June 30, 2009 [Clipping News]
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1.「刈田病院と協議ない」県南中核病院改革プランで白石市長/宮城
2.札幌厚生病院:ホスピス病棟、11年7月に完成予定 /北海道
3.徳洲会グループ:病気腎移植、再開へ
4.あごの骨の壊死 がんや骨粗しょう症治療薬の副作用で発症する可能性…
5.DNAチップ研、大腸がん転移予測する遺伝子検査チップ開発
6.新型インフル、不気味な拡大
7.タミフル耐性初確認 デンマークの患者から
8.カネカ、間葉系幹細胞の分離機器を開発=再生医療事業の第一弾
9.増える臍帯血の私的保管 血液疾患の治療に有効 再生医療の可能性模索
10.内臓脂肪を増やし男性ホルモンも減らす、体の“酸化
11.がんに挑む放射線治療、医療チームの意思疎通をITが支える
12.電磁石で血流からバクテリアを吸い出します
13.CTコロノグラフィーによるハイリスク群への大腸がん検診、陰性適中率96.3%
14.B群連鎖球菌疾患はガイドライン改訂後に27%減少
15.Depression, Anxiety Bad for the Heart
16.プレスリリース
1) 中外製薬「エポエチン ベータ(遺伝子組換え)」の第III相臨床試験で主要評価項目を達成
2) 武田薬品、2型糖尿病治療薬アログリプチンのチアゾリジン系薬剤との併用効能追加を申請
3) カネカ、間葉系幹細胞の分離デバイスなど再生医療分野での事業を積極展開
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1.「刈田病院と協議ない」県南中核病院改革プランで白石市長/宮城
河北新報社2009年6月30日
宮城県白石市の風間康静市長は29日、公立刈田総合病院(白石市)との機能の分化や集約化を明記したみやぎ県南中核病院(大河原町)の改革プランについて、「刈田病院との協議は一切されていない」と苦言を呈した。
管理者を務める白石市外二町組合の議会6月定例会で答弁した。風間市長は「中核病院との関係は市町村合併と同様に誠実かつ慎重に取り組まなければならない」との見方を示した。
その上で「(機能の分化や集約化の)具体的な内容については我田引水的な主張は慎まなければならない。困難な問題であればあるほど拙速になってはならない」と持論を展開した。
中核病院は、同じ県南にある同規模の刈田病院との機能の分化、集約化をプランに明記。がん治療と救急医療の充実に重点化し、県南での地域完結型医療の中心的役割を果たすことを掲げた。
刈田病院のプランはこれに対し、他病院などとの再編やネットワーク化を協議する場の必要性は指摘したが、「2009年度以降に方向性や協議体制を検討する」などの表現にとどまった。
2.札幌厚生病院:ホスピス病棟、11年7月に完成予定 /北海道
北海道新聞社2009年6月30日
北海道厚生農業協同組合連合会(JA北海道厚生連)は29日、札幌市中央区の札幌厚生病院の増築計画を発表した。70億円を投資し、現在の敷地内に1棟を増設。緩和ケア施設(ホスピス、25床)を設けるほか、個室を80床から155床に倍増させる。完成予定は11年7月。
新病棟は地下1階、地上6階の鉄筋コンクリート造りで、延べ床面積は1万2000平方メートル。同病院は4月、地域がん診療連携拠点病院の指定を厚生労働省から受けている。緩和ケア施設は主に末期がん患者を対象にした終末医療に当たり、奥野岩雄会長は「がん治療のさらなる充実を図りたい」と意気込む。
新病棟には健診センターも移設予定。人間ドックの受診者を現行の1日70人から100人に拡大。女性用施設を分離し男女が全日受診できる。サービス向上と収益性の向上を狙う。
3.徳洲会グループ:病気腎移植、再開へ
毎日新聞社2009年6月30日
宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(68)らが、がん治療などのため摘出した腎臓を別の患者に移植していた病気腎移植問題で、徳洲会グループが早ければ7月にも病気腎移植を臨床研究として再開することが30日、分かった。
同グループによると、内外部の医療専門家らで構成する「徳洲会グループ共同倫理委員会」が7月中旬に開かれ、病気腎移植手術の臨床研究の計画書が承認される見通し。病気腎の提供を呼び掛けている内外の病院でドナーが出た場合、同グループの判定委員会でインフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)などが適切になされているかなどを審査した後、臨床研究として病気腎移植が実施される。
移植手術は、ドナーのいる病院の場所などにより、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)、宇和島徳洲会病院のどちらかで行われる予定で、万波医師が手術を担当するケースもありうるという。
厚生労働省は07年7月、臓器移植法の運用指針を改正して臨床研究を除いて病気腎移植を禁止したが、臨床研究としては病気腎移植を制限しないことを今年1月に全国に通知している。
4.あごの骨の壊死 がんや骨粗しょう症治療薬の副作用で発症する可能性…
毎日新聞社2009年6月30日
あごの骨の壊死 がんや骨粗しょう症治療薬の副作用で発症する可能性。厚労省も注意を呼びかける。
◇「骨を守る薬」が逆に 投与中の歯科治療注意
◇口の中の違和感/歯ぐきに骨露出/歯の脱落…
問題が指摘される薬は「ビスフォスフォネート」系薬剤。発症率は高くないが、治りにくく、重症化して生活に支障の出る人もいる。厚生労働省も5月、「重篤副作用」として、対応マニュアルを策定した。
●破骨・骨芽細胞が死滅
骨は一見、無機質なカルシウムの塊のようだが、実は骨を壊し続ける「破骨細胞」と、骨を再構成する「骨芽(こつが)細胞」という2種類の細胞活動が均衡を保ち、常に生まれ変わっている。この両細胞が死滅するのが骨の壊死(えし)。「腐骨」と呼ばれる残骸(ざんがい)が異物として体外に吐き出されたり、雑菌の温床となって化膿(かのう)する。
ビスフォスフォネートは、骨粗しょう症の飲み薬として一般的なほか、乳がんや前立腺がんなどの骨への転移を防いだり、骨髄腫などの注射薬としても広く使われる薬の総称だ。この「骨を守る薬」が逆にあごの骨を壊死させたと03年、米国で初めて報告され、3年後には報告が世界で2500人を超えた。
●発症率、注射で1%
詳しい原因は不明で、発症率は注射で1%前後、飲み薬で0・01~0・04%とする豪州の調査もある。注射と飲み薬では骨への吸収量が約50倍違うためらしい。
歯ぐきなどに骨の一部が露出したり、腫れたり痛むといった症状が多いが、症状がない場合や「なんとなく口の中に違和感がある」程度のこともある。重症になると、上あごに大きな穴が開き、口から鼻へ水などが入ったり、歯が抜け落ちる場合もあるという。
国内初報告を行った社会保険船橋中央病院(千葉県船橋市)の高橋喜久雄副院長(歯科口腔(こうくう)外科)は05年、口の中の皮膚が破れ、上あごの骨の一部が露出した81歳の女性患者を初めて診た際、「転移がんと思って疑わず、何度も精密検査した」と話す。当時、患者は乳がんの転移を防ぐためビスフォスフォネートの注射を受けていたが、薬の副作用は想像外だったという。
米の報告例を知って他の薬に切り替えたところ、2年後に約6センチの骨片がポロリと取れて口の中は元に戻った。しかし、これは良い例で、有効な治療法はまだないのが現状だ。一定期間休薬したり、うがいや化膿止めで口の中を清潔に保って経過を見る治療が主だという。
●糖尿病患者も要注意
不思議にも、壊死が起きるのはあごの骨だけだ。高橋医師は、もともと口の中は常在菌が多いほか、あごの骨を覆う口の中の皮膚は薄く、歯の周囲から感染が骨に及びやすいといった条件が重なるためだと推定する。
このため、ビスフォスフォネートの投与中に抜歯やインプラント、歯槽膿漏などの歯科治療を受けた人は特に注意が必要だという。抜歯後には発症率が8~9倍上がるとの調査もあり、厚労省のマニュアルでは、若年性リウマチなどでステロイド薬を併用している人や糖尿病患者も要注意とされる。予防が重要で、患者はビスフォスフォネートを使っていることを歯科医に必ず言うこと、年1、2回は歯科検診を受け、常に口の衛生状態に気をつけること--と高橋医師は説明する。
最近では、骨が壊れると成分のコラーゲンが溶け出すため、血液中のコラーゲン濃度を測って適切な休薬期間を取る予防法の研究も始まった。一方で、米国で07年、骨粗しょう症の注射薬が認可されるなど、骨への吸収力を高めた薬の開発も進んでおり、「今後より一層注意が必要になる」と高橋医師は訴える。
■早期発見のポイント
・口の中の痛みがなかなか治まらない
・歯ぐきに白や灰色の硬いものが出てきた
・あごが腫れてきた
・下くちびるがしびれた感じがする
・歯がぐらついてきて、自然に抜けた
→すぐに医師や歯科医に相談を
■主な予防・治療策
・ビスフォスフォネート投与前に歯科を受診し、抜歯など必要な治療は済ませておく
・歯磨きやうがいを行い、口の中の衛生状態に気をつける
・定期的に歯科検診を受け、口の中をチェックしてもらう
(骨壊死が始まっている場合)
・化膿や痛みがあれば抗菌薬で治療する
・医師に十分相談した上で可能ならビスフォスフォネートの投薬を一時休止する
・腐骨を切除する
=厚生労働省マニュアルより
5.DNAチップ研、大腸がん転移予測する遺伝子検査チップ開発
化学工業日報社2009年6月30日
DNAチップ研究所は、大腸がんの転移を予測する遺伝子検査チップを開発した。手術時にステージ2大腸がんの異時性転移を予測するチップで、大阪大学大学院医学研究科と長期研究を進め、ここ数年間チップ開発に取り組んできた。トレーニングセットで150例を対象にした試験で、正診率は77%と有用性を確認している。臨床応用に向け、今年度中にまず阪大での先進医療化を目指す。 DNAチップ研はRNA解析でがんの転移を予測することに着目し、阪大とは十数年来の共同研究を行っている。大腸がんで約4000症例のサンプルをこれまでに集積しており、がんが大腸壁の筋肉の層を超えてはいるがリンパ節転移のないステージⅡ大腸がん300症例を対象に、転移予測チップの前向き試験も実施している。
6.新型インフル、不気味な拡大
読売新聞社2009年6月30日
米CDC「真夏に消滅」撤回
新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の感染者が、世界で増え続けている。世界保健機関(WHO)がウイルスの警戒水準を「フェーズ6」に引き上げ、世界的大流行を宣言してから半月余り。
ウイルスが活発化する冬に入った南半球だけでなく、夏を迎える北半球でもウイルスは依然、広がっており、病原性を増すようなウイルスの変化にも警戒を怠れない。(ワシントン 山田哲朗、バンコク 田原徳容、ジャカルタ 林英彰、ジュネーブ 平本秀樹)
南半球で急増
新型インフルエンザが最初に発生したメキシコのリゾート地カンクンで7月1~3日、WHOのマーガレット・チャン事務局長や日本の厚生労働省幹部も参加して、国際会議が開かれる。新型インフルエンザ対策を練り直すのが狙いだ。
メキシコと共に最初に感染が広がった米国は、感染が確認された人が2万人を超えており、今も世界最大の感染国だ。米疾病対策センター(CDC)による25日の集計では、感染者は1週間前より6000人以上増え、感染の勢いは加速している。
CDCは当初、「北半球でウイルスは、真夏になれば消える」と予測したが、秋冬の流行シーズンまでじりじりと感染が続くとの見通しに改めた。CDCは26日、受診していない軽症患者を入れると全米の感染者はすでに100万人以上に上るとの推計を示した。
南半球では、感染拡大の勢いはさらに著しい。WHOによると、豪州と南米アルゼンチン、チリの3か国の感染者の合計は、26日までの1週間で3600人増えて、9800人を超えた。人口当たりだと、米国の2倍以上のテンポだ。
28日実施のアルゼンチン議会選挙では、マスクをかけて投票する有権者が目立った。
同じ南半球でも、サハラ以南のアフリカ地域では、感染例は今のところごく少ない。だが、医療関係者の間で、貧困ゆえに病院に行けない住民の間に、流行がすでに広がっているのではないかと危惧されている。
東南アジア諸国連合(ASEAN)地域では、加盟10か国すべてで新型インフルエンザ感染者が確認されている。タイやフィリピン、シンガポールでは、連日数十~百数十人のペースで感染者が増えている。特に学校や飲食店、軍施設での集団感染が目立つ。
フィリピンでは、死亡した感染者が下院の職員だったため、23日以後、下院が閉鎖されている。
ASEANの中でも所得水準が低い、カンボジアやラオス、ミャンマーで6月下旬に最初の感染者が出た。カンボジア保健省の担当者は「爆発的に増えれば対応が難しい。先進国の支援が必要」と訴えた。
「鳥」との混合警戒 インドネシア上陸
インドネシアでは24日、2人の感染例が初めて確認され、感染者は28日に8人に増えた。
