かつ確実な血糖値コントロールが可能になる。近年、ペン型注入器の開発により用量設定や注入手技が簡便になり、現在ではペン型が主流だ。またペン型注入器は、従来の注射器に比べインスリンの注入量の精度を安定的に維持できることがメリットで、特に5単位(IU)未満の注入における精度が高いことが示されている。さらに、最新のプレフィルド・ペン型注入器は、低用量、中用量、高用量のいずれの設定においても、高い精度で注入が可能であることが示されている。
Novo社の最新型のプレフィルド・ペン型注入器であるFlexTouchは、設定する用量の高低によって押しボタンが伸縮しない特徴があり、糖尿病患者の注入手技はより簡便になる。
今回、同グループは、FlexTouchについて、低用量、中用量、高用量それぞれの用量設定における注入量の精度と一貫性を検証するとともに、既存のプレフィルド・ペン型注入器であるSoloStarおよびKwikPenと比較検討した。
試験に用いるFlexTouchは、インスリンデテミル3mLを充てんしたものと、インスリンアスパルト3mLを充てんしたものの2種類を用意。SoloStarには、インスリングラルギン3mLを、KwikPenにはインスリンリスプロ3mLを充てんしたものを用意した。注射針は各薬剤のメーカーの推奨品を使用した。
本検討においては、各ペン型注入器を2つの異なるロットから15本ずつ無作為に取り出し、合計30本ずつ使用した。さらにそれらの注入器を2回使用(反復テスト)し、合わせて60回の使用における注入量の精度と一貫性を比較した。低用量、中用量、高用量の設定は、KwikPenでは1、30、60 IU、FlexTouchおよびSoloStarでは、1、40、80 IUとした。試験環境は気温20±2℃、湿度45±7.5%に設定した。
注入量の測定では、ペン型注入器の注射針の先から液剤が漏出するまで空気を抜いたあと、各設定単位(用量)を放出した。放出した用量をデンマークMettler Toledo社製のMettler AX1という測定装置で定量した。また測定結果は、各薬剤の密度の違いを補正して比較した。ISO(国際標準規格、ISO11608-1:2000)の基準値内にあるかどうかも評価した。
解析の結果、FlexTouchにおいては、1 IUの設定で0.98±0.07(範囲:0.72-1.18)、40 IUの設定で39.86±0.33(範囲:38.98-40.63)、80 IUの設定で79.76±0.64(範囲:78.49-81.39)と設定単位との差は小さく、しかもISOの基準値内だった。反復テストを行っても、1 IU、40 IU、80 IUのすべてで設定単位との差は小さいと考えられた。
他のプレフィルド・ペン型注入器との比較では、中用量および高用量においては、FlexTouch、KwikPen、SoloStarの間で有意差はなかったものの、FlexTouchにおける1 IUの設定ではSoloStarの1.14±0.22(範囲:0.49-1.39)に比べて有意に設定単位に近かった(P<0.0001)。なお、各ペン型注入器はすべての用量でISOの基準内だった。
これらの結果からNiemeyer氏は「プレフィルド・ペン型注入器の注入量の精度と一貫性は、糖尿病患者のアドヒアランスを維持・向上させるためにも重要であり、それが良好な血糖コントロールと糖尿病合併症の抑制につながる。本検討により、FlexTouchは設定用量の違いを問わず、正確かつ確実なインスリンの投与が可能であることが示唆された」と語った。
3) 夕食ボリューム型の食事で空腹時血糖、中性脂肪が高値に
糖尿病患者の食事療法では、適正なエネルギー摂取に留意するのが基本だが、1日の総摂取エネルギーの多くを夕食でとっているケースは少なくない。夕食の摂取エネルギーが、朝食や昼食よりも多い夕食ボリューム型の食事をしている2型糖尿病患者は、非夕食ボリューム型の患者に比べて、朝食前血糖値、中性脂肪、レムナントコレステロールが有意に高いことが明らかになった。川崎医科大学附属病院栄養部の倉恒ひろみ氏らが発表した。
対象は、2型糖尿病患者89人(うち男性43人)。3日間の食事の聞き取り調査を行い、夕食のエネルギー摂取が朝食と昼食の平均摂取エネルギー量の150%を超えた人を夕食ボリューム型群(39人、男性21人)とし、150%未満を非夕食ボリューム型群(50人、男性22人)とした。空腹時採血により、HbA1c、血漿脂質、レムナントコレステロール(RLP-C)を測定した。
その結果、夕食ボリューム型と非夕食ボリューム型の2群間で、男女比、BMI、総エネルギー摂取量、食塩摂取量、食物繊維量にいずれも差はなかった。
1日の総脂質摂取量のうちの夕食の脂質摂取量の割合は、夕食ボリューム型群43%、非夕食ボリューム型群31%で、有意に夕食ボリューム型群で高かった(P<0.01)。
2群間でHbA1cに差はなかったが、朝食前血糖値は有意に夕食ボリューム型群が非夕食ボリューム型群よりも高かった(136mg/dL 対 119 mg/dL、P<0.01)。中性脂肪(202 mg/dL 対 115 mg/dL)、RLP-C(7.1mg/dL 対 4.6mg/dL)も夕食ボリューム型群が高いという結果だった(いずれもP<0.01)。
また、動脈硬化症に着目すると、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、ASOと診断された人の割合は、夕食ボリューム型群の方が非夕食ボリューム型群よりも有意に高かった(31% 対 8%、P<0.01)。
倉恒氏は、「夕食ボリューム型の食事をしている患者は、血糖、中性脂肪、レムナントコレステロールが高値であることが明らかになった。栄養指導を行う際には、1日の総摂取エネルギー量だけでなく、食事時間別のエネルギー摂取量や脂質摂取量に留意することが重要であろう」と考察した。
4) 災害時・緊急時に最も重宝するインスリン製剤は超速効型、震災後の巡回診療の経験から
東北大学分子代謝病態学分野の児玉慎二郎氏らは、東日本大震災後に避難所の糖尿病巡回診療を行った経験から、災害時における糖尿病診療の問題点を指摘するとともに、その対応策を提案した。震災から1週間後までは高血糖と低血糖の両方が起こる状況にあり、糖尿病ケトアシドーシスの治療に超速効型インスリンの皮下注射が有効であったことなどを報告した。
東北大学病院糖尿病代謝科が中心となったチームは、2011年3月下旬から7月中旬まで週に2、3回、糖尿病巡回診療を行った。チームは医師、看護師、ボランティア学生から構成され、自家用車を用いて避難所や被災者宅を訪問。巡回診療は、最大避難者数が約11万人、最大避難所数が約180カ所以上だった宮城県石巻市を中心に実施した。目的は、被災者の血圧・血糖値の測定、内服薬やインスリン量の調整、食事回数に応じた治療法の変更、インスリンや自己血糖測定器の提供、低血糖や持続する高血糖の予防だった。
糖尿病巡回診療の実施スキームは以下のとおり。まず拠点病院である石巻赤十字病院の災害医療コーディネーターに糖尿病巡回診療の実施を提案。それを受け、拠点病院が各地区の保健師に巡回チームの存在を伝え、保健師は拠点病院に糖尿病患者の避難状況を報告する。その報告を受けた拠点病院から巡回診療の依頼が来る仕組みとした。
巡回チームは、大学病院や各企業からインスリン、自己血糖測定(SMBG)機器、注射針、ブドウ糖などの提供を受けた上で、拠点病院に物資を提供しつつ、保健師と連絡を取りながら巡回診療を行った。
巡回診療時にはいろいろ工夫したという。たとえば、他の医療チームと情報を共有するため、拠点病院で保管しているカルテを利用。記入したカルテはデジタルカメラで撮影し、情報を共有した。患者に対しては、低血糖についての注意書きなどをまとめた資料を配った。内服薬の調整について解説したものも作成し配布している。各地区の医療チームや保健師とミーティングを重ねたことで、糖尿病の専門診療が必要な患者の避難状況、各避難所での食料事情や医療物資の在庫、道路状況などの情報提供を受けられた。
震災直後から1週間後までの超急性期においては、インスリン注射の一式を津波で流されたり、食べ物がなかったりしたため、治療を中断したことで高血糖昏睡が起きていたことが明らかになった。また、この時期における糖尿病ケトアシドーシスの治療として、速効型インスリンの点滴静注ではなく、超速効型インスリンの皮下注射を実施。糖尿病ケトアシドーシスが超速効型の皮下注射によって治療できるとの報告は過去に多くなされており、今回の震災直後も大変有用だった経験から、「災害時・緊急時に最も重宝するインスリン製剤は超速効型だ」と児玉氏は強調した。
一方で、食べ物がなくても平時と同量のインスリンを注射したり、血糖降下薬を内服したことによる低血糖昏睡も発生していた。これらを踏まえ、超急性期には糖尿病ケトアシドーシスや低血糖といった急性の代謝失調を予防するためにインスリン製剤を速やかに供給すること、また、患者自身にインスリン注射を中断することは危険であるという認識を持ってもらうために、平時から患者へのインフォームド・コンセントが重要であると述べた。さらに、低血糖を起こす可能性がある薬剤や副作用が出現する可能性が高い薬剤は慎重に投与するべきとの考えを示した。
児玉氏は巡回診療の経験を基に、「地域の中核病院のマネジメントが重要であり、平時から保健師やコメディカルとのネットワークを構築していることが大切だ。全国的にこうしたシステムの構築が望まれる」と語った。
5) 高齢の2型糖尿病患者では拡張期血圧が認知機能低下と関連する可能性
高齢の2型糖尿病患者における認知機能の低下と血糖、血圧、脂質などの管理状況との関連については、一定の見解が得られていない。65歳以上の2型糖尿病患者でこれらの関係について検討したところ、拡張期血圧は年齢、性別などの他の因子で補正した後も、認知機能低下に独立して関連する因子だったことが分かった。東京女子医科大学糖尿病センター内科の石澤香野氏らが発表した。
対象は、同センターに通院中の65歳以上の2型糖尿病患者で、認知機能検査を希望した27人。症候性脳梗塞の既往例、神経・精神疾患、重篤な肝・腎・心疾患や悪性腫瘍を合併している患者は除外した。
認知機能検査については、3要素(遅延再生、見当識、視空間認知機能)を5問で検討するタッチパネル式簡易認知機能検査で行った。15点中12点以下の場合、認知機能が低下しているとした。その結果、認知機能正常群が12人(76歳、男性4人)、認知機能低下群が15人(78歳、男性6人)となった。
両群の間で、年齢、性別、教育歴、診断後期間、BMI、網膜症や腎症の有無、血圧、HbA1c、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド、治療内容(降圧薬や脂質異常症治療薬の処方率など)について比較したところ、低下群では網膜症罹患率が有意に高く、拡張期血圧が有意に低かった。網膜症罹患率は正常群が36.4%、低下群が85.7%、拡張期血圧はそれぞれ76±8mmHg、63±6mmHgだった(順にP=0.011、P<0.001)。それ以外の項目については、両群間に有意差は見られなかった。
なお、認知機能低下群のみ、神経内科専門医による認知症の精査(MMSE、長谷川式認知機能検査、神経心理課題、VSRAD[頭部MRI画像に対するアルツハイマー型認知症診断支援ソフト]、脳血流SPECT)を行った。精査が終了した13人の診断結果を見ると、前頭側頭型認知症(FTLD)と軽度認知障害(MCI)が4人ずつ、脳血管性認知症(VaD)は2人、アルツハイマー型認知症(AD)が2人(うち1人はVaDとの混合型)、失語症が1人だった。
また、両群間に有意差があった網膜症罹患率と拡張期血圧について、その他の因子で補正してロジスティック回帰分析を行ったところ、拡張期血圧だけが認知機能低下の有意な因子として抽出された(オッズ比:0.769、95%信頼区間:0.619-0.957、P=0.019)。
これらの結果を踏まえ石澤氏は、「高齢の2型糖尿病患者では、拡張期血圧が認知機能低下と関連する可能性が示唆された」と結論した。
23.Two patients get eye stem cells transplanted to restore sight
BBC News2012年5月21日
Two people have had stem cells transplanted into their eyes as part of a clinical trial to restore their sight.
The technique has been developed by Scottish specialists to reverse corneal blindness, and it is believed to be the first treatment of its kind in the UK.
Both have corneal blindness, and until now the only treatment was a transplant of cornea tissue from an organ donor.
Sylvia Paton, from Edinburgh was the first person to have the transplant.
It will be several months before doctors will know to what extent the procedure has worked.
Health Secretary Nicola Sturgeon said: "This pioneering new treatment could potentially restore sight and improve the lives of many patients, and it is vital that we continue to invest in innovative projects such as this one.
"Sylvia is a very real example of how corneal blindness can have a dramatic impact and this trial could potentially transform her life".
She added: "If proves to be successful, we could see many more people benefit as a result.
The procedure - corneal epithelial stem cell transplantation - represents one of the first of a new generation of regenerative therapies.
Medical professionals believe these therapies could transform medicine over the coming decades.
The study which is funded jointly by the UK Stem Cell Foundation and Scottish Enterprise in partnership with the Chief Scientist Office (CSO).
The donor stem cells have been grown by the Scottish National Blood Transfusion Service (SNBTS) and the trial is being run by SNBTS together with NHS Lothian and NHS Greater Glasgow and Clyde.
http://www.bbc.co.uk/news/uk-scotland-18137879
24.U.S. Advisers Say 'No' to Routine PSA Tests for Prostate Cancer
Benefits of prostate-specific antigen screening don't outweigh harms, panel contends
HealthDay News2012年5月21日
In a highly anticipated move sure to unleash heated debate, a prominent U.S. government advisory panel is recommending that men of all ages no longer be screened for prostate cancer by undergoing the prostate-specific antigen (PSA) blood test.
The U.S. Preventive Services Task Force, an independent group of medical experts in prevention and evidence-based medicine, said PSA screening results in overdiagnosis of prostate cancer and unnecessary treatment that can leave men impotent and incontinent.
This final recommendation comes seven months after the task force drafted a report giving a "D" rating for the PSA blood test. Previous guidelines had stated that most men should undergo screening beginning at age 50.
"Some may say that by rating the test a 'D' we're taking away the possibility of an informed decision, but we don't want that to be the case," said task force co-vice chair Dr. Michael LeFevre, a professor in the department of family and community medicine at the University of Missouri School of Medicine. "This decision does not preclude a man choosing to be screened."
The task force is the same panel that in 2009 rejected regular mammograms for women in their 40s, after also concluding the benefits don't outweigh the harms.
The new recommendation is published online May 22 in the journal Annals of Internal Medicine.
About 242,000 new cases of prostate cancer will be diagnosed in Americans this year, and about 28,000 will die from it, according to the U.S. National Cancer Institute. More than two-thirds of those deaths occur after age 75, the task force said.
PSA tests -- which measure prostate-specific antigen, a protein produced by the prostate gland -- can detect which men are developing the malignancy. But they cannot discern between cases that will never become life-threatening and those that require treatment, such as surgery, radiation or hormone therapy.
Basing its recommendation mainly on two major trials of PSA testing in asymptomatic men in the United States and Europe, the task force concluded screening may only help one man in every 1,000 to avoid dying from prostate cancer. Up to five in 1,000 men will die within a month of prostate cancer surgery, the panel said, and between 10 and 70 per 1,000 men will suffer lifelong adverse effects, such as urinary incontinence, erectile dysfunction and bowel dysfunction.
Many will also suffer unduly from persistent anxiety, the report said.
Critics of the task force's decision said the group underestimated the PSA test's benefits and overestimated its harms and also overlooked significant methodological flaws in the studies on which it based the "D" recommendation. None of the task force members are urologists or oncologists, making them unqualified to broach the topic, some health experts said.
"I think they're throwing away the baby with the bathwater," said Dr. William Catalona, a professor of urology and director of the clinical prostate cancer program at Northwestern University's Feinberg School of Medicine in Chicago, who wrote an accompanying journal editorial condemning the move.
"There's just no other way to detect prostate cancer early than through PSA testing," Catalona added. "If we were to completely stop PSA testing in all men . . . it would result in countless men dying of metastatic prostate cancer. People are happy to be cured of their prostate cancer, even if they have some side effects."
Dr. Otis Brawley, chief medical officer at the American Cancer Society and an outspoken figure on the pros and cons of cancer screening tests, encouraged men to make their own choice about PSA screening while keeping the risks and benefits in mind. Certain men, including blacks and those with a family history of the disease, are at significantly higher risk of developing prostate cancer, he noted.
"I am hoping this (recommendation) shuts down mass screenings, where men are only told that this will help them, which is stretching the truth," Brawley said. "They're rarely told about the potential for harm and that, for the people running the screening, the [venture] is usually quite lucrative for them."
LeFevre said it remains to be seen whether health insurers will change their coverage of PSA screening based on the task force's recommendation. For one thing, insurers aren't supposed to tailor coverage decisions to USPSTF guidelines, he said.
"If you look at the overall costs of screening, the PSA test itself is very small," LeFevre said. "I'd be surprised to see them take what I call the political risk of backing away from that."
More information
For more on prostate cancer, visit the American Cancer Society.
SOURCES: Michael LeFevre, M.D., M.S.P.H., co-vice chair, U.S. Preventive Services Task Force, and professor, family and community medicine, University of Missouri School of Medicine, Columbia; Otis Brawley, M.D., M.P.H., chief medical officer, American Cancer Society, Atlanta; William J. Catalona, M.D., professor, urology, and director, clinical prostate cancer program, Northwestern University Feinberg School of Medicine, Chicago; May 22, 2012, Annals of Internal Medicine
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664950
25.New Blood Thinner May Lower Chances of Clots in High-Risk Heart Patients: FDA
Agency's advisory panel to vote on whether Xarelto should be approved for treating acute coronary syndrome
HealthDay News2012年5月21日
The new blood thinner Xarelto appears to lower the chances of potentially fatal blood clots in high-risk heart patients, a U.S. Food and Drug Administration review has found.
The review came in briefing documents that were filed Monday in advance of an FDA advisory panel meeting Wednesday, at which the panel is to vote on whether to recommend approval of Xarelto for treating people with acute coronary syndrome (a group of conditions brought on by sudden reduced blood flow to the heart).
The FDA is not required to follow the advice of its expert panels, but the agency typically does. A final decision is expected by the end of June, according to the documents.
Xarelto (rivaroxaban) is one of a new class of blood thinners that have been developed to overcome some of the problems that exist with the standard treatment, warfarin (Coumadin), which requires constant dose monitoring. Warfarin's effectiveness also can be altered by certain foods and other medications. Xarelto already is approved for use by those with atrial fibrillation (irregular heartbeat) and by people who are having hip- or knee-replacement surgery.
In the FDA briefing documents, an agency reviewer recommended approving the drug for treatment of acute coronary syndrome, mostly because trial data showed there was a reduction in cardiovascular death, even though there was also an increased risk of potentially fatal bleeding.
"However, what is not reflected in the sponsor's analysis are minor bleeding events," FDA reviewer Dr. Karen Hicks wrote in the briefing documents. "While it is true that these bleeding events typically do not lead to death or irreversible harm, these events may represent the biggest problem for both patients and health care providers if rivaroxaban is approved."
"While reductions in [cardiovascular] death still trump these bleeding events, if rivaroxaban is approved, we should expect a number of bleeding events that will require medical attention," Hicks wrote. "Carefully selecting patients for rivaroxaban therapy will be necessary to mitigate these bleeding risks."
In research presented at the American Stroke Association's International Stroke Conference in New Orleans last February, Australian doctors followed more than 14,000 people who took either Xarelto or warfarin for a median of two years. Of those patients, 136 had bleeding in the brain.
People who took Xarelto -- and suffered from the most common type of atrial fibrillation and didn't have heart valve damage -- were about one-third less likely to experience bleeding in the brain than those who took warfarin, the investigators found.
More information
The U.S. National Institute of Neurological Disorders and Stroke has more about stroke.
SOURCES: May 21, 2012, briefing documents, U.S. Food and Drug Administration; February 9, 2012, news release, American Stroke Association
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664984
26.Vigorous Exercise Might Keep Psoriasis at Bay
But only intense activities seemed to lower risk in large study of women
HealthDay News2012年5月21日
Women who exercise vigorously may be reducing their risk of psoriasis, Harvard University researchers report.
Psoriasis is an immune disorder that causes inflammation and scaly patches on the skin.
Vigorous activity for up to three hours a week can potentially reduce the risk by 25 percent to 30 percent, the researchers said.
"Exercise is a modifiable risk factor. Here is another reason to change lifestyle and exercise," said lead researcher Dr. Abrar Qureshi, vice chairman of the department of dermatology at Brigham and Women's Hospital, in Boston.
"Most interesting was our finding that intensity of exercise was linked to psoriasis risk, where less vigorous physical activity such as walking was not associated with a lower risk for new-onset psoriasis," he said.
The report was published in the May 21 online edition of the Archives of Dermatology.
For the study, Qureshi's team collected data on nearly 867,000 women who took part in the U.S. Nurses' Health Study II. Among these women, 1,026 had psoriasis.
The most physically active women had a significantly lower risk of psoriasis, compared to women who exercised the least, the researchers found.
However, only activities such as running, aerobic exercise or calisthenics were linked to a reduced risk of the condition, they added.
Other activities such as jogging, playing tennis, swimming and bicycling were not associated with psoriasis risk, they said.
"The highly variable intensity at which these activities are performed may account for this finding," the researchers wrote.
Why exercise is tied to a lower risk of psoriasis isn't known for sure, said the researchers, who found an association but not a cause-and-effect relationship between exercise and the skin disorder.
"The plausible mechanisms behind these findings are several," Qureshi said. "For example, physical activity may lower systemic inflammation."
Exercise has also been associated with reducing the risk of other diseases associated with inflammation, including type 2 diabetes, colon cancer, coronary artery disease and breast cancer, the researchers noted.
There are limitations to the study, Qureshi said.
"It is possible that women who engaged in vigorous exercise live healthy lives in general and other factors associated with healthy living may actually be associated with lowered psoriasis risk," he said.
To address this concern, the researchers adjusted for known psoriasis risk factors and the association remained statistically significant, Qureshi said.
Dr. Lawrence Green, a spokesman for the National Psoriasis Foundation, commented that "this study certainly adds on to recent research over the past several years about risk factors for more severe psoriasis and ways an individual with psoriasis can help manage their disease in addition to dermatologist-prescribed treatment."
This study adds to the accumulated body of evidence that "how we live our lives can play a role in how bad our psoriasis can become," he said.
"We have recently become aware that smoking, high alcohol intake and obesity can worsen psoriasis. Now, we have a study that shows that vigorous exercise can play a role in helping to mitigate psoriasis," Green said.
Another expert, Dr. Robert Kirsner, chief of dermatology at the University of Miami Miller School of Medicine, added that "exercise allows patients who may be at risk for psoriasis because of family history the ability to do something to hopefully reduce that risk or delay the start of the psoriasis."
In addition to reducing inflammation, exercise might also reduce stress and depression, which are also associated with psoriasis, he said.
"We finally have something that a patient can do to help reduce their risk of developing psoriasis," Kirsner said.
More information
For more about psoriasis, visit the National Psoriasis Foundation.
SOURCES: Abrar Qureshi, M.D., M.P.H., vice chairman, department of dermatology, Brigham and Women's Hospital, Boston; Lawrence Green, M.D., spokesman, National Psoriasis Foundation; Robert Kirsner, M.D., Ph.D.,chief, dermatology, University of Miami Miller School of Medicine; May 21, 2012, Archives of Dermatology, online
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664964
27.Could Compound in Artificial Sweeteners Worsen Crohn's Disease?
Lab study suggests maltodextrin may encourage growth of E. coli bacteria in small intestine
HealthDay News2012年5月21日
The food additive maltodextrin, commonly used in some artificial sweeteners, may worsen Crohn's disease by encouraging the growth of E. coli bacteria in the small intestine, a new study suggests.
However, researchers stressed that the findings are preliminary and the tests were conducted in the lab, not in people, so it's too soon to advise those with the inflammatory bowel disease to avoid maltodextrin.
Maltodextrin is a white powder used in many processed foods as a thickener or a filler, including the artificial sweeteners Splenda and Equal, along with cereal, canned fruits, packaged desserts, instant pudding, sauces and salad dressings. Maltodextrin, typically derived from corn or wheat starch, is also used in some medication coatings.
In the study, researchers placed Equal, Splenda and another sweetener, Stevia, in a dish along with E. coli bacteria taken from people with Crohn's disease. While E. coli is commonly found in the digestive tract of humans, it's usually found in the large intestine, explained senior study author Christine McDonald, assistant staff in the pathobiology department at the Cleveland Clinic's Lerner Research Institute. Prior research has found that people with Crohn's tend to have E. coli in their small intestine.
Though the precise role that E. coli plays in Crohn's is unknown, it's thought that the bacteria may contribute to the inflammation that marks the condition.
When grown in the dish with the Equal (which contains aspartame, dextrose and maltodextrin) and the Splenda (which contains sucralose, dextrose and maltodextrin), the E. coli grew stickier, forming a thick biofilm, according to the researchers. The same didn't happen with the Stevia, which is made from the leaves of a South American plant and does not contain maltodextrin.
Researchers then repeated the experiments, culturing E. coli with maltodextrin alone, and the same sticky biofilm formed.
"In the lab, the E. coli becomes stickier, and it sticks to intestinal cells," said McDonald, who conducted the research with graduate student Kourtney Nickerson. "But we haven't tested this in animals to see if there is a particular amount you need to eat to have this effect. It may be that in people who have other risk factors for inflammatory bowel disease, this may tip them over the edge."
The study, which was funded by the U.S. National Institutes of Health, was to be presented Monday at the Digestive Disease Week meeting in San Diego.
Crohn's disease is an inflammation of the digestive tract that can lead to swelling, pain and ulcers. Although the disease can affect any part of the digestive tract from the mouth to the anus, the most common spot is the small intestine.
It's unknown what causes the disease, although it's believed that microbes -- along with genetics and other environmental factors -- play a role, said Dr. Jerrold Turner, an associate chair in the department of pathology at the University of Chicago.
A healthy gut contains a multitude of bacteria that aid in the digestion of food and extraction of nutrients from foods. A healthy intestine has a layer of mucus that keeps the bacteria away from the lining of the intestine itself. Prior studies have found that, in people with Crohn's, the thickness of that mucus layer decreases, meaning there are more bacteria directly on the cells lining the intestine, possibly leading to inflammation, Turner explained.
The sticky biofilm may also mean there are more bacteria on the lining of the intestines, McDonald said.
No specific diet has been shown to prevent or treat Crohn's disease, according to the U.S. National Digestive Diseases Information Clearinghouse. However, the incidence of Crohn's has been rising in the United States in recent decades, leading researchers to suspect that something about the modern American diet is contributing.
In addition, many people with the disease notice that certain foods or types of foods seem to make their symptoms worse.
McDonald said people with Crohn's may want to try avoiding maltodextrin and see if their symptoms improve, but she and Turner both said more needs to be learned before they recommend that people with Crohn's or a susceptibility to Crohn's avoid the additive.
"It's a very interesting and provocative finding, and [it] may tell us something about the bacteria and what is happening in the intestines, but it's really too preliminary to make any recommendations," Turner said.
A group representing the artificial sweetener industry said the finding was too preliminary to prompt any changes in how artificial sweeteners are made or sold.
"This study was done on cells in petri dishes, therefore it is not possible to apply these findings to humans," the Calorie Control Council said in a statement released Monday. "Even the researcher has stated that it is too early to conclude that maltodextrin promotes disease. Further research is needed before any human nutrition recommendations can be made."
Because this study was presented at a medical meeting, the data and conclusions should be viewed as preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
The U.S. National Digestive Diseases Information Clearinghouse has more on Crohn's.
SOURCES: Christine McDonald, Ph.D., assistant staff, pathobiology department, Lerner Research Institute, Cleveland Clinic; Jerrold R. Turner, M.D., Ph.D., professor and associate chair, department of pathology, University of Chicago; May 21, 2012, statement, Calorie Control Council, Atlanta; May 21, 2012, presentation, Digestive Disease Week meeting, San Diego
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664941
28.More Research Points to Long-Term Ills With Bone Drugs
Bisphosphonates used for osteoporosis raise risk of rare fractures over time, study says
HealthDay News2012年5月21日
Adding more weight to concerns about possible long-term dangers of osteoporosis drugs, a new study finds that people who take the drugs, known as bisphosphonates, may be at increased risk for atypical fractures of the thigh bone (femur).
Osteoporosis is a bone-thinning disease that is common in older women. An atypical femoral fracture is an unusual type of break that often occurs spontaneously, without any major leg injury.
In the new study, Swiss researchers looked at 477 patients, aged 50 and older, who were hospitalized with a femoral fracture. Of those patients, 39 had atypical fractures and 438 had a classic fracture (a more common fracture with a typical pattern).
These groups were compared with 200 people without femoral fractures. The findings were published online May 21 in the journal Archives of Internal Medicine.
The investigators found that 82 percent of the patients with atypical fractures had been treated with bisphosphonates, such as Actonel or Fosamax, compared with about 6 percent of the patients with classic fractures.
But compared to patients without fractures, use of bisphosphonates was associated with a 47 percent reduction in the risk of a classic fracture.
The researchers compared duration of bisphosphonate treatment versus no treatment and found that the odds ratio for an atypical fracture versus a classic fracture was 35 to 1 for less than two years of treatment, 46 to 9 for two to five years of treatment, 117 to 1 for five to nine years of treatment, and 175 to 7 for more than nine years of treatment.
"In conclusion, we have demonstrated that the association between bisphosphonate treatment and the occurrence of atypical fractures of the femur is highly likely and that the duration of such treatment significantly correlates with augmented risk," Dr. Raphael Meier and colleagues from University Hospitals of Geneva and Faculty of Medicine in Geneva, concluded in a journal news release.
"However, the incidence rate was very low, and the absolute benefit to risk ratio of bisphosphonate use remains positive," the authors added.
While the study uncovered an association between bisphosphonate use and atypical fractures, it did not prove a cause-and-effect relationship.
In 2010, the U.S. Food and Drug Administration issued a warning about the possible risk of femur fractures from taking bisphosphonates over a long period of time.
More information
The National Osteoporosis Foundation has more about osteoporosis medicines.
SOURCE: Archives of Internal Medicine, news release, May 21, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664922
29.Dieting May Lower Hormone Levels Tied to Breast Cancer
Study didn't prove that weight loss lowers risk, but it did cut estrogen, which may help older women
HealthDay News2012年5月21日
New research suggests that weight loss through exercise and dieting helps overweight women lower the levels of certain hormones in their blood, potentially raising the odds that they'll avoid developing breast cancer.
The findings don't prove that losing weight this way will prevent breast cancer. Still, women who take medications to prevent the disease "need long-term solutions for managing their risk," study co-author Dr. Anne McTiernan, director of the Prevention Center at the Fred Hutchinson Cancer Research Center, said in a news release from the center.
"Weight loss represents an additional option for long-term breast cancer risk reduction without significant or bothersome side effects," McTiernan added.
The study is published in the May 21 online issue of the Journal of Clinical Oncology.
Previous research at the center has suggested that "losing just 5 percent or more of one's weight could cut by a quarter to a half the risk for the most common, estrogen-sensitive breast cancers," McTiernan said.
In the new study, researchers wanted to understand how weight loss through exercise, diet or both would affect potentially dangerous levels of hormones in the body.
The investigators randomly assigned 439 overweight-to-obese women to one of four groups. One group exercised (mainly through walking), one group dieted, one group did both and the remaining group did neither. The women were aged 50 to 75 with an average age of 58.
Those who dieted or dieted and exercised lost an average of about 10 percent of their weight. In addition, they lowered the levels of several hormones.
"The amount of weight lost was key to changes in hormone levels," McTiernan said. "The biggest effect was through diet plus exercise; exercise by itself didn't produce much of a change in weight or estrogen."
Dr. Robert Hiatt, professor and chair of the department of epidemiology and biostatistics at the University of California, San Francisco, cautioned that weight loss has been connected to breast cancer risk after menopause only. "In this stage of a woman's life, most of the circulating estrogens are no longer coming from the ovaries, which cease to function, but from fat tissue that is capable of producing the same types of estrogens," said Hiatt, who's familiar with the study findings.
He cautioned that "the study does not say that losing weight lowers the risk of breast cancer. It would take a larger and longer study to prove that. It does, however, suggest than weight loss has the right kind of effect on circulating estrogens, and it would be reasonable to expect that breast cancer rates would subsequently fall in such women."
More information
For more on breast cancer, visit the U.S. National Library of Medicine.
SOURCES: Robert Hiatt, M.D., Ph.D., professor and chair, department of epidemiology and biostatistics, University of California, San Francisco; May 21, 2012, Journal of Clinical Oncology, online
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664953
30.Statins May Help Prevent Enlarged Prostate: Study
But the effect was small and it's too early to recommend the drugs for this purpose, experts say
HealthDay News2012年5月21日
Statin drugs commonly used to lower cholesterol levels may also slow the unhealthy growth of the prostate in men with elevated blood levels of prostate-specific antigen, a new study finds.
Prostate-specific antigen, or PSA, levels are often elevated due to cancer or other conditions involving the prostate, explained researchers from Duke University Medical Center in Durham, N.C.
The study authors noted that their findings are significant because an enlarged prostate affects up to 90 percent of men older than 70 years and can lead to bladder or kidney damage. Many of these men may already be taking a statin, which include cholesterol-lowering drugs such as Crestor, Lipitor, Pravachol or Zocor.
"Given that prostate enlargement is an important health problem in the United States and elsewhere, and will be a larger problem as the population ages, it's important to understand and treat its causes," the study's lead author, Dr. Roberto Muller, a urology fellow at Duke, said in a medical center news release.
The study, which was funded by drug maker GlaxoSmithKline, is scheduled to be presented Monday at the annual meeting of the American Urological Association in Atlanta.
In the research, Muller and his team sifted through data on more than 6,000 men involved in an unrelated GlaxoSmithKline trial for a prostate cancer drug. The researchers identified over 1,000 men enrolled in the study who also took a statin.
Although the men who took these cholesterol drugs tended to be older and were expected to have enlarged prostates, the study revealed the prostates of these men were similar in size to those who did not take statins.
After two years, the researchers also found that the men who took statins had reduced prostate growth regardless of whether or not they had taken the prostate cancer drug as part of the larger study.
Specifically, prostate growth was an average 5 percent less in men who took both a statin and the prostate cancer drug, compared to the men who only took the cancer medication. For the men taking statins and an inactive placebo pill, prostate growth was about 4 percent less than the men taking only the dummy pill.
The researchers noted, however, the benefits of the drugs seemed to fade after two years.
"We don't yet understand the mechanisms that might be causing this," Muller said in the news release. "Some have suggested that statins may have anti-inflammatory properties, and inflammation has been linked to prostate growth, but this needs further study."
One expert said the findings were interesting, but it's too soon to advise a statin as a preventive measure against enlarged prostate.
"Studies such as these are intriguing because we do not yet know the reason prostates enlarge as men age," said Dr. Warren Bromberg, chief of the division of urology and director of the Prostate Cancer Program at Northern Westchester Hospital Center in Mount Kisco, N.Y. "There are likely multiple factors that may lead to prostate growth, including genetic, environmental, and as the article points out, dietary or behavioral."
The reduction in prostate growth linked to statin use was "small," Bromberg added, and it also seemed temporary.
"Because statins may be associated with significant side effects, I would advise caution in taking such medications strictly to prevent prostate growth," he said.
The study authors noted that men's lifestyles, including diet and exercise, affect their prostate health as well as cholesterol levels. The study was able to show an association between statin use and reduced prostate growth, but it could not prove cause-and-effect.
Still, the findings do shed light on prostate health generally, Muller said.
"Prostate enlargement was once considered an inexorable consequence of aging and genetics, but there is growing awareness that prostate growth can be influenced by modifiable risk factors," he explained. "In this context, the role of blood cholesterol levels and cholesterol-lowering drugs such as statins warrants further study."
Findings presented at medical meetings are typically considered preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
The U.S. National Library of Medicine has more about enlarged prostate.
SOURCES: Warren Bromberg, M.D., chief, division of urology and director, Prostate Cancer Program at Northern Westchester Hospital, Mount Kisco, N.Y.; Duke University Medical Center, news release, May 21, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664905
31.プレスリリース
1) がん治療薬ECI301のGMP生産に関するお知らせ
http://v3.eir-parts.net/EIRNavi/DocumentNavigator/ENavigatorBody.aspx?cat=tdnet&sid=979763&code=4567&ln=ja&disp=simple
2) 国立がん研究センターと第一三共、包括的研究提携契約を締結
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/004356.html
32.Other Topics
1) 大学や専門家の「権威」は失墜したほうが良い
あれから1年、正しく怖がる放射能
Nikkei Business Publications2012年5月22日
よく、大学の中で・・・あるいは外の一般の会合でも・・・話題になるのですが、3.11以降、専門家の「権威」が失墜した、という話を耳にします。
とりわけ「理工系」「医学系」の専門家、もっとハッキリ言えば原発や放射能関連の話が圧倒的に多いわけですが、これに関わる「大学教授」あるいは明確に「東大」の権威が失墜した、とか何とか、そういう話がしばしば出てきます。
そこから、どうしたら「権威」を回復できるか、という話が出てきたりするのですが、今回は、一応現役の東京大学教員として、そんな「権威」など回復しなくてよろしい、犬にでも食べさせてしまいましょう、というお話をしようと思います。
対立する複数見解を冷静に検討する大切さ
いま、文学部哲学科関連で開かれている「死生学」講座のオムニバス講義「応用倫理教育プログラム」のために準備をしています。毎月一回開かれるもので先月は初回、医学部放射線科の中川恵一さんと文学部宗教学科の島薗進さんが厳しい議論を交わされましたが、今月は5月24日の夕刻に東京大学本郷キャンパスで開かれる第二回で、僕が当番に当たってお話をすることになっています。
この連続講座は哲学科の一ノ瀬正樹さんと宗教学科の島薗進さんがコーディネーターとして進めておられ、上記の中川さん、僕など数名で昨年の7月8日、福島第一原発事故を巡る緊急シンポジウムを文学部哲学科で開きました。
この日の内容は、おのおの大変に踏み込んだもので、かつ重要だと思ったのは、意見がまっこうから対立する複数の東京大学教員どうしが、準備を整え礼を尽くしながら、正面から「ガチンコ勝負」的に学術的な議論を交わしたことでした。さらにその方向で強化して8カ月ほど時間をかけ『低線量被曝のモラル』(河出書房新社)という書籍に編んで出版しました。
逆に、ダメだなぁ、意味がないなぁと思うのは、一般のメディア上、マスコミを通じて、きちんとした大学専門人であれ、そうでない人であれ、まともな議論や批判ではない非難、あるいは罵詈雑言、流言飛語などをすっ飛ばしてるのを見ます。あれは、ハッキリ言いますが、やめたほうがいい。また、原発事故を始め、科学や技術的な内容を正確に扱う必要のあるところで無用の感情を持ち込む人(多くの場合不安をあおる)や、基本的な人間としての礼儀をわきまえないようなものは、僕は一切相手にしないことにさせてもらっています。誰も時間のないところで毎日生活をしている訳で、案件は選ばなければいくら寿命があっても足りません。
一刻、一秒を争うような緊急の事態のときほど、落ち着かねばなりません。「何を悠長なことを言ってるんだ~!」なんて、あまりうるさいのが居たら、本当に大変なときは少し黙らせておく必要があるかもしれません。そんな映画が昔ありました。ワーワー言うだけで役に立たないコミカルなオッサンを、猿ぐつわかませて横に転がして、その人も含めみんなが救出される米国製、ハリウッド映画だったような気がしますが、洒落でなくソレに近いものも見る気がします。
大切なのは、意見が一致するような状況でないところで、たがいに対立する見解同士を、おのおの落ち着いて、極めて冷静に比較検討しつつ、何が正しいのか、私たちはどうするべきなのか、を、本当にシリアスに考えることです。
嵐の海で難破しかけた船長室での冷静な会合を無用に邪魔すれば、全員の乗っている船自体が沈むリスクが高くなってしまう。
権威主義は大学をダメにする
話がやや「専門家の権威が地に落ちた」的な話からずれたように見えるかもしれません。がそうではないんですね。ここが問題なのです。僕は34歳までただの音楽屋で、大学というのは限られた所しか知りません。「務め」をしたことがあるのは東京大学だけですので、以下は東大のケースでお話したいと思います。
東京大学の中で、複数の異なる専門の先生が集まり、そこで議論をしているとしましょう。そういう場はいたるところにあります。
このとき、複数の人が違う見解を述べることがあります。A先生は「甲」だといいB先生は「乙」だという。
そのとき、この「甲乙」をきちんと見比べ、みんながまともな意見を率直に出し合って議論できるような会議は、建設的・生産的に機能する場合が多い。
何でそんなことを言うかというと、そうでない会議もあるんですね。C先生がとてもお偉いということになったりして、そのご意見と反駁するような話をD先生でもE先生でも、誰かが口にしたりすると、それ自体が何か良くないことのように見る空気があるような会議。
こういうものは、まあ、ハッキリ言ってダメな会議です。こういうところに「権威主義」という堕落の目があるのですから。
僕が育った理学部というところには、こういう権威主義はほとんどありませんでした。例えば南部陽一郎先生のような偉い人が毎週金曜日の夕方に開かれる談話会でお話になります。そのとき計算に疑問があると、院生でも学部学生でも普通に手を挙げて
「先生、そこ、よく判らないのですが・・・」
と指摘します。先生のほうも
「ええと・・・」
とその場で黒板で計算をしなおしたりする。その結果
「・・・あ、そうですね、間違っていました。ご指摘ありがとう」
といったやり取りが普通に交わされます。僕は、ノーベル物理学賞などを受賞した大研究者が、目の前で計算ミスをしたり、それを指摘されて気持ちよく感謝の言葉を述べたりするのを、少なからざる回数目にしてきました。ちゃんとした本物とはそういうもの、だと思っています。権威主義で不正確なものがまかり通るようになったら、大学はおしまいです。というか、実際問題として3流以下の知的レベルと診断するのが適当でしょう。
ところが、大学というのも広いところで、所変われば何かが変わり、必ずしもそうではないんですね。無用に事を荒立てる気もないので、具体的には記しませんが、長年そこで育った理学部・物理学科とは別の空気の場所では。こういう自由闊達な議論があるとは限らないようです。
C先生が何か主張し、D先生がソレは違うと指摘すると、不快そうな顔をしたり、周りが何か抑圧的なことを言ったり、はなはだしい場合には怒り出しちゃう人とか、まったくジェントルにアカデミックな話をしているはずだけなのに、そこに感情を持ち込んで思考を混乱させる人というのも、現実に大学の中で目にしたことがあります。
検討する価値のある情報を選ぶこと
実際、「批判」に弱い人、というのは世の中に存在していて、何か自分の考えと違うことを言われると、その事自体で湯気が出てしまうというケースがあります。いやしくもアカデミシャンであるならば、それは本来は失格だと思うんですね。
きちんと礼を尽くして、議論に疑問点がある、と指摘を受けたら、そしてそれに回答する必要があると判断されたなら、ちゃんとアカデミックに応えるのが、大学人としての最低限のマナー、ルールであって、これが出来ない人は『幾何学を知らざる者はこの門をくぐるべからず』、円卓に参加できないと思うわけです。
むろん、そうでなくていいケースもあると思います。例えば十分に推敲したり、下調べなどが不足したまま、不正確な話をしてくる人。こういう人には「もう少し準備してから出直してください」でよいと思うし、きちんとしたマナーをもてない人、これは普通の社会でも回避しますよね。駅前で何か一人で大声を出してる変な人がいたら、第三者に危険を及ぼしそうなら通報など考えたほうがいいし、そうでなければ、また急いでいれば、そっと道をよけて通るのが大人というものでしょう。何にしろ、暇でもないのだから、いちいち取り合う必要はない。
で、そういう意味で「取り合う価値」のある議論が、社会にどれだけあるか、と考えたいわけです。あるいは、そもそも顧慮する価値のない情報、もっといえば、時間の無駄という以上にマイナスになる雑音というのも、たくさんあると思うのです。
検討する価値のある情報を選ぶこと。これがとても大切です。むろん、必要な情報に目をつぶったり耳を貸さなかったりするのはいけません。その取捨選択が重要になるわけですが、こうした取捨選択を含め、情報の受け手の側が、何を考え、何に気をつけるべきか、をよくよく真剣に検討する必要があると思うのです。
このとき、医学の例が参考になると思うわけです。
再び、インフォームド・コンセントから考える
例えば自分や家族が病気になったとしましょう。ガンの疑いがあります、糖尿病の症状が見られます、などなど。告知という「情報」は、なかなか重いものです。私も子供の頃父を肺ガンで失い、また母は長年糖尿を病み、晩年は脳梗塞とそこからのリハビリテーションなど、いろいろな局面を家族として経験してきました。
ここで「告知」を受けたとき
「わかりました。私たち素人は何もわかりません。どうか先生、一番いい治療を受けさせてやってください」
という患者の姿勢は、ほめられるものだといえるでしょうか?