インドネシアは、高い致死率を持つ強毒性の鳥インフルエンザの世界最大の流行地域で、4年ほどの間に100人以上が死亡している。鳥インフルエンザは今年も中部ジャワ州プルバリンガ県の20村で鶏へ感染が広がっている。新型インフルエンザの上陸で、二つのウイルスが混ざり合い、致死率、感染力ともに強力な新たなウイルスが出現する可能性が懸念されている。
永井美之・理化学研究所感染症研究ネットワーク支援センター長は、「理論的に、新型インフルエンザとH5N1型鳥インフルエンザのウイルスが、豚や人の体内で混じり合って新しいウイルスが生まれる可能性がある」と指摘する。
チャンWHO事務局長は25日、記者団に、「ウイルスの動きはまったく予測できない」と述べ、ウイルス遺伝子の監視に力を入れていく方針を強調した。
国内「長期戦覚悟」
国内では、関西での新型インフルエンザの感染が一時のピークを過ぎた後も、各地で感染者が相次いで見つかっている。厚生労働省などによると、感染者数は29日午前11時現在で42都道府県1214人(検疫、在日米軍基地を含む)に達した。世界的にみても9番目(26日現在)に多いという。
6月に入って気温が上昇しても感染が続き、20歳代以下が感染者の8割を占めるなど、季節性インフルエンザと異なる傾向を示す。ただ、現時点で重症化した症例はなく、約7割はすでに治癒している。
岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長は「感染経路がはっきり分からないケースが増えている。地域的にもばらけており、感染がくすぶっている」として、今後も断続的に感染が広がると予想する。政府の諮問委員会委員長の尾身茂・自治医大教授も「秋冬に、感染が大きく広がる可能性が高い。長期戦の覚悟をした方がよい」と注意を呼びかける。
政府は秋以降の第2波に備え、感染者は原則、全医療機関で受診し、重症者以外は自宅療養とする方針を示した。新型向けのワクチンは、国内4メーカーが来月にも製造に着手する方針だ。
7.タミフル耐性初確認 デンマークの患者から
中日新聞社2009年6月30日
世界保健機関(WHO)は29日、デンマークの新型インフルエンザ感染者の中から、抗ウイルス剤タミフルに耐性を持つ初のウイルス検体が確認されたことを明らかにした。
タミフル投与はワクチンが完成していない現在、新型インフルエンザの治療で最も有効な手段だが、タミフルが効かないウイルスの感染が拡大すれば、対策の練り直しを迫られる恐れもある。
WHO当局者によると、耐性ウイルスはデンマークの軽症患者1人から確認された。患者は既に回復して元気になっている。ウイルスは同じH1N1型が突然変異したものだが、今のところ耐性ウイルスが拡大する兆しはみられないという。
WHOは加盟国間を結ぶ情報網を通じて耐性ウイルスの確認を伝達。拡大しないかどうかを注視する方針。
新型インフルエンザへの効果が確認されている抗ウイルス剤にはタミフルのほかにリレンザがあるが、流通量はタミフルの方が圧倒的に多い。耐性ウイルスが広がれば、リレンザの増産が必要になる可能性がある。
【ウイルスの薬剤耐性】 生体内でタミフルなどの抗ウイルス剤に長くさらされると、通常のウイルスは増殖できない一方で、わずかな遺伝子変異によってこの抗ウイルス剤が効かなくなったウイルスだけが生き残って多くを占めるようになる。こうした耐性ウイルスに感染すると治療が難しくなるため、医療関係者が発生を警戒している。
8.カネカ、間葉系幹細胞の分離機器を開発=再生医療事業の第一弾
時事通信社2009年6月30日
化学大手のカネカは29日、ヒト人工多能性幹(iPS)細胞などと並び、再生医療への応用が期待される間葉系幹細胞について、骨髄液などから効率的に分離、抽出する機器を京都大学再生医科学研究所と共同開発したと発表した。
9.増える臍帯血の私的保管 血液疾患の治療に有効 再生医療の可能性模索
共同通信社2009年6月30日
新生児のへその緒や胎盤に含まれ、白血病など血液疾患の治療に有効な臍帯血を、本人とその家族のために私的に保管する民間バンクの利用者が増えている。
▽受け皿
東京都港区のオフィスビルの一室。最高レベルの清浄度に保たれた室内で、白衣にマスク姿の技師が試験管を手に作業にあたる。民間臍帯血バンク「ステムセル研究所 」(坂井和夫社長)の細胞処理センターだ。全国の産科施設で採取された臍帯血は48時間以内にここに運ばれ、血液細胞の基になる造血幹細胞を分離。その後、横浜市の保管施設で零下196度で保管される。
同社は1999年設立。1年後の臍帯血保管数は129だったが、過去2年間は年に3千人分前後増え、今年5月で約1万6千人分を保管している。料金は細胞の分離費用が14万7千円、10年間の保管料が7万3500円(10年後の更新料も同額)で、全国約3500の産科施設で採取可能だ。
臍帯血保存に関しては、第三者への提供を目的とする全国11の公的バンクがあるが、同社の坂井社長は「公的バンクに寄付しようとしても、提携施設(約100カ所)以外では採取できない。当社は個人で保管したいという人の受け皿になっている」と話す。昨年3月には初めて同社が保管する臍帯血を使った白血病患者への姉妹間移植が行われた。
▽可能性
「将来何かがあった時に、自己臍帯血で病気が治るかもしれない。絶対ではないが『可能性』を保管していると思っている」。昨年11月に生まれた長男の臍帯血をステムセル研究所に保管している大阪市の会社役員男性(33)は話す。妻(37)が出産した病院で公・民両バンクの説明を受け、私的保管を選んだ。
同社によると、利用者が仮に血液疾患になっても、自己臍帯血が必ず使われるわけではない。血液疾患の治療法には、大まかに(1)抗がん剤や放射線による治療(2)骨髄移植(3)臍帯血移植―などの選択肢がある。病気の種類や状況によって、臍帯血移植でも非血縁者からの移植が適していると判断されれば、公的バンクを利用するという。
坂井社長は「あくまで保険のようなもの。保管しておくことで選択肢を一つ増やせる」と説明する。
現在、同社が力を入れているのは、再生医療で自己臍帯血を利用することだ。大阪市の夫婦も「再生医療の可能性と血液疾患への備えの両方を意識した」と話す。
▽すみ分け
同社によると、再生医療は臍帯血などに含まれる造血幹細胞を使って組織の機能を修復するもので、本人の血液が最適という。海外では小児脳性まひの子どもに本人の臍帯血を移植して症状が改善したとの症例が発表されている。「国内でも再生医療に使えるようになれば、公的バンクとの住み分けもできてくる」と坂井社長。
当初、民間バンクに懐疑的だった公的バンク側も見方を変えつつある。
公的バンクの連絡組織「日本さい帯血バンクネットワーク 」(東京都港区)の加藤俊一副会長は「再生医療の可能性は少しずつ明らかになりつつあるが、まだ臨床で使える状況にはなっていない」と強調。
その上で「他人の臍帯血を提供する公的バンクは重症の血液疾患患者のためにあり、再生医療の分野での活用を目指す民間バンクとは保管目的が違うということをはっきりさせたい。いずれにしろ、質のいいバンクができることで、患者さんの役に立つことが大切だ」としている。
10.内臓脂肪を増やし男性ホルモンも減らす、体の“酸化
共同通信社2009年6月30日
“抗酸化”という言葉を耳にする機会が増えているのではないだろうか。酸化とは文字通り「さびる」こと。体の中に入った酸素は、体内で栄養素と結びついてエネルギーを作り出すが、余った酸素が化学的に活性状態になると「活性酸素」となり、体を「さびさせる」。
その“酸化ストレス”により体の機能が正常に働かなくなり、糖尿病、高脂血症、動脈硬化やガンなどの原因となるとされる。白髪やシミ、シワなども活性酸素が影響し、最近では、体の老化そのものが「活性酸素によって体の細胞や組織が酸化して変質し、機能が衰えることが大きく関わる」といわれている。
その「酸化」に抗うことが抗酸化だ。
「酸化ストレスは、加齢によって増加するが、内臓脂肪や男性ホルモン(テストステロン)にも大きく関わりがあることがわかっている」というのは男性ホルモンに詳しい、帝京大学医学部付属病院泌尿器科の堀江重郎教授だ。
テストステロンが減少すると、中性脂肪やコレステロールの代謝が落ち、内臓脂肪や皮下脂肪が増える。同時に活性酸素も増えるという。逆に言えば、テストステロンの量を保ち、さらに増やすことで、代謝量が増え、活性酸素も減り、メタボの改善にもなる。
抗酸化食品でホルモン力もアップ
活性酸素は、加齢だけでなく、紫外線、喫煙、大気汚染、過度なストレスや激しいスポーツでも増えるといわれる。加齢は防げないが、そのような原因をなるべく取り除くことが大切で、また、酸化を防ぐ作用のある食品をとるのも効果的だという。
「抗酸化食品で有名なのはポリフェノール。赤ワインに含まれると話題になったが、それ以外でも多くの食品がある」と堀江教授はいう。
抗酸化作用がある植物由来の成分として注目されているのが、ポリフェノール、カロテノイド、サポニンなどだ。
ポリフェノールは、植物が光合成を行うときにできる苦みや渋みなどの色素成分で、ブルーベリーやビルベリーに含まれるアントシアニン、タマネギのケルセチン、緑茶のタンニンやカテキン、ゴマのリグナンなど様々な種類がある。
カロテノイドは、植物の黄色や赤の色素。緑黄色野菜に多く、トマトに含まれるリコピンや、ニンジンに多いβカロテンなどが知られている。
堀江教授によると「適度にスパイシーな食事もテストステロンを上げる」という。クローブやシナモンなど数種類ものスパイスが入ったカレー粉にも活性酸素除去作用があるという。
サポニンは大豆や豆類に多く含まれる成分で、血液中のコレステロールや中性脂肪を抑えるなどの効果が知られているが、最近では、お茶の花に含まれるサポニンが新たに発見され話題を呼んでいる。茶花から抽出したエキスに、フローラテアサポニン、チャカサポニンなど数種類のサポニンが含まれており、それらに様々な健康効果があることを京都薬科大学の吉川雅之教授らの研究グループがつきとめた。
特に注目したいのが、中性脂肪抑制効果だ。茶花に含まれるサポニンが、消化酵素のリパーゼの働きを阻害し、体内に脂肪がとり込まれるのを抑える働きがあるという。同時に、食べた物を胃から小腸に送り出すのを遅らせたり、小腸の動きを早める作用もあることがわかった。茶花エキスには、フラボノイドやカフェイン、微量のカテキンなども含まれており、それらの作用も期待できるという。
いつ飲んでも構わないが茶花の作用を考えると、食事の直前に飲むのが効果的。油っこい食事がやめられない人は茶花パワーを。食事と一緒にが、キーワードのようだ。
11.がんに挑む放射線治療、医療チームの意思疎通をITが支える
IT PRO2009年6月30日
日本人の死因の第一位は1981年以来現在、悪性新生物(がん)である。その治療方法の一つが、放射線治療だ。放射線によって、がん細胞の働きを殺し、成長と分裂を阻止する。放射線治療では、医師や看護師のほか放射線治療技師らがチームを組んで患者と向き合っていく。緻密な治療計画管理やチームメンバー間の情報共有を支える仕組みとして、ITの利用が進んでいる。
放射線治療は、病巣を切除する方法と異なり、組織を残せるため、乳がんや膀胱がんなどでは抗がん剤と組み合わせる温存療法として選ばれている。治療においては、放射線を照射する回数や部位を正確に管理しなければならない。放射線は、継続的に照射することで効果を発揮するからだ。しかし、同じ部位に照射し続けると、副作用が現れることもある。例えば肺がんの治療で、脊椎に悪影響が出るなどだ。
一般に放射線治療は、(1)治療方針の決定、(2)治療準備、(3)治療、(4)フォローアップ、といった流れで進む。医師が事前の検査などで医療方針を決定し、患者に治療方針を説明し、同意を得る。その後、放射線治療の計画・照射スケジュールを作成したり、正確に病巣に照射するための固定具を作成したりする。治療では複数回の照射の合間に診察し、経過を観察する。治療完了後は、再発がないかをフォローアップする。
患者の容体などで計画は常に変わる
しかし、照射計画が緻密なだけに、それを守るのは難しい。例えば、外来患者の場合、「急に都合が悪くなって病院に行けない」ことがあるし、入院患者の場合には「体調が悪くなって治療を受けられない」といったことが起こる。こうしたことが起こるたびに、照射計画は見直さなければならない。変更した計画は、治療にあたる医師や、看護師、実際に放射線を照射する放射線治療技師らで構成するチームの全員が把握しておく必要がある。
情報伝達・共有の徹底は、放射線治療においては、重要な業務の一つである。元々、診察や治療方針の決定は医師、放射線の照射は専門技師と、その業務が分かれているほか、婦人科や泌尿器科といった各診療科の診察室と放射線治療室は物理的に離れた場所にあるのが一般的である。「固定具を作成しました」「照射を明日に延期します」「予定通りに治療を始めます」といったやり取りは、治療期間中に何度も発生する。にもかかわらず、情報共有手段としては今も、手書きのメモが利用されている。メモの回覧が滞ると、情報が正しく伝わらないというリスクを抱えているわけだ。