僕はそうは思わないのです。というか、21世紀の日本の医療制度の中では、この姿勢は患者として、あるいは家族として、極めて困った状態であるとされています。なぜなら「インフォームド・コンセント」が成立しないから。例えばこんなやり取りを考えてみてください。
医師「ええ、お父さんの治療についてなのですが」
家族「はい」
医師「治療法には三つの選択肢があります」
家族「はい、お任せします」
医師「第一は手術ですが、これは年齢を考えると危険が伴います」
家族「はい、よく判りませんが、お任せします」
医師」「第二は薬物を使う療法ですが副作用が出ることになります」
家族「はい、難しい事は解りませんので、お任せします」
医師「第三は放射線治療なのですが・・・」
家族「はい、全部お任せします」・・・
話にならないわけです。ここで、やや解りやすくキャラクター的に書いてみた「家族」の姿勢は、お医者さんへの盲従というわけですが、これが『権威主義』そのもの、に他なりません。
ここで、最初の「大学の権威」にお話を戻しましょう。
もし、2011年までの日本社会で、大学とか(あるいは『東京大学』でもいいと思います)あるいは専門家という人たちが、社会全般にとって、いま上で戯画化して書いた「家族」にとっての「医者」のように見えていたら?
お話にならないわけですよね? ここが重要なポイントだと思うのです。
まともな大学人であれば、従来だって、いくつものわからないことがあるとき、あるいは決定する上で社会とコンセンサスを取りたいと思うような場合でも
大学「いくつか可能性があるのですが・・・」
社会「難しい事は解りませんので、専門家の先生に全部お任せします・・・」
と遣られているだけだったとしたら・・・?
これは、大学の側ももちろんですが、むしろ大学をどのように社会が見るか、というレベルで、大問題だと思うのです。
大学ってそうい うものではない。妄信・盲従したり、権威だといって崇め奉ったりする対象であるわけがない。
そうではなく、今本当に必要なことが何なのか、複数の異なる見解があるなら、それを一切の値引きなしに、冷静に紳士的に議論し合える、知の円卓であるべきだし、そうでなければならない、と僕は思います。で、実際に哲学科のシンポジウムでも、徹頭徹尾そのような立場で努力しましたし『低線量被曝のモラル』を編集する際にも、異なる複数の見解を鳥瞰して、その異同や意義が明確に見えるよう、できる限りの努力をしたわけです。
大学は『権威』なんて持つべきではない。というより、従来持っていたへんな「権威」があるとしたら、きれいさっぱり洗い流してしまったほうがいい。それは医者が「権威」を持つべきなのではなく、真摯に患者と病気と向き合い、患者さん本人はもとより家族とも、うらおもてなく情報を共有し、きちんと事態と立ち向かって行く「専門家」として、ケジメをもって共に協力してゆくことが、一番基本だし何より大事なことだからです。『お医者さま、治してやってください』ではなく、治すのは患者本人の自己治癒能力であって、医師はその環境を整えることしかできない、というのは、21世紀の近代医療の基本的なコンセンサスと思います。
大学は「権威」など持つべきなのではありません。というか、これは政府でも裁判所でも同じで『権威主義』などというものはろくなものではない。
真摯に問題や事態と向き合い、例えば天災や原発問題であれば、被災者など関係のさまざまな人と、うらおもてなく情報を共有し、きちんと事態と立ち向かって行く「専門家」として、ケジメをもって共に協力してゆくことが、一番基本だし何より大事なことだからです。
『先生、どうにかしてください』ではなく、問題を解決してゆくのは当事者にほかならず、専門家は解決に向かって環境を整えることしかできません。あまりに当たり前のことですが、主体は当事者にあって、専門家は脇役に過ぎません。
では、もし大学がいま失っているものがあるとしたら、そこでまた、回復を努力しなければならないとしたら、それは何になるのか?
専門人としての、あるいは社会的な意味での「信頼」こそが問われるのではないか? 僕はそう思うのです。
◆伊東 乾(いとう・けん)
1965年生まれ。作曲家=指揮者。ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督。東京大学大学院物理学専攻修士課程、同総合文化研究科博士課程修了。松村禎三、レナード・バーンスタイン、ピエール・ブーレーズらに学ぶ。2000年より東京大学大学院情報学環助教授(作曲=指揮・情報詩学研究室)、2007年より同准教授。東京藝術大学、慶応義塾大学SFC研究所などでも後進の指導に当たる。基礎研究と演奏創作、教育を横断するプロジェクトを推進。『さよなら、サイレント・ネイビー』(集英社)で物理学科時代の同級生でありオウムのサリン散布実行犯となった豊田亨の入信や死刑求刑にいたる過程を克明に描き、第4回開高健ノンフィクション賞受賞。科学技術政策や教育、倫理の問題にも深い関心を寄せる。他の著書に『表象のディスクール』(東大出版会)『知識・構造化ミッション』(日経BP)『反骨のコツ』(朝日新聞出版)『日本にノーベル賞が来る理由』(朝日新聞出版)など。
1.薬事行政監視進まず 政府、第三者機関設置の法案断念へ
2.補助人工心臓を再利用 国循・ニプロなど開発
3.尿の臭いで肺がん識別 パナソニックと名大が技術開発
4.抗生物質と心臓病死の関連で安全性情報―米当局
5.「肩甲骨ストレッチ」で頑固な肩こり解消 一人で手軽 仕事の合間にこまめに
6.肺高血圧症、治療可能な病気に 学びや成長、地域で支えて
7.「ジェネラリスト必要」、認識高まる◆Vol.2
8.今日もまたまたアルバイト Vol.2満足?不満?みんなのアルバイト事情
9.「支払基金」って何ですか?
10.問診票の見落としで禁忌薬を処方!医師のための薬の時間
11.高齢者の胃瘻管理を見直す 経口摂取の併用でQOL向上を目指す試みも
12.救急部門でのST上昇心筋梗塞疑い、36%は偽陽性
13.禁煙治療のバレニクリン使用で、重症心血管有害事象の増加はなし
14.高齢心房細動患者、脳卒中発症リスクは女性が男性より高い
15.推定GFRによる死亡や末期腎疾患予測、CKD-EPI式がMDRD式より正確に
16.「HDLコレステロール=善玉」に疑問符
17.インドメタシン単回直腸内投与、ERCP後膵炎予防
18.急性リンパ芽球性白血病(ALL)の予後不良、T細胞性などで
19.術中失血量が長期生存に影響するという仮説を支持
20.エタネルセプト、硬膜外ステロイド群に比し神経痛に無効
21.フィブラート薬処方、エゼチミブ群に比し腎転帰不良
22.学会ダイジェスト:第55回日本糖尿病学会
1) 食物繊維摂取の好影響、日本人2型糖尿病患者対象の大規模研究でも明らかに
2) 新規プレフィルド型注入器FlexTouchは低用量設定でも優れた注入精度
3) 夕食ボリューム型の食事で空腹時血糖、中性脂肪が高値に
4) 災害時・緊急時に最も重宝するインスリン製剤は超速効型、震災後の巡回診療の経験から
5) 高齢の2型糖尿病患者では拡張期血圧が認知機能低下と関連する可能性
23.Two patients get eye stem cells transplanted to restore sight
24.U.S. Advisers Say 'No' to Routine PSA Tests for Prostate Cancer
25.New Blood Thinner May Lower Chances of Clots in High-Risk Heart Patients: FDA
26.Vigorous Exercise Might Keep Psoriasis at Bay
27.Could Compound in Artificial Sweeteners Worsen Crohn's Disease?
28.More Research Points to Long-Term Ills With Bone Drugs
29.Dieting May Lower Hormone Levels Tied to Breast Cancer
30.Statins May Help Prevent Enlarged Prostate: Study
31.プレスリリース
1) がん治療薬ECI301のGMP生産に関するお知らせ
2) 国立がん研究センターと第一三共、包括的研究提携契約を締結
32.Other Topics
1) 大学や専門家の「権威」は失墜したほうが良い
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1.薬事行政監視進まず 政府、第三者機関設置の法案断念へ
朝日新聞社2012年5月22日
医薬品行政を監視する第三者機関のイメージ
薬害を防ぐために医薬品行政を監視する第三者機関を創設する法案について、厚生労働省は、今国会に政府として提出するのを断念する方針を固めた。創設は2年前に提言され、民主党の歴代厚労相が、今国会に法案を出すと明言してきたが、守られない公算が大きくなった。
小宮山洋子厚労相は21日夜、朝日新聞社の取材に対し、「政府案として今国会の提出は無理。議員立法で成立させてもらいたい」と述べた。
第三者機関は、医薬品の承認審査や安全対策が適切に実施されているかを監視し、副作用など安全性に関する情報を集めて必要な対策を厚労省に勧告する役割を担う。薬害肝炎を検証する委員会が2010年に提言した。提言では、委員には薬害被害者も入り、厚労省などから定期的に報告を受けるだけでなく、製薬企業や医療機関の情報を集めるよう厚労省に依頼できる、とした。独立性を担保するために、既存の審議会とは別に設けることを求めた。
2.補助人工心臓を再利用 国循・ニプロなど開発
日本経済新聞社2012年5月22日
国立循環器病研究センターはニプロや産業技術総合研究所と共同で新しい補助人工心臓を開発した。血液を送り出すポンプの部分だけ交換して再利用できるため、価格を従来品よりも安くできるという。1カ月ほど装着し、心臓移植など本格的な治療が必要かどうかを判断するのに使う。2年後の臨床試験(治験)を目指す。
補助人工心臓は弱った心臓につないで全身に血液を循環させるのを助ける。開発したのは体の外に取り付けるタイプで、心筋梗塞や狭心症など急性心不全の容体が安定しない患者に取り付ける。心機能が回復するかどうかを見極め、次の治療手段を決めるまでのつなぎ役として使う。次の患者に使う場合、ポンプの部分を取り換える。
直径約6センチメートル、長さ約12センチの円筒形で、重さ500グラムの補助人工心臓を試作した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の成果を生かした。
プラスチック製の羽根車を電磁石の力で回して心臓に血液を送る。羽根車はポンプ内で浮かせて回し、動作不良や症状悪化の原因になる血液の塊(血栓)ができにくい。
羽根車や容器の形状を数マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの精度で精密加工。羽根車の姿勢が安定し、ポンプ部分の壁などに衝突しないようにした。
3頭のヤギに取り付けて1カ月間動かしたところ、いずれも血栓の発生はなく経過は良好だったという。今後1年かけてさらにヤギ8頭で実験し、効果などを調べる。国循が中心となって医師主導型の治験を目指す。
急性心不全患者の6~7割は容体が不安定な状態が数日から1カ月ほど続く。その間に補助人工心臓を取り付け、長期間の使用を想定した埋め込み型補助人工心臓を移植するかを見極める。こうした用途に使うタイプは300万円以上する。
3.尿の臭いで肺がん識別 パナソニックと名大が技術開発
日本経済新聞社2012年5月22日
パナソニックと名古屋大学の花井陽介研究員らは、尿の臭い成分から肺がんかどうかを95%の精度で識別する技術を開発した。4種類の物質の比率などから判定する。がんが小さいうちに早期発見できるのか見極めながら、定期健診などに使う簡易検査法として、2020年ごろの実用化を目指す。
協力する米ペンシルベニア大学から肺がん患者約20人の尿の提供を受け、揮発して臭いのもとになる物質を詳しく調べた。強い臭いを出す2ペンタノンと呼ぶ物質など、4種類が肺がんと関わりが深いことを見つけた。
検査では、尿から揮発する物質を集め、バイオ研究に使われている質量分析装置で調べる。肺がん患者などの尿を調べたところ、患者を「肺がんの疑いあり」と判定する確率は約95%。一方、健康な人を「疑いなし」とする確率は70~100%だった。尿や血液を使う簡易検査法は約70%以上であれば実用的な水準にあるとされ、精度は十分に高いとみている。
肺がんには、がん細胞の形によって、腺がんや扁平(へんぺい)上皮がんなどがある。腺がん患者の尿は2ペンタノンが多かった。データを集めて調べれば、がんの種類も特定できる可能性があるという。
4.抗生物質と心臓病死の関連で安全性情報―米当局
Medical Tribune2012年5月22日
「相談せず服薬中止しないで」
5月17日付の米医学誌「New England Journal of Medicine」(2012; 366: 1881-1890)に報告された、抗生物質「アジスロマイシン」(商品名ジスロマックほか)と心筋梗塞などの心血管疾患による死亡(心血管死)リスクとの関連を示した検討結果を受け、米食品医薬品局(FDA)は医師や薬剤師に向けて安全性情報を発表した。同検討に関する精査を行い、対応を検討中であることを明らかにしたほか、現在アジスロマイシンを使用している患者に医師との相談なく服薬を中止しないよう呼び掛けている。
医師へは処方時の注意を喚起
アジスロマイシンを含むマクロライド系抗生物質の一部に不整脈を引き起こす副作用があることは、以前から指摘されている。FDAによると、マクロライド系薬の「クラリスロマイシン」(商品名クラリスほか)と「エリスロマイシン」(同エリスロシン)の警告欄には、重大な不整脈を引き起こすQT延長に関する情報が記載されている。
アジスロマイシンはその作用が小さいとされていたが、New England Journal of Medicine誌に発表された検討では、アジスロマイシンを使っていたグループで、心血管死のリスクが使っていないグループの2.88倍に上っていることが分かった。
この報告を受け、FDAは新たな情報の更新を行うとしている。その上で現時点では、患者へは医師への相談なく同薬の服用を中止しないこと、医師へはマクロライド系薬の処方に当たって患者にQT延長や不整脈のリスクがないかどうか、十分注意するよう呼び掛けている。
Zithromax (azithromycin): FDA Statement on risk of cardiovascular death
http://www.fda.gov/Safety/MedWatch/SafetyInformation/SafetyAlertsforHumanMedicalProducts/ucm304503.htm?source=govdelivery
5.「肩甲骨ストレッチ」で頑固な肩こり解消 一人で手軽 仕事の合間にこまめに
日本経済新聞社2012年5月22日
国民病ともいわれる肩こり。もんでもたたいても治らず、ひどくなると頭痛などの原因にもなる。パソコンで長時間作業をすると筋肉が収縮するなどして痛みが発生、その痛みのせいで筋肉がさらに硬くなる。そこで、専門家がすすめるのが「肩甲骨ストレッチ」だ。肩こりに関係の深い3つの筋肉を重点的にほぐして鍛えるという新しいストレッチ法だ。
女性では1位、男性でも腰痛に次いで2番目――。厚生労働省の国民生活基礎調査によると「気になる自覚症状」として、肩こりを挙げた人が男女とも上位を占めている。
肩こりはどうして起こるのか。法政大学の伊藤マモル教授(医学博士)は「筋肉の中やそばを通る血管が圧迫されている状態だ」と説明する。筋肉が過度に緊張した状態が続くと、硬くなって血管が収縮する。血液の流れが悪くなり、乳酸などの老廃物が筋肉にたまる。これらが神経を刺激すると「肩が凝った」という感覚につながるとされる。
■前かがみで筋肉に負荷
首や肩の周辺には、大小さまざまな筋肉がある。中でも、首や背骨の後ろから肩にかけて広がる僧帽筋(そうぼうきん)と、首筋にある肩甲挙筋(けんこうきょきん)は肩こりと関わりが深い。肩こりの症状が現れたとき、僧帽筋のうち首周辺の上部線維と肩甲挙筋が縮んだ状態になっている。
パソコン作業や家事で前かがみの姿勢を続けると、こうした筋肉は体を起こそうとしてフル回転で働く。特に、パソコンで長時間作業をしていると、顔が画面に近づき、肩が前に出てしまいがちで、筋肉に負荷がかかりやすい。
乾布摩擦のときのように、片手を上から、もう一方の手を下から背中に延ばす。指先が5センチメートル以上離れていれば、筋肉が縮んで硬くなっている証拠だ。マッサージを受けたり湿布を貼ったりする人も多いが、一時的に症状が軽くなるだけ。お金もかかるので、頻繁には利用しづらい。
「緊張して硬くなった首や肩周辺の筋肉をストレッチすれば、肩こりは解消できる」と伊藤教授は説明する。時間はかかるものの、効果は高いという。
肩甲骨は背中側の左右両肩の下にある大きな三角形の骨だ。肩こりに関わる3種類の筋肉はこの骨の周辺に集まっている。ここをストレッチで伸ばしてリラックスさせる。
■痛みを感じない程度に伸ばす
ストレッチのやり方は簡単だ。まず、正面を向いたまま頭を左に倒し、耳を左肩に近づけて止める。これを30秒間保つと、首から肩に広がる僧帽筋上部線維を伸ばせる。頭を左に向けて倒し、鼻を左肩に近づけて30秒間静止すると、首筋にある肩甲挙筋を伸ばせる。
痛みを感じない程度に伸ばすのがポイントだ。左に頭を傾けると、つられて右肩も上がろうとするため、右手で椅子をつかむとよいという。左右交互にやって、3セットを目安にする。
これで肩こりの症状をかなり解消できる。ただ、首都大学東京・健康福祉学部の竹井仁・准教授は「僧帽筋下部線維を鍛えることも心がけてほしい」と話す。肩や肩甲骨を下に引き下げる働きがあり、僧帽筋上部線維と肩甲挙筋が縮むと、伸びた状態になる。この筋肉を強くしてやれば、僧帽筋上部線維と肩甲挙筋が縮こまって硬くなるのを抑えられ、肩こりの予防につながる。
両腕を開いて肘から上を天井に向けたまま、肩甲骨を下方向に動かす。十分に下まで下がったと感じたらその状態を5秒維持し、その後元に戻す。この動作を10~20回繰り返す。上部線維と肩甲挙筋を伸ばす効果もある。
■パソコン作業中なら1時間に1回めど
「ストレッチはできるだけ頻繁にやった方がよい」と、竹井准教授はアドバイスする。例えば、パソコン作業中なら1時間に1回を目安にしたい。通常のデスクワークでも「疲れたな」と感じたらストレッチをやるようにする。こまめに実行すると血行もよくなり、肩こりを和らげる効果も高まる。
肩の痛みには、筋肉の緊張ではなく、病気が原因の場合もある。肩の関節周辺が炎症を起こす五十肩が思い浮かぶが、心臓病などの深刻な病気の前兆というケースもあり、要注意だ。1カ月以上ストレッチを続けても痛みが変わらなかったり、しびれが続いたりするようなら、専門医に受診することをおすすめしたい。
6.肺高血圧症、治療可能な病気に 学びや成長、地域で支えて
産経新聞社2012年5月22日
肺の血管が狭くなることで肺動脈の血圧が高くなり、心不全などを引き起こす肺高血圧症。かつては有効な治療法がなかった。しかし、この10年ほどの治療薬の進歩で、診断後に長期間生存する患者も増えてきた。ただ、まれな病気ということもあり病気について知らない人も多く、患者への理解や支援が十分とはいえないのが現状だ。
不安はないが…
難病情報センターによると、平成22年度の肺高血圧症の患者は2848人。効果の高い静脈注射(点滴)の治療薬が日本で使えるようになったのは11年で、前年の10年度に比べ、約8倍の患者数だ。
慶応大学医学部小児科学専任講師の福島裕之さんは「患者数の増加は、発症後も長く生きられるようになった人が増えたため。私が小児科医になった25年前は、子供の肺高血圧症は有効な治療薬がなく、診断後の平均余命は2・3年だった。今は多くの子供が生き延びることができるようになり、闘える病気になった」と話す。
プロスキーヤーの森幸さん(36)の長女、未瑠加ちゃん(3)は生まれてすぐ、新生児遷延性肺高血圧症と診断された。初めて聞く病名で、インターネットで調べたが、未瑠加ちゃんと同じような症状の子供はいなかった。医師から説明されても病気を受け止めらず、「どれぐらい生きられるんだろう」と不安な日々を送っていた。
前向きに考えられるようになったのは約1年前。患者会に入会し、患者やその家族らと情報交換するようになったことがきっかけだ。幸さんは「未瑠加が明るく過ごしているのを見て、大丈夫と思えるようになった。今は不安はありません」。
残念なのは、未瑠加ちゃんは日中も酸素吸入の必要があり、酸素ボンベを付けた姿を見た人が未瑠加ちゃんを重病と思ってしまうことだ。「公園などで、子供に近寄らないように言うお母さんもいた。未瑠加は自分から積極的に近寄っていき、一緒に遊ぶので心配してないが、病気についての理解がもっと広まってほしい」
普通の環境で学ぶ
今春、幼稚園から入園を断られた。酸素ボンベを扱うには常に大人が付き添う必要があることから、対応できないとのことだった。小学校も普通学級は難しいかもしれないと言われたという。主治医でもある福島さんは「未瑠加ちゃんが小学校入学時に24時間酸素吸入が必要だとしても、普通学級での受け入れは十分可能だと思う。できる限りのサポートをしたい」と話す。
文部科学省によると、酸素ボンベが手放せない子供でも普通学級で勉強している子供は全国にいるという。ただ、入学できるかどうかは地域の体制や子供の状態によって異なり、就学前に学校とよく話し合うことが大事になる。
福島さんは「学校は子供たちにとって社会生活の場。将来、本当の社会に出て社会人として生活できるように、できるだけ自然な環境を用意することが大切だ。そのためには地域の協力が不可欠。未瑠加ちゃんのような子供が普通の環境で学び成長できるよう、多くの人にこの病気について知ってもらいたい」と話している。
血管拡張薬で治療、肺移植も
肺高血圧症になると、全身に血液をうまく送れなくなる。初期は、息切れ▽疲れやすい▽立ちくらみがする▽顔や足がむくむ-などの症状が出る。患者は20~60代が多く、男女比は1対2・6で女性が多い。子供の患者は少ないが、就学前の健康診断で見つかることもある。
治療には、血管拡張薬や抗凝固薬が使われる。日本では静脈注射(点滴)か飲み薬しかないが、海外では吸入薬も使える。薬物療法で十分な効果が得られない場合、肺移植を行うこともある。脳死からの提供が少ない日本では親族から提供してもらう生体肺移植が多く、これまでに約100例が実施されている。
◆新生児遷延性肺高血圧症
http://mymed.jp/di/dsa.html
http://merckmanual.jp/mmpej/sec19/ch277/ch277f.html
◆Selective serotonin reuptake inhibitors during pregnancy and risk of persistent pulmonary hypertension in the newborn: population based cohort study from the five Nordic countries
http://www.bmj.com/content/344/bmj.d8012
◆肺高血圧症の治療:母子保健情報第62 号(2010 年11 月)
http://www.aiiku.or.jp/aiiku/jigyo/contents/kaisetsu/ks1103/62-13.pdf
7.「ジェネラリスト必要」、認識高まる◆Vol.2
ニーズに応えきれず、苦戦する総合医も
M3 2012年5月22日
――学生あるいは若手医師の総合医に対する関心は、高まってきているのでしょうか。
前野 高まってきていると思います。今、私がお話したイメージを持つ学生は決して少なくないと思います。