チームのコミュニケーション支援が重要に
もちろん、放射線治療のための情報システムは構築されている。各診療科の医師が作成した電子カルテを基に、放射線治療の専門医らが、どのように治療を進めていくかの計画を立てたり、治療計画の進捗を管理したりするための仕組みである。このシステム上で、「何日間でどれだけ照射する」といった初期計画がどこまで進んでいるのか、照射を中止により最新の治療スケジュールがどう変更されたのか、などを医療チームの全メンバーが把握する。
ただ、多くの放射線治療向けの情報システムは、上記のような進捗管理機能が中心である。1990年台前半から放射線治療向けシステムを開発・販売しているAJSによれば、「今後は、医師や技師、看護師らが患者情報を共有するための、コミュニケーション機能が不可欠になるだろう」(関口信一 医療システム部担当部長)という。AJSは、旭化成の情報システム子会社として発足し、現在はITホールディングスグループ傘下にある。
AJSが、放射線治療向けシステム「Dr.View/RTiS」に搭載したコミュニケーション機能では、診療チームの書き込んだコメントを、時系列に沿って一覧表示できるようになった。例えば、7月15日に放射線を照射予定の患者がいる場合、技師が「準備完了」と書き込めば、医師と看護師はそれを画面上で確認できる。
治療計画決定の経緯を蓄積
情報のやり取りは口答でも可能だ。だが、院内の業務の合間に伝えたい相手を探して忘れずに伝えるのは簡単ではない。メモを使っても、上述したようなリスクが残る。これを、システム上でのやり取りに変えることで、伝え忘れや実施忘れが減らせることになる。加えて、どんなやり取りをしたかがシステム上に残るため、後から「どういうやり取りの結果、どんな決定をしたのか」が確認できる。
繁忙な医師やチームメンバーが利用しやすいよう、UI(ユーザーインタフェース)にも工夫した。患者の顔写真を取り込んで画面上部に配置することで、取り違えを防いだり、画面左側にある治療フローにおいて完了したステップには「●」を表示することで、患者の治療計画の進行度合いを直感的に把握できるようにしたり、である。
放射線治療自体が、ITの進歩による装置の高度化によって成り立っている。しかし、患者と直接に接する治療チームのメンバーのコミュニケーションを支え、治療現場の安全・信頼を高めているのもまたITである。
12.電磁石で血流からバクテリアを吸い出します
New Treatment Filters Bacteria From the Bloodstream with an Electromagnet
GIZMODO2009年6月30日
This may sound like something out of Iron Man, but
it's very real. Don Ingber has developed a machine
that uses an electromagnet to suck sepsis-causing
bacteria out of the blood.
In lab tests, Ingber's team mixed donor blood with
the fungus Candida albicans, a common cause
of sepsis, and added plastic-coated iron-oxide beads,
each a hundredth of a hair-width in diameter and covered with antibodies that seek out and attach to the fungus. Next they ran the mixture through the dialysis-like machine, which uses an electromagnet to pull the beads, and any pathogens stuck to them, from blood into a saline solution. The device removes 80 percent of the invaders-enough so that drugs could knock out the rest-in a couple of hours.
He still has to perform testing on animals to make sure it doesn't, you know, kill things, but it all looks quite promising. If it works for this bacteria, he's hoping to jigger the process to pull cancer cells from the body or harvest stem cells.
13.CTコロノグラフィーによるハイリスク群への大腸がん検診、陰性適中率96.3%
CareNet2009年6月30日
コンピュータ断層(CT)コロノグラフィーによるハイリスク群に対する大腸がん検診について、その陰性適中率は96.3%と高いことがわかった。一方、陽性適中率は、61.9%だった。平均的大腸がんリスクの集団に対する、CTコロノグラフィーによるスクリーニングは認められてきているが、ハイリスク集団については、その精度について情報が不足していたという。イタリアInstitute for Cancer Research and TreatmentのDaniele Regge氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年6月17日号で発表した。
6mm以上の腫瘍に関する感度85.3%、特異度87.8%
Regge氏らは、2004~2007年にかけて、イタリア11ヵ所の医療機関で検査を受けた、計937人について分析を行った。被験者は、一親等に進行がんの家族歴、本人に大腸腺腫の病歴、または便潜血検査で陽性のいずれかの、ハイリスク集団だった。研究グル-プは被験者に対し、CTコロノグラフィーと大腸内視鏡検査の両方を、同じ日に行った。
その結果、CTコロノグラフィーによる検診で、6mm以上の腫瘍を検出できたのは、177人中151人だった(感度85.3%、95%信頼区間:79.0~90.0)。逆に腫瘍のない人を陰性と正しく判断したのは、760人中667人だった(特異度87.8%、85.2~90.0)。
便潜血検査陽性グループでは陰性適中率は84.9%と低率
また、陽性適中率は61.9%(95%信頼区間:55.4~68.0)で、陰性適中率は96.3%(94.6~97.5)だった。ただし、ハイリスク群のうち便潜血検査で陽性だったグループについては、陰性適中率は84.9%(76.2~91.3)と有意に低率だった。
Regge D et al. Diagnostic accuracy of computed tomographic colonography for the detection of advanced neoplasia in individuals at increased risk of colorectal cancer. JAMA. 2009 Jun 17; 301(23): 2453-61.
14.B群連鎖球菌疾患はガイドライン改訂後に27%減少
日経メディカル2009年6月30日
2002年にガイドラインが改訂され、全妊娠女性を対象としたB群連鎖球菌(GBS)スクリーニング検査が勧告された米国では、GBS疾患の罹患率が、改訂前に比べ約27%減少し、生児出産1000件当たり0.32になったことが分かった。しかし、GBS疾患に罹患した正期産児の61.4%は、出産前のスクリーニングで陰性だった女性から出生していたことから、さらなる改善が望まれることも示された。米CDCのMelissa K. Van Dyke氏らの報告で、詳細はNEJM誌2009年6月18日号に掲載された。
侵襲性のGBS疾患は、生後1週間以内の新生児で最も多く見られる感染症の一つだ。1980年代に行われた臨床試験の結果、妊婦がGBS陽性だった場合には、出産時に抗菌薬を投与する化学予防を行えば、新生児の早期発症GBS疾患が予防できる可能性が示された。
続いて1990年代には、化学予防の有効性が明らかになった。2002年に米国ではガイドラインが改訂され、妊娠35~37週の妊婦にはスクリーニングとしてGBS培養検査を広範に行うこと、検査で陽性の場合は分娩時に化学予防を行うことが推奨された。
著者らは、ガイドラインに基づくスクリーニングと化学予防の実施状況を調べ、早期発症GBSをさらに減らすためにはどのような公衆衛生施策が有効かを知るために、後ろ向きコホート研究を行った。
侵襲性GBSは、Active Bacterial Core(ABC)サーベイランス(米国10州の住民ベースの監視システム)の監視対象の一つだ。そのためABCに登録されていた、03~04年出生(ガイドライン改訂後)の生産児と、98~99年出生(ガイドライン改定前)の生産児に関する情報を抽出した。
調査対象となった地域の03~04年の出産は81万9528件。うち254件が、新生児が生後7日未満でGBSを発症したとしてABCに登録されていた。GBS疾患を発症しなかった7437人を選んで出産に関わる記録を入手し、発症者254人の出産記録と合わせて以下の分析を行った。
早期発症GBS疾患の罹患率は、99~01年は生児出産1000件当たり0.47だったのに対し、ガイドライン改定後は1000件当たり0.32と、27%減少した。
GBSスクリーニングを受けた妊婦は、03~04年には85.0%(83.9-86.0%)で、98~99年の48.1%(95%信頼区間46.7-49.5)から増加していた。検査を受けた時期は、妊娠35週未満で検査が行われた女性が14.9%、35週以降に検査されていた女性は49.4%、出産のために入院した時点で検査を受けていた女性が2.8%、時期が不明だった女性が35.7%だった。
出産前に検査を受けた妊婦では、99.5%が培養検査を受けており、残りには迅速PCR検査などが適用されていた。陽性率は24.2%だった。
正期産の妊婦では89.3%が分娩前にスクリーニングを受けていた。スクリーニングを受けないまま出産するリスクが有意に高かったのは、妊婦管理が適切でなかったグループ(調整オッズ比3.07、2.51-3.77)、薬物濫用歴のあるグループ(1.72、1.13-2.62)、過去に生児出産歴があるグループ(1.92、1.56-2.35)などだった。
出産時に抗菌薬の投与を受けた妊婦は、98~99年の26.8%(25.3-28.2)に対し、03~04年には31.7%(30.4-33.0)に増加していた。
GBS化学予防に最も多く用いられていたのはペニシリンまたはアンピシリンで、GBS陽性で正期産だった女性の87.0%に行われていた。GBS陽性で早期産(37週未満の分娩)の女性では84.5%、GBSの保菌状態が不明で早期産の女性では63.4%だった。
生児出産1000件当たりの罹患率は早期産児が0.73、正期産児は0.26で、正期産児に比べ早期産児は早期発症GBS疾患の罹患率が高かった。しかし、早期発症GBS疾患の患者の74.4%(254人中189人)は正期産児だった。GBS疾患児の13.4%(254人中34人)は、正期産でスクリーニングを受けていなかった妊婦からの出生だった。
また、正期産児でGBS疾患だった生児の19.6%(189人中37人)は、スクリーニングで陽性判定を受けた妊婦の子供だったが、61.4%(189人中116人)はスクリーニングで陰性だった妊婦から出生していた。要因としては、スクリーニングの時期が適切でないことや、標本採取や培養過程などが考えられた。
ガイドライン改訂により、全妊娠女性を対象としたスクリーニングは広く実施されていた。スクリーニングに用いられる培養法は、結果が得られるまでに48時間かかるが、リアルタイムPCRならば45分程度で結果が出るため、早期産妊婦にはPCRを適用すればGBS疾患をさらに減らせるだろう。また、ワクチン開発のような新たな戦略の推進も必要であることを示唆した。今後は、早期産の管理を改善し、検査体制を整えれば、GBS疾患をさらに予防できる可能性がある。
原題は「Evaluation of Universal Antenatal Screening for Group B Streptococcus」
15.Depression, Anxiety Bad for the Heart
Two new studies show effects on angina and mortality
HealthDay News2009年6月29日
Two new studies show that problems with the mind can play a significant role in problems of the heart.
One study found that anxiety and depression can increase the incidence of angina, the chest pain that sends many people to the doctor, said Dr. Mark Sullivan, professor of psychiatry and behavioral sciences at the University of Washington, and senior author of one of the reports in the June 29 online issue of Circulation.
"The overwhelming focus in the United States has been on ischemia," the blockage of heart arteries, Sullivan said. "That is pretty unique in the world. The rest of the world takes a much more multi-modal approach to chest pain. Ischemia is not the only or most important cause of what patients are feeling."
Stress tests and similar measures are properly used to assess ischemia in people with angina, Sullivan said. "But in addition to the kind of diagnostic studies done with stress tests, patients who have a lot of angina should be screened for anxiety and depression, because they could be very cost-effective targets for intervention," he said.
To prove that point, Sullivan and his colleagues studied 191 people with known ischemia who underwent stress testing and heart imaging. They found that 36 percent reported no angina in the previous month, with 35 percent reporting monthly incidents.
Of the 30 percent who had daily or weekly angina, psychological assessments, including a self-reporting anxiety and depression questionnaire, showed that 44 percent had significant anxiety and two-thirds had significant depression.
It's not clear whether the psychological problems were heightening the effect of angina or vice versa, Sullivan said. What is clear is that physicians treating people with angina can use "fairly simple screening tests" to determine the presence of anxiety or depression and treat those conditions if necessary, he said.
"This is something many cardiologists tend not to be comfortable with," Sullivan said, so another physician could be called in to handle the problem. Referral to a psychiatrist is not necessary, because "at this point in time most primary-care physicians are comfortable with making an initial trial with treatment," he said.
The new study was not designed to show whether treatment by such measures as antidepressants could relieve chest pain, Sullivan said, but his group is considering such a trial.
Another report in the journal linked depression with poor outcomes for people with both heart failure, the progressive loss of ability to pump blood, and the abnormal heart rhythm called atrial fibrillation.
"Many studies have shown that depression is a predictor of mortality after a heart attack or in congestive heart failure," said study author Nancy Frasure-Smith, a senior research associate at the Montreal Heart Institute. "Most studies have shown that differences in severity of heart disease between people who are depressed or not depressed do not account for the difference. One hypothesis is that people who are depressed don't get as good treatment for their heart disease."
To test that hypothesis, Frasure-Smith and her colleagues assessed 974 people with heart disease for depression -- which was found in 32 percent of them -- and then assigned them to get either standard medical care or a heightened degree of care.
The study showed that "depression is at least an indicator of patients who are at higher risk of mortality even when given the best care we know how to," Frasure-Smith said.
Nevertheless, the case against extra care for such people is not proven because "there are no trials assessing treatment for depression in people with congestive heart disease and atrial fibrillation," she said. "Newer antidepressants are more effective, and if you give these people extra care, they may get better."
16.プレスリリース
1) 中外製薬「エポエチン ベータ(遺伝子組換え)」の第III相臨床試験で主要評価項目を達成
遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤「エポジン(R)注」がん化学療法施行に伴う貧血を対象とする第III相臨床試験で主要評価項目を達成
中外製薬株式会社[本社:東京都中央区/社長:永山 治](以下、中外製薬)は本日、がん化学療法施行に伴う貧血を予定適応症として開発中の遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤「エポジン(R)注」[一般名:エポエチン ベータ(遺伝子組換え)]の第III相臨床試験において、主要評価項目である理論輸血率*が有意に低下する結果が得られたことをお知らせします。
本試験は、がん化学療法施行により貧血を呈したがん患者さんを対象とした二重盲検比較試験で実施し、エポエチン ベータ(遺伝子組換え)36000IUまたはプラセボを週1回、12週間投与し、有効性、安全性を評価しました。エポエチン ベータ(遺伝子組換え)を投与した患者さんでは、主要評価項目の理論輸血率がプラセボを投与した患者さんと比較して有意に低下しました。また、エポエチン ベータ(遺伝子組換え)を投与した患者さんにおいて認められた副作用は、血圧上昇・高血圧、便秘、下痢等が主なものでした。
中外製薬は、がん領域を重点領域の一つとして位置付けています。がん化学療法施行時には骨髄抑制等により貧血が起こることがありますが、国内での治療選択肢は赤血球輸血のみにとどまっています。中外製薬は、がん化学療法に伴う貧血における新たな治療選択肢を患者さん・医療関係者に提供できるよう、承認取得に向けて取り組んでまいります。なお、本試験に基づく効能・効果の追加承認申請は2009 年中に実施の予定です。
* 投与開始4週後以降に赤血球輸血を施行またはヘモグロビン濃度が8.0g/dL 未満となる割合
2) 武田薬品、2型糖尿病治療薬アログリプチンのチアゾリジン系薬剤との併用効能追加を申請
日本における2型糖尿病治療薬アログリプチンのチアゾリジン系薬剤との併用効能追加申請およびピオグリタゾンとの合剤の製造販売承認申請について
当社は、本日、厚生労働省に、2型糖尿病治療薬アログリプチン(一般名、開発コード:SYR-322)について、チアゾリジン系薬剤との併用効能追加申請およびピオグリタゾン(一般名、製品名:アクトス(R))との合剤の製造販売承認申請を行いました。なお、当社は2008年9月29日に厚生労働省に、アログリプチン単剤の製造販売承認申請を行っており、現在、当局にて審査中です。[※1]
今回の併用効能追加申請ならびに合剤の製造販売承認申請は、国内外におけるアログリプチンとアクトスの併用臨床試験結果に基づいて行われています。
アログリプチンは、武田サンディエゴ株式会社(米国カリフォルニア州、当社の100%子会社)が創製した1日1回投与のDPP-4阻害薬であり、インスリン分泌を高めるホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)[※2]とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)[※2]を選択的に分解する酵素、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害することにより、それらの血中濃度を維持して血糖値を下げる薬剤です。一方、アクトスは、当社が世界に先駆けて発見したチアゾリジンジオン骨格を有する糖尿病治療剤で、2型糖尿病患者に特徴的な病態であるインスリン抵抗性を改善することによって効果を発揮します。
アログリプチンとチアゾリジン系薬剤との併用療法は、2型糖尿病の主な病態であるインスリン分泌低下ならびにインスリン抵抗性の改善に資することが期待されます。また、アログリプチンとアクトスの合剤は、患者さんの服薬利便性を向上することが可能になります。当社では、2型糖尿病の新たな治療オプションを、より多くの患者さんおよび医療関係者の方々にお届けできるよう取り組んでまいります。
[※1]米国におけるアログリプチン単剤の審査結果については、日本時間2009年6月27日に公表の通り、米国食品医薬品局(FDA)より、心血管系リスク評価に関する追加試験実施が必要であるとの通知がありました。
[※2]GLP-1およびGIPは食物摂取により消化管から分泌され、膵臓のβ細胞を刺激し、インスリン分泌を増加させるとともに、β細胞自体の機能を改善することが確認されています。
さらにGLP-1については、膵臓からのグルカゴンの分泌を抑制することにより、肝細胞での糖の産生を抑制するとともに、食欲抑制作用を有することが知られています。
3) カネカ、間葉系幹細胞の分離デバイスなど再生医療分野での事業を積極展開
― 間葉系幹細胞の抽出から培養まで、一貫した治療システムの確立を目指す ―
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:菅原公一)は、京都大学再生医科学研究所の戸口田淳也教授と共同で、再生医療での利用が期待されている間葉系幹細胞(MSC)(*1)を骨髄液などから効率よく抽出する分離機器(分離デバイス)の開発に成功した。当社が展開している血液浄化システムなどの医療機器の開発で培った独自の技術を活かして、本年10月に研究用の理化学機器として販売を開始する。更に、来年後半には医療機器としての製造販売を計画している。