――医学部入学時点は、総合医的志向を持っていても、医学教育の6年間で、教員の大半は臓器別の専門医であるため、その講義を聞くうちに、次第に志向が変わるという話もお聞きします。
福井 専門医は、「自分が診たい病気だけを診ていたい」と考えるわけです。しかし、「自分の診たい病気を仕分けしてくれる医師」がどこかにいなければ、あらゆる病気を診なくてはならない。「仕分けする医師」の必要性は、誰が考えても当たり前の話です。ところが、大学の教授の多くは、自分が専門とする領域以外で何が起こっているかが分からなくなってしまいます。周囲の人が、「この教授は、この疾患しか診ない、あるいは診ることができない」と分かっているため、仕分けされた患者だけが教授に診察してもらう仕組みができ上がってしまうのです。したがって、教授は、日常的には全体的、総合的に診る医師がいかに重要かが、分からなくなってしまいます。診療体制のあり方や学生に大きな影響力を持っている教授が、患者を最初に診る段階での「仕分け」の重要性が分からなりやすい状況は不幸なことです。
――多くの大学教授には、先ほどの「1000人」の集団に、どのような患者層がいるかが理解できない。
福井 前野先生が言われた、「地域を丸ごと診る」ことを可能にするためには、「地域診断」、コミュニティー・ダイアグノーシス(Community Diagnosis)が必要ですが、日本ではこのような考え方をほとんど教えていない。公衆衛生学的な視点からの教育は日本では遅れているので、恐らく大部分の医師にとって、「地域診断」という言葉は、あまり馴染みがないかもしれません。一人の患者さんを、お金はいくらかかってもいいから治す、目の前の患者さんの問題さえ治せばいいと考える。日本では、地域全体を診るのではなく、一人の患者さんを診る、あるいは特殊な病気を診ることに大きな価値を見い出し、精力を費やしています。もちろん、このことは重要ですが、バランスが良くない。
――地域全体を診ることと、個々の患者さんを診ることのバランスの問題は、少しは改善されてきたのか。あるいは悪化しているのか。この辺りはいかがでしょうか。
福井 このまま放置すれば、狭い分野に特化する専門医がますます増え、バランスがさらに悪化する懸念があります。ただ、前野先生のように若い先生方が総合診療の分野に入ってきているので、その傾向はある程度、引き止められている面もあります。しかし、前野先生のような奇特な人がいなくなれば、狭い分野にしか興味を持たない医師だけが増える。なぜなら、サイエンスの面だけを見れば、狭い分野に特化する方が面白いからです。日本の医学部入試は偏差値が高い人を求める制度になっているため、結果的に諸外国と比べると、狭い領域の論文を書こうとする医師が多いように思います。
――では専門医の間では、総合医の必要性は浸透してきているのでしょうか。
前野 「ジェネラリストが必要」という認識は、ここ数年、かなり高まってきていると思います。ただ、それはどちらかと言うと、先ほど福井先生がおっしゃったように、「誰かに問題を整理してほしい」というニーズも大きいでしょう。専門医も、その領域内でますます専門特化、細分化してきている。自分の専門の仕事をするためには、それ以外の患者をスクリーニングし、自分の専門の患者のみを回してくれる医師が欲しいわけです。
福井 「自分が診たい病気だけを診ることができるシステムにしてほしい」という意味から、総合医的な医師がいた方がいい、と思っている専門医は多いと思います。
前野 私は専門医の1つのモデルとして、そういうスタンスはあっていいと思います。その代わり、「この領域は任せておけ」として、その領域については最高水準のものを提供していただければありがたいと思っています。
問題なのは、そのモデルが成り立つには、非常に多くの総合医が必要になる点です。医師の半分が総合医であれば、専門医が専門の領域に専念できる体制ができるでしょう。例えば、医師が100人いる病院なら、50人の総合医がいればいいですが、そこまで総合医がいる病院はほとんどない。現実には、総合医が5人しかいないような病院も多いと思いますが、その場合、専門医の先生方から、その5人に50人分の仕事を要求されると厳しい。全国で苦戦している総合医の先生方の話をお聞きすると、特にこの点の問題が大きい。
私は、「できる」には、二つの意味があると思います。一つは能力的にできる、もう一つは労力としてできるということ。能力的には、専門医がスーパーバイズするという条件下であれば、総合医は入院患者のかなりの部分を診ることができると思うのです。しかし、それにはマンパワーが圧倒的に足りない。その結果、能力的には診ることができても、労力的には無理という問題が必ず発生する。そうなると、総合医は(能力的に)診られる患者を全部引き受けるとつぶれてしまいますので、あるところで線を引いて断るしかなくなる。そうなると、専門医から見ると、「何でも診られると言ったのに、なぜ診ないのか」となる。
それから、我々が最初に診て、それから専門医にお願いするケースでも、専門医から見れば、総合医の手際は良くないように映ることもあります。もちろん、我々も専門医の先生に信頼してもらえるようにスキルを磨いていかなければならないのですが、それぞれの専門分野の診療で専門医が優れているのはある意味で当たり前ですし、また「後医は名医」という要素も働く部分もあるでしょう。結果として、専門医は、「コンサルトが遅い」とか、「なぜ先にこの検査をしなかったのか」と見てしまう。その結果「総合医は能力も低く、期待通りの仕事もしてくれない」となり、マイナスイメージが生まれる。臨床実習に来た学生には、「あんなところ行くな」と言う。こうした構図があるように思います。
8.今日もまたまたアルバイト Vol.2満足?不満?みんなのアルバイト事情
日経メディカル2012年5月22日
アルバイトで最も多いのは「外来業務」で50.3%。以下、「健診」、「日当直」(共に10.5%)と続く(Q7)。「その他」として挙げられた業務には、内視鏡などの検査やX線やCTの読影、麻酔などがあった。
また、バイトで従事する診療内容が「自分の専門と関連する」との回答は約7割(Q8)。Q7で「手術・処置」と答えた医師において、「自分の専門」との回答が93.3%と高いのは当然だろうが、外来についても84.4%が「自分の専門」と回答した。一方、日当直では、「自身の専門と関連している」との回答は49.2%にとどまった。
バイト先については、63.4%が「満足している」と回答(Q9)。その理由としては、「忙しすぎない」が67.9%と最も多く、「勤務先のスタッフの雰囲気がいい」が39.7%で続いた。
常に忙しい医師にとって、「バイトはせざるを得なくても、せめてゆっくりしたい」というのが本音のようだ。
一方、バイト先に「満足していない」との回答は、バイト内容が専門関連の場合で12.7%、専門外で16.1%。不満の最大の理由はともに「時給が低い」だったが、専門関連(55.4%)と専門外(70.0%)の間にはやはり差があった。専門性の有無が時給に反映され、医師の満足度を左右しているのかもしれない。
私が経験したこんなアルバイト
Episode 1
当直明けの競輪場は昼寝の時間だった
山田朋子氏(匿名)
内科、40歳代
私にとって、競輪場は「当直明けに寝に行く場所」でした。大学医局入局後、すぐに派遣されたのは3次救急を担う市立病院。当然ながら忙しく、当直時には眠る余裕もありませんでした。そして当直明けの研修医は、市が運営する競輪場の医務室にそのまま“出勤”。医務室奥にあった、医師向けベッドで休みを取っていたのです。
競輪の選手は体を鍛えていますし、落車もそうあることではないですから、医務室で仕事があるのは健診のときくらい。車券を買いにきたお客さんを診察した記憶もありません。鍛えあげられた競輪選手の肉体美は今でも鮮明に記憶に残っています(笑)。競輪選手と仲良くなり、一緒に遊びに行っていた同期もいたようです。
Episode 2
バンド経験者として志願した“フジロック”バイト
鈴木進一氏
Shinichi Suzuki
鈴木医院院長●1998年聖マリアンナ医大卒。同大第一内科に入局後、横浜旭中央総合病院(横浜市旭区)などを経て現職。
バンドを組んでいた私にとって、コンサートの医務室のバイトは特別なものでした。医師紹介会社には、コンサートの医務スタッフのバイトの求人があるときは声をかけてもらうようお願いしていたので、アイドルのコンサートも含めていろいろ行きました。
中でも4年間、医務スタッフとして働いたフジロックフェスティバルは印象的でしたね。通常、医務室に音は聞こえないのですが、“フジロック”は医師が控えるテントからも舞台が見えました。バイトに来る医師たちも音楽好きばかりで、修学旅行みたいでしたね。
ただ、舞台からダイブしてけがしたり、飲酒してケンカした患者など外傷例が多く、仕事は必ずしも楽ではありませんでしたが(笑)。
まだまだある 珍しいアルバイト
●ホテルのスキー場診療所。給料は安かったが、スキーし放題リフト代無料、ホテルでの食事も無料、ホテル宿泊も優待料金だった。(40歳代、麻酔科)
●高校のヨーロッパ修学旅行の添乗。副担任がダウンしてしまい(恐らくノロウィルス感染)、成田まで飛行機に乗せられるかどうか、ぎりぎりまで迷って大変だった。(40歳代、整形外科)
●離島での健診業務。会議室の机を内視鏡の処置台にするなどの苦労はあったが、勉強になった。(30歳代、内科)
●3日間だけではあったが、船医として俗世間から離れた暮らしができた。(40代、外科)
●温泉旅館の従業員健診で、健診後に豪華な食事をいただいた。(30代、基礎)
調査概要
日経メディカルオンラインの医師会員を対象にWebアンケートを実施。期間は2012年1月31日~2月14日。有効回答は1021人。性別●男性904人/女性105人年齢●20歳代55人/30歳代269人/40歳代365人/50歳代170人/60歳以上58人 勤務形態●勤務医840人/開業医130人/その他(研究施設、行政機関、企業など)51人
9.「支払基金」って何ですか?
社会保険診療報酬支払基金専務理事の足利聖治氏に聞く(その1)
日経メディカル2012年5月22日
医療機関や薬局の収入を左右する社会保険診療報酬支払基金による査定。提出したレセプトが“削られ”、不満を感じたことのある医療関係者も多いはずだ。専務理事の足利氏に話を聞いた。インタビューの1回目は支払基金の仕組みについて、2回目は縦覧・突合点検など、支払基金が始めた新しい試みについて紹介する。
-支払基金の業務を一言で説明すると、何を行っているところと言えばいいのでしょうか。
足利 社会保険診療報酬支払基金法に定められた、保険診療に係る、医療費の迅速適正な支払業務と診療報酬請求書の審査業務です。
本来、医療費の請求は各保険医療機関や薬局がそれぞれの保険者(健康保険組合や共済組合など)に請求するもの。ですが、全国22万7000カ所の医療機関が、1万3000の保険者と公費負担医療の実施機関などに請求するとなると大変です。そこで、支払基金が各医療機関等からの医療費の請求を受け付ける窓口となり、都道府県単位で受け付けた医療費の請求が正しいか審査したうえで、それを保険者へ請求し、保険者からその医療費の支払を受け、それを医療機関等へ支払っているわけです。
これは、保険者の委託を受けて実施しているわけで、そのために必要な事務費(運営コスト)を保険者に負担していただいています。
-審査業務についてもう少し伺います。すべてのレセプトを、医師がチェックしているわけではないですよね。
足利 毎月7400万件、1年で8億9000万件のレセプトが支払基金に集まります。これをすべて医師などの審査委員がチェックするのは物理的に不可能です。まず事務職員が事前にレセプトを点検して、保険診療ルールに適合していないと思われる項目に疑義付箋を付け、それを審査委員が重点的にチェックします。
紙レセプトは、人による目視でのチェックで行わざるを得なかったのですが、電子請求されたレセプトについては、すべてコンピューターチェックを行います。ただ、医学的な妥当性も吟味する必要がありますから、いずれにしても最後は審査委員の目を通すことになります。
医薬品の適応に関しては、コンピューターによるチェックで、チェックしたレセプトの3.2%に疑義付箋が付きます。それを職員が点検し、さらに審査委員がチェックする流れです。最終的に査定されるのは、コンピューターで疑義付箋が付いたものの1割ほどです。
-審査委員を務められる医師はどのような方々なのでしょうか。審査委員の専門によって、審査内容が変わってきそうな気もするのですが…。
足利 審査委員会は、「診療担当者を代表とする者、保険者を代表する者及び学識経験者の三者から同数を委嘱すること」と法律で定められており、それぞれの関係団体から推薦された方が審査委員を務めています。
足利 個別の診療行為については、各審査委員の専門性・診療科に応じて審査いただいており、最終的には審査委員会の合議により決定されます。また、決定に不服があれば、保険者、医療機関のどちらからも再審査を請求できる仕組みになっていますから、そうした問題はないと考えています。
-地域ごとに査定の基準が違いすぎるとの指摘もよく耳にします。
足利 そのような指摘があることは認識しています。そのため、1995年に支部間の違いを議論するための「審査に関する支部間差異解消のための検討委員会」を設置し、具体的事案に沿った検討・協議を行ってきました。現在、支部間で見解が異なる場合は本部に設置した中央検討委員会で議論しています。また、2004年には、「審査情報検討委員会」を設置し、審査上の一般的取扱いについて情報提供するなど、支部間の差異解消に努めています
-支払基金が設置されたのは戦後まもない1948年です。50年近く経ってから対策を講じるというのはいささか遅すぎのように思えますが、徐々に問題が顕在化してきたということでしょうか。
足利 審査は支部ごとに設けられた審査委員会で行われる仕組みですが、支部間において差異があるということは以前より保険者の方から指摘されてきました。遅いという批判はあるにせよ、それを受けて検討委員会などを設けたわけです。さらには2009年5月、支払基金内に設置した「今後の審査委員会のあり方に関する検討会」の報告を踏まえて、2010年6月からは専門領域の審査について話し合うために他支部に相談・協議を行えるような体制整備や、「審査委員長等ブロック別会議」を開催して審査委員会間の情報交換を行うなど、審査委員会の機能の強化を図っています。
-2009年に行った、福岡県と山口県とでレセプトを交換して再度審査する取り組みも、その一貫ということですね。
足利 支部ごとの査定の違いについて、過去には「医療機関の集中度合いや、高次機能病院の数なども影響し、提出されているレセプト自体が違うため」といった説明もしていました。そうした説明が正しいのか、実際にレセプトを交換して確認してみようとなったのです。
福岡県と山口県は関門海峡を挟んで隣接していますが、福岡県は査定がきびしく、山口はそうでもないと言われ、実際、査定実績にも3.6倍の差がありました。そこで審査が終わったレセプトを両県で交換し、さらに、第三者的立場として、千葉県の審査委員の先生も加わって改めて審査していただいたのです。その結果、同じレセプトの審査でも、福岡と山口とでは査定となる件数で7.6倍、同じく点数で8.2倍の差があることが判明しました。
もちろん、同じ福岡でも審査にたずさわった審査委員も異なりますし、「本番」かどうかなど置かれた状況が違いますので単純に判断できるものではありません。ですが、追加調査ではその差異の原因が「医学的判断のとらえ方の違い」という微妙なところにあるものが少なくなかったのです。
これを踏まえて、今後はレセプト審査の中で最もウェイトが高い医薬品の適応などについて、まずはコンピューターチェックを充実させてばらつきを抑え、平準化していきたいと考えています。
足利 また、今年からは、審査事務に関する職員の理解度の把握も始めました。最終的に審査するのは審査委員の先生ですが、職員は審査委員会の審査が効率的に行われるよう審査を補助し、支援する業務(審査事務)を行っています。これまでも研修やe-Learningは行ってきましたが、全国で同じ課題で理解度を確認することは行っていませんでした。2回目以降のスケジュールは決まっていませんが、四半期に1度くらいは行いたいと考えています。
-医療機関からは審査内容自体だけでなく、返戻についての不満を聞くことも少なくありません。例えば、「不適格と言われても、何が問題なのか分からない」とのことですが…。
足利 返戻理由について、審査委員が直接説明する場を積極的に作ることでそのような不満は解消していきたいと考えています。2010年6月からは、常勤の医師を「医療顧問」として各支部に配置し、これまで以上に個別に説明していただくようにしています。医師への説明ですから、医師が直接説明することで理解につながると考えています。医療顧問は現在、全国で医科69人、歯科32人。まだ医療顧問のいない支部も6つありますが、2012年度中には整備したいですね。
-「病名の記載漏れなどの単純ミスで、一発でアウトになるのはつらい」という声もあります。「単なるミスなのに、再審査請求するチャンスはないのか」と。
足利 支払基金においては、適正なレセプトの提出につながるよう、電子レセプト提出前にWeb上でチェックできるASPシステムを提供したり、審査委員や職員が連絡するなどの働きかけをしています。また、大半が査定となるようなものなど、一律に審査決定することが困難なものは「返戻」としています。こういう取組みを踏まえても、なおかつなされる単純ミスについては保険診療のルールで対応すべきものと理解していただけないでしょうか。長年行われてきている保険請求だからこそ、単純な請求漏れを機械的に補正していくのは適切ではないと思います。
-支払基金自体がムダではないかとの批判もあります。
足利 年間800億円の予算をかけて、200億円の査定を行っていることを疑問視される向きもありますが、われわれは医療費の適正化のための組織ではないのです。金額の多寡による批判は当たりません。窃盗による被害以上の額を、警察の維持のために使っていたとして、「警察を廃止しろ」という議論にならないのと同じです。適切な診療ルールにのっとった診療を行っていただくことを担保するのがわれわれの役目。また、その費用についても、電算化によって効率化し、保険者の手数料を引き下げています。
-「支払基金は厚労省の天下り機関だ」という批判に対してはいかがでしょうか。
足利 確かに過去は厚生労働省の出身者が理事、理事長に就いていました。また、私自身は厚労省の出身です。ですが、現在の河内山理事長は、山口県柳井市の市長を16年間務めた人物で、厚労省のOBではありません。また、私も含めて、理事長以下3人の理事は公募で書類選考と面接を経て選ばれています。公募要綱はWebサイト上で公開されていましたし、選考委員会は保険者、被保険者、診療担当者、学識系経験者の4つのステークホルダーから選考委員を出していただき、理事会とは独立して行われました。これまで、“天下り”と指摘されてきたポストは4つありましたが、現在厚労省のOBは私一人、しかも公募です。大きく変わっています。
◆足利聖治●あしかがしょうじ氏 1977年東京大学法学部卒、同年厚生省(現厚生労働省)入省。年金局年金課、保健医療局老人保健課などを経て、07年8月北海道厚生局長で退職。同年10月より社会保険診療報酬支払基金専務理事。
10.問診票の見落としで禁忌薬を処方!医師のための薬の時間
日経メディカル2012年5月22日
<処方せんの具体的内容は>
70歳代の女性
<処方1> 眼科
クラビット点眼液 0.5% 1本(5mL) 1日3回 左眼に点眼
フルメトロン点眼液 0.1% 1本(5mL) 1日4回 左眼に点眼
AZ 点眼液 0.02% 1本(5mL) 1日4回 右眼に点眼
ミロル点眼液 0.5% 1本(5mL) 1日1回 朝左眼に点眼
<何が起こりましたか?>
・問診票の既往歴の項目を見落とし、喘息患者にβ遮断薬のミロル点眼液 0.5% <レボブノロール>を処方してしまった。
<どのような過程で起こりましたか?>
・当該患者はこれまで他の眼科にかかっていたが、状態が芳しくなく当眼科を受診した。
・当院では受付時に患者に問診票を用いて、症状や既往歴、アレルギーなどを記入してもらっていた。
・左眼の炎症に対する処方に加え、眼圧が高かったことから点眼液を処方しようとしたが、問診票に書かれていた喘息の既往歴を見落としてしまい、喘息患者に禁忌となっているβ遮断薬のミロル点眼液<レボブノロール>を処方してしまった。
<どのような状態になりましたか>
・調剤薬局から電話があり問診票を再確認したところ、患者が喘息であることが分かった。
・ミロル点眼液を中止し、処方を変更したため、患者に有害事象は発生しなかった。
<なぜ起こったのでしょうか?>
・当院で用いている問診票は、既往歴を選択式で回答し、その下に具体的な症状、服用中の薬などを記入してもらう形式になっていた。患者はその設問で「喘息」の選択肢に黒ボールペンでチェックマークを付けていたが、具体的な治療については記入しておらず、ぱっと見では気づきにくくかった。
・診療時には問診票を確認したのみで、口頭での既往歴の確認を行わなかった。
<二度と起こさないためには今後どうしますか?>
・見落としがないよう、診察時に問診票の内容を患者と一緒に再度確認する。
・また、重要な内容については、問診票に記入されていない場合でも「問診票には既往歴がないとかかれていますが、喘息はありませんか」等、患者に口頭で確認するようにする。
・問診票の設問やレイアウト、設置するペンの色などを変更し、選択された項目や記載が一目でわかるように工夫をしておく。
・喘息など、診療科で特に問題となりやすい疾患については独立した設問を設定するなど、患者が既往歴(現病歴)の重要性を理解していなくても、記入漏れが起こらないよう工夫をする。
11.高齢者の胃瘻管理を見直す 経口摂取の併用でQOL向上を目指す試みも
日経メディカル2012年5月22日
高齢患者に対する胃瘻の造設や管理を見直す動きが活発化してきた。学会は、「人工栄養を導入しない」選択肢も患者や家族に示すことを求める指針案を作成。経口摂取の併用を試みる施設も増えている。
高齢患者に造設された胃瘻。腹壁外に出ているボタンを開いて栄養剤を投与する。
日本老年医学会は2011年12月、摂食嚥下障害のある高齢患者に対して、胃瘻をはじめとする人工栄養を導入するかどうか決定する際の意思決定過程についてのガイドライン試案を作成した。試案では、人工栄養を導入しないことも選択肢として示した上で、医療者が患者の価値観や死生観を尊重したり、家族と一緒に患者の意思を推定するなどして最善の決定を目指すべきだとした。試案はパブリックコメントを経て、今夏にも学会のガイドラインとして策定される見通しだ。
胃瘻とは、経腸栄養の一種であり、腹壁を介して胃内に直接チューブを留置する方法(別掲記事参照)。全日本病院協会が10年に実施したアンケート調査によると、国内の胃瘻造設者数は約26万人。神経疾患患者に対する水分・栄養の補給や薬剤投与、頭頸部癌患者や食道癌患者の周術期の栄養管理、癌性腹膜炎の減圧などに使われる。
「導入しない」選択肢も示す
しかし摂食嚥下機能が低下した高齢患者を中心に、安易に造設される例も少なくない。病院では疾患の治療終了後も経口で十分な栄養を摂取できなければ、胃瘻の造設が検討される。人手が限られる介護施設にとっても、経口摂取が難しい入所者に対して食事介助を行うのは手間がかかる。人工栄養を導入しないという選択肢が示されないまま、病院や療養先の事情で胃瘻造設に至るケースもある。
もっとも、「認知症や加齢で嚥下機能が衰えて栄養状態が悪化したり、誤嚥性肺炎を繰り返す高齢患者、かなり高齢になってから脳血管疾患を発症した患者に対する胃瘻造設については判断が難しい」と草津総合病院(滋賀県草津市)消化器内科副部長の伊藤明彦氏は話す。こうした患者は、胃瘻を造設すれば、造設しない場合に比べて生存期間が延びる可能性が高い。