*1 骨髄や脂肪組織に存在する未分化の細胞で体性幹細胞の一種。筋肉、骨、軟骨、脂肪など間葉系に属するさまざま細胞に分化できる能力を持ち、且つ自己複製の能力を持つ細胞である。自己の細胞が使えることにより、拒絶反応の心配がないのがメリットで、新型万能細胞(iPS細胞)や、胚性幹細胞(ES細胞)とともに再生医療での利用が期待される。
また、骨髄液から抽出したMSCを高度に増殖させる自動細胞培養装置の開発にも着手し、2年以内の製品化を目指す。分離デバイスと自動細胞培養装置とを組み合わせることにより、世界で初めてMSCの抽出から細胞の培養(増殖)まで、一貫した閉鎖系での治療システムが確立することになり、5年後の売上げとして10億円を見込む。これを機に再生医療分野における新規製品の開発を積極的に展開する。
現在、MSCを使用した細胞治療は、骨・軟骨・皮膚組織の再生や、心筋梗塞・脳梗塞に代表される虚血性疾患治療などにおける新たな治療法として臨床研究が始められている。これまでの骨髄液からMSCを抽出する方法としては、骨髄液を試験管に入れ、比重を利用した遠心分離を繰り返すことで採取する「密度勾配遠心法(フィコール法)」が一般的であったが、処理時間が長いこと(約90分~150分)に加え、開放系で処理するために異物が混入する可能性も高く、また作業者の経験・熟練度によって採取効率(収率)が大幅に異なるという課題があった(*2)。
*2 フィコール法とは別に、骨髄液からMSCを抽出するのでなく、骨髄液をそのまま細胞培養工程にかける「全骨髄播種法」も行われているが、培養効率が大きく低下するという問題がある。
今般開発に成功した当社の分離デバイスは、特定の不織布を使用し、MSCが繊維に付着する性質を利用して一度の処理でMSCを効率的に採取することが特徴である。作業時間は、10~20分間程度となり、フィコール法の約10分の1程度まで短縮される。また、分離して採取できる細胞数はフィコール法の5倍程度に達し、細胞の抽出効率が大幅にアップする。このため一定の細胞を採取するのに必要な骨髄液量も減らせ、ドナーから骨髄液を取り出す身体への負担も軽減される。更に、閉鎖系での処理が可能なため安全性についても非常に高い。
一方、自動細胞培養装置の開発については、本年3月に株式会社日立メディコ(本社:東京都千代田区、社長:浜松潔)より譲り受けた装置開発に関する技術・ノウハウを活用し、次の開発を進める。
1) 骨髄液などから得たMSCを培養する工程を自動化する(*3)と共に、培養フラスコ、バッグ、チューブからなる密封型細胞培養キットを使用することにより、汚染リスクが低減される装置をつくる。
*3 通常細胞培養に関しては、高度に清浄度が管理された専用施設のセル・プロセッシング・センター(CPC)で、培地交換、細胞回収などが手作業で行われ、培養細胞の品質が作業者の経験・熟練度に依存している場合が多い。自動培養装置の開発により、汚染リスクの大幅な低減に加え、CPC施設の整備・維持費用の低減、作業の標準化、省力化も可能になる。
2) 培地交換(*4)が培養開始時に設定したスケジュールに従い自動的に実施されると共に、培養中の細胞状態をリアルタイムで観察でき、また観察画像を自動で取得・保存する機能を持たせる。
*4 培地とは、微生物あるいは動植物の組織などを培養するために調製された液状または固体の物質。
1.「刈田病院と協議ない」県南中核病院改革プランで白石市長/宮城
2.札幌厚生病院:ホスピス病棟、11年7月に完成予定 /北海道
3.徳洲会グループ:病気腎移植、再開へ
4.あごの骨の壊死 がんや骨粗しょう症治療薬の副作用で発症する可能性…
5.DNAチップ研、大腸がん転移予測する遺伝子検査チップ開発
6.新型インフル、不気味な拡大
7.タミフル耐性初確認 デンマークの患者から
8.カネカ、間葉系幹細胞の分離機器を開発=再生医療事業の第一弾
9.増える臍帯血の私的保管 血液疾患の治療に有効 再生医療の可能性模索
10.内臓脂肪を増やし男性ホルモンも減らす、体の“酸化
11.がんに挑む放射線治療、医療チームの意思疎通をITが支える
12.電磁石で血流からバクテリアを吸い出します
13.CTコロノグラフィーによるハイリスク群への大腸がん検診、陰性適中率96.3%
14.B群連鎖球菌疾患はガイドライン改訂後に27%減少
15.Depression, Anxiety Bad for the Heart
16.プレスリリース
1) 中外製薬「エポエチン ベータ(遺伝子組換え)」の第III相臨床試験で主要評価項目を達成
2) 武田薬品、2型糖尿病治療薬アログリプチンのチアゾリジン系薬剤との併用効能追加を申請
3) カネカ、間葉系幹細胞の分離デバイスなど再生医療分野での事業を積極展開
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1.「刈田病院と協議ない」県南中核病院改革プランで白石市長/宮城
河北新報社2009年6月30日
宮城県白石市の風間康静市長は29日、公立刈田総合病院(白石市)との機能の分化や集約化を明記したみやぎ県南中核病院(大河原町)の改革プランについて、「刈田病院との協議は一切されていない」と苦言を呈した。
管理者を務める白石市外二町組合の議会6月定例会で答弁した。風間市長は「中核病院との関係は市町村合併と同様に誠実かつ慎重に取り組まなければならない」との見方を示した。
その上で「(機能の分化や集約化の)具体的な内容については我田引水的な主張は慎まなければならない。困難な問題であればあるほど拙速になってはならない」と持論を展開した。
中核病院は、同じ県南にある同規模の刈田病院との機能の分化、集約化をプランに明記。がん治療と救急医療の充実に重点化し、県南での地域完結型医療の中心的役割を果たすことを掲げた。
刈田病院のプランはこれに対し、他病院などとの再編やネットワーク化を協議する場の必要性は指摘したが、「2009年度以降に方向性や協議体制を検討する」などの表現にとどまった。
2.札幌厚生病院:ホスピス病棟、11年7月に完成予定 /北海道
北海道新聞社2009年6月30日
北海道厚生農業協同組合連合会(JA北海道厚生連)は29日、札幌市中央区の札幌厚生病院の増築計画を発表した。70億円を投資し、現在の敷地内に1棟を増設。緩和ケア施設(ホスピス、25床)を設けるほか、個室を80床から155床に倍増させる。完成予定は11年7月。
新病棟は地下1階、地上6階の鉄筋コンクリート造りで、延べ床面積は1万2000平方メートル。同病院は4月、地域がん診療連携拠点病院の指定を厚生労働省から受けている。緩和ケア施設は主に末期がん患者を対象にした終末医療に当たり、奥野岩雄会長は「がん治療のさらなる充実を図りたい」と意気込む。
新病棟には健診センターも移設予定。人間ドックの受診者を現行の1日70人から100人に拡大。女性用施設を分離し男女が全日受診できる。サービス向上と収益性の向上を狙う。
3.徳洲会グループ:病気腎移植、再開へ
毎日新聞社2009年6月30日
宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(68)らが、がん治療などのため摘出した腎臓を別の患者に移植していた病気腎移植問題で、徳洲会グループが早ければ7月にも病気腎移植を臨床研究として再開することが30日、分かった。
同グループによると、内外部の医療専門家らで構成する「徳洲会グループ共同倫理委員会」が7月中旬に開かれ、病気腎移植手術の臨床研究の計画書が承認される見通し。病気腎の提供を呼び掛けている内外の病院でドナーが出た場合、同グループの判定委員会でインフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)などが適切になされているかなどを審査した後、臨床研究として病気腎移植が実施される。
移植手術は、ドナーのいる病院の場所などにより、東京西徳洲会病院(東京都昭島市)、宇和島徳洲会病院のどちらかで行われる予定で、万波医師が手術を担当するケースもありうるという。
厚生労働省は07年7月、臓器移植法の運用指針を改正して臨床研究を除いて病気腎移植を禁止したが、臨床研究としては病気腎移植を制限しないことを今年1月に全国に通知している。
4.あごの骨の壊死 がんや骨粗しょう症治療薬の副作用で発症する可能性…
毎日新聞社2009年6月30日
あごの骨の壊死 がんや骨粗しょう症治療薬の副作用で発症する可能性。厚労省も注意を呼びかける。
◇「骨を守る薬」が逆に 投与中の歯科治療注意
◇口の中の違和感/歯ぐきに骨露出/歯の脱落…
問題が指摘される薬は「ビスフォスフォネート」系薬剤。発症率は高くないが、治りにくく、重症化して生活に支障の出る人もいる。厚生労働省も5月、「重篤副作用」として、対応マニュアルを策定した。
●破骨・骨芽細胞が死滅
骨は一見、無機質なカルシウムの塊のようだが、実は骨を壊し続ける「破骨細胞」と、骨を再構成する「骨芽(こつが)細胞」という2種類の細胞活動が均衡を保ち、常に生まれ変わっている。この両細胞が死滅するのが骨の壊死(えし)。「腐骨」と呼ばれる残骸(ざんがい)が異物として体外に吐き出されたり、雑菌の温床となって化膿(かのう)する。
ビスフォスフォネートは、骨粗しょう症の飲み薬として一般的なほか、乳がんや前立腺がんなどの骨への転移を防いだり、骨髄腫などの注射薬としても広く使われる薬の総称だ。この「骨を守る薬」が逆にあごの骨を壊死させたと03年、米国で初めて報告され、3年後には報告が世界で2500人を超えた。
●発症率、注射で1%
詳しい原因は不明で、発症率は注射で1%前後、飲み薬で0・01~0・04%とする豪州の調査もある。注射と飲み薬では骨への吸収量が約50倍違うためらしい。
歯ぐきなどに骨の一部が露出したり、腫れたり痛むといった症状が多いが、症状がない場合や「なんとなく口の中に違和感がある」程度のこともある。重症になると、上あごに大きな穴が開き、口から鼻へ水などが入ったり、歯が抜け落ちる場合もあるという。
国内初報告を行った社会保険船橋中央病院(千葉県船橋市)の高橋喜久雄副院長(歯科口腔(こうくう)外科)は05年、口の中の皮膚が破れ、上あごの骨の一部が露出した81歳の女性患者を初めて診た際、「転移がんと思って疑わず、何度も精密検査した」と話す。当時、患者は乳がんの転移を防ぐためビスフォスフォネートの注射を受けていたが、薬の副作用は想像外だったという。
米の報告例を知って他の薬に切り替えたところ、2年後に約6センチの骨片がポロリと取れて口の中は元に戻った。しかし、これは良い例で、有効な治療法はまだないのが現状だ。一定期間休薬したり、うがいや化膿止めで口の中を清潔に保って経過を見る治療が主だという。
●糖尿病患者も要注意
不思議にも、壊死が起きるのはあごの骨だけだ。高橋医師は、もともと口の中は常在菌が多いほか、あごの骨を覆う口の中の皮膚は薄く、歯の周囲から感染が骨に及びやすいといった条件が重なるためだと推定する。
このため、ビスフォスフォネートの投与中に抜歯やインプラント、歯槽膿漏などの歯科治療を受けた人は特に注意が必要だという。抜歯後には発症率が8~9倍上がるとの調査もあり、厚労省のマニュアルでは、若年性リウマチなどでステロイド薬を併用している人や糖尿病患者も要注意とされる。予防が重要で、患者はビスフォスフォネートを使っていることを歯科医に必ず言うこと、年1、2回は歯科検診を受け、常に口の衛生状態に気をつけること--と高橋医師は説明する。
最近では、骨が壊れると成分のコラーゲンが溶け出すため、血液中のコラーゲン濃度を測って適切な休薬期間を取る予防法の研究も始まった。一方で、米国で07年、骨粗しょう症の注射薬が認可されるなど、骨への吸収力を高めた薬の開発も進んでおり、「今後より一層注意が必要になる」と高橋医師は訴える。
■早期発見のポイント
・口の中の痛みがなかなか治まらない
・歯ぐきに白や灰色の硬いものが出てきた
・あごが腫れてきた
・下くちびるがしびれた感じがする
・歯がぐらついてきて、自然に抜けた
→すぐに医師や歯科医に相談を
■主な予防・治療策
・ビスフォスフォネート投与前に歯科を受診し、抜歯など必要な治療は済ませておく
・歯磨きやうがいを行い、口の中の衛生状態に気をつける
・定期的に歯科検診を受け、口の中をチェックしてもらう
(骨壊死が始まっている場合)
・化膿や痛みがあれば抗菌薬で治療する
・医師に十分相談した上で可能ならビスフォスフォネートの投薬を一時休止する
・腐骨を切除する
=厚生労働省マニュアルより
5.DNAチップ研、大腸がん転移予測する遺伝子検査チップ開発
化学工業日報社2009年6月30日
DNAチップ研究所は、大腸がんの転移を予測する遺伝子検査チップを開発した。手術時にステージ2大腸がんの異時性転移を予測するチップで、大阪大学大学院医学研究科と長期研究を進め、ここ数年間チップ開発に取り組んできた。トレーニングセットで150例を対象にした試験で、正診率は77%と有用性を確認している。臨床応用に向け、今年度中にまず阪大での先進医療化を目指す。 DNAチップ研はRNA解析でがんの転移を予測することに着目し、阪大とは十数年来の共同研究を行っている。大腸がんで約4000症例のサンプルをこれまでに集積しており、がんが大腸壁の筋肉の層を超えてはいるがリンパ節転移のないステージⅡ大腸がん300症例を対象に、転移予測チップの前向き試験も実施している。
6.新型インフル、不気味な拡大
読売新聞社2009年6月30日
米CDC「真夏に消滅」撤回
新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の感染者が、世界で増え続けている。世界保健機関(WHO)がウイルスの警戒水準を「フェーズ6」に引き上げ、世界的大流行を宣言してから半月余り。
ウイルスが活発化する冬に入った南半球だけでなく、夏を迎える北半球でもウイルスは依然、広がっており、病原性を増すようなウイルスの変化にも警戒を怠れない。(ワシントン 山田哲朗、バンコク 田原徳容、ジャカルタ 林英彰、ジュネーブ 平本秀樹)