ただし、若年の患者に比べれば胃瘻造設後、再び経口から十分な栄養を摂取できるようになる可能性は低く、認知機能やADLが落ちて終日臥床で過ごし、そのまま終末期を迎えることも考えられる。在宅医療を手掛けるたんぽぽクリニック(愛媛県松山市)理事長の永井康徳氏は、「患者や家族に『導入しない』という選択肢を示すことは、これまでタブー視されていた面がある。今後、『導入しない』という選択肢が示されれば、こうした高齢患者への胃瘻造設を差し控える例が増えるのではないか」と話す。
一方で造設を希望する患者に対しては、「最良と思われる方法で造設・管理し、最期は胃瘻を上手に使って看取りまで提供することが必要だ」と、鶴岡協立病院(山形県鶴岡市)消化器内科科長の高橋美香子氏は指摘する。
嚥下機能評価などを徹底
国内では、言語聴覚士(ST)や摂食・嚥下障害看護認定看護師など、嚥下機能の評価や嚥下リハビリテーションを専門とする医療者の数が限られていることなどから、高齢患者は嚥下機能評価やリハビリの対象になりにくかった。胃瘻造設時に嚥下機能が落ちていると判断され、「誤嚥の可能性があるので経口摂取しないでください」と言われる高齢患者も多い。療養先の介護施設などで、寝たきりで胃瘻から栄養を摂取するだけとなり、認知機能やADLが下がったままという例も珍しくない。
しかし近年、胃瘻を造設した高齢患者に対しても、専門の外来などを設けて積極的に嚥下機能評価やリハビリを行ったり、経口摂取を試みる動きが出ている。嚥下リハビリの第一人者である浜松市リハビリテーション病院病院長の藤島一郎氏は、「残された機能を使ったり、適切な訓練を行えば、高齢患者でも少しは食べられるようになる。口腔ケアを実施し、無理のない範囲でリハビリすることが大切だ」と話す。
草津総合病院では、03年に栄養サポートチーム(NST)が発足したのを機に、看護師や栄養士、ST、歯科衛生士などが口腔ケアや嚥下機能評価、リハビリ、嚥下食の提供を行う体制を整えた。04年には、院内のクリティカルパスを改訂。同病院で胃瘻を造設した患者に対し、栄養状態の評価や嚥下造影による嚥下機能評価を徹底し、どのような形態の食事なら経口摂取できるかを見極めて、できるだけ経口摂取を併用させるようにした。同病院の伊藤氏は「以前は、主治医が食べられるかもしれないと思ったときに嚥下機能評価を行ったり、経口摂取させてみる程度だった。しかし今では、NSTの専門チームが嚥下機能評価を行って、食形態や必要なリハビリについて指示を出し、主治医はそれに従うようになった」と語る。
経口摂取の可能性がある患者をくまなく拾い上げた結果、胃瘻を造設した入院患者のうち、経口摂取を併用する患者は10%以下から20%超に増加。05年からは在宅療養患者や介護施設の入所者に対しても、専門の外来を設置して嚥下機能評価を行うなどしている。同病院では現在、胃瘻造設前などに嚥下機能を調べる患者も含め、年間150回以上の嚥下造影を行っており、その多くを高齢患者が占めている。伊藤氏は、「経口摂取の併用をきっかけに、発語が増えたりADLが向上した高齢患者もいる。一口だけでも経口摂取を併用し、胃瘻造設後もQOLの向上を目指すことが大切だと考えている」と話す。
胃瘻でも常食を経口摂取
介護施設においても、同様の動きが出ている。特別養護老人ホーム(特養)のしらゆりの園(沖縄県南城市)では昨年、胃瘻を造設していた9人全員が経口で必要な栄養を摂取できるようになった(症例1)。
症例1 3食とも常食が経口摂取できるようになった1例(友名氏による)
【症例】
91歳、女性。要介護5。
【既往歴】
神経因性膀胱、左尿管結石、狭心症、高血圧、大腿骨頸部骨折、急性心筋梗塞。
【家族】
同居家族はなし。身元引受人は姉妹。
【経過】
6年前に85歳で当施設に入所。主食は粥、副食はキザミ食を自力で経口摂取。2年前、左脳皮質下出血で入院し、尿路感染を合併。入院中、血圧が低下。経口摂取が困難となり、胃瘻を造設して退院。退院後、「経口摂取ができればうれしい」との身元引受人の意向を確認した。
退院翌日から、2500mL/日を目指して水分量を漸増しながら水分と高栄養流動食を投与。退院2カ月後、嚥下リハビリ(アイスマッサージなど)を行い、経口での水分摂取の訓練を開始。活気が出て、発語が多くなる。スプーンを持って、自力で口に運ぶ動作が見られたことなどから、退院5カ月後に少量のペースト食の提供を試みる。経口からの水分摂取が増加したため、胃瘻からの水分投与を止める。
退院11カ月後に外食。嚥下リハビリを行った後、常食の約半分を経口摂取。その日以降、常食の経口摂取量が増加。退院13カ月後には常食(3食)を自力で経口摂取できるようになった。常食化直後は体調を崩すことが多かったが、その後、離床時間も増加。現在は食事の際、座位で介助なしで常食を経口摂取。体調を崩すことも減った。
しらゆりの園が実践したのは、国際医療福祉大大学院教授の竹内孝仁氏の理論。同氏は特養における研究から、必要以上に食事の介助をすると高齢者が自分のペースで咀嚼できず、かえってむせや誤嚥を引き起こすことや、キザミ食やペースト食よりも通常の食事(常食)を食べた方が活発な咀嚼や舌の動きが誘発され、むせが少なくなることなどを見いだした。「経口で常食を取らせるには、十分な水分を投与して覚醒レベルを上げ、椅子に座って良い姿勢を保った上で、自分のペースでゆっくり食べることが欠かせない」と竹内氏は言う。
しらゆりの園では以前から、(1)口腔ケアを導入する、(2)十分な水分を投与して覚醒レベルを上げる、(3)日中離床させて寝たきりにしない、(4)胃瘻からの栄養剤投与も含めて椅子に座っての食事を徹底する─など、ケアレベルの向上を図ってきた。その上で、胃瘻の有無にかかわらず、入所者の常食化を進めた。理事長の友名孝子氏は、「誤嚥のリスクがあることは分かっているが、できる限り口から常食を取りたいと思うのは当たり前のこと」と常食化に取り組んだ理由を話す。
常食化に際しては嚥下リハビリを行ったり、スルメや飴棒をなめさせて口を動かす訓練などをした上で、胃瘻造設者に対しても少量から常食を試行。最終的に9人全員の常食への移行に成功した。今では体調が悪く、経口で十分な水分や栄養が取れないときに胃瘻から栄養剤などを投与し、それ以外は極力経口で常食を取らせるようにしている。
しらゆりの園では常食化実現のため、食事時間を延ばしたり、食事時の職員を手厚くするなどして対応した。「もちろん、こうした取り組みをあらゆる特養で行うのは簡単ではなく、ケアレベルの高い施設でなければ無理だろう」と竹内氏は言う。
全国老人福祉施設協議会では12年度から、入所者の自立に取り組むケアレベルの高い20~30カ所の特養で、胃瘻造設者を含めた入所者の常食化に取り組む計画。事例を積み重ねて、方法や適応について検討を進め、標準化を目指す考えだ。
造設者の看取りにも課題
終末期の看取りの際の胃瘻管理にも注意が必要だ。腎機能や消化管の吸収能力が落ちているにもかかわらず、胃瘻造設者に対して通常と同量の栄養や水分を投与しているケースは少なくない。その結果、患者は浮腫や嘔吐、下痢、痰の増加などを呈することがある。鶴岡協立病院の高橋氏は「こうした場合は患者の機能に合わせ、栄養や水分を受容できる量に減らすことが必要になる」と話す。
たんぽぽクリニックの永井氏は、「必要以上の水分や栄養を投与すると痰やむくみが増え、患者はかえってしんどくなる。看取りの際は、ほぼ全例で少量の経口補水液だけを投与するようにしている」と言う(症例2)。造設後はQOLをいかに維持し、看取りのときはいかに苦痛を取り除くか。改めて胃瘻管理のあり方が問われている。
症例2 看取りに際して栄養剤の投与を中止した1例(永井氏による)
【症例】
80歳、女性。要介護5。
【既往歴】
13年前(67歳)に自宅で転倒し、ほぼ寝たきりになる。その後、誤嚥性肺炎を繰り返し、認知症も進行。
【家族】
1人娘と2人暮らし。1人娘が在宅で介護を行っていた。
【経過】
7年前(73歳)に当院初診。翌年、誤嚥性肺炎で他院に入院。痰の増加が著しく、誤嚥性肺炎を繰り返したため胃瘻を造設。退院後は在宅療養となり、家族が痰の吸引、寒天化した栄養剤の投与を実施。療養開始当初は家族が心配し、夜間・休日を問わず往診依頼が多かった。
死亡19日前から傾眠傾向。痰が増加。家族の同意の下、栄養剤(600mL/日)を漸減開始。18日前、呼吸苦と痰の増加、衰弱の進行を認める。家族に対して看取りについて説明し、在宅での看取りの希望を確認。
死亡17日前、嚥下リハビリ、マッサージを中止。15日前、黒色嘔吐があり、ファモチジンを投与。14日前、胃瘻からの栄養剤の投与を中止し、経口補水液(100mL/日)で経過を観察。10日前、CRP高値が続いたため、モキシフロキサシンの投与を開始。経過中、浮腫は減少し、痰の吸引も不要となり、穏やかな状態であった。5日前、呼吸苦の緩和を認め、抗菌薬と整腸薬の投与を中止。再度、家族に看取りについて説明。その後、在宅にて死亡。
進化する胃瘻造設法や栄養剤の剤形
内視鏡下で造設できるようになり、国内外で急速に広がった胃瘻。近年では国内において、造設法や投与する栄養剤の剤形が独自の進化を遂げている。
胃瘻は従来、プル法(図A)と呼ばれる方法で造設されることが多かった。プル法は腹壁から胃内に挿入したガイドワイヤをスネアでつかみ、一度口外に引き出した後、ガイドワイヤに胃瘻カテーテルを結合。口から胃の中に引き入れ、腹壁外へと引き出してカテーテルを留置する。しかしプル法には、留置するカテーテルが口腔を通過するため、瘻孔が感染しやすいという弱点がある。
そこで近年普及しつつあるのがイントロデューサー変法(図B)だ。この基となったイントロデューサー法も変法も、国内で開発された方法。イントロデューサー変法は、胃壁と腹壁を数カ所で固定して面を作った上で穿刺を実施。ダイレーターで拡張した後、そこに腹壁外から直接胃瘻カテーテルを留置する。
草津総合病院の伊藤氏は「カテーテルが口腔を通過しないほか、胃壁固定を行うので強固な瘻孔ができるメリットがある。また、経鼻内視鏡でも造設が可能だ」と話す。胃壁固定など手技の難しさはあるものの、イントロデューサー変法で胃瘻を造設する病院は増えている。
液体が中心だった栄養剤の剤形も改良が進んでいる。液体の栄養剤は流動性が高いため、噴門から逆流すれば胃食道逆流や誤嚥の原因となるほか、瘻孔から漏れればスキントラブルの原因となる。
そこで国内で、数年前から使用が増えているのが栄養剤をゲル化し、流動性を低くした半固形化栄養剤だ。胃食道逆流や漏れなどを減らす効果が期待されているほか、液体の栄養剤では1時間以上掛かっていた投与時間も10~15分程度で済むようになる。最近では、市販の半固形化栄養剤も増えており、胃食道逆流を起こしやすい患者などに使われている。
12.救急部門でのST上昇心筋梗塞疑い、36%は偽陽性
心カテ要請があった411例について米国の分析(Arch Intern Med誌から)
日経メディカル2012年5月22日
プライマリPCIの実施に向けた心臓カテーテル室の速やかな起動は、ST上昇心筋梗塞(STEMI)患者の転帰を向上させる。しかし、再灌流までの時間の短縮ばかりが強調されると、本来必要のない心カテ室起動の頻度が高まる可能性がある。米Harvard大学医学部のJames M. McCabe氏らは、米国内の2施設で救急部門から心カテ室起動要請があったSTEMI疑い患者について分析し、3分の1を超える患者が実はSTEMIではなく、心カテ室の起動は不要だったことを明らかにした。論文は、Arch Intern Med誌電子版に2012年5月7日に掲載された。
著者らは、PCIが可能な医療機関の救急部門の医師による、STEMI偽陽性患者の心カテ室への照会の発生率を調べ、救急部門でのSTEMI診断時に利用できる、偽陽性リスクに関連する要因を明らかにしようと考えた。米国の2施設(California大学San Francisco校付属病院とSan Francisco総合病院)の救急部門を受診してSTEMIと判断された連続する患者の情報を登録したActivate-SF Registryから、08年10月から11年4月までにプライマリPCI実施に向けて心カテ室の起動要請がなされた患者の情報を抽出した。
これらの病院では、救急部門の医師では判断がつかない場合のみ、心臓専門医に相談するシステムになっている。
STEMI偽陽性の定義は、血管造影が行われた患者については、「責任病変が見つからず、完全に、またはほぼ完全に冠動脈閉塞はなく、TIMI分類がグレードIIIで冠動脈血流は正常だったケース」とした。血管造影が行われなかった患者については、「STEMIの診断を支持する3つのエビデンス(1:救急部門で可能な処置を超えた急性冠症候群に対する薬物療法が開始されていた、and/or STEMI以外の診断がない、2:心電図がSTEMI診断基準を満たす、3:バイオマーカー値がSTEMIを示す)のうち、2つまたは3つが当てはまらないケース」とした。
試験期間中の救急部門からの心カテ室起動要請は計434回で、実際に心カテ室で血管造影を受けた352人の患者と、診断用血管造影は受けなかった(禁忌、死亡、患者自身が拒絶、医師による判断などの理由による) が、STEMIの診断が正しかったのかどうかを分析できる十分な情報が得られた59人を対象に選んだ。これらの患者について、救急部門の医師がどのような情報に基づいて心カテ室起動要請を行うに至ったのかを調べた。
411回のSTEMI診断+心カテ室起動のうち、146回(36%)が偽陽性患者に対する不要な起動と考えられた。診断用血管造影を受けた352人中101人(29%)には責任病変が見当たらず、うち39人(9.5%)には20%を超えるアテローム性の狭窄は見られなかった。血管造影を受けなかった59人では、45人(75%)が臨床的にSTEMI偽陽性と判定された。
不要な心カテ室起動を引き起こした患者のその後の診断で最も多かったのは、心臓の構造的な疾患(左室肥大を含む心筋または弁膜の異常)または心不全だった(これらを合わせて28人、19%)。続いて非特異的胸痛(25人、17%)、重症の併存疾患による労作性の虚血(20人、14%)などが多かった。
STEMI偽陽性患者に対する心カテ室起動要請に関係する臨床的要因と心電図の要因を、ブートストラップ法とロジスティック回帰モデルを用いて評価した。不要な起動リスクの上昇に関係していた要因は、心電図に認められる左室肥大(調整オッズ比3.15、95%信頼区間1.55-6.40、P=0.001)、冠動脈疾患歴(1.93、1.04-3.59、P=0.04)、違法薬物乱用(2.67、1.13-6.26、P=0.02)だった。反対に、不要な起動のリスクを有意に低下させていたのは、受診時の胸痛または胸部圧迫感(0.28、0.14-0.57、P<0.001)とBMI高値(1上昇当たりのオッズ比は0.91、0.86-0.97、P=0.004)だった。
試験期間中に、STEMI偽陽性患者に対する心カテ室起動要請の頻度は上昇していたが(傾向性のP=0.03)、ドア・ツー・バルーン時間(病院到着から処置までの時間)に有意な短縮はなかった(傾向性のP=0.54)。
救急部門からプライマリPCI部門に照会された患者の3分の1超が、STEMIではなかった。左室肥大、冠動脈疾患歴など患者レベルの様々な要因により、STEMI偽陽性患者に対して心カテ室が起動されていた。
原題は「Prevalence and Factors Associated With False-Positive ST-Segment Elevation Myocardial Infarction Diagnoses at Primary Percutaneous Coronary Intervention--Capable Centers」
http://archinte.jamanetwork.com/article.aspx?doi=10.1001/archinternmed.2012.945
13.禁煙治療のバレニクリン使用で、重症心血管有害事象の増加はなし
最新の系統的レビューとメタ分析の結果(BMJ誌から)
日経メディカル2012年5月22日
禁煙を目的とする喫煙者へのバレニクリンの投与中、ならびに中止から30日以内に、重症心血管有害事象リスクの上昇はみられないことが、米California大学San Francisco校のJudith J Prochaska氏らが行った系統的レビューとメタ分析で明らかになった。論文は、BMJ誌電子版に2012年5月4日に掲載された。
近年行われた無作為化試験で、バレニクリンの使用が心血管リスクを上昇させる可能性が示唆されたことを受けて、米食品医薬品局(FDA)は、系統的レビューの実施を求めていた。
先に行われたメタ分析では、バレニクリン群における有意なリスク上昇が示されたが、著者らはその分析方法には様々なバイアスが存在していると考えた。そこで、禁煙目的でバレニクリンを用いた全ての無作為化試験を対象に、質の高い系統的レビューとメタ分析を行うことにした。
Medline、コクランライブラリ、臨床試験登録と、個々の論文の引用文献リストから、バレニクリンに関する最初の論文が発表された05年1月から11年9月までに報告されていた無作為化試験で、成人喫煙者をバレニクリンと対照群に割り付けて追跡し、有害事象を報告していたものを選んだ。
治療中に発生した重症心血管有害事象の定義は、先のメタ分析と同様に、「バレニクリン使用中と中止後30日以内に発生した全ての虚血性または不整脈性の有害な心血管イベント(心筋梗塞、不安定狭心症、冠動脈血行再建術、冠動脈疾患、不整脈、一過性脳虚血発作、脳卒中、突然死または心血管関連死亡、うっ血性心不全)」とし、リスク差、相対リスク、Mantel-Haenszelオッズ比、Petoオッズ比という4通りの要約統計量を求めて比較した。
22件の試験(9232人を登録)が条件を満たした。全てが二重盲検試験で、対照群には偽薬を用いていた。登録患者数の中央値は404人、治療期間の中央値は12週間で、重症心血管有害事象に関する追跡期間の中央値は16週だった。13件は、現在心血管疾患がある患者または心血管疾患歴を有する患者も登録していた。
治療中の重症心血管有害事象の発生率は、バレニクリン群が0.63%(5431人中34人)、偽薬群が0.47%(3801人中18人)だった。8件の試験では重症心血管イベント発生は0人だった。
22件の研究を統合したリスク差は0.27%(95%信頼区間-0.10から0.63%、P=0.15、I2=0%)で、統計学的有意性も臨床的意義も示されなかった。不均質性は見られず、出版バイアスは認められなかった。
1件以上のイベント発生を報告していた14件の研究を分析対象にして求めたバレニクリン群の相対リスクは1.40(0.82-2.39、P=0.22、I2=0%)、Mantel-Haenszel法により統合したオッズ比は1.41(0.82-2.42、P=0.22、I2=0%)、Peto法により求めた統合オッズ比は1.58(0.90-2.76、P=0.11、I2=0%)で、いずれも有意な影響は見られなかった。
感度解析も行ったが、上記の結果にほとんど影響は見られなかった。
なお、様々な分析を行う中で、Petoオッズ比が最も極端な推定値を出すことが明らかになった。著者らは、「先のメタ分析はPetoオッズに基づいてバレニクリン群の重症心血管有害事象リスクの72%上昇を報告したことにより、不要な不安を患者にもたらした」との考えを示している。
今回行われた系統的レビューとメタ分析の結果は、バレニクリン曝露期間の重症心血管有害事象リスク上昇はないことを示し、著者らは「この薬剤は喫煙者に対する禁煙治療の第一選択薬として適用できることを確認した」と結論している。
原題は「Risk of cardiovascular serious adverse events associated with varenicline use for tobacco cessation: systematic review and meta-analysis」
http://www.bmj.com/content/344/bmj.e2856
14.高齢心房細動患者、脳卒中発症リスクは女性が男性より高い
CareNet2012年5月22日
65歳以上の心房細動患者の脳卒中リスクについて男女差を調べた結果、女性が男性に比べて高いことが明らかにされた。カナダ・McGill University Health CenterのMeytal Avgil Tsadok氏らが、心房細動で入院した高齢者7万人超について行った地域住民ベースのコホート試験の結果で、JAMA誌2012年5月9日号で発表した。
女性が男性より高齢、CHADS2スコアも高値
同研究グループは1998~2007年にかけて、カナダのケベック州で、心房細動で入院した65歳以上の男性3万9,398人、女性4万4,115人についてコホート試験を行い、ワルファリンの服用傾向や脳卒中発症リスクの男女差について比較した。
入院時の年齢中央値は、男性が77.2歳に対し、女性は80.2歳と高齢だった。CHADS2スコア平均値も、男性が1.74(SD:1.13)に対し女性は1.99(同:1.10)と高かった(p<0.001)。
共存症やCHADS2スコア補正後の脳卒中発症リスク、女性が男性の1.14倍
退院後30日時点で、ワルファリンを処方されていた割合は、男性が58.2%に対し、女性は60.6%だった。多変量解析の結果、女性は男性に比べ、より多くのワルファリンを処方されていた(オッズ比:1.07、95%信頼区間:1.04~1.11、p<0.001)。男女ともに、ワルファリンのアドヒアランスは高かった。
脳卒中発症率についてみると、補正前では、男性が1.61/100人・年(同:1.54~1.69)に対し、女性のほうが2.02/100人・年(同:1.95~2.10)と高かった(p<0.001)。男女間の差は、主に75歳以上の患者が占める割合によるものだった。
試験開始時の共存症やCHADS2スコアの各項目、ワルファリン治療について補正後も、多変量コックス回帰分析の結果で女性の脳卒中リスクは男性より高かった(補正後ハザード比:1.14、同:1.07~1.22、p<0.001)。
結果を踏まえてTsadok氏は、「臨床家は、高齢の女性心房細動で脳卒中リスクが高いことを意識しなければならず、男女の脳卒中予防が同等となるように新たな治療戦略を適用していかなければならない」と述べている。
http://pmc.carenet.com/?pmid=22570463&keiro=journal
15.推定GFRによる死亡や末期腎疾患予測、CKD-EPI式がMDRD式より正確に
CareNet2012年5月22日
推定糸球体濾過量(eGFR)による死亡や末期腎疾患発症の予測は、CKD-EPI(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration)式のほうがMDRD(Modification of Diet in Renal Disease)式より正確であることが示された。米国・Johns Hopkins大学のKunihiro Matsushita氏らが、45のコホート試験、被験者総数110万人について行ったメタ解析の結果で、JAMA誌2012年5月9日号で発表した。先行研究で、CKD-EPI式のほうがMDRD式より、GFR予測が正確であることはわかってきているが、腎疾患関連リスクとの関係については明らかではなかった。
コホートの平均追跡期間中央値は7.4年、延べ940万人・年追跡
研究グループは、25の一般地域住民を対象としたコホート試験と、7つのハイリスク被験者からなるコホート試験、13の慢性腎疾患患者が参加したコホート試験についてメタ解析を行い、CKD-EPI式とMDRD式による、死亡や末期腎疾患リスクの予測能について比較した。被験者数の合計は、約110万人(18歳以上)で、2011年3月~2012年3月の間に収集解析された。