南半球で急増
新型インフルエンザが最初に発生したメキシコのリゾート地カンクンで7月1~3日、WHOのマーガレット・チャン事務局長や日本の厚生労働省幹部も参加して、国際会議が開かれる。新型インフルエンザ対策を練り直すのが狙いだ。
メキシコと共に最初に感染が広がった米国は、感染が確認された人が2万人を超えており、今も世界最大の感染国だ。米疾病対策センター(CDC)による25日の集計では、感染者は1週間前より6000人以上増え、感染の勢いは加速している。
CDCは当初、「北半球でウイルスは、真夏になれば消える」と予測したが、秋冬の流行シーズンまでじりじりと感染が続くとの見通しに改めた。CDCは26日、受診していない軽症患者を入れると全米の感染者はすでに100万人以上に上るとの推計を示した。
南半球では、感染拡大の勢いはさらに著しい。WHOによると、豪州と南米アルゼンチン、チリの3か国の感染者の合計は、26日までの1週間で3600人増えて、9800人を超えた。人口当たりだと、米国の2倍以上のテンポだ。
28日実施のアルゼンチン議会選挙では、マスクをかけて投票する有権者が目立った。
同じ南半球でも、サハラ以南のアフリカ地域では、感染例は今のところごく少ない。だが、医療関係者の間で、貧困ゆえに病院に行けない住民の間に、流行がすでに広がっているのではないかと危惧されている。
東南アジア諸国連合(ASEAN)地域では、加盟10か国すべてで新型インフルエンザ感染者が確認されている。タイやフィリピン、シンガポールでは、連日数十~百数十人のペースで感染者が増えている。特に学校や飲食店、軍施設での集団感染が目立つ。
フィリピンでは、死亡した感染者が下院の職員だったため、23日以後、下院が閉鎖されている。
ASEANの中でも所得水準が低い、カンボジアやラオス、ミャンマーで6月下旬に最初の感染者が出た。カンボジア保健省の担当者は「爆発的に増えれば対応が難しい。先進国の支援が必要」と訴えた。
「鳥」との混合警戒 インドネシア上陸
インドネシアでは24日、2人の感染例が初めて確認され、感染者は28日に8人に増えた。
インドネシアは、高い致死率を持つ強毒性の鳥インフルエンザの世界最大の流行地域で、4年ほどの間に100人以上が死亡している。鳥インフルエンザは今年も中部ジャワ州プルバリンガ県の20村で鶏へ感染が広がっている。新型インフルエンザの上陸で、二つのウイルスが混ざり合い、致死率、感染力ともに強力な新たなウイルスが出現する可能性が懸念されている。
永井美之・理化学研究所感染症研究ネットワーク支援センター長は、「理論的に、新型インフルエンザとH5N1型鳥インフルエンザのウイルスが、豚や人の体内で混じり合って新しいウイルスが生まれる可能性がある」と指摘する。
チャンWHO事務局長は25日、記者団に、「ウイルスの動きはまったく予測できない」と述べ、ウイルス遺伝子の監視に力を入れていく方針を強調した。
国内「長期戦覚悟」
国内では、関西での新型インフルエンザの感染が一時のピークを過ぎた後も、各地で感染者が相次いで見つかっている。厚生労働省などによると、感染者数は29日午前11時現在で42都道府県1214人(検疫、在日米軍基地を含む)に達した。世界的にみても9番目(26日現在)に多いという。
6月に入って気温が上昇しても感染が続き、20歳代以下が感染者の8割を占めるなど、季節性インフルエンザと異なる傾向を示す。ただ、現時点で重症化した症例はなく、約7割はすでに治癒している。
岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長は「感染経路がはっきり分からないケースが増えている。地域的にもばらけており、感染がくすぶっている」として、今後も断続的に感染が広がると予想する。政府の諮問委員会委員長の尾身茂・自治医大教授も「秋冬に、感染が大きく広がる可能性が高い。長期戦の覚悟をした方がよい」と注意を呼びかける。
政府は秋以降の第2波に備え、感染者は原則、全医療機関で受診し、重症者以外は自宅療養とする方針を示した。新型向けのワクチンは、国内4メーカーが来月にも製造に着手する方針だ。
7.タミフル耐性初確認 デンマークの患者から
中日新聞社2009年6月30日
世界保健機関(WHO)は29日、デンマークの新型インフルエンザ感染者の中から、抗ウイルス剤タミフルに耐性を持つ初のウイルス検体が確認されたことを明らかにした。
タミフル投与はワクチンが完成していない現在、新型インフルエンザの治療で最も有効な手段だが、タミフルが効かないウイルスの感染が拡大すれば、対策の練り直しを迫られる恐れもある。
WHO当局者によると、耐性ウイルスはデンマークの軽症患者1人から確認された。患者は既に回復して元気になっている。ウイルスは同じH1N1型が突然変異したものだが、今のところ耐性ウイルスが拡大する兆しはみられないという。
WHOは加盟国間を結ぶ情報網を通じて耐性ウイルスの確認を伝達。拡大しないかどうかを注視する方針。
新型インフルエンザへの効果が確認されている抗ウイルス剤にはタミフルのほかにリレンザがあるが、流通量はタミフルの方が圧倒的に多い。耐性ウイルスが広がれば、リレンザの増産が必要になる可能性がある。
【ウイルスの薬剤耐性】 生体内でタミフルなどの抗ウイルス剤に長くさらされると、通常のウイルスは増殖できない一方で、わずかな遺伝子変異によってこの抗ウイルス剤が効かなくなったウイルスだけが生き残って多くを占めるようになる。こうした耐性ウイルスに感染すると治療が難しくなるため、医療関係者が発生を警戒している。
8.カネカ、間葉系幹細胞の分離機器を開発=再生医療事業の第一弾
時事通信社2009年6月30日
化学大手のカネカは29日、ヒト人工多能性幹(iPS)細胞などと並び、再生医療への応用が期待される間葉系幹細胞について、骨髄液などから効率的に分離、抽出する機器を京都大学再生医科学研究所と共同開発したと発表した。
9.増える臍帯血の私的保管 血液疾患の治療に有効 再生医療の可能性模索
共同通信社2009年6月30日
新生児のへその緒や胎盤に含まれ、白血病など血液疾患の治療に有効な臍帯血を、本人とその家族のために私的に保管する民間バンクの利用者が増えている。
▽受け皿
東京都港区のオフィスビルの一室。最高レベルの清浄度に保たれた室内で、白衣にマスク姿の技師が試験管を手に作業にあたる。民間臍帯血バンク「ステムセル研究所 」(坂井和夫社長)の細胞処理センターだ。全国の産科施設で採取された臍帯血は48時間以内にここに運ばれ、血液細胞の基になる造血幹細胞を分離。その後、横浜市の保管施設で零下196度で保管される。
同社は1999年設立。1年後の臍帯血保管数は129だったが、過去2年間は年に3千人分前後増え、今年5月で約1万6千人分を保管している。料金は細胞の分離費用が14万7千円、10年間の保管料が7万3500円(10年後の更新料も同額)で、全国約3500の産科施設で採取可能だ。
臍帯血保存に関しては、第三者への提供を目的とする全国11の公的バンクがあるが、同社の坂井社長は「公的バンクに寄付しようとしても、提携施設(約100カ所)以外では採取できない。当社は個人で保管したいという人の受け皿になっている」と話す。昨年3月には初めて同社が保管する臍帯血を使った白血病患者への姉妹間移植が行われた。
▽可能性
「将来何かがあった時に、自己臍帯血で病気が治るかもしれない。絶対ではないが『可能性』を保管していると思っている」。昨年11月に生まれた長男の臍帯血をステムセル研究所に保管している大阪市の会社役員男性(33)は話す。妻(37)が出産した病院で公・民両バンクの説明を受け、私的保管を選んだ。
同社によると、利用者が仮に血液疾患になっても、自己臍帯血が必ず使われるわけではない。血液疾患の治療法には、大まかに(1)抗がん剤や放射線による治療(2)骨髄移植(3)臍帯血移植―などの選択肢がある。病気の種類や状況によって、臍帯血移植でも非血縁者からの移植が適していると判断されれば、公的バンクを利用するという。
坂井社長は「あくまで保険のようなもの。保管しておくことで選択肢を一つ増やせる」と説明する。
現在、同社が力を入れているのは、再生医療で自己臍帯血を利用することだ。大阪市の夫婦も「再生医療の可能性と血液疾患への備えの両方を意識した」と話す。
▽すみ分け
同社によると、再生医療は臍帯血などに含まれる造血幹細胞を使って組織の機能を修復するもので、本人の血液が最適という。海外では小児脳性まひの子どもに本人の臍帯血を移植して症状が改善したとの症例が発表されている。「国内でも再生医療に使えるようになれば、公的バンクとの住み分けもできてくる」と坂井社長。
当初、民間バンクに懐疑的だった公的バンク側も見方を変えつつある。
公的バンクの連絡組織「日本さい帯血バンクネットワーク 」(東京都港区)の加藤俊一副会長は「再生医療の可能性は少しずつ明らかになりつつあるが、まだ臨床で使える状況にはなっていない」と強調。
その上で「他人の臍帯血を提供する公的バンクは重症の血液疾患患者のためにあり、再生医療の分野での活用を目指す民間バンクとは保管目的が違うということをはっきりさせたい。いずれにしろ、質のいいバンクができることで、患者さんの役に立つことが大切だ」としている。
10.内臓脂肪を増やし男性ホルモンも減らす、体の“酸化
共同通信社2009年6月30日
“抗酸化”という言葉を耳にする機会が増えているのではないだろうか。酸化とは文字通り「さびる」こと。体の中に入った酸素は、体内で栄養素と結びついてエネルギーを作り出すが、余った酸素が化学的に活性状態になると「活性酸素」となり、体を「さびさせる」。
その“酸化ストレス”により体の機能が正常に働かなくなり、糖尿病、高脂血症、動脈硬化やガンなどの原因となるとされる。白髪やシミ、シワなども活性酸素が影響し、最近では、体の老化そのものが「活性酸素によって体の細胞や組織が酸化して変質し、機能が衰えることが大きく関わる」といわれている。
その「酸化」に抗うことが抗酸化だ。
「酸化ストレスは、加齢によって増加するが、内臓脂肪や男性ホルモン(テストステロン)にも大きく関わりがあることがわかっている」というのは男性ホルモンに詳しい、帝京大学医学部付属病院泌尿器科の堀江重郎教授だ。
テストステロンが減少すると、中性脂肪やコレステロールの代謝が落ち、内臓脂肪や皮下脂肪が増える。同時に活性酸素も増えるという。逆に言えば、テストステロンの量を保ち、さらに増やすことで、代謝量が増え、活性酸素も減り、メタボの改善にもなる。
抗酸化食品でホルモン力もアップ
活性酸素は、加齢だけでなく、紫外線、喫煙、大気汚染、過度なストレスや激しいスポーツでも増えるといわれる。加齢は防げないが、そのような原因をなるべく取り除くことが大切で、また、酸化を防ぐ作用のある食品をとるのも効果的だという。
「抗酸化食品で有名なのはポリフェノール。赤ワインに含まれると話題になったが、それ以外でも多くの食品がある」と堀江教授はいう。
抗酸化作用がある植物由来の成分として注目されているのが、ポリフェノール、カロテノイド、サポニンなどだ。
ポリフェノールは、植物が光合成を行うときにできる苦みや渋みなどの色素成分で、ブルーベリーやビルベリーに含まれるアントシアニン、タマネギのケルセチン、緑茶のタンニンやカテキン、ゴマのリグナンなど様々な種類がある。
カロテノイドは、植物の黄色や赤の色素。緑黄色野菜に多く、トマトに含まれるリコピンや、ニンジンに多いβカロテンなどが知られている。
堀江教授によると「適度にスパイシーな食事もテストステロンを上げる」という。クローブやシナモンなど数種類ものスパイスが入ったカレー粉にも活性酸素除去作用があるという。
サポニンは大豆や豆類に多く含まれる成分で、血液中のコレステロールや中性脂肪を抑えるなどの効果が知られているが、最近では、お茶の花に含まれるサポニンが新たに発見され話題を呼んでいる。茶花から抽出したエキスに、フローラテアサポニン、チャカサポニンなど数種類のサポニンが含まれており、それらに様々な健康効果があることを京都薬科大学の吉川雅之教授らの研究グループがつきとめた。
特に注目したいのが、中性脂肪抑制効果だ。茶花に含まれるサポニンが、消化酵素のリパーゼの働きを阻害し、体内に脂肪がとり込まれるのを抑える働きがあるという。同時に、食べた物を胃から小腸に送り出すのを遅らせたり、小腸の動きを早める作用もあることがわかった。茶花エキスには、フラボノイドやカフェイン、微量のカテキンなども含まれており、それらの作用も期待できるという。
いつ飲んでも構わないが茶花の作用を考えると、食事の直前に飲むのが効果的。油っこい食事がやめられない人は茶花パワーを。食事と一緒にが、キーワードのようだ。
11.がんに挑む放射線治療、医療チームの意思疎通をITが支える
IT PRO2009年6月30日
日本人の死因の第一位は1981年以来現在、悪性新生物(がん)である。その治療方法の一つが、放射線治療だ。放射線によって、がん細胞の働きを殺し、成長と分裂を阻止する。放射線治療では、医師や看護師のほか放射線治療技師らがチームを組んで患者と向き合っていく。緻密な治療計画管理やチームメンバー間の情報共有を支える仕組みとして、ITの利用が進んでいる。
放射線治療は、病巣を切除する方法と異なり、組織を残せるため、乳がんや膀胱がんなどでは抗がん剤と組み合わせる温存療法として選ばれている。治療においては、放射線を照射する回数や部位を正確に管理しなければならない。放射線は、継続的に照射することで効果を発揮するからだ。しかし、同じ部位に照射し続けると、副作用が現れることもある。例えば肺がんの治療で、脊椎に悪影響が出るなどだ。
一般に放射線治療は、(1)治療方針の決定、(2)治療準備、(3)治療、(4)フォローアップ、といった流れで進む。医師が事前の検査などで医療方針を決定し、患者に治療方針を説明し、同意を得る。その後、放射線治療の計画・照射スケジュールを作成したり、正確に病巣に照射するための固定具を作成したりする。治療では複数回の照射の合間に診察し、経過を観察する。治療完了後は、再発がないかをフォローアップする。
患者の容体などで計画は常に変わる
しかし、照射計画が緻密なだけに、それを守るのは難しい。例えば、外来患者の場合、「急に都合が悪くなって病院に行けない」ことがあるし、入院患者の場合には「体調が悪くなって治療を受けられない」といったことが起こる。こうしたことが起こるたびに、照射計画は見直さなければならない。変更した計画は、治療にあたる医師や、看護師、実際に放射線を照射する放射線治療技師らで構成するチームの全員が把握しておく必要がある。
情報伝達・共有の徹底は、放射線治療においては、重要な業務の一つである。元々、診察や治療方針の決定は医師、放射線の照射は専門技師と、その業務が分かれているほか、婦人科や泌尿器科といった各診療科の診察室と放射線治療室は物理的に離れた場所にあるのが一般的である。「固定具を作成しました」「照射を明日に延期します」「予定通りに治療を始めます」といったやり取りは、治療期間中に何度も発生する。にもかかわらず、情報共有手段としては今も、手書きのメモが利用されている。メモの回覧が滞ると、情報が正しく伝わらないというリスクを抱えているわけだ。
チームのコミュニケーション支援が重要に
もちろん、放射線治療のための情報システムは構築されている。各診療科の医師が作成した電子カルテを基に、放射線治療の専門医らが、どのように治療を進めていくかの計画を立てたり、治療計画の進捗を管理したりするための仕組みである。このシステム上で、「何日間でどれだけ照射する」といった初期計画がどこまで進んでいるのか、照射を中止により最新の治療スケジュールがどう変更されたのか、などを医療チームの全メンバーが把握する。
ただ、多くの放射線治療向けの情報システムは、上記のような進捗管理機能が中心である。1990年台前半から放射線治療向けシステムを開発・販売しているAJSによれば、「今後は、医師や技師、看護師らが患者情報を共有するための、コミュニケーション機能が不可欠になるだろう」(関口信一 医療システム部担当部長)という。AJSは、旭化成の情報システム子会社として発足し、現在はITホールディングスグループ傘下にある。
AJSが、放射線治療向けシステム「Dr.View/RTiS」に搭載したコミュニケーション機能では、診療チームの書き込んだコメントを、時系列に沿って一覧表示できるようになった。例えば、7月15日に放射線を照射予定の患者がいる場合、技師が「準備完了」と書き込めば、医師と看護師はそれを画面上で確認できる。
治療計画決定の経緯を蓄積
情報のやり取りは口答でも可能だ。だが、院内の業務の合間に伝えたい相手を探して忘れずに伝えるのは簡単ではない。メモを使っても、上述したようなリスクが残る。これを、システム上でのやり取りに変えることで、伝え忘れや実施忘れが減らせることになる。加えて、どんなやり取りをしたかがシステム上に残るため、後から「どういうやり取りの結果、どんな決定をしたのか」が確認できる。
繁忙な医師やチームメンバーが利用しやすいよう、UI(ユーザーインタフェース)にも工夫した。患者の顔写真を取り込んで画面上部に配置することで、取り違えを防いだり、画面左側にある治療フローにおいて完了したステップには「●」を表示することで、患者の治療計画の進行度合いを直感的に把握できるようにしたり、である。
放射線治療自体が、ITの進歩による装置の高度化によって成り立っている。しかし、患者と直接に接する治療チームのメンバーのコミュニケーションを支え、治療現場の安全・信頼を高めているのもまたITである。
12.電磁石で血流からバクテリアを吸い出します
New Treatment Filters Bacteria From the Bloodstream with an Electromagnet
GIZMODO2009年6月30日
This may sound like something out of Iron Man, but
it's very real. Don Ingber has developed a machine
that uses an electromagnet to suck sepsis-causing
bacteria out of the blood.
In lab tests, Ingber's team mixed donor blood with
the fungus Candida albicans, a common cause
of sepsis, and added plastic-coated iron-oxide beads,
each a hundredth of a hair-width in diameter and covered with antibodies that seek out and attach to the fungus. Next they ran the mixture through the dialysis-like machine, which uses an electromagnet to pull the beads, and any pathogens stuck to them, from blood into a saline solution. The device removes 80 percent of the invaders-enough so that drugs could knock out the rest-in a couple of hours.
He still has to perform testing on animals to make sure it doesn't, you know, kill things, but it all looks quite promising. If it works for this bacteria, he's hoping to jigger the process to pull cancer cells from the body or harvest stem cells.
13.CTコロノグラフィーによるハイリスク群への大腸がん検診、陰性適中率96.3%
CareNet2009年6月30日
コンピュータ断層(CT)コロノグラフィーによるハイリスク群に対する大腸がん検診について、その陰性適中率は96.3%と高いことがわかった。一方、陽性適中率は、61.9%だった。平均的大腸がんリスクの集団に対する、CTコロノグラフィーによるスクリーニングは認められてきているが、ハイリスク集団については、その精度について情報が不足していたという。イタリアInstitute for Cancer Research and TreatmentのDaniele Regge氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年6月17日号で発表した。
6mm以上の腫瘍に関する感度85.3%、特異度87.8%
Regge氏らは、2004~2007年にかけて、イタリア11ヵ所の医療機関で検査を受けた、計937人について分析を行った。被験者は、一親等に進行がんの家族歴、本人に大腸腺腫の病歴、または便潜血検査で陽性のいずれかの、ハイリスク集団だった。研究グル-プは被験者に対し、CTコロノグラフィーと大腸内視鏡検査の両方を、同じ日に行った。
その結果、CTコロノグラフィーによる検診で、6mm以上の腫瘍を検出できたのは、177人中151人だった(感度85.3%、95%信頼区間:79.0~90.0)。逆に腫瘍のない人を陰性と正しく判断したのは、760人中667人だった(特異度87.8%、85.2~90.0)。
便潜血検査陽性グループでは陰性適中率は84.9%と低率
また、陽性適中率は61.9%(95%信頼区間:55.4~68.0)で、陰性適中率は96.3%(94.6~97.5)だった。ただし、ハイリスク群のうち便潜血検査で陽性だったグループについては、陰性適中率は84.9%(76.2~91.3)と有意に低率だった。
Regge D et al. Diagnostic accuracy of computed tomographic colonography for the detection of advanced neoplasia in individuals at increased risk of colorectal cancer. JAMA. 2009 Jun 17; 301(23): 2453-61.
14.B群連鎖球菌疾患はガイドライン改訂後に27%減少
日経メディカル2009年6月30日
2002年にガイドラインが改訂され、全妊娠女性を対象としたB群連鎖球菌(GBS)スクリーニング検査が勧告された米国では、GBS疾患の罹患率が、改訂前に比べ約27%減少し、生児出産1000件当たり0.32になったことが分かった。しかし、GBS疾患に罹患した正期産児の61.4%は、出産前のスクリーニングで陰性だった女性から出生していたことから、さらなる改善が望まれることも示された。米CDCのMelissa K. Van Dyke氏らの報告で、詳細はNEJM誌2009年6月18日号に掲載された。
侵襲性のGBS疾患は、生後1週間以内の新生児で最も多く見られる感染症の一つだ。1980年代に行われた臨床試験の結果、妊婦がGBS陽性だった場合には、出産時に抗菌薬を投与する化学予防を行えば、新生児の早期発症GBS疾患が予防できる可能性が示された。
続いて1990年代には、化学予防の有効性が明らかになった。2002年に米国ではガイドラインが改訂され、妊娠35~37週の妊婦にはスクリーニングとしてGBS培養検査を広範に行うこと、検査で陽性の場合は分娩時に化学予防を行うことが推奨された。
著者らは、ガイドラインに基づくスクリーニングと化学予防の実施状況を調べ、早期発症GBSをさらに減らすためにはどのような公衆衛生施策が有効かを知るために、後ろ向きコホート研究を行った。
侵襲性GBSは、Active Bacterial Core(ABC)サーベイランス(米国10州の住民ベースの監視システム)の監視対象の一つだ。そのためABCに登録されていた、03~04年出生(ガイドライン改訂後)の生産児と、98~99年出生(ガイドライン改定前)の生産児に関する情報を抽出した。
調査対象となった地域の03~04年の出産は81万9528件。うち254件が、新生児が生後7日未満でGBSを発症したとしてABCに登録されていた。GBS疾患を発症しなかった7437人を選んで出産に関わる記録を入手し、発症者254人の出産記録と合わせて以下の分析を行った。
早期発症GBS疾患の罹患率は、99~01年は生児出産1000件当たり0.47だったのに対し、ガイドライン改定後は1000件当たり0.32と、27%減少した。
GBSスクリーニングを受けた妊婦は、03~04年には85.0%(83.9-86.0%)で、98~99年の48.1%(95%信頼区間46.7-49.5)から増加していた。検査を受けた時期は、妊娠35週未満で検査が行われた女性が14.9%、35週以降に検査されていた女性は49.4%、出産のために入院した時点で検査を受けていた女性が2.8%、時期が不明だった女性が35.7%だった。
出産前に検査を受けた妊婦では、99.5%が培養検査を受けており、残りには迅速PCR検査などが適用されていた。陽性率は24.2%だった。
正期産の妊婦では89.3%が分娩前にスクリーニングを受けていた。スクリーニングを受けないまま出産するリスクが有意に高かったのは、妊婦管理が適切でなかったグループ(調整オッズ比3.07、2.51-3.77)、薬物濫用歴のあるグループ(1.72、1.13-2.62)、過去に生児出産歴があるグループ(1.92、1.56-2.35)などだった。
出産時に抗菌薬の投与を受けた妊婦は、98~99年の26.8%(25.3-28.2)に対し、03~04年には31.7%(30.4-33.0)に増加していた。
GBS化学予防に最も多く用いられていたのはペニシリンまたはアンピシリンで、GBS陽性で正期産だった女性の87.0%に行われていた。GBS陽性で早期産(37週未満の分娩)の女性では84.5%、GBSの保菌状態が不明で早期産の女性では63.4%だった。
生児出産1000件当たりの罹患率は早期産児が0.73、正期産児は0.26で、正期産児に比べ早期産児は早期発症GBS疾患の罹患率が高かった。しかし、早期発症GBS疾患の患者の74.4%(254人中189人)は正期産児だった。GBS疾患児の13.4%(254人中34人)は、正期産でスクリーニングを受けていなかった妊婦からの出生だった。
また、正期産児でGBS疾患だった生児の19.6%(189人中37人)は、スクリーニングで陽性判定を受けた妊婦の子供だったが、61.4%(189人中116人)はスクリーニングで陰性だった妊婦から出生していた。要因としては、スクリーニングの時期が適切でないことや、標本採取や培養過程などが考えられた。
ガイドライン改訂により、全妊娠女性を対象としたスクリーニングは広く実施されていた。スクリーニングに用いられる培養法は、結果が得られるまでに48時間かかるが、リアルタイムPCRならば45分程度で結果が出るため、早期産妊婦にはPCRを適用すればGBS疾患をさらに減らせるだろう。また、ワクチン開発のような新たな戦略の推進も必要であることを示唆した。今後は、早期産の管理を改善し、検査体制を整えれば、GBS疾患をさらに予防できる可能性がある。
原題は「Evaluation of Universal Antenatal Screening for Group B Streptococcus」
15.Depression, Anxiety Bad for the Heart
Two new studies show effects on angina and mortality
HealthDay News2009年6月29日
Two new studies show that problems with the mind can play a significant role in problems of the heart.