主要アウトカムは、全死因死亡(40コホート、死亡者数:8万4,482人)、心血管疾患(28コホート、イベント数:2万2,176件)、末期腎疾患(21コホート、イベント数:7,644件)とした。総計940万人・年、平均追跡期間中央値は、7.4年(範囲:4.2~10.5年)だった。
eGFRは両式によって、6カテゴリーが設定された(≧90、60~89、45~59、30~44、15~29、<15、単位:mL/min/1.73m2)。
CKD-EPI式で全死因死亡、心血管疾患死、末期腎疾患の予測能向上
MDRD式と比べてCKD-EPI式によって、一般地域住民コホートの24.4%がより高値のeGFRカテゴリーに、同0.6%がより低値のeGFRカテゴリーに再分類された。また、CKDステージ3~5の人の有病率は8.7%から6.3%へ低下した。
MDRD式でeGFRが45~59mL/min/1.73m2だった人のうち、34.7%が、CKD-EPI式によってeGFR60~89mL/min/1.73m2に再分類された。再分類された人はされなかった人に比べ、主要アウトカム発生率はいずれも低く、それぞれ全死因死亡率は9.9/1,000人・年と34.5/1,000人・年、心血管疾患死亡率は2.7/1000人・年と13.0/1,000人・年、末期腎疾患発症率は0.5/1,000人・年と0.8/1,000人・年だった。補正後ハザード比は、全死因死亡が0.80、心血管疾患死が0.73、末期腎疾患が0.49だった。
同様の所見は、MDRD式による他のカテゴリーでも認められ、eGFRカテゴリーごとのネット再分類改善度(Net Reclassification Improvements ;NRI)は、すべてのアウトカムについてプラスとなった。NRI改善は、年齢(65歳未満と65以上との比較)、性、人種(白人、アジア系、黒人)、糖尿病や高血圧の有無というサブグループ群で同様にプラスとして認められた。ハイリスクコホート、CKDコホートでの結果は、一般地域住民コホートの結果とおおよそ一致していた。
http://pmc.carenet.com/?pmid=22570462&keiro=journal
16.「HDLコレステロール=善玉」に疑問符
Apolipoprotein C-III as a Potential Modulator of the Association Between HDL-Cholesterol and Incident Coronary Heart Disease
J Am Heart Assoc 2012; 1: e000232
心血管疾患リスクとは逆相関を示すことから「善玉コレステロール」との別名で呼ばれることも多いHDLコレステロール(HDL-C)。そのような中,「HDL-C=善玉」説に疑問を投げかける研究成果が米ハーバード公衆衛生大学院のFrank M. Sacks氏らから報告。医療関係者を対象とした大規模症例対照研究で,冠動脈疾患(CHD)発症に関連する「悪玉」HDL-Cの可能性が示された。
http://jaha.ahajournals.org/content/1/2/jah3-e000232.abstract
17.インドメタシン単回直腸内投与、ERCP後膵炎予防
文献:Elmunzer BJ et al.A Randomized Trial of Rectal Indomethacin to Prevent Post-ERCP Pancreatitis.N Engl J Med 2012; 366:1414-1422.
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)後膵炎の高リスク患者602人を対象に、ERCP直後のインドメタシン単回直腸内投与の膵炎予防効果を無作為化プラセボ対照二重盲検試験で検証。膵炎の発症はインドメタシン群で9.2%、プラセボ群で16.9%(P=0.005)、中等-重度膵炎の発症は4.4%、8.8%だった(P=0.03)。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1111103
18.急性リンパ芽球性白血病(ALL)の予後不良、T細胞性などで
文献:Schrappe M et al.Outcomes after Induction Failure in Childhood Acute Lymphoblastic Leukemia.N Engl J Med 2012; 366:1371-1381.
寛解導入療法に失敗した0-18歳の急性リンパ芽球性白血病(ALL:acute lymphoblastic leukemia)患者1041人を対象に、予後因子を分析。10歳以上、T細胞性、11q23転座型および導入療法終了時の骨髄中芽球25%以上が特に予後不良と関連。T細胞性白血病では同種幹細胞移植、B前駆細胞性白血病では化学療法単独の実施が予後良好に関連した。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1110169
19.術中失血量が長期生存に影響するという仮説を支持
文献:Morner MEM et al.The Importance of Blood Loss During Colon Cancer Surgery for Long-Term Survival: An Epidemiological Study Based on a Population Based Register Annals of Surgery.POST AUTHOR CORRECTIONS, 11 April 2012.
スウェーデンで結腸癌の根治手術実施患者データから、術中失血量が長期生存に影響するという仮説を疫学的研究で検証。単変量および多変量解析では失血量250mL以上、男性、合併症の発症、75歳超、ステージIII が、単変量解析では周術期の輸血が全死亡のリスク因子だった。失血程度が長期生存に影響するという仮説が支持された。
http://journals.lww.com/annalsofsurgery/Abstract/publishahead/The_Importance_of_Blood_Loss_During_Colon_Cancer.98854.aspx
20.エタネルセプト、硬膜外ステロイド群に比し神経痛に無効
文献:Cohen SP et al.Epidural Steroids, Etanercept, or Saline in Subacute Sciatica A Multicenter, Randomized Trial.Ann Intern Med April 17, 2012 156:551-559.
腰仙部神経根障害の成人患者84人を対象に、新治療薬として期待のエタネルセプトと硬膜外ステロイド注射または生理的食塩水の疼痛および機能改善効果を無作為化プラセボ対照試験で比較。2回目の注射後1カ月の下肢痛の指標は、生食群またはエタネルセプト群と比べ硬膜外ステロイド群で大きな低下が見られた(平均差-1.26、-1.01)。
http://www.annals.org/content/156/8/551.abstract
21.フィブラート薬処方、エゼチミブ群に比し腎転帰不良
文献:Zhao YY et al.New Fibrate Use and Acute Renal Outcomes in Elderly Adults A Population-Based Study.Ann Intern Med April 17, 2012 156:560-569.
フィブラート系薬またはエゼチミブを新規処方された慢性腎臓病外来患者(66歳以上)8万903人を対象に、90日以内の腎転帰をコホート研究で評価。エゼチミブ群に比べフィブラート系薬群で血清クレアチニン値上昇による入院(調整後オッズ比2.4)、腎臓専門医への受診(絶対リスク差0.15%、調整後オッズ比1.3)が多かった。
http://www.annals.org/content/156/8/560.abstract
22.学会ダイジェスト:第55回日本糖尿病学会
2012年5月17日~19日 横浜
1) 食物繊維摂取の好影響、日本人2型糖尿病患者対象の大規模研究でも明らかに
食物繊維摂取の糖尿病患者に対する影響についてはこれまで海外では報告されているが、日本人を対象にした大規模な研究は数少ない。そこで日本人の2型糖尿病患者4402人を対象に、自記式アンケート調査を実施し、食物繊維摂取量で4分位に分けて比較検討したところ、食物繊維摂取量が多いほど肥満や血糖、脂質、メタボリックシンドロームなどに対して好影響をもたらしていることが示された。九州大学大学院病態機能内科学の藤井裕樹氏らが発表した。
対象は、福岡県下の16の糖尿病専門施設(7病院、9診療所)に通院中の2型糖尿病患者4402人(男性2494人、女性1908人)。
朝食前に採血と採尿を行い、簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)により、過去1カ月の習慣的な栄養素摂取量を評価した。
BDHQで算出された食物摂取量(g/日)を密度法でエネルギー調整食物繊維量(g/1000cal)に調整し、4分位(中央値はそれぞれ5.17、6.77、8.13、10.1)に分類。BMI、空腹時血糖、HbA1c、アディポネクチン、血清脂質、尿アルブミンなどの変数に対する影響について重回帰分析(SAS)、ロジスティック回帰分析による傾向性検定などを行った。
4分位別の臨床特徴としては、食物繊維摂取量が多い群ほど年齢が高く、女性が多く、総エネルギー摂取は少なく、身体活動量は多いなどの傾向が見られた(いずれもP<0.0001)。よっていずれの分析においても、性別、年齢、飲酒、喫煙、余暇身体活動量、糖尿病罹患期間、総エネルギー摂取、経口血糖降下薬、インスリン治療で多変量調整を行った上で比較検討した。
傾向性検定の結果、食物繊維摂取量が増加するにつれ、朝食前血糖、HbA1cは有意に低下し、BMIは有意に低下した(いずれもP for trend<0.0001)。アディポネクチンは上昇(P for trend<0.01)、C-ペプチドは低下した(P for trend<0.0001)。
同様に、血圧については、収縮期血圧は低下したが(P for trend<0.05)、拡張期血圧は変化が見られなかった。血清脂質については、中性脂肪は低下し(P for trend<0.0001)、LDL-Cは変化なく、HDL-Cは上昇した(P for trend<0.05)。メタボリックシンドロームの割合は減少した(P for trend<0.0001)し、尿中アルブミンは低下した(P for trend<0.0001)。
藤井氏は、「2型糖尿病患者において、食物繊維の摂取は肥満、血糖、脂質、メタボリックシンドローム、腎症などに対してよい影響をもたらすことが、日本人の大規模集団においても示された。食物繊維の摂取量が多い群ほど身体活動量が多いなど、健康意識が高い傾向が見られたが、こうした交絡因子の調整後にも同様の結果が示された」と結論した。
2) 新規プレフィルド型注入器FlexTouchは低用量設定でも優れた注入精度
新規のプレフィルド・インスリン・ペン型注入器であるFlexTouchは、高い注入精度を有し、特に低用量設定における精度が既存の同タイプの注入器よりも高いことが示された。デンマークNovo Nordisk社の研究者らの発表、Marcus Niemeyer氏らが報告した。
インスリンを適正に投与するためには注入量の精度が重要で、高い精度が維持されることで効果的かつ確実な血糖値コントロールが可能になる。近年、ペン型注入器の開発により用量設定や注入手技が簡便になり、現在ではペン型が主流だ。またペン型注入器は、従来の注射器に比べインスリンの注入量の精度を安定的に維持できることがメリットで、特に5単位(IU)未満の注入における精度が高いことが示されている。さらに、最新のプレフィルド・ペン型注入器は、低用量、中用量、高用量のいずれの設定においても、高い精度で注入が可能であることが示されている。
Novo社の最新型のプレフィルド・ペン型注入器であるFlexTouchは、設定する用量の高低によって押しボタンが伸縮しない特徴があり、糖尿病患者の注入手技はより簡便になる。
今回、同グループは、FlexTouchについて、低用量、中用量、高用量それぞれの用量設定における注入量の精度と一貫性を検証するとともに、既存のプレフィルド・ペン型注入器であるSoloStarおよびKwikPenと比較検討した。
試験に用いるFlexTouchは、インスリンデテミル3mLを充てんしたものと、インスリンアスパルト3mLを充てんしたものの2種類を用意。SoloStarには、インスリングラルギン3mLを、KwikPenにはインスリンリスプロ3mLを充てんしたものを用意した。注射針は各薬剤のメーカーの推奨品を使用した。
本検討においては、各ペン型注入器を2つの異なるロットから15本ずつ無作為に取り出し、合計30本ずつ使用した。さらにそれらの注入器を2回使用(反復テスト)し、合わせて60回の使用における注入量の精度と一貫性を比較した。低用量、中用量、高用量の設定は、KwikPenでは1、30、60 IU、FlexTouchおよびSoloStarでは、1、40、80 IUとした。試験環境は気温20±2℃、湿度45±7.5%に設定した。
注入量の測定では、ペン型注入器の注射針の先から液剤が漏出するまで空気を抜いたあと、各設定単位(用量)を放出した。放出した用量をデンマークMettler Toledo社製のMettler AX1という測定装置で定量した。また測定結果は、各薬剤の密度の違いを補正して比較した。ISO(国際標準規格、ISO11608-1:2000)の基準値内にあるかどうかも評価した。
解析の結果、FlexTouchにおいては、1 IUの設定で0.98±0.07(範囲:0.72-1.18)、40 IUの設定で39.86±0.33(範囲:38.98-40.63)、80 IUの設定で79.76±0.64(範囲:78.49-81.39)と設定単位との差は小さく、しかもISOの基準値内だった。反復テストを行っても、1 IU、40 IU、80 IUのすべてで設定単位との差は小さいと考えられた。
他のプレフィルド・ペン型注入器との比較では、中用量および高用量においては、FlexTouch、KwikPen、SoloStarの間で有意差はなかったものの、FlexTouchにおける1 IUの設定ではSoloStarの1.14±0.22(範囲:0.49-1.39)に比べて有意に設定単位に近かった(P<0.0001)。なお、各ペン型注入器はすべての用量でISOの基準内だった。
これらの結果からNiemeyer氏は「プレフィルド・ペン型注入器の注入量の精度と一貫性は、糖尿病患者のアドヒアランスを維持・向上させるためにも重要であり、それが良好な血糖コントロールと糖尿病合併症の抑制につながる。本検討により、FlexTouchは設定用量の違いを問わず、正確かつ確実なインスリンの投与が可能であることが示唆された」と語った。
3) 夕食ボリューム型の食事で空腹時血糖、中性脂肪が高値に
糖尿病患者の食事療法では、適正なエネルギー摂取に留意するのが基本だが、1日の総摂取エネルギーの多くを夕食でとっているケースは少なくない。夕食の摂取エネルギーが、朝食や昼食よりも多い夕食ボリューム型の食事をしている2型糖尿病患者は、非夕食ボリューム型の患者に比べて、朝食前血糖値、中性脂肪、レムナントコレステロールが有意に高いことが明らかになった。川崎医科大学附属病院栄養部の倉恒ひろみ氏らが発表した。
対象は、2型糖尿病患者89人(うち男性43人)。3日間の食事の聞き取り調査を行い、夕食のエネルギー摂取が朝食と昼食の平均摂取エネルギー量の150%を超えた人を夕食ボリューム型群(39人、男性21人)とし、150%未満を非夕食ボリューム型群(50人、男性22人)とした。空腹時採血により、HbA1c、血漿脂質、レムナントコレステロール(RLP-C)を測定した。
その結果、夕食ボリューム型と非夕食ボリューム型の2群間で、男女比、BMI、総エネルギー摂取量、食塩摂取量、食物繊維量にいずれも差はなかった。
1日の総脂質摂取量のうちの夕食の脂質摂取量の割合は、夕食ボリューム型群43%、非夕食ボリューム型群31%で、有意に夕食ボリューム型群で高かった(P<0.01)。
2群間でHbA1cに差はなかったが、朝食前血糖値は有意に夕食ボリューム型群が非夕食ボリューム型群よりも高かった(136mg/dL 対 119 mg/dL、P<0.01)。中性脂肪(202 mg/dL 対 115 mg/dL)、RLP-C(7.1mg/dL 対 4.6mg/dL)も夕食ボリューム型群が高いという結果だった(いずれもP<0.01)。
また、動脈硬化症に着目すると、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、ASOと診断された人の割合は、夕食ボリューム型群の方が非夕食ボリューム型群よりも有意に高かった(31% 対 8%、P<0.01)。
倉恒氏は、「夕食ボリューム型の食事をしている患者は、血糖、中性脂肪、レムナントコレステロールが高値であることが明らかになった。栄養指導を行う際には、1日の総摂取エネルギー量だけでなく、食事時間別のエネルギー摂取量や脂質摂取量に留意することが重要であろう」と考察した。
4) 災害時・緊急時に最も重宝するインスリン製剤は超速効型、震災後の巡回診療の経験から
東北大学分子代謝病態学分野の児玉慎二郎氏らは、東日本大震災後に避難所の糖尿病巡回診療を行った経験から、災害時における糖尿病診療の問題点を指摘するとともに、その対応策を提案した。震災から1週間後までは高血糖と低血糖の両方が起こる状況にあり、糖尿病ケトアシドーシスの治療に超速効型インスリンの皮下注射が有効であったことなどを報告した。
東北大学病院糖尿病代謝科が中心となったチームは、2011年3月下旬から7月中旬まで週に2、3回、糖尿病巡回診療を行った。チームは医師、看護師、ボランティア学生から構成され、自家用車を用いて避難所や被災者宅を訪問。巡回診療は、最大避難者数が約11万人、最大避難所数が約180カ所以上だった宮城県石巻市を中心に実施した。目的は、被災者の血圧・血糖値の測定、内服薬やインスリン量の調整、食事回数に応じた治療法の変更、インスリンや自己血糖測定器の提供、低血糖や持続する高血糖の予防だった。
糖尿病巡回診療の実施スキームは以下のとおり。まず拠点病院である石巻赤十字病院の災害医療コーディネーターに糖尿病巡回診療の実施を提案。それを受け、拠点病院が各地区の保健師に巡回チームの存在を伝え、保健師は拠点病院に糖尿病患者の避難状況を報告する。その報告を受けた拠点病院から巡回診療の依頼が来る仕組みとした。
巡回チームは、大学病院や各企業からインスリン、自己血糖測定(SMBG)機器、注射針、ブドウ糖などの提供を受けた上で、拠点病院に物資を提供しつつ、保健師と連絡を取りながら巡回診療を行った。
巡回診療時にはいろいろ工夫したという。たとえば、他の医療チームと情報を共有するため、拠点病院で保管しているカルテを利用。記入したカルテはデジタルカメラで撮影し、情報を共有した。患者に対しては、低血糖についての注意書きなどをまとめた資料を配った。内服薬の調整について解説したものも作成し配布している。各地区の医療チームや保健師とミーティングを重ねたことで、糖尿病の専門診療が必要な患者の避難状況、各避難所での食料事情や医療物資の在庫、道路状況などの情報提供を受けられた。
震災直後から1週間後までの超急性期においては、インスリン注射の一式を津波で流されたり、食べ物がなかったりしたため、治療を中断したことで高血糖昏睡が起きていたことが明らかになった。また、この時期における糖尿病ケトアシドーシスの治療として、速効型インスリンの点滴静注ではなく、超速効型インスリンの皮下注射を実施。糖尿病ケトアシドーシスが超速効型の皮下注射によって治療できるとの報告は過去に多くなされており、今回の震災直後も大変有用だった経験から、「災害時・緊急時に最も重宝するインスリン製剤は超速効型だ」と児玉氏は強調した。
一方で、食べ物がなくても平時と同量のインスリンを注射したり、血糖降下薬を内服したことによる低血糖昏睡も発生していた。これらを踏まえ、超急性期には糖尿病ケトアシドーシスや低血糖といった急性の代謝失調を予防するためにインスリン製剤を速やかに供給すること、また、患者自身にインスリン注射を中断することは危険であるという認識を持ってもらうために、平時から患者へのインフォームド・コンセントが重要であると述べた。さらに、低血糖を起こす可能性がある薬剤や副作用が出現する可能性が高い薬剤は慎重に投与するべきとの考えを示した。
児玉氏は巡回診療の経験を基に、「地域の中核病院のマネジメントが重要であり、平時から保健師やコメディカルとのネットワークを構築していることが大切だ。全国的にこうしたシステムの構築が望まれる」と語った。
5) 高齢の2型糖尿病患者では拡張期血圧が認知機能低下と関連する可能性
高齢の2型糖尿病患者における認知機能の低下と血糖、血圧、脂質などの管理状況との関連については、一定の見解が得られていない。65歳以上の2型糖尿病患者でこれらの関係について検討したところ、拡張期血圧は年齢、性別などの他の因子で補正した後も、認知機能低下に独立して関連する因子だったことが分かった。東京女子医科大学糖尿病センター内科の石澤香野氏らが発表した。
対象は、同センターに通院中の65歳以上の2型糖尿病患者で、認知機能検査を希望した27人。症候性脳梗塞の既往例、神経・精神疾患、重篤な肝・腎・心疾患や悪性腫瘍を合併している患者は除外した。
認知機能検査については、3要素(遅延再生、見当識、視空間認知機能)を5問で検討するタッチパネル式簡易認知機能検査で行った。15点中12点以下の場合、認知機能が低下しているとした。その結果、認知機能正常群が12人(76歳、男性4人)、認知機能低下群が15人(78歳、男性6人)となった。
両群の間で、年齢、性別、教育歴、診断後期間、BMI、網膜症や腎症の有無、血圧、HbA1c、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド、治療内容(降圧薬や脂質異常症治療薬の処方率など)について比較したところ、低下群では網膜症罹患率が有意に高く、拡張期血圧が有意に低かった。網膜症罹患率は正常群が36.4%、低下群が85.7%、拡張期血圧はそれぞれ76±8mmHg、63±6mmHgだった(順にP=0.011、P<0.001)。それ以外の項目については、両群間に有意差は見られなかった。
なお、認知機能低下群のみ、神経内科専門医による認知症の精査(MMSE、長谷川式認知機能検査、神経心理課題、VSRAD[頭部MRI画像に対するアルツハイマー型認知症診断支援ソフト]、脳血流SPECT)を行った。精査が終了した13人の診断結果を見ると、前頭側頭型認知症(FTLD)と軽度認知障害(MCI)が4人ずつ、脳血管性認知症(VaD)は2人、アルツハイマー型認知症(AD)が2人(うち1人はVaDとの混合型)、失語症が1人だった。
また、両群間に有意差があった網膜症罹患率と拡張期血圧について、その他の因子で補正してロジスティック回帰分析を行ったところ、拡張期血圧だけが認知機能低下の有意な因子として抽出された(オッズ比:0.769、95%信頼区間:0.619-0.957、P=0.019)。
これらの結果を踏まえ石澤氏は、「高齢の2型糖尿病患者では、拡張期血圧が認知機能低下と関連する可能性が示唆された」と結論した。
23.Two patients get eye stem cells transplanted to restore sight
BBC News2012年5月21日
Two people have had stem cells transplanted into their eyes as part of a clinical trial to restore their sight.
The technique has been developed by Scottish specialists to reverse corneal blindness, and it is believed to be the first treatment of its kind in the UK.
Both have corneal blindness, and until now the only treatment was a transplant of cornea tissue from an organ donor.
Sylvia Paton, from Edinburgh was the first person to have the transplant.
It will be several months before doctors will know to what extent the procedure has worked.
Health Secretary Nicola Sturgeon said: "This pioneering new treatment could potentially restore sight and improve the lives of many patients, and it is vital that we continue to invest in innovative projects such as this one.
"Sylvia is a very real example of how corneal blindness can have a dramatic impact and this trial could potentially transform her life".
She added: "If proves to be successful, we could see many more people benefit as a result.
The procedure - corneal epithelial stem cell transplantation - represents one of the first of a new generation of regenerative therapies.
Medical professionals believe these therapies could transform medicine over the coming decades.
The study which is funded jointly by the UK Stem Cell Foundation and Scottish Enterprise in partnership with the Chief Scientist Office (CSO).
The donor stem cells have been grown by the Scottish National Blood Transfusion Service (SNBTS) and the trial is being run by SNBTS together with NHS Lothian and NHS Greater Glasgow and Clyde.
http://www.bbc.co.uk/news/uk-scotland-18137879
24.U.S. Advisers Say 'No' to Routine PSA Tests for Prostate Cancer
Benefits of prostate-specific antigen screening don't outweigh harms, panel contends
HealthDay News2012年5月21日
In a highly anticipated move sure to unleash heated debate, a prominent U.S. government advisory panel is recommending that men of all ages no longer be screened for prostate cancer by undergoing the prostate-specific antigen (PSA) blood test.
The U.S. Preventive Services Task Force, an independent group of medical experts in prevention and evidence-based medicine, said PSA screening results in overdiagnosis of prostate cancer and unnecessary treatment that can leave men impotent and incontinent.
This final recommendation comes seven months after the task force drafted a report giving a "D" rating for the PSA blood test. Previous guidelines had stated that most men should undergo screening beginning at age 50.
"Some may say that by rating the test a 'D' we're taking away the possibility of an informed decision, but we don't want that to be the case," said task force co-vice chair Dr. Michael LeFevre, a professor in the department of family and community medicine at the University of Missouri School of Medicine. "This decision does not preclude a man choosing to be screened."
The task force is the same panel that in 2009 rejected regular mammograms for women in their 40s, after also concluding the benefits don't outweigh the harms.
The new recommendation is published online May 22 in the journal Annals of Internal Medicine.
About 242,000 new cases of prostate cancer will be diagnosed in Americans this year, and about 28,000 will die from it, according to the U.S. National Cancer Institute. More than two-thirds of those deaths occur after age 75, the task force said.
PSA tests -- which measure prostate-specific antigen, a protein produced by the prostate gland -- can detect which men are developing the malignancy. But they cannot discern between cases that will never become life-threatening and those that require treatment, such as surgery, radiation or hormone therapy.
Basing its recommendation mainly on two major trials of PSA testing in asymptomatic men in the United States and Europe, the task force concluded screening may only help one man in every 1,000 to avoid dying from prostate cancer. Up to five in 1,000 men will die within a month of prostate cancer surgery, the panel said, and between 10 and 70 per 1,000 men will suffer lifelong adverse effects, such as urinary incontinence, erectile dysfunction and bowel dysfunction.
Many will also suffer unduly from persistent anxiety, the report said.
Critics of the task force's decision said the group underestimated the PSA test's benefits and overestimated its harms and also overlooked significant methodological flaws in the studies on which it based the "D" recommendation. None of the task force members are urologists or oncologists, making them unqualified to broach the topic, some health experts said.
"I think they're throwing away the baby with the bathwater," said Dr. William Catalona, a professor of urology and director of the clinical prostate cancer program at Northwestern University's Feinberg School of Medicine in Chicago, who wrote an accompanying journal editorial condemning the move.
"There's just no other way to detect prostate cancer early than through PSA testing," Catalona added. "If we were to completely stop PSA testing in all men . . . it would result in countless men dying of metastatic prostate cancer. People are happy to be cured of their prostate cancer, even if they have some side effects."
Dr. Otis Brawley, chief medical officer at the American Cancer Society and an outspoken figure on the pros and cons of cancer screening tests, encouraged men to make their own choice about PSA screening while keeping the risks and benefits in mind. Certain men, including blacks and those with a family history of the disease, are at significantly higher risk of developing prostate cancer, he noted.
"I am hoping this (recommendation) shuts down mass screenings, where men are only told that this will help them, which is stretching the truth," Brawley said. "They're rarely told about the potential for harm and that, for the people running the screening, the [venture] is usually quite lucrative for them."
LeFevre said it remains to be seen whether health insurers will change their coverage of PSA screening based on the task force's recommendation. For one thing, insurers aren't supposed to tailor coverage decisions to USPSTF guidelines, he said.
"If you look at the overall costs of screening, the PSA test itself is very small," LeFevre said. "I'd be surprised to see them take what I call the political risk of backing away from that."
More information
For more on prostate cancer, visit the American Cancer Society.
SOURCES: Michael LeFevre, M.D., M.S.P.H., co-vice chair, U.S. Preventive Services Task Force, and professor, family and community medicine, University of Missouri School of Medicine, Columbia; Otis Brawley, M.D., M.P.H., chief medical officer, American Cancer Society, Atlanta; William J. Catalona, M.D., professor, urology, and director, clinical prostate cancer program, Northwestern University Feinberg School of Medicine, Chicago; May 22, 2012, Annals of Internal Medicine
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664950
25.New Blood Thinner May Lower Chances of Clots in High-Risk Heart Patients: FDA
Agency's advisory panel to vote on whether Xarelto should be approved for treating acute coronary syndrome
HealthDay News2012年5月21日
The new blood thinner Xarelto appears to lower the chances of potentially fatal blood clots in high-risk heart patients, a U.S. Food and Drug Administration review has found.
The review came in briefing documents that were filed Monday in advance of an FDA advisory panel meeting Wednesday, at which the panel is to vote on whether to recommend approval of Xarelto for treating people with acute coronary syndrome (a group of conditions brought on by sudden reduced blood flow to the heart).
The FDA is not required to follow the advice of its expert panels, but the agency typically does. A final decision is expected by the end of June, according to the documents.
Xarelto (rivaroxaban) is one of a new class of blood thinners that have been developed to overcome some of the problems that exist with the standard treatment, warfarin (Coumadin), which requires constant dose monitoring. Warfarin's effectiveness also can be altered by certain foods and other medications. Xarelto already is approved for use by those with atrial fibrillation (irregular heartbeat) and by people who are having hip- or knee-replacement surgery.
In the FDA briefing documents, an agency reviewer recommended approving the drug for treatment of acute coronary syndrome, mostly because trial data showed there was a reduction in cardiovascular death, even though there was also an increased risk of potentially fatal bleeding.
"However, what is not reflected in the sponsor's analysis are minor bleeding events," FDA reviewer Dr. Karen Hicks wrote in the briefing documents. "While it is true that these bleeding events typically do not lead to death or irreversible harm, these events may represent the biggest problem for both patients and health care providers if rivaroxaban is approved."
"While reductions in [cardiovascular] death still trump these bleeding events, if rivaroxaban is approved, we should expect a number of bleeding events that will require medical attention," Hicks wrote. "Carefully selecting patients for rivaroxaban therapy will be necessary to mitigate these bleeding risks."
In research presented at the American Stroke Association's International Stroke Conference in New Orleans last February, Australian doctors followed more than 14,000 people who took either Xarelto or warfarin for a median of two years. Of those patients, 136 had bleeding in the brain.
People who took Xarelto -- and suffered from the most common type of atrial fibrillation and didn't have heart valve damage -- were about one-third less likely to experience bleeding in the brain than those who took warfarin, the investigators found.
More information
The U.S. National Institute of Neurological Disorders and Stroke has more about stroke.
SOURCES: May 21, 2012, briefing documents, U.S. Food and Drug Administration; February 9, 2012, news release, American Stroke Association
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664984
26.Vigorous Exercise Might Keep Psoriasis at Bay
But only intense activities seemed to lower risk in large study of women
HealthDay News2012年5月21日
Women who exercise vigorously may be reducing their risk of psoriasis, Harvard University researchers report.
Psoriasis is an immune disorder that causes inflammation and scaly patches on the skin.
Vigorous activity for up to three hours a week can potentially reduce the risk by 25 percent to 30 percent, the researchers said.
"Exercise is a modifiable risk factor. Here is another reason to change lifestyle and exercise," said lead researcher Dr. Abrar Qureshi, vice chairman of the department of dermatology at Brigham and Women's Hospital, in Boston.
"Most interesting was our finding that intensity of exercise was linked to psoriasis risk, where less vigorous physical activity such as walking was not associated with a lower risk for new-onset psoriasis," he said.
The report was published in the May 21 online edition of the Archives of Dermatology.
For the study, Qureshi's team collected data on nearly 867,000 women who took part in the U.S. Nurses' Health Study II. Among these women, 1,026 had psoriasis.
The most physically active women had a significantly lower risk of psoriasis, compared to women who exercised the least, the researchers found.
However, only activities such as running, aerobic exercise or calisthenics were linked to a reduced risk of the condition, they added.
Other activities such as jogging, playing tennis, swimming and bicycling were not associated with psoriasis risk, they said.
"The highly variable intensity at which these activities are performed may account for this finding," the researchers wrote.
Why exercise is tied to a lower risk of psoriasis isn't known for sure, said the researchers, who found an association but not a cause-and-effect relationship between exercise and the skin disorder.
"The plausible mechanisms behind these findings are several," Qureshi said. "For example, physical activity may lower systemic inflammation."
Exercise has also been associated with reducing the risk of other diseases associated with inflammation, including type 2 diabetes, colon cancer, coronary artery disease and breast cancer, the researchers noted.
There are limitations to the study, Qureshi said.
"It is possible that women who engaged in vigorous exercise live healthy lives in general and other factors associated with healthy living may actually be associated with lowered psoriasis risk," he said.
To address this concern, the researchers adjusted for known psoriasis risk factors and the association remained statistically significant, Qureshi said.
Dr. Lawrence Green, a spokesman for the National Psoriasis Foundation, commented that "this study certainly adds on to recent research over the past several years about risk factors for more severe psoriasis and ways an individual with psoriasis can help manage their disease in addition to dermatologist-prescribed treatment."
This study adds to the accumulated body of evidence that "how we live our lives can play a role in how bad our psoriasis can become," he said.
"We have recently become aware that smoking, high alcohol intake and obesity can worsen psoriasis. Now, we have a study that shows that vigorous exercise can play a role in helping to mitigate psoriasis," Green said.
Another expert, Dr. Robert Kirsner, chief of dermatology at the University of Miami Miller School of Medicine, added that "exercise allows patients who may be at risk for psoriasis because of family history the ability to do something to hopefully reduce that risk or delay the start of the psoriasis."
In addition to reducing inflammation, exercise might also reduce stress and depression, which are also associated with psoriasis, he said.
"We finally have something that a patient can do to help reduce their risk of developing psoriasis," Kirsner said.
More information
For more about psoriasis, visit the National Psoriasis Foundation.
SOURCES: Abrar Qureshi, M.D., M.P.H., vice chairman, department of dermatology, Brigham and Women's Hospital, Boston; Lawrence Green, M.D., spokesman, National Psoriasis Foundation; Robert Kirsner, M.D., Ph.D.,chief, dermatology, University of Miami Miller School of Medicine; May 21, 2012, Archives of Dermatology, online
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664964
27.Could Compound in Artificial Sweeteners Worsen Crohn's Disease?
Lab study suggests maltodextrin may encourage growth of E. coli bacteria in small intestine
HealthDay News2012年5月21日
The food additive maltodextrin, commonly used in some artificial sweeteners, may worsen Crohn's disease by encouraging the growth of E. coli bacteria in the small intestine, a new study suggests.
However, researchers stressed that the findings are preliminary and the tests were conducted in the lab, not in people, so it's too soon to advise those with the inflammatory bowel disease to avoid maltodextrin.
Maltodextrin is a white powder used in many processed foods as a thickener or a filler, including the artificial sweeteners Splenda and Equal, along with cereal, canned fruits, packaged desserts, instant pudding, sauces and salad dressings. Maltodextrin, typically derived from corn or wheat starch, is also used in some medication coatings.
In the study, researchers placed Equal, Splenda and another sweetener, Stevia, in a dish along with E. coli bacteria taken from people with Crohn's disease. While E. coli is commonly found in the digestive tract of humans, it's usually found in the large intestine, explained senior study author Christine McDonald, assistant staff in the pathobiology department at the Cleveland Clinic's Lerner Research Institute. Prior research has found that people with Crohn's tend to have E. coli in their small intestine.
Though the precise role that E. coli plays in Crohn's is unknown, it's thought that the bacteria may contribute to the inflammation that marks the condition.
When grown in the dish with the Equal (which contains aspartame, dextrose and maltodextrin) and the Splenda (which contains sucralose, dextrose and maltodextrin), the E. coli grew stickier, forming a thick biofilm, according to the researchers. The same didn't happen with the Stevia, which is made from the leaves of a South American plant and does not contain maltodextrin.
Researchers then repeated the experiments, culturing E. coli with maltodextrin alone, and the same sticky biofilm formed.
"In the lab, the E. coli becomes stickier, and it sticks to intestinal cells," said McDonald, who conducted the research with graduate student Kourtney Nickerson. "But we haven't tested this in animals to see if there is a particular amount you need to eat to have this effect. It may be that in people who have other risk factors for inflammatory bowel disease, this may tip them over the edge."
The study, which was funded by the U.S. National Institutes of Health, was to be presented Monday at the Digestive Disease Week meeting in San Diego.
Crohn's disease is an inflammation of the digestive tract that can lead to swelling, pain and ulcers. Although the disease can affect any part of the digestive tract from the mouth to the anus, the most common spot is the small intestine.
It's unknown what causes the disease, although it's believed that microbes -- along with genetics and other environmental factors -- play a role, said Dr. Jerrold Turner, an associate chair in the department of pathology at the University of Chicago.
A healthy gut contains a multitude of bacteria that aid in the digestion of food and extraction of nutrients from foods. A healthy intestine has a layer of mucus that keeps the bacteria away from the lining of the intestine itself. Prior studies have found that, in people with Crohn's, the thickness of that mucus layer decreases, meaning there are more bacteria directly on the cells lining the intestine, possibly leading to inflammation, Turner explained.
The sticky biofilm may also mean there are more bacteria on the lining of the intestines, McDonald said.
No specific diet has been shown to prevent or treat Crohn's disease, according to the U.S. National Digestive Diseases Information Clearinghouse. However, the incidence of Crohn's has been rising in the United States in recent decades, leading researchers to suspect that something about the modern American diet is contributing.
In addition, many people with the disease notice that certain foods or types of foods seem to make their symptoms worse.
McDonald said people with Crohn's may want to try avoiding maltodextrin and see if their symptoms improve, but she and Turner both said more needs to be learned before they recommend that people with Crohn's or a susceptibility to Crohn's avoid the additive.
"It's a very interesting and provocative finding, and [it] may tell us something about the bacteria and what is happening in the intestines, but it's really too preliminary to make any recommendations," Turner said.
A group representing the artificial sweetener industry said the finding was too preliminary to prompt any changes in how artificial sweeteners are made or sold.
"This study was done on cells in petri dishes, therefore it is not possible to apply these findings to humans," the Calorie Control Council said in a statement released Monday. "Even the researcher has stated that it is too early to conclude that maltodextrin promotes disease. Further research is needed before any human nutrition recommendations can be made."
Because this study was presented at a medical meeting, the data and conclusions should be viewed as preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
The U.S. National Digestive Diseases Information Clearinghouse has more on Crohn's.
SOURCES: Christine McDonald, Ph.D., assistant staff, pathobiology department, Lerner Research Institute, Cleveland Clinic; Jerrold R. Turner, M.D., Ph.D., professor and associate chair, department of pathology, University of Chicago; May 21, 2012, statement, Calorie Control Council, Atlanta; May 21, 2012, presentation, Digestive Disease Week meeting, San Diego
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664941
28.More Research Points to Long-Term Ills With Bone Drugs
Bisphosphonates used for osteoporosis raise risk of rare fractures over time, study says
HealthDay News2012年5月21日
Adding more weight to concerns about possible long-term dangers of osteoporosis drugs, a new study finds that people who take the drugs, known as bisphosphonates, may be at increased risk for atypical fractures of the thigh bone (femur).