One study found that anxiety and depression can increase the incidence of angina, the chest pain that sends many people to the doctor, said Dr. Mark Sullivan, professor of psychiatry and behavioral sciences at the University of Washington, and senior author of one of the reports in the June 29 online issue of Circulation.
"The overwhelming focus in the United States has been on ischemia," the blockage of heart arteries, Sullivan said. "That is pretty unique in the world. The rest of the world takes a much more multi-modal approach to chest pain. Ischemia is not the only or most important cause of what patients are feeling."
Stress tests and similar measures are properly used to assess ischemia in people with angina, Sullivan said. "But in addition to the kind of diagnostic studies done with stress tests, patients who have a lot of angina should be screened for anxiety and depression, because they could be very cost-effective targets for intervention," he said.
To prove that point, Sullivan and his colleagues studied 191 people with known ischemia who underwent stress testing and heart imaging. They found that 36 percent reported no angina in the previous month, with 35 percent reporting monthly incidents.
Of the 30 percent who had daily or weekly angina, psychological assessments, including a self-reporting anxiety and depression questionnaire, showed that 44 percent had significant anxiety and two-thirds had significant depression.
It's not clear whether the psychological problems were heightening the effect of angina or vice versa, Sullivan said. What is clear is that physicians treating people with angina can use "fairly simple screening tests" to determine the presence of anxiety or depression and treat those conditions if necessary, he said.
"This is something many cardiologists tend not to be comfortable with," Sullivan said, so another physician could be called in to handle the problem. Referral to a psychiatrist is not necessary, because "at this point in time most primary-care physicians are comfortable with making an initial trial with treatment," he said.
The new study was not designed to show whether treatment by such measures as antidepressants could relieve chest pain, Sullivan said, but his group is considering such a trial.
Another report in the journal linked depression with poor outcomes for people with both heart failure, the progressive loss of ability to pump blood, and the abnormal heart rhythm called atrial fibrillation.
"Many studies have shown that depression is a predictor of mortality after a heart attack or in congestive heart failure," said study author Nancy Frasure-Smith, a senior research associate at the Montreal Heart Institute. "Most studies have shown that differences in severity of heart disease between people who are depressed or not depressed do not account for the difference. One hypothesis is that people who are depressed don't get as good treatment for their heart disease."
To test that hypothesis, Frasure-Smith and her colleagues assessed 974 people with heart disease for depression -- which was found in 32 percent of them -- and then assigned them to get either standard medical care or a heightened degree of care.
The study showed that "depression is at least an indicator of patients who are at higher risk of mortality even when given the best care we know how to," Frasure-Smith said.
Nevertheless, the case against extra care for such people is not proven because "there are no trials assessing treatment for depression in people with congestive heart disease and atrial fibrillation," she said. "Newer antidepressants are more effective, and if you give these people extra care, they may get better."
16.プレスリリース
1) 中外製薬「エポエチン ベータ(遺伝子組換え)」の第III相臨床試験で主要評価項目を達成
遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤「エポジン(R)注」がん化学療法施行に伴う貧血を対象とする第III相臨床試験で主要評価項目を達成
中外製薬株式会社[本社:東京都中央区/社長:永山 治](以下、中外製薬)は本日、がん化学療法施行に伴う貧血を予定適応症として開発中の遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤「エポジン(R)注」[一般名:エポエチン ベータ(遺伝子組換え)]の第III相臨床試験において、主要評価項目である理論輸血率*が有意に低下する結果が得られたことをお知らせします。
本試験は、がん化学療法施行により貧血を呈したがん患者さんを対象とした二重盲検比較試験で実施し、エポエチン ベータ(遺伝子組換え)36000IUまたはプラセボを週1回、12週間投与し、有効性、安全性を評価しました。エポエチン ベータ(遺伝子組換え)を投与した患者さんでは、主要評価項目の理論輸血率がプラセボを投与した患者さんと比較して有意に低下しました。また、エポエチン ベータ(遺伝子組換え)を投与した患者さんにおいて認められた副作用は、血圧上昇・高血圧、便秘、下痢等が主なものでした。
中外製薬は、がん領域を重点領域の一つとして位置付けています。がん化学療法施行時には骨髄抑制等により貧血が起こることがありますが、国内での治療選択肢は赤血球輸血のみにとどまっています。中外製薬は、がん化学療法に伴う貧血における新たな治療選択肢を患者さん・医療関係者に提供できるよう、承認取得に向けて取り組んでまいります。なお、本試験に基づく効能・効果の追加承認申請は2009 年中に実施の予定です。
* 投与開始4週後以降に赤血球輸血を施行またはヘモグロビン濃度が8.0g/dL 未満となる割合
2) 武田薬品、2型糖尿病治療薬アログリプチンのチアゾリジン系薬剤との併用効能追加を申請
日本における2型糖尿病治療薬アログリプチンのチアゾリジン系薬剤との併用効能追加申請およびピオグリタゾンとの合剤の製造販売承認申請について
当社は、本日、厚生労働省に、2型糖尿病治療薬アログリプチン(一般名、開発コード:SYR-322)について、チアゾリジン系薬剤との併用効能追加申請およびピオグリタゾン(一般名、製品名:アクトス(R))との合剤の製造販売承認申請を行いました。なお、当社は2008年9月29日に厚生労働省に、アログリプチン単剤の製造販売承認申請を行っており、現在、当局にて審査中です。[※1]
今回の併用効能追加申請ならびに合剤の製造販売承認申請は、国内外におけるアログリプチンとアクトスの併用臨床試験結果に基づいて行われています。
アログリプチンは、武田サンディエゴ株式会社(米国カリフォルニア州、当社の100%子会社)が創製した1日1回投与のDPP-4阻害薬であり、インスリン分泌を高めるホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)[※2]とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)[※2]を選択的に分解する酵素、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害することにより、それらの血中濃度を維持して血糖値を下げる薬剤です。一方、アクトスは、当社が世界に先駆けて発見したチアゾリジンジオン骨格を有する糖尿病治療剤で、2型糖尿病患者に特徴的な病態であるインスリン抵抗性を改善することによって効果を発揮します。
アログリプチンとチアゾリジン系薬剤との併用療法は、2型糖尿病の主な病態であるインスリン分泌低下ならびにインスリン抵抗性の改善に資することが期待されます。また、アログリプチンとアクトスの合剤は、患者さんの服薬利便性を向上することが可能になります。当社では、2型糖尿病の新たな治療オプションを、より多くの患者さんおよび医療関係者の方々にお届けできるよう取り組んでまいります。
[※1]米国におけるアログリプチン単剤の審査結果については、日本時間2009年6月27日に公表の通り、米国食品医薬品局(FDA)より、心血管系リスク評価に関する追加試験実施が必要であるとの通知がありました。
[※2]GLP-1およびGIPは食物摂取により消化管から分泌され、膵臓のβ細胞を刺激し、インスリン分泌を増加させるとともに、β細胞自体の機能を改善することが確認されています。
さらにGLP-1については、膵臓からのグルカゴンの分泌を抑制することにより、肝細胞での糖の産生を抑制するとともに、食欲抑制作用を有することが知られています。
3) カネカ、間葉系幹細胞の分離デバイスなど再生医療分野での事業を積極展開
― 間葉系幹細胞の抽出から培養まで、一貫した治療システムの確立を目指す ―
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:菅原公一)は、京都大学再生医科学研究所の戸口田淳也教授と共同で、再生医療での利用が期待されている間葉系幹細胞(MSC)(*1)を骨髄液などから効率よく抽出する分離機器(分離デバイス)の開発に成功した。当社が展開している血液浄化システムなどの医療機器の開発で培った独自の技術を活かして、本年10月に研究用の理化学機器として販売を開始する。更に、来年後半には医療機器としての製造販売を計画している。
*1 骨髄や脂肪組織に存在する未分化の細胞で体性幹細胞の一種。筋肉、骨、軟骨、脂肪など間葉系に属するさまざま細胞に分化できる能力を持ち、且つ自己複製の能力を持つ細胞である。自己の細胞が使えることにより、拒絶反応の心配がないのがメリットで、新型万能細胞(iPS細胞)や、胚性幹細胞(ES細胞)とともに再生医療での利用が期待される。
また、骨髄液から抽出したMSCを高度に増殖させる自動細胞培養装置の開発にも着手し、2年以内の製品化を目指す。分離デバイスと自動細胞培養装置とを組み合わせることにより、世界で初めてMSCの抽出から細胞の培養(増殖)まで、一貫した閉鎖系での治療システムが確立することになり、5年後の売上げとして10億円を見込む。これを機に再生医療分野における新規製品の開発を積極的に展開する。
現在、MSCを使用した細胞治療は、骨・軟骨・皮膚組織の再生や、心筋梗塞・脳梗塞に代表される虚血性疾患治療などにおける新たな治療法として臨床研究が始められている。これまでの骨髄液からMSCを抽出する方法としては、骨髄液を試験管に入れ、比重を利用した遠心分離を繰り返すことで採取する「密度勾配遠心法(フィコール法)」が一般的であったが、処理時間が長いこと(約90分~150分)に加え、開放系で処理するために異物が混入する可能性も高く、また作業者の経験・熟練度によって採取効率(収率)が大幅に異なるという課題があった(*2)。
*2 フィコール法とは別に、骨髄液からMSCを抽出するのでなく、骨髄液をそのまま細胞培養工程にかける「全骨髄播種法」も行われているが、培養効率が大きく低下するという問題がある。
今般開発に成功した当社の分離デバイスは、特定の不織布を使用し、MSCが繊維に付着する性質を利用して一度の処理でMSCを効率的に採取することが特徴である。作業時間は、10~20分間程度となり、フィコール法の約10分の1程度まで短縮される。また、分離して採取できる細胞数はフィコール法の5倍程度に達し、細胞の抽出効率が大幅にアップする。このため一定の細胞を採取するのに必要な骨髄液量も減らせ、ドナーから骨髄液を取り出す身体への負担も軽減される。更に、閉鎖系での処理が可能なため安全性についても非常に高い。
一方、自動細胞培養装置の開発については、本年3月に株式会社日立メディコ(本社:東京都千代田区、社長:浜松潔)より譲り受けた装置開発に関する技術・ノウハウを活用し、次の開発を進める。
1) 骨髄液などから得たMSCを培養する工程を自動化する(*3)と共に、培養フラスコ、バッグ、チューブからなる密封型細胞培養キットを使用することにより、汚染リスクが低減される装置をつくる。
*3 通常細胞培養に関しては、高度に清浄度が管理された専用施設のセル・プロセッシング・センター(CPC)で、培地交換、細胞回収などが手作業で行われ、培養細胞の品質が作業者の経験・熟練度に依存している場合が多い。自動培養装置の開発により、汚染リスクの大幅な低減に加え、CPC施設の整備・維持費用の低減、作業の標準化、省力化も可能になる。
2) 培地交換(*4)が培養開始時に設定したスケジュールに従い自動的に実施されると共に、培養中の細胞状態をリアルタイムで観察でき、また観察画像を自動で取得・保存する機能を持たせる。
*4 培地とは、微生物あるいは動植物の組織などを培養するために調製された液状または固体の物質。









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