Osteoporosis is a bone-thinning disease that is common in older women. An atypical femoral fracture is an unusual type of break that often occurs spontaneously, without any major leg injury.
In the new study, Swiss researchers looked at 477 patients, aged 50 and older, who were hospitalized with a femoral fracture. Of those patients, 39 had atypical fractures and 438 had a classic fracture (a more common fracture with a typical pattern).
These groups were compared with 200 people without femoral fractures. The findings were published online May 21 in the journal Archives of Internal Medicine.
The investigators found that 82 percent of the patients with atypical fractures had been treated with bisphosphonates, such as Actonel or Fosamax, compared with about 6 percent of the patients with classic fractures.
But compared to patients without fractures, use of bisphosphonates was associated with a 47 percent reduction in the risk of a classic fracture.
The researchers compared duration of bisphosphonate treatment versus no treatment and found that the odds ratio for an atypical fracture versus a classic fracture was 35 to 1 for less than two years of treatment, 46 to 9 for two to five years of treatment, 117 to 1 for five to nine years of treatment, and 175 to 7 for more than nine years of treatment.
"In conclusion, we have demonstrated that the association between bisphosphonate treatment and the occurrence of atypical fractures of the femur is highly likely and that the duration of such treatment significantly correlates with augmented risk," Dr. Raphael Meier and colleagues from University Hospitals of Geneva and Faculty of Medicine in Geneva, concluded in a journal news release.
"However, the incidence rate was very low, and the absolute benefit to risk ratio of bisphosphonate use remains positive," the authors added.
While the study uncovered an association between bisphosphonate use and atypical fractures, it did not prove a cause-and-effect relationship.
In 2010, the U.S. Food and Drug Administration issued a warning about the possible risk of femur fractures from taking bisphosphonates over a long period of time.
More information
The National Osteoporosis Foundation has more about osteoporosis medicines.
SOURCE: Archives of Internal Medicine, news release, May 21, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664922
29.Dieting May Lower Hormone Levels Tied to Breast Cancer
Study didn't prove that weight loss lowers risk, but it did cut estrogen, which may help older women
HealthDay News2012年5月21日
New research suggests that weight loss through exercise and dieting helps overweight women lower the levels of certain hormones in their blood, potentially raising the odds that they'll avoid developing breast cancer.
The findings don't prove that losing weight this way will prevent breast cancer. Still, women who take medications to prevent the disease "need long-term solutions for managing their risk," study co-author Dr. Anne McTiernan, director of the Prevention Center at the Fred Hutchinson Cancer Research Center, said in a news release from the center.
"Weight loss represents an additional option for long-term breast cancer risk reduction without significant or bothersome side effects," McTiernan added.
The study is published in the May 21 online issue of the Journal of Clinical Oncology.
Previous research at the center has suggested that "losing just 5 percent or more of one's weight could cut by a quarter to a half the risk for the most common, estrogen-sensitive breast cancers," McTiernan said.
In the new study, researchers wanted to understand how weight loss through exercise, diet or both would affect potentially dangerous levels of hormones in the body.
The investigators randomly assigned 439 overweight-to-obese women to one of four groups. One group exercised (mainly through walking), one group dieted, one group did both and the remaining group did neither. The women were aged 50 to 75 with an average age of 58.
Those who dieted or dieted and exercised lost an average of about 10 percent of their weight. In addition, they lowered the levels of several hormones.
"The amount of weight lost was key to changes in hormone levels," McTiernan said. "The biggest effect was through diet plus exercise; exercise by itself didn't produce much of a change in weight or estrogen."
Dr. Robert Hiatt, professor and chair of the department of epidemiology and biostatistics at the University of California, San Francisco, cautioned that weight loss has been connected to breast cancer risk after menopause only. "In this stage of a woman's life, most of the circulating estrogens are no longer coming from the ovaries, which cease to function, but from fat tissue that is capable of producing the same types of estrogens," said Hiatt, who's familiar with the study findings.
He cautioned that "the study does not say that losing weight lowers the risk of breast cancer. It would take a larger and longer study to prove that. It does, however, suggest than weight loss has the right kind of effect on circulating estrogens, and it would be reasonable to expect that breast cancer rates would subsequently fall in such women."
More information
For more on breast cancer, visit the U.S. National Library of Medicine.
SOURCES: Robert Hiatt, M.D., Ph.D., professor and chair, department of epidemiology and biostatistics, University of California, San Francisco; May 21, 2012, Journal of Clinical Oncology, online
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664953
30.Statins May Help Prevent Enlarged Prostate: Study
But the effect was small and it's too early to recommend the drugs for this purpose, experts say
HealthDay News2012年5月21日
Statin drugs commonly used to lower cholesterol levels may also slow the unhealthy growth of the prostate in men with elevated blood levels of prostate-specific antigen, a new study finds.
Prostate-specific antigen, or PSA, levels are often elevated due to cancer or other conditions involving the prostate, explained researchers from Duke University Medical Center in Durham, N.C.
The study authors noted that their findings are significant because an enlarged prostate affects up to 90 percent of men older than 70 years and can lead to bladder or kidney damage. Many of these men may already be taking a statin, which include cholesterol-lowering drugs such as Crestor, Lipitor, Pravachol or Zocor.
"Given that prostate enlargement is an important health problem in the United States and elsewhere, and will be a larger problem as the population ages, it's important to understand and treat its causes," the study's lead author, Dr. Roberto Muller, a urology fellow at Duke, said in a medical center news release.
The study, which was funded by drug maker GlaxoSmithKline, is scheduled to be presented Monday at the annual meeting of the American Urological Association in Atlanta.
In the research, Muller and his team sifted through data on more than 6,000 men involved in an unrelated GlaxoSmithKline trial for a prostate cancer drug. The researchers identified over 1,000 men enrolled in the study who also took a statin.
Although the men who took these cholesterol drugs tended to be older and were expected to have enlarged prostates, the study revealed the prostates of these men were similar in size to those who did not take statins.
After two years, the researchers also found that the men who took statins had reduced prostate growth regardless of whether or not they had taken the prostate cancer drug as part of the larger study.
Specifically, prostate growth was an average 5 percent less in men who took both a statin and the prostate cancer drug, compared to the men who only took the cancer medication. For the men taking statins and an inactive placebo pill, prostate growth was about 4 percent less than the men taking only the dummy pill.
The researchers noted, however, the benefits of the drugs seemed to fade after two years.
"We don't yet understand the mechanisms that might be causing this," Muller said in the news release. "Some have suggested that statins may have anti-inflammatory properties, and inflammation has been linked to prostate growth, but this needs further study."
One expert said the findings were interesting, but it's too soon to advise a statin as a preventive measure against enlarged prostate.
"Studies such as these are intriguing because we do not yet know the reason prostates enlarge as men age," said Dr. Warren Bromberg, chief of the division of urology and director of the Prostate Cancer Program at Northern Westchester Hospital Center in Mount Kisco, N.Y. "There are likely multiple factors that may lead to prostate growth, including genetic, environmental, and as the article points out, dietary or behavioral."
The reduction in prostate growth linked to statin use was "small," Bromberg added, and it also seemed temporary.
"Because statins may be associated with significant side effects, I would advise caution in taking such medications strictly to prevent prostate growth," he said.
The study authors noted that men's lifestyles, including diet and exercise, affect their prostate health as well as cholesterol levels. The study was able to show an association between statin use and reduced prostate growth, but it could not prove cause-and-effect.
Still, the findings do shed light on prostate health generally, Muller said.
"Prostate enlargement was once considered an inexorable consequence of aging and genetics, but there is growing awareness that prostate growth can be influenced by modifiable risk factors," he explained. "In this context, the role of blood cholesterol levels and cholesterol-lowering drugs such as statins warrants further study."
Findings presented at medical meetings are typically considered preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
The U.S. National Library of Medicine has more about enlarged prostate.
SOURCES: Warren Bromberg, M.D., chief, division of urology and director, Prostate Cancer Program at Northern Westchester Hospital, Mount Kisco, N.Y.; Duke University Medical Center, news release, May 21, 2012
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664905
31.プレスリリース
1) がん治療薬ECI301のGMP生産に関するお知らせ
http://v3.eir-parts.net/EIRNavi/DocumentNavigator/ENavigatorBody.aspx?cat=tdnet&sid=979763&code=4567&ln=ja&disp=simple
2) 国立がん研究センターと第一三共、包括的研究提携契約を締結
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/004356.html
32.Other Topics
1) 大学や専門家の「権威」は失墜したほうが良い
あれから1年、正しく怖がる放射能
Nikkei Business Publications2012年5月22日
よく、大学の中で・・・あるいは外の一般の会合でも・・・話題になるのですが、3.11以降、専門家の「権威」が失墜した、という話を耳にします。
とりわけ「理工系」「医学系」の専門家、もっとハッキリ言えば原発や放射能関連の話が圧倒的に多いわけですが、これに関わる「大学教授」あるいは明確に「東大」の権威が失墜した、とか何とか、そういう話がしばしば出てきます。
そこから、どうしたら「権威」を回復できるか、という話が出てきたりするのですが、今回は、一応現役の東京大学教員として、そんな「権威」など回復しなくてよろしい、犬にでも食べさせてしまいましょう、というお話をしようと思います。
対立する複数見解を冷静に検討する大切さ
いま、文学部哲学科関連で開かれている「死生学」講座のオムニバス講義「応用倫理教育プログラム」のために準備をしています。毎月一回開かれるもので先月は初回、医学部放射線科の中川恵一さんと文学部宗教学科の島薗進さんが厳しい議論を交わされましたが、今月は5月24日の夕刻に東京大学本郷キャンパスで開かれる第二回で、僕が当番に当たってお話をすることになっています。
この連続講座は哲学科の一ノ瀬正樹さんと宗教学科の島薗進さんがコーディネーターとして進めておられ、上記の中川さん、僕など数名で昨年の7月8日、福島第一原発事故を巡る緊急シンポジウムを文学部哲学科で開きました。
この日の内容は、おのおの大変に踏み込んだもので、かつ重要だと思ったのは、意見がまっこうから対立する複数の東京大学教員どうしが、準備を整え礼を尽くしながら、正面から「ガチンコ勝負」的に学術的な議論を交わしたことでした。さらにその方向で強化して8カ月ほど時間をかけ『低線量被曝のモラル』(河出書房新社)という書籍に編んで出版しました。
逆に、ダメだなぁ、意味がないなぁと思うのは、一般のメディア上、マスコミを通じて、きちんとした大学専門人であれ、そうでない人であれ、まともな議論や批判ではない非難、あるいは罵詈雑言、流言飛語などをすっ飛ばしてるのを見ます。あれは、ハッキリ言いますが、やめたほうがいい。また、原発事故を始め、科学や技術的な内容を正確に扱う必要のあるところで無用の感情を持ち込む人(多くの場合不安をあおる)や、基本的な人間としての礼儀をわきまえないようなものは、僕は一切相手にしないことにさせてもらっています。誰も時間のないところで毎日生活をしている訳で、案件は選ばなければいくら寿命があっても足りません。
一刻、一秒を争うような緊急の事態のときほど、落ち着かねばなりません。「何を悠長なことを言ってるんだ~!」なんて、あまりうるさいのが居たら、本当に大変なときは少し黙らせておく必要があるかもしれません。そんな映画が昔ありました。ワーワー言うだけで役に立たないコミカルなオッサンを、猿ぐつわかませて横に転がして、その人も含めみんなが救出される米国製、ハリウッド映画だったような気がしますが、洒落でなくソレに近いものも見る気がします。
大切なのは、意見が一致するような状況でないところで、たがいに対立する見解同士を、おのおの落ち着いて、極めて冷静に比較検討しつつ、何が正しいのか、私たちはどうするべきなのか、を、本当にシリアスに考えることです。
嵐の海で難破しかけた船長室での冷静な会合を無用に邪魔すれば、全員の乗っている船自体が沈むリスクが高くなってしまう。
権威主義は大学をダメにする
話がやや「専門家の権威が地に落ちた」的な話からずれたように見えるかもしれません。がそうではないんですね。ここが問題なのです。僕は34歳までただの音楽屋で、大学というのは限られた所しか知りません。「務め」をしたことがあるのは東京大学だけですので、以下は東大のケースでお話したいと思います。
東京大学の中で、複数の異なる専門の先生が集まり、そこで議論をしているとしましょう。そういう場はいたるところにあります。
このとき、複数の人が違う見解を述べることがあります。A先生は「甲」だといいB先生は「乙」だという。
そのとき、この「甲乙」をきちんと見比べ、みんながまともな意見を率直に出し合って議論できるような会議は、建設的・生産的に機能する場合が多い。
何でそんなことを言うかというと、そうでない会議もあるんですね。C先生がとてもお偉いということになったりして、そのご意見と反駁するような話をD先生でもE先生でも、誰かが口にしたりすると、それ自体が何か良くないことのように見る空気があるような会議。
こういうものは、まあ、ハッキリ言ってダメな会議です。こういうところに「権威主義」という堕落の目があるのですから。
僕が育った理学部というところには、こういう権威主義はほとんどありませんでした。例えば南部陽一郎先生のような偉い人が毎週金曜日の夕方に開かれる談話会でお話になります。そのとき計算に疑問があると、院生でも学部学生でも普通に手を挙げて
「先生、そこ、よく判らないのですが・・・」
と指摘します。先生のほうも
「ええと・・・」
とその場で黒板で計算をしなおしたりする。その結果
「・・・あ、そうですね、間違っていました。ご指摘ありがとう」
といったやり取りが普通に交わされます。僕は、ノーベル物理学賞などを受賞した大研究者が、目の前で計算ミスをしたり、それを指摘されて気持ちよく感謝の言葉を述べたりするのを、少なからざる回数目にしてきました。ちゃんとした本物とはそういうもの、だと思っています。権威主義で不正確なものがまかり通るようになったら、大学はおしまいです。というか、実際問題として3流以下の知的レベルと診断するのが適当でしょう。
ところが、大学というのも広いところで、所変われば何かが変わり、必ずしもそうではないんですね。無用に事を荒立てる気もないので、具体的には記しませんが、長年そこで育った理学部・物理学科とは別の空気の場所では。こういう自由闊達な議論があるとは限らないようです。
C先生が何か主張し、D先生がソレは違うと指摘すると、不快そうな顔をしたり、周りが何か抑圧的なことを言ったり、はなはだしい場合には怒り出しちゃう人とか、まったくジェントルにアカデミックな話をしているはずだけなのに、そこに感情を持ち込んで思考を混乱させる人というのも、現実に大学の中で目にしたことがあります。
検討する価値のある情報を選ぶこと
実際、「批判」に弱い人、というのは世の中に存在していて、何か自分の考えと違うことを言われると、その事自体で湯気が出てしまうというケースがあります。いやしくもアカデミシャンであるならば、それは本来は失格だと思うんですね。
きちんと礼を尽くして、議論に疑問点がある、と指摘を受けたら、そしてそれに回答する必要があると判断されたなら、ちゃんとアカデミックに応えるのが、大学人としての最低限のマナー、ルールであって、これが出来ない人は『幾何学を知らざる者はこの門をくぐるべからず』、円卓に参加できないと思うわけです。
むろん、そうでなくていいケースもあると思います。例えば十分に推敲したり、下調べなどが不足したまま、不正確な話をしてくる人。こういう人には「もう少し準備してから出直してください」でよいと思うし、きちんとしたマナーをもてない人、これは普通の社会でも回避しますよね。駅前で何か一人で大声を出してる変な人がいたら、第三者に危険を及ぼしそうなら通報など考えたほうがいいし、そうでなければ、また急いでいれば、そっと道をよけて通るのが大人というものでしょう。何にしろ、暇でもないのだから、いちいち取り合う必要はない。
で、そういう意味で「取り合う価値」のある議論が、社会にどれだけあるか、と考えたいわけです。あるいは、そもそも顧慮する価値のない情報、もっといえば、時間の無駄という以上にマイナスになる雑音というのも、たくさんあると思うのです。
検討する価値のある情報を選ぶこと。これがとても大切です。むろん、必要な情報に目をつぶったり耳を貸さなかったりするのはいけません。その取捨選択が重要になるわけですが、こうした取捨選択を含め、情報の受け手の側が、何を考え、何に気をつけるべきか、をよくよく真剣に検討する必要があると思うのです。
このとき、医学の例が参考になると思うわけです。
再び、インフォームド・コンセントから考える
例えば自分や家族が病気になったとしましょう。ガンの疑いがあります、糖尿病の症状が見られます、などなど。告知という「情報」は、なかなか重いものです。私も子供の頃父を肺ガンで失い、また母は長年糖尿を病み、晩年は脳梗塞とそこからのリハビリテーションなど、いろいろな局面を家族として経験してきました。
ここで「告知」を受けたとき
「わかりました。私たち素人は何もわかりません。どうか先生、一番いい治療を受けさせてやってください」
という患者の姿勢は、ほめられるものだといえるでしょうか?
僕はそうは思わないのです。というか、21世紀の日本の医療制度の中では、この姿勢は患者として、あるいは家族として、極めて困った状態であるとされています。なぜなら「インフォームド・コンセント」が成立しないから。例えばこんなやり取りを考えてみてください。
医師「ええ、お父さんの治療についてなのですが」
家族「はい」
医師「治療法には三つの選択肢があります」
家族「はい、お任せします」
医師「第一は手術ですが、これは年齢を考えると危険が伴います」
家族「はい、よく判りませんが、お任せします」
医師」「第二は薬物を使う療法ですが副作用が出ることになります」
家族「はい、難しい事は解りませんので、お任せします」
医師「第三は放射線治療なのですが・・・」
家族「はい、全部お任せします」・・・
話にならないわけです。ここで、やや解りやすくキャラクター的に書いてみた「家族」の姿勢は、お医者さんへの盲従というわけですが、これが『権威主義』そのもの、に他なりません。
ここで、最初の「大学の権威」にお話を戻しましょう。
もし、2011年までの日本社会で、大学とか(あるいは『東京大学』でもいいと思います)あるいは専門家という人たちが、社会全般にとって、いま上で戯画化して書いた「家族」にとっての「医者」のように見えていたら?
お話にならないわけですよね? ここが重要なポイントだと思うのです。
まともな大学人であれば、従来だって、いくつものわからないことがあるとき、あるいは決定する上で社会とコンセンサスを取りたいと思うような場合でも
大学「いくつか可能性があるのですが・・・」
社会「難しい事は解りませんので、専門家の先生に全部お任せします・・・」
と遣られているだけだったとしたら・・・?
これは、大学の側ももちろんですが、むしろ大学をどのように社会が見るか、というレベルで、大問題だと思うのです。
大学ってそうい うものではない。妄信・盲従したり、権威だといって崇め奉ったりする対象であるわけがない。
そうではなく、今本当に必要なことが何なのか、複数の異なる見解があるなら、それを一切の値引きなしに、冷静に紳士的に議論し合える、知の円卓であるべきだし、そうでなければならない、と僕は思います。で、実際に哲学科のシンポジウムでも、徹頭徹尾そのような立場で努力しましたし『低線量被曝のモラル』を編集する際にも、異なる複数の見解を鳥瞰して、その異同や意義が明確に見えるよう、できる限りの努力をしたわけです。
大学は『権威』なんて持つべきではない。というより、従来持っていたへんな「権威」があるとしたら、きれいさっぱり洗い流してしまったほうがいい。それは医者が「権威」を持つべきなのではなく、真摯に患者と病気と向き合い、患者さん本人はもとより家族とも、うらおもてなく情報を共有し、きちんと事態と立ち向かって行く「専門家」として、ケジメをもって共に協力してゆくことが、一番基本だし何より大事なことだからです。『お医者さま、治してやってください』ではなく、治すのは患者本人の自己治癒能力であって、医師はその環境を整えることしかできない、というのは、21世紀の近代医療の基本的なコンセンサスと思います。
大学は「権威」など持つべきなのではありません。というか、これは政府でも裁判所でも同じで『権威主義』などというものはろくなものではない。
真摯に問題や事態と向き合い、例えば天災や原発問題であれば、被災者など関係のさまざまな人と、うらおもてなく情報を共有し、きちんと事態と立ち向かって行く「専門家」として、ケジメをもって共に協力してゆくことが、一番基本だし何より大事なことだからです。
『先生、どうにかしてください』ではなく、問題を解決してゆくのは当事者にほかならず、専門家は解決に向かって環境を整えることしかできません。あまりに当たり前のことですが、主体は当事者にあって、専門家は脇役に過ぎません。
では、もし大学がいま失っているものがあるとしたら、そこでまた、回復を努力しなければならないとしたら、それは何になるのか?
専門人としての、あるいは社会的な意味での「信頼」こそが問われるのではないか? 僕はそう思うのです。
◆伊東 乾(いとう・けん)
1965年生まれ。作曲家=指揮者。ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督。東京大学大学院物理学専攻修士課程、同総合文化研究科博士課程修了。松村禎三、レナード・バーンスタイン、ピエール・ブーレーズらに学ぶ。2000年より東京大学大学院情報学環助教授(作曲=指揮・情報詩学研究室)、2007年より同准教授。東京藝術大学、慶応義塾大学SFC研究所などでも後進の指導に当たる。基礎研究と演奏創作、教育を横断するプロジェクトを推進。『さよなら、サイレント・ネイビー』(集英社)で物理学科時代の同級生でありオウムのサリン散布実行犯となった豊田亨の入信や死刑求刑にいたる過程を克明に描き、第4回開高健ノンフィクション賞受賞。科学技術政策や教育、倫理の問題にも深い関心を寄せる。他の著書に『表象のディスクール』(東大出版会)『知識・構造化ミッション』(日経BP)『反骨のコツ』(朝日新聞出版)『日本にノーベル賞が来る理由』(朝日新聞出版)など。
